ピサの斜塔

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ピサの斜塔

意外に好評な剣道ネタ、ということで実話「ピザの斜塔」について掲載します。(飛行機ばっかじゃなくておまえ自身の写真も載せい!とご指摘ありましたので、10年前の写真ですが掲載します、ごめんなさい)

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そのとき、私は白い霧のなかにいました。

明るい陽光が降り注ぐ幻想的な白い霧。半透明のベールに包まれ、心地よいさわやかさ(Blog29)にひたっていると、霧はだんだんとはれてゆき、ふと自分の左手が視界に入ってきました。

見ると、腕に割りばしが突き刺さっています。

RECONSTITUICAO(再現図)は→写真A参照

その時の印象は、「ピサの斜塔か?へんななー」でした。(写真Bご参照)

さらに視界が開けてゆくと、まず目に入ったのが自分の腹に装着した「胴」そして「垂」。右手で「胴」をこんこん、と叩いてみて、そうかついさっきまで自分は剣道の試合をしていたんだと思いだしました。

気が付くと私は試合場コート隅の観客席にぽけっと座っていたのでした。面や小手を外していたということはすでに敗退して退場していたのですね。

つまり、左手に刺さっていたのは「わりばし」ではなく「竹刀の破片」だったということにようやく気が付きました。試合相手に悪いことをしたなあ。だって試合に持ってくる竹刀というのは何か月も油をひいたりして大切に準備してきたお気に入りで、それを私の腕でぶちおってしまったということですから。。。

試合の記憶がよみがえってきました。最初はいちおう敏捷に?お互い立ち回っていたが、しまった一本とられた!段階で面と見せて遠間から飛び込み胴!で互角に持ち直しました。

問題は、この段階で両者ともに体力を使い果たしており、息は絶え絶え、手足は乳酸?の痛みと疲れで石のように固まってしまい、ろくに技も出せない状態になっていました。よくテレビで「ブラジルXボリビア」をやっているとき、最初は軽快に走っていたセレソンが高山病?にやられ、次第に酔っぱらいのようになってゆき「お前ら歩いてんのか走ってんのか、まじめにやれあゴルァ!(#゚Д゚)!!」みたいになるような感じです。

さて試合は一向におわらない、相手も必死になって「ハエのとまるような」打ちをだしてくるのを、こちらでもへなちょことわかる受けでようやくかわしたりしながら、ぐわああ息ができんからだがきしむはやく試合終わってくれ(たぶん観客もものすごくもどかしい思いで試合見ていたとおもいます)、残るは気合いで「ふんぬおー!ひでぶっ!」というところで記憶は途絶えてしまいました。

そして気が付くと、そのとき私は霧の中にいました。。。

というわけで、終わってみればなかなか楽しい展開であった、これでみんなに話せるネタができたぞーなんて選手にあるまじき喜びに浸ったのでした。

 

それから何年もたち、竹刀の刺さった跡がほとんどなくなってしまったのがちょっと残念ですねー。割りばしをみると思いだす楽しい思い出でした。ちゃんちゃん。

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