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こんな飛行機に乗っています

どんな飛行機に乗っているの?とよく聞かれます。

小さなLSAに乗っています。と答えるのですが、みなさんそこで一瞬フリーズします。

LSAってなに?

軽い軽飛行機のことです、と小学生みたいな、でも真実そのものの説明をするのですが、みなさんはいよいよ、(・◇・)????となるのでした。

というわけで、軽い軽飛行機ってなに?ということの説明を試みます。

例えば零戦はこんな飛行機です、と説明するのにグラマンと比べると説明しやすいように、なんか僕の乗っている「RANS COYOTE(以下こよーて)」と比較するいい飛行機がないかなーと思ったら、ちゃんとありました。

その名も「パイパースーパーカブ」

ともかく、外見だけでもまずは「こよーて」と「スーパーカブ」を比べてみましょう

こよーて(上)とスーパーカブ(下)https://www.airliners.net/photo/Untitled/Piper-PA-18-150-Super-Cub/1112500
 

 

なあんだ、両方ともセスナじゃん。

いやいや、セスナに似ていますが、セスナじゃないんですよ。

こんがらかるので、とりあえずセスナは忘れて、両方ともセスナみたいな高翼のチープな単発プロペラ機、と理解いただければよいと思います。

 

なぜスーパーカブを引き合いに出したか。

ひとこと「世界のだれもが認めるこれ以上ない名機」だからです。レファレンスとなる名機に比べられれば「こよーて」も光栄なり、という意味で、お手本としました。

ちなみに、「名機」の定義は人により異なり。零戦は駄作だがF6Fは最高の名機だ、という人はまさかいないでしょうが、いたとしてもそれはその人の勝手です。

でも、スーパーカブについては、飛行機乗りならだれでも「世界の名機」と称賛を惜しまない飛行機なのです。

飛行機乗りでスーパーカブを名機だといわない人は、はっきり言って自分で何らかの飛行機を操縦して空を飛んだことのない人でしょう。

 

というわけで、比較いってみます

実は、「スーパーカブとこよーてを比べてみい」とGoogleジェミニに聞いた内容ですが、なるほどこよーてについてはなかなかうなづける内容であり、スーパーカブについてもみなさん知らなかった!なんて発見もあるとおもうので、面白おかしく編集しますが以下の通りです。

                                      

 

質問:スーパーカブの飛行特性とRANS Supercoyote(ES Wing)の飛行特性はどの程度違うでしょうか

 

回答(下線部分が回答そのもの。その下におもしろ解説です):

「スーパーカブ(Piper PA-18)とRANS S-6スーパーコヨーテ(ES Wing)の飛行特性は、外見上のカテゴリー(高翼式)は同じですが、機体重量、制御応答性において大きく異なります。

S-6スーパーコヨーテは、PA-18よりも軽量で軽快であり、特に操縦の応答性(ロールレート)が速いのが特徴です。」

へえええー!こよーてのほうが敏捷だった?

 

 

 

機体重量(空虚重量)

スーパーカブ:450キロ

こよーて:270キロ

重量差:1.66倍

 

あれ、どこかで見たぞ?この数字をだいたい10倍にすると。。。。(全備重量)

グラマンF6F:5,704キロ

零戦:2,733キロ

重量差:2.08倍

 

ええええー?、カブってそんなに重かったっけ?零戦とグラマン、まではいかないにしても、それにちかいじゃん?

いかにこよーてが「ひ弱なひょろっ傑」かということが浮き彫りになってしまった。だって、スーパーカブだって「軽い飛行機の代表選手」ですからねえ。。。

コヨーテに乗るのが怖くなってしまいました

 

気を取り直して、制御応答性です。

「スーパーカブ: 構造が頑丈で重く、制御系統が伝統的なため、操縦感覚は重く、ロール(横転)の応答は比較的穏やかです。乱気流の中でも安定しやすく、パイロットの操作に対する許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)です。

RANS S-6 (Rotax機): 複合材や軽量な構造材を使用し、エンジンも軽いため、非常に軽快で応答性がクイックです。特にエルロンによるロールレートが速く、空のスポーツカーのような感覚です。しかし、機体が軽いため、乱気流や突風に対してPA-18より敏感に反応し、常に積極的な操縦(”Fly the plane”)が求められます。」

 

「頑丈で重く、制御系統が伝統的」ってなにを言いたいんだジェミニ?

いろいろ更問したら、だいたい以下の通りになった。

◎スーパーカブのほうは、グライダーを引っ張ったりとか力仕事も多いので、こよーてと同じ鋼管布張りでも、鋼管の肉厚が違った。

◎制御系統もケーブル主体で、こよーてがコンロッドを多用しているのに比べ昔ながらの仕様です

ということらしい。

ふむふむ興味深いですねえ。

コヨーテのコンロッド
 

 

いきおい「操縦感覚は重く、ロール(横転)の応答は比較的穏やか」というのは理解でき。

一方「乱気流の中でも安定しやすく、パイロットの操作に対する許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)です。」というのはちょっと?

あくまで、こよーてに比べて、ということなんでしょうねえ。だって、確かにコヨーテの倍近い重さがあるにしても、カブみたいな小さな飛行機が「乱気流の中でも安定」なんてありえないですよねー

さらには「許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)」に至っては、取りようによってはスーパーカブへの侮辱になりかねないので、ちょっと補足します。

そもそも、カブというのは「決して操縦の優しい飛行機ではない。しかし、三舵のバランスがよくて、ちゃんと操縦ができる奴なら、自分の手足のように動いてくれる。カブで学んだ飛行機乗りは基本がしっかりしている」(高橋淳さんというジェネアビの神によるご意見の受け売り)ことから、許容度とか破綻しにくいとかだとセスナになるとおもいます。

 

おっとまたセスナだ。今回の記事ではセスナは忘れて、ずんずんカブとの比較いきます

「RANS S-6 (Rotax機): 複合材や軽量な構造材を使用し、エンジンも軽いため、非常に軽快で応答性がクイックです。特にエルロンによるロールレートが速く、空のスポーツカーのような感覚です。しかし、機体が軽いため、乱気流や突風に対してPA-18より敏感に反応し、常に積極的な操縦(”Fly the plane”)が求められます。」

どん亀のこよーてを「空のスポーツカー」と言ってくれてありがとうジェミニ!

感動しました。うるうる。。。。

確かに、スーパーカブに比べてもコヨーテは乱気流に弱い、まっすぐ飛んでくれん、というのはわかった。でも、エルロンによるロールレートがいいというのはやっぱりうれしいでつねー一方で、スーパーカブがフォワードスリップで着陸してくるのをみると、戦闘機みたいなキレがあり。やっぱりカブ乗りは神だなーと感心するのでした。

カブのフォワードスリップ

こちらも神着陸→https://www.youtube.com/shorts/0bz7Wt2EfPE

 

 

あと、両者の大きな違いがエンジン。

エンジン以前に、こよーてはエンジンフードが複合材「ガラス繊維」でずるっこ成型しています。スーパーカブのほうはアルミニウム合金。

「スーパーカブ: Lycomingエンジンは低速・高トルクが特徴で、固定ピッチプロペラ(または改造可変ピッチ)と相まって、低速でのパワフルな引きを提供し、STOL時の力強さにつながります。巡航速度は控えめです。

RANS S-6: Rotax 912エンジンは、その軽さから機体のSTOL性能向上に貢献しつつ、スーパーカブに比べて高回転型です。これにより、スーパーカブとほぼ同じか少し速い程度の巡航速度を発揮でき、移動性が向上しています。」

 

このへんはこよーてのほうがメンテがしやすいとの理解。一方、高回転型でエンジンの作動はなめらかですが、プロペラ回転に合わせるために減速歯車を噛ませる必要があり。この歯車がほにゃららになったときに何が起こるかはこちらをご参照→頓死するところでした

 

この記事に書いていなかったところで、カブとこよーての最大の相違点は、カブが尾輪式であること。こよーてのほうは前輪式、尾輪式とあり、ぼくの乗っているのは前輪式ですが、尾輪式に改造しようかな、なんてたくらみも持っています。

 

 

飛行機ごっこから本物のスポーツとしてのフライトへ進化する関門の一つに、尾輪式を乗りこなせるかどうかがあり。でも、カブに比べても安定性がないといわれてしまったこよーて。おとなしく前輪式のままにしといたほうがいいかも。。。

 

ではでは

 

Posted by 猫機長
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ジェミニくんと対話。乱気流下の着陸について

 

 

Google Geminiに以下の質問をしてみました。下線部分がじぇみにくんの回答。その他がぼくの質問やコメントです。

質問

軽飛行機の操縦について、乱気流下での着陸は、通常の着陸速度の10%を上乗せした速度でとされていますが、現実的には、20ノットのガストを正面と言わず斜め前などから食らった場合、10%も上乗せした速度ではガストの瞬間風速も加わり大きくバルーニングしてしまいます。容易に対気速度が上がってしまうため、接地しても高い速度となり、かえってポーポイズを誘発するのではないでしょうか。むしろ、通常の速度ぎりぎりまで低下させ、なるべく地表近くまで機体を持って行き、機首上げでガストがきても機体速度が失速状態のためこれ以上持ち上げられず、ガストが止まるあるいは瞬間的に風速が落ちても、地表近くであるため落着ではあってもメインギアから降りてポーポイズは防げると考えるのですがいかがでしょうか。

*ごさんこうまで、穏やかな気流での実際の着陸を録画しました。

ほんとうは上の写真の通り左側の座席にいますが、自撮りなので、動画では反転して右側になっちゃってます。ご了承おねがいします。

 

 

Geminiの回答

軽飛行機の乱気流下での着陸に関するご質問、非常に興味深い実践的な視点ですね。

興味深いとか実践的とか、なぜもちあげるのか?じぇみに。

ご指摘の通り、乱気流、特に強いガスト下での着陸は非常に難易度が高く、一般的に言われる「通常速度+10%」という侵入速度のルールは、ガイドラインであり、状況によっては必ずしも最適解とは言えません。

速度上乗せの目的と問題点

目的::失速防止です。強い下降気流やガストによる速度変動で、対気速度が急激に低下し、失速に至るリスクを軽減するためです。
問題点:強いガストを受けた際に、速度が急激に増加し、バルーニング(機体が浮き上がること)や、着陸後の速度過多によるポーポイズ(前後のバウンド)を誘発するリスクがあります。地面効果が効き始める高度では、この傾向が顕著になります。

「地面効果が効き始める高度」というのは新鮮な回答。

提案されたアプローチの考察

このアプローチは、非常に理にかなっており、特に強いガストが予想される場合の高度なテクニックとして有効な場合があります。

「理にかなっている」は正直安堵。問題は「高度な」に「場合があります」だと、困難な操作で、いつでもできる対応策ではなくなってしまうんですよね。。。。

利点:

バルーニングの抑制: 速度を抑えているため、ガストを受けても速度の増加幅が小さく、バルーニングしにくい。
ポーポイズの回避: 低速で接地するため、着陸後の速度過多によるポーポイズのリスクを低減できる。
メインギアからの接地:これは、ポーポイズを誘発しにくい理想的な着陸姿勢です。

欠点とリスク:

失速リスク: 速度をぎりぎりまで下げるため、ガストや風の変動によって、失速に陥るリスクが高まります。特に、ガストが弱まった瞬間に速度が急減し、コントロールを失う可能性があります。
急激な降下: ガストが弱まった際に、機体が急激に沈下し、ハードランディング(強い衝撃を伴う着陸)になる可能性があります。
高度な操縦技術:機体の特性を熟知し、風の状況を的確に読み取る高度な操縦技術が必要です。通常のパイロットが安易に試すべきではありません。

「高度な」の一言がうざい。フツーの降り方ではなく、ひねくれたやりかただぞ、といいたいのかジェミニ?

 

*これも穏やかな気流で、コクピット目線から1分の動画を作っています。着陸って、一回一回がアートですよね。。。。

こちらからご視聴ください→ https://www.youtube.com/watch?v=yZcao-SFzXY
 

 

総合的な着陸テクニック

現実的な乱気流下での着陸では、状況に応じて使い分けることが重要です。

通常ルール(+10%)の適用: 比較的穏やかな乱気流で、ガストの変動が予測可能な場合。速度に余裕を持たせることで、安全性を確保します。
ご質問者様のアプローチの適用: 20ノット以上の強いガストが不規則に吹くような、非常に困難な状況。特に、着陸直前の高度で強いガストが予想される場合。ただし、このアプローチは失速のリスクを伴うため、高度な判断と技術が求められます。

「穏やかな乱気流」なんてあったっけ?

重要なポイント

最も重要なのは、機体のエネルギー管理です。

侵入速度: 速度の上乗せは、失速防止のための保険です。ただし、速度を上乗せしすぎると、着陸後のコントロールが難しくなります。

「着陸後」というのは初耳。尾輪式はともかく、前輪式なら、とにかく地面をつかんでしまえは後はどうとでもなるはずだが?

 

パワーの調整: 乱気流下では、スロットルによるパワー調整が非常に重要です。ガストを受けて速度が増加したらパワーを絞り、速度が低下したらパワーを足すという、きめ細かなパワーコントロールが必要です。

これは。。。。パイロットではないことが露呈したぞジェミニ!(説明は後ほど)

 

フレアのタイミング: 乱気流下では、地表付近の風の状況が刻々と変わります。フレアは、風が比較的安定しているタイミングで行うか、あるいは、ご質問者様が提案されたように、低速で地面に近づけるアプローチも有効な場合があります。

「低速で地面に近づけるアプローチ」すなわち「フレアを効かせて地上3寸で失速」のつもりだったんですけど。。。

 

着陸のやり直し(ゴーアラウンド): 無理な着陸は最大の危険です。迷わずゴーアラウンド(着陸を中止して再進入)することが、最も安全な選択肢です。

へいへい、そのとおりです

 

結論として、

ご提案は、乱気流下での着陸における非常に高度で実践的なアプローチであり、一般論だけでは語れない現実的な課題を的確に指摘しています。特に強いガスト下では、ご提案のような、より細やかな速度と高度の管理が有効になる場合があります。

しかし、このアプローチは失速のリスクという大きな危険をはらんでいるため、安易に試すべきではなく、豊富な経験と高度な判断力が求められます。乱気流下での着陸は、絶対的な正解があるわけではなく、その時の風の状況、機体の特性、そしてパイロットの技量に応じて、最適なアプローチを選択することが求められます。

結論として、

「オマエ(猫機長)が言っているのは、せいぜい試合テクのクズなアプローチであり、大きな危険をはらんでいる。オマエのようなクズな未熟者がやったら、4ぬぞ」

ということなのだった。

正論の裏をかくような質問をする方が間違っているのであり、本当はジェミニも堂々と「クズ野郎!狂った質問をするな!」と回答すべきなのですが、そうするとクズではあってもお金は持っている多数のお客様が潮を引くように去ってしまうので、やれ「興味深い」だの「実践的」だのともちあげておいて、一方ではちゃあんと「絶対的な正解はなく、パイロットの技量に応じて、最適なアプローチを選択することが求められます。」と責任逃れにも余念がないのだった。ははは

みなさん「毒薬口に甘し」ですよージェミニはじめチャットボットのおだてにのらないようにしましょうね。

なぜジェミニが飛行機乗りではないことが露呈してしまったのか。

「パワーの調整: 乱気流下では、スロットルによるパワー調整が非常に重要です。」

「乱気流下」という余計な一言がすべてを台なしにしてしまった。

滑走路にたたきつけられそうになったり、いきなり3メートルだの滑走路目前で吹き上げられたりしているときには、飛行機の挙動に対し反射的に3舵とスロットルの操作が必要であって、よりによって20ノットのガストを議論しているときに、お役所的にこういう文言を出してくるところで、「畳の上の水練。こいつ飛行機に乗ってねーな」と取られてしまうのでした。ははは

これが「教条的にはスロットル操作が重要ですが、20ノット越えのガストにおいては人間の反射神経は追いついていけないので、ゴーアラウンドして別の滑走路を探してください」だったら別ですけどねー

あと、じぇみにの限界というか、「軽飛行機」で終わってしまっており。ぼくのコヨーテは、こうした場面での着陸を一番苦手とするフェザー級ですが、同じ軽飛行機でもちょっとした気流なんてへでもないRV9みたいな重量級もおり。回答も相当違ったものになるといった点はチャットボットを使いこなすうえで重要と思います。

「空のキャデラック」RV9
 

 

「空の三輪車」コヨーテ
 

3000字レベルに抑えるため、じぇみにくんの回答をかなり削りました。この記事が飛行機好きのみなさんの興味を湧き立たせることができたなら幸いです。

ではでは

 

Posted by 猫機長
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軽飛行機のエンジンについて

軽飛行機といっても、きょうび実機とLSAに大別され。この記事ではLSAすなわち軽量スポーツ航空機のエンジンについてです。

LSAは、大体がライカミング系の「恐竜エンジン」か、ROTAXの「創作料理エンジン」に分かれます。

恐竜系は、第二次大戦のさらに前の30年代からのクラッシックな飛行機たちに装着されたエンジンを、ほとんどそのまま現在も継承しているもの。LSAが生まれる以前の実機はほぼすべてこれで、日本のエアロスバルもライカミングのエンジンを積んでいます。

エアロスバルhttps://trafficnews.jp/post/121378
 

 

エンジンhttps://a15ff11300g.sakura.ne.jp/miniature%20car/nichimo%20fuji%20FA-200%20aerosubaru.html
 

 

航空業界というのは、最先端技術をふんだんに取り入れているようで、実はものすごく保守的でもあり。

その辺を飛行していて、あれエンジンの調子が?、というときに、車と違って路肩に駐車、なんてできない飛行機は、エンジンもともかく壊れないで回ってくれるということが最優先され。

それには、やっぱり実績のあるエンジンが。。。ということで、恐竜エンジンが今日も重宝されています。

いつぞや、ルマン24時間耐久レースでなかなか勝てない日本のメーカーチームが、血眼になってなんとかインジェクションとかかんとかシステムとか、イノベーションを盛り込んだエンジンを送り込み。でも結果は途中で故障してリタイヤとなってしまった。

ポルシェは全然リタイヤしないで最後まで逃げ切るよね?というわけで、こっそりというかポルシェのエンジンを購入してばらしたら「その古めかしさに驚いた」そうです。

要するに、なんとかインジェクションなどの、変な創作を入れないから、シンプルで壊れないエンジンになっていたのですね。。。。

飛行機、特にそれほど性能とか高いものは要求されない軽飛行機で昔ながらのコンチネンタルやライカミングが珍重されるのもこれでお分かりと思います。

一方、いつまでも古い技術のままだと、新たな時代の新たな要請にはなかなかこたえられなくなり。

ライカミングエンジンが生まれた1930年代後半では、「ハイウエイを走ることのできる高速車」としてVWかぶと虫がデビューしています。当時時速80キロというのは夢の超特急だったのですねー

ところが、2024年の今日では、速度制限が120キロ、実際はもっと速く走れるよ、という車がふつーになり。

速度を至上命題とする飛行機が、高速道路の上を飛んでいたら眼下で車がぶんぶん追い抜いていきました、というのでは困る。

というわけで、えいやーとイノベーションに舵を切ったのが「創作料理系」すなわちLSA軽飛行機です。

LSAの場合、エンジン以前に、30年代にはなかったコンポジット素材などで機体の軽量化を達成したりとか、エンジンについても高回転で滑らかに回し、減速機で適度に落としてプロペラにつないだり、半水冷式にして冷却効率を高めたりとか、エンジンの重量自体も「恐竜」に比べ減少となりました。

この結果、軽量のエンジンで軽量の機体を引っ張るので、馬力は少なくしても恐竜エンジンを積んだ実機とそん色ないか、上回る性能を持ったLSAがじゃんじゃん生まれています。

安全面はどうなの?ROTAXは、創作系ですがガソリンと潤滑油さえ切らさなければともかく回ってくれるという「百姓エンジン」で、恐竜もびっくりの耐久性を持っています。

では、なぜ恐竜系が駆逐されないのかというと、LSAは機体が軽すぎて安定性に欠け、特に着陸時にちょっと乱気流が吹くとめちゃくちゃ揺さぶられて着陸が困難であるという残念な特性があるので、ずっしりした古典的な実機(最近は「認証機」という呼び方もある)もまだまだ人気なのです。

ぼくは貧乏人で実機を維持する(要すれば税金を払う)お金がないのでLSAに乗っています。

そんなLSAのエンジンをちょっと覗いてみると。。。

まず、こんな飛行機に乗っています。

 

 

そのエンジンは、こんな感じ

巨大なラジエーター。ぼくの飛行機はアンティークなのでこんなですが、きょうびのLSAはぐんと小さなラジエターになっています。
 

 

エンジンヘッド。プラグの上に、冷却水の取り入れ管がついているのがわかります。オレンジのは潤滑油の配管にまかれた遮熱シートです。
 

 

 

プロペラシャフトに接続した減速機。ライカミングとかは減速機なしで直接プロペラ軸に接続されています。
 

 

減速機と作動原理。赤い色の部品が摩耗してやばいことになった記事についてはこちら→プロペラシャフト
 

 

オイルクーラー。ここから先は恐竜系も創作系も似たような部品になります。
 

燃料系。まずはガスコレイターから

この部品は、飛行機の最も下になる部分に設置され、重力でガソリンと分離されて落ちてくる異物や水をキャッチし、排出弁で機外に放出するもの。排出弁すなわちドレン弁は、毎回飛行の前に開いて異物を吐き出させます。
 

 

ガスコレイターを通過したガソリンは2つのガソリンポンプを経由してエンジンへ。写真の四角いのは電気ポンプであり、離陸上昇時の高負荷の場面でONにして、水平飛行に移ったらOFFにします。
 

機械式ポンプはこちら。電気ポンプと違い、エンジンが回っている限り常に作動します。
 

 

電気ポンプを経由して上がってきたガソリンはT字管で分岐されて、左右のキャブレターや燃圧センサー、余剰燃料のリターンの配管に向かいます。
 

 

点火系のCDIモジュール。恐竜はもっと古典期なコイルかも?
 

 

キャブレター。ROTAXはツインキャブです。恐竜はエンジン下部に一つ装着がスタンダード。
 

 

上の図の➁が左右のキャブレターです
 

 

エンジンとは直接関係ないけれど、ブレーキフルードのタンク。実態は自動車用のパワステオイルを流用しています。ブレーキシューの摩耗とともに液面低下しており、継ぎ足しが必要です。
 

 

軽飛行機購入後数年(実は7年)、ガソリンの配管を交換しました
 

 

ではでは

 

Posted by 猫機長
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軽飛行機のメンテあれこれ

「こよーて」という小さな飛行機に乗っています。

 

エンジンの整備とかは専門のエキスパートにやってもらっていますが、日常の点検整備はオーナーがやる必要があり。そんなちょっとしたメンテについて記載してみます。

◎ラジエターの水位確認

半液冷すなわちエンジンヘッドが液冷で、シリンダーが空冷のROTAXエンジン。液冷の部分がある以上ラジエターもあり、クーラント水の確認が必要です。

エンジンカウル上部にある点検口を開き。。。

 

 

ラジエターキャップを外します。

 

 

写真の給水口右側に、リターン用の穴が開いているのが見えるでしょうか?(下の写真では赤丸の部分)

 

 

普段はキャップからゴムパッキンがコイルばねで押さえつけるようになっているのですが、ラジエター温度が上昇して、危うしラジエタ―!爆発か!のちょっと前に、水蒸気というか、熱くなったクーラントの圧力でばねが押し上げられ、リターン用の穴から蒸気を逃す仕掛けになっています。要すれば圧力鍋の安全弁みたいなものである。

キャップを裏返したところ。

 

 

本当は定期的にチェックすることになっているのですが、飛行するごとにキャップを開け閉めなってしているとパッキンもバネも傷んでしまうので、計器盤の水温計、水圧計を常時チェックし、夏の暑くなってきたときには確認頻度を増やすようにしています。

逆に頻度が低すぎると、今度はリターンから蒸発していくクーラントの量が補充より多くなってしまい、やばい気泡発生などの原因になるので、頻度は多すぎず少なすぎず、計器と外気温度とのにらめっこで、なかなか神経を使います。

アンティークの旧機なので、ラジエターも巨大です
 

◎風防の洗浄

車に比べると、意外に汚れの少ない軽飛行機の風防ですが、やはりちょくちょく洗う必要があり。

しかし、車のようなガラスではなく、アクリル樹脂(プレキシグラス)なので、ちょっとでも雑な洗い方をするとたちまちすりガラス状になってしまい。

鬼教官伝授の洗い方は、

まずは水で流す。でもエンジンとかに入らないよう、静かに少しづつ。。。と神経を使います。
十分に埃が流れたら、自動車用のワックスをかける。
ここが秘伝ですが、水洗いにしろ、ワックスがけにしろ、「手でする」。布などは厳禁。
いったんワックスがけしたら、今度は「脱脂綿」でふき取ります。鬼教官は「これも手でふき取れ」と言っていますが、ぼくは綿をつかっています。ははは

 

 

いやいや飛行機ってセンシブルですねえ。洗うのも水だけで、洗剤は使いません。万一のアクリル樹脂の変色やひび割れを防止するためです。ワックスも「Grand Prix」だけで、他のは使いません。

日本でも売っていれば、広告料を取れたのに。。。。無理か。
 

 

◎タイヤと車輪

ホームセンターで売っている中国製のコンプレッサーを使って空気圧を調整

 

 

あと、ホイールのねじがちゃんと締まっているか確認。

 

 

これを忘れていると、ねじが外れて飛んで行っちゃうことあり。いちおうスペアのねじを複数持っています。

意外と小さなねじ。
 

 

◎ブレーキ関連

軽飛行機のブレーキはペダル操作で作動します。

 

 

このペダルが、なかなか妙味があり。

ペダルの上端を踏み込むとブレーキが利き。下の方を踏むと方向舵と前輪が動くようになっています。

赤丸を踏むとブレーキが作動。緑が方向舵と前輪のステアリング。
ブレーキを踏むと、青丸のアクチュエーターからブレーキオイルが押し出されて、メインギアのブレーキシューをディスクに押し付けるようになっています。

 

 

アクチュエーターがよくわかる一枚。
 

ここでは、ブレーキオイルが漏れたりしていないかを目視します。

ちなみに、左右のペダルでブレーキは別々に作動します。ぼくののっている軽飛行機は前輪で操舵できますが、操舵できないのもあり、そういう場合は左右のブレーキ加減で地上の旋回を行います。

ペダルとつながっておらず、単に向きが変わるようになっている形式の前輪の例。

最新の飛行機はこうした形式にして重量軽減を狙ったものが多いです。

 

 

◎翼内点検

飛行機の翼には点検口があり。

 

 

ここを開けて翼内における骨組みや張線(ワイヤなど)、補助翼のロッドなどなどに問題がないか確認します。

きょうびスマホがあるので、カメラを穴からくぐらせてかしゃかしゃ撮影でき。助かっています。

というわけで、同じような写真が続きますがご参考まで。

 

他にも、以下書こうかと持ったのですが、ここまでで写真が多数でページ数が多すぎになっちゃったので、別記事にします。

◎ガソリン給油

◎羽布の確認

◎オイルレベル

 

ではでは

Posted by 猫機長
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遭難寸前だ!ピレノポリスつづき

以前、ブラジル中央高原の秘境でトレッキングした記事を書いたら、意外に人気だったので、調子に乗って続編です。

でも、遭難とはぜんぜん縁のないほとんど安全そのものの市内観光なので、今回の記事タイトルは単なる行きがかり上のキャッチコピーです。

なぜ「ほとんど」であり「100%」安全ではなかったについては、恐ろしい中国マフィアが関係してくるからです。

さて、前回記事で書いた通り、ブラジルの首都ブラジリアから車で2時間の歴史都市ピレノポリスに行ってきました。

ブラジルでもなかなかの景勝地であり。大自然でトレッキングだ!と「ボンスセッソの滝」を見に行ったのが前回の記事。でも、町そのものがとてもすてきな観光スポットなので、2泊3日の旅の実は大部分は市内観光をしていたのでした。

ピレノポリス市の地図を掲載。

Mapa Pirenopolis | Tô Longe de Casa
 

 

なかなか広いまちであり、今回はこの地図の左半分くらいを徘徊してきました。

画像の右上にあるのがボンスセッソの滝。左の中あたりに空港。
 

 

 

実態上はさらに中心部の旧市街をのこのこ歩き回りました。

 

 

上の地図で、いかにも23個以上の観光スポットがあるように見えますが、例えば⑥は「Pizzaria do Alemao」すなわち「ドイツ人のピザ」という、あまりおいしくなさそうなピザ屋さんだったりします。

要するに、この地図を作成するにあたりスポンサーになったいろいろなお店屋さんの住所を、いかにも観光スポットみたいに、本物の観光スポットに混ぜて記載していたのでした。ははは

 

さて。

始点は④あたりにあるホテル。前の記事でも書いたけど、なかなかいい感じのところでした。

ここから車で5,6分も行くと、かなりの急こう配の先に⑳、⑬、⑯に囲まれたマトリス教会にたどり着くのでした。

 

 

 

「正式名称をノッサ・セニョーラ・ド・ロザリオ教会といいます。1728年から1732年にかけて建設が始まり。ゴイアス州で最も大きく、最も古い建造物の一つとされています。

歴史的遺産の象徴であり、建築や宗教的な価値を超えた重要性を持っています。聖霊降臨祭(Festa do Divino Espírito Santo)など、市の主要な宗教行事の中心地です。歴史地区の中心に位置しており、美しい自然景観に囲まれた、地元の人々にとって非常に大切な場所となっています。(以上ジェミニくん解説)」

 

教会から⑬のほうに行くと、⑬と⑱の間に橋。その橋の隣にジビーノ博物館があり。

外からの写真撮り忘れたので外部リンクから引用
https://www.tripadvisor.com.br/Attraction_Review-g1026887-d4377026-Reviews-Divine_Museum-Pirenopolis_State_of_Goias.html
 

 

 

 

「この街の伝統的な文化と信仰の中心であるFesta do Divino Espírito Santo(聖霊のジビーノ祭り)の歴史と文化を紹介する博物館です。

この祭りは、ブラジル国内でも特に重要な聖霊への信仰表現の一つと見なされ、街の文化的なアイデンティティにおいて中心的な役割を果たしています。

寄贈によって集められた画像、模型、祭りと関連する物品などが展示されており、この街の主要な祭りの背景にある文化を蘇らせています。歴史的な建造物である「Antiga Casa de Câmara e Cadeia(旧市議会議事堂・監獄)」の建物を利用しています。監獄としての歴史もこの博物館の一部となっています。

「Sala dos Mascarados(仮面の間)」では、祭りの中で行われるイスラム教徒とキリスト教徒の戦いを祝う「Cavalhadas(カヴァリャーダス)」という祭礼的な舞踊や仮面に関するものが展示されています。「Sala Geral(一般の間)」では、パストリーニャス、コンガダス(コンゴ系のダンス)、写真、彫刻、模型などが展示され、地元の信仰とフォークロアを伝えています。(ジェミニより)」

 

というわけで、監獄だ監獄だー!と見に行こうとしたら、そちらは閉鎖されており。上の写真の部屋だけが開いていました。一方、無料で見せてくれたっけ?忘れちゃいました

 

 

ジビーノ博物館の角っこからマトリス教会を見るとこんな感じ

 

 

 

上で書いた橋はこんな感じ。その向こうには別の教会が。

 

 

ジェミニ君の説明:「カルモ橋は、リオ・ダス・アルマス川に架かる木造の橋です。街で最も古い橋の一つとされています。カルモ教会は、1750年から1754年の間に建設された、植民地時代の歴史的な教会です。宗教美術博物館 (Museu de Arte Sacra) も併設され、聖なる美術品、祭壇、鐘などが収蔵されており、街の宗教的な伝統や文化を保存する役割を担っています。」

でも、博物館は週末しか開かないよ、といわれて入場できず。泣きました

 

マトリス教会を起点に、⑳のほうに行くと、映画館と演劇場があり。いずれも入り口前を通過しただけで、写真を撮り忘れたので、インタネからの引用ですが、これらもなかなかの観光名所である。

映画館 https://www.agitapirenopolis.com.br/cine-pireneus-31610
 

 

 

演劇場https://agenciacoradenoticias.go.gov.br/47627-obras-do-teatro-de-pirenopolis-serao-retomadas
 

 

 

「ピレノポリスには、注目すべき映画館と劇場があります。

◎シネ・テアトロ・ピレネウス (Cine Teatro Pireneus):1929年にネオクラシック様式で建設され、1936年に改装されてアールデコ様式のファサード(正面)に変更されました。映画館として機能し、後にテレビの普及などで閉鎖。現在は、劇場、映画館、ギャラリー、音楽公演のスペースとして利用されています。

◎テアトロ・デ・ピレノポリス (Theatro de Pirenópolis / Teatro Sebastião Pompeu de Pina): 1899年に建てられた、ピレノポリスの歴史的な建物です。現在は、修復され、劇場として機能しています。(ジェミニより)」

ここから今度は⑬にむかっていくと、地図ではわからないけれどものすごい下り坂になっており。その坂が終わってちょうど⑬くらいで緩やかな上り坂に変わり。通称「Rua do Laser(レジャーの道)」として、夜はなかなかおしゃれなレストラン街になるのでした。

 

 

素敵女子と早速とあるピザ屋にもぐりこみ。四角いピザをたべました。

おいしいけれど味が濃いですねえ。
 

 

ずるっこでジェミニくんに解説してもらいます。「この街で最も人気がある場所です。歴史的なルア・ド・ロザリオ (Rua Nossa Senhora do Rosário)の一角にあり、特に夜間のナイトライフと美食の中心地として有名です。植民地時代の建物を利用した多くのレストランやバーが並び、多様な料理(地元の料理やその他のブラジル料理)を提供しています。

生演奏(ライブミュージック)が行われることが多く、活気にあふれた雰囲気になります。

車両が通行止めとなり、歩行者専用となって、誰もがリラックスして楽しむことができます。

通りにはロマンチックな黄色の街灯が設置され、魅力的な夜の景観を作り出しています。」

残念ながら「地元の料理」は見つけられず。ピザだの焼肉だのブラジルだったらどこでもあるじゃん、みたいなのばっかりだった。

日本食があるよ!ということだったので、行ってみたら、なんか創作料理みたいのが出てきて、ベーコン入りの油ご飯という、そんな日本食あったっけ?チャーハンでもないし。。。。みたいな感じでした。

 

 

素敵女子が生物を食えないので、寿司頼は頼まず。こちらははまともなのがあるみたいです。。。

 

現地の料理はないのか?「レジャーの道」にはなく、監獄(ジビーノ博物館)をちょっとすぎた、23(〇がでてきませんでした)の場所にある大衆レストランで「Carne de Lata」を発見しました。日程の都合上食べる時間がなかったのですが、確かにおいしそうだった。たちまちメタボになりそうだけど。

 

Carne de Lataは、日本語にしたら「缶詰の肉」ですが、いわゆる工業製品の缶詰ではなくて、ラード(豚の油)に牛だのブタだの鶏だのの肉をぶち込んで、缶の中に密閉したらこうなった、みたいなやつである。

 

食い物もいいが、ピレノポリスは実は当てもなくうろつくのが一番いい町であり。

以下、3000字を超えてしまったので、ばらばら写真を添付しときます。

 

 

ではでは、と書こうとしたら、終わる前に、そうだ中国結社だった。

さっきの映画館、劇場の近くに、ブラジルならどこにでもあるかんじの大衆食堂があり。バイキング形式でいろいろな料理が並べられているのを、好きなだけ皿に盛って、盛った食い物の重さで支払う「量り売り」形式のやつ。

レストラン自身は「ここには中国人がいなくてすがすがしいねー」だったのですが、壁に飾られている装飾を見てびっくり

 

 

「春満江南 祥古富貴」ですか。

古来より富貴なり江南、今春爛漫なり。。。というと、洪門か青幇か?パラグアイでなにかあって、ここなら追手はくるまい、と逃れてきたのかもしれません。

レストランのオーナーはふつーのブラジル人のおばちゃんで、中国人とは一切関係ないよーとのことでした。巨大な扇についても、ゴイアニア(ブラジル高原部の商業都市)で買ってきたよーとのことであり。

素敵女子ともどもハチの巣になって発見される、というのもいやなので、それ以上は詮索しませんでした。ははは

ではでは

 

Posted by 猫機長
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ハンプ越えのお話

今回は、基本以下のリンクからの情報をもとに、いろいろなソースからの情報を加えて記載しています。

http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/200507/zhuanwen40.htm

https://www.szkganz.seesaa.net/article/431864155.html

画像は特に出典の明記していないもの(というかほとんど)はこちらからお借りしました。

https://hk.aboluowang.com/2015/0531/564212.html

 

 

1942年、日本軍はビルマを占領し、援蒋ルートすなわちビルマ公路が封鎖され。米英物資援助の道を文字通り閉ざされた中国は、ついに日本に降伏か?の瀬戸際に。

日本人と中国人が殺しあうことで大儲けしていたアメリカ等は、それじゃおいしくないねえ。何とか戦争を継続させよう、と画策し。

でも、インドやビルマを通じた中国への補給は、ヒマラヤ山脈や砂漠、ジャングルなどありとあらゆる障害の中を何とか通れるよう、ビルマ公路を整備していたのに、ジャップによって封鎖されてしまった以上は、空を飛んで持っていくしかないじゃん、ははは、なんてあきらめかけたところで、あれそういえば輸送機っていうのがあるよね、と思い至り。

2025年の現在こそ、世界中でジェット旅客機が飛び回っていますが、当時はまだまだ馬車や牛車の時代であり(冗談ではなく、零戦は工場での組み立てが終わったら、牛車、あるいはペルシュロン馬車で、もよりの空港まで運んでいた)。航空輸送なんて夢のまた夢、だったのです。

しかし、アメリカではDC3の登場で大量航空輸送の先駆けみたいなのは生まれれ始めており。

東洋人たちの殺し合いを継続させるための物資輸送で、アメリカ人や中国人の若者をモルモットにして、大量航空輸送の実験をしてみようということになった。

こうして「ハンプ越え」が生まれました。ハンプというのはラクダのこぶのことであり、中国では「駝峰航線」と言っています。

 

 

この航空路は全長800キロ余り。当初は「北線」と「南線」がありましたが、日本軍の侵攻にともない北線のみとなりました。ディンジャン―プータオ(ビルマ)―雲竜(雲南省大理)―雲南駅(大理州祥雲県)―昆明と結び、天気によっては、ディンジャンからプータオ、麗江(雲南省)を経て昆明を結ぶときもあった。

フライトの一例としてはこういう記録があり

「ブラマプトラ渓谷の谷底はチャブアで海抜90フィート(27メートル)にある。この標高から、渓谷を囲む山壁は急速に標高10,000フィート(3,000メートル)以上まで上昇する。谷から東へ飛行したパイロットは、まずパトカイ山脈を越え、次に東側を標高14,000フィート(4,300メートル)の尾根、クモン山脈で区切られたチンドウィン川上流域を通過した。その後、西イラワジ川、東イラワジ川、サルウィン川、メコン川の渓谷に隔てられた標高14,000~16,000フィート(4,300~4,900メートル)の尾根を次々と越えた。この雄大な山々全体と、それを横切る航空路にその名を与えた主要な「こぶ」は、サルウィン川とメコン川の間にある標高15,000フィート(4,600メートル)にも及ぶサンツン山脈である。メコン川の東側では地形は明らかに緩やかになり、昆明飛行場(標高6,200フィート(1,900メートル))に近づくにつれて標高差も緩やかになる。」

ハンプ越えに使用された中国航空公司の輸送機と従業員
 

 

第2次大戦後に中華民国から共産政権へ移転され、五星紅旗のあるC47。https://www.jetphotos.com/photo/8787305
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%88%AA%E7%A9%BA%E9%9B%86%E5%9B%A3
 

 

距離的に言えば、東京から京都へ行って帰ってくるくらいで、それほど遠いというわけでもないのですが、「ハンプ」を構成する山脈がそびえたつ壁となって航路を阻み。1943年12月1日から1945年8月31日の間に東行きに156,977回飛行し(つまりに西行きにも同じ回数飛行した)、この間594機の航空機が墜落などで喪失、乗員乗客合わせて1,314人が死亡した。さらに81機の航空機、345人の乗組員が行方不明となった。

1945年7月31日に残存していた飛行機の数が640機とのことですから、ほとんど半減に近い損害じゃね?正確な統計は得られていないそうですが、想像を絶する危険な路線であったことは議論の余地がないと思います。

命からがら昆明に到着したC46
 

 

「らくだのこぶ」なんて一見のどかですが、ヒマラヤ山脈の峰々は、6,000mを超えるものが多数あり、最も高い地点では8,000mに迫るものもあった。このため、輸送機は「山岳地帯を越えるのに十分な高度に到達できず、迷路のようなヒマラヤの峠を通る非常に危険なルートを余儀なくされた」。

気象上も本来輸送機がのこのこ入っていくような場所ではなく。

「ルートは、ヒマラヤ山脈の存在によってかき混ぜられ、混ざり合った3つのユーラシア気団の真ん中に位置していた。南のインド洋からの湿った暖かい空気が高気圧を生み出して北に吹き荒れ、一方でシベリアからの冷たい乾燥した空気は南下した。これらの低気圧と高気圧は極端で、猛烈な風を生み出した。その風が世界最高峰の山脈という動かぬ塊にぶつかると、驚くべきスピードで上昇し、その後冷えてから恐ろしいドラフトとなって下降し、飛行機を驚異的な降下率で地上へと投げ飛ばした。雲塊内の乱気流は激しく、パイロットは突風でひっくり返されたと報告したが、行方不明になったために何も報告できなかったパイロットも多かった。」

夜間飛行に備えるC46
 

 

いろいろな輸送機が投入されましたが、C47(DC3)はもともと貨物機というより旅客機であり、重い貨物を載せたら床が抜けちゃう、みたいなのがあったため、主力として一回り大きなC46(貨物搭載量3.5トン。C47は1.5トン)が使用されました。

といっても、理想とは程遠く。「頻繁に機械的な故障に見舞われた(燃料漏れが翼付け根に溜まって爆発の危険となる傾向があった)。そのため「ダンボ」や「配管工の悪夢」、「空飛ぶ棺桶」といった不名誉なあだ名が付けられた。運用開始から5ヶ月で、C-46の20%が墜落した。1943年秋までスペアパーツが不足し、最初に送られた68機のC-46のうち26機が使用不能になった。」

「作業員たちは、1頭の象が12人以上の作業員が担う石油ドラム缶の運搬に相当することを発見した。」
 

 

とあり。B24 ベースのC87はデイビス翼によって「向かい風や横風の影響を大幅に軽減できる速度、ほとんどの気象前線を乗り越えられる実用上昇限度、そして乗組員が順風を追いかける「圧力前線」パターンで飛行できる航続距離など」はあったものの「4発エンジンにもかかわらず上昇が悪く、悪天候での飛行には不十分で、山岳地帯での軽度の着氷に遭遇しただけでも制御不能に陥る傾向があった。」そしてC54(DC4)は高空性能が足りず、輸送の主力にはなれなかったらしい。

荒れ狂う山岳航路でも、晴れてかつ気流の穏やかな日もあったらしい。

「晴れた日は、墜落した航空機の破片の反射する光に沿って飛行できるほどだったという。パイロットたちは戦友の航空機の残骸が散っている山谷を「アルミの谷」と呼んだ。このように非常に険しい路線だったので「駝峰航線」は「死亡航線」とも称された。」

「死亡航線」を生き延びた中国パイロット。陳文寛氏
 

 

そんな決死の輸送で墜落しても、「1,200人の乗組員が救助されるか、自力で基地まで歩いて帰還」したというからおどろき。専門の救助部隊も結成され、「救助活動のために2機のC-47と数機のL-5連絡機が割り当てられた。墜落現場にパラシュート降下して負傷した乗組員を救助するボランティアの衛生兵を募集」という記載もあり、人命救助にどこまで役立ったかはともかくこうした体制がとられたのは特筆すべきと考えます。

ビルマ公路での輸送量が1か月あたり1万トンとの記録があり。1939年から1942年までの3年で36万トンとなります。ハンプ越えでは1942年から1945年の3年間で65万トンという驚異的な数値を達成しました。

ところで。

この投稿の情報収集をしていた時に、とある国際郵便の写真が出てきました。

出典:「― GANさんの日本郵便史リサーチ ―」
 

なんと1943年、中国からアメリカ(成都-重慶-カルカッタ-カイロ-ラゴス(ナイジェリア)-ブラジル-トリニダード-マイアミ)へあてた手紙なのである。

重慶からカルカッタまではハンプ越えルートを経由したらしい。なんとか墜落せずに宛先に届いたという、奇跡の一枚ですねー

どんな内容の手紙だったのだろう。

「崎陽軒のシュウマイが高くなりました。いつか”でづにーらんど”というところに行ってみたいです」なんて書いてあったのかもしれませんね。

中華民国空軍のC46 https://www.airhistory.net/photo/586048/478627
 

蛇足です。C46は戦後日本でも使用されました


 

 

ではでは

Posted by 猫機長
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遭難寸前だ!恐るべき観光旅行

いろいろあって、素敵女子と2人で3泊4日の観光旅行に行ってきました。

ピレノポリスというブラジル平原の内陸、首都ブラジリアから飛行機で1時間、車で2時間の場所にある景勝地かつ歴史都市です。

これまで何度か飛行機で行ってきたときの記事はこちら

飛行機でピレノポリス①

飛行機でピレノポリス➁

でも、空港に降りて歴史都市を散歩、そのまままた空港へみたいな弾丸旅行ばかりだったのが、今回は数日にわたる観光になり。市内も自在に回れるように、車で行きました。

世界の怪車356
 

 

レプリカポルシェ356Aに着替えだのなんだの積み込み。ブラジリアから50キロくらいまでは複数車線のある立派なハイウエー、そこから先は単線の、それでもいいかんじに舗装された道路が続き。

 

 

おおむねまっすぐ、でも山あり谷ありの勾配が厳しく、上の写真では勾配の頂上からまっさかさまに落ちていくじゃなかった降りていくところです。ちょうどオートバイの走っているあたりが谷底で、ともかくアクセルを踏み込んで時速100キロ超、ぶるぶるぶるぶる。。。。と車体を震わせながら降りていき。今度は上りで頂上までに時速80キロくらいまで速度が落ち。またそこから谷底に。。。というのが延々と続くのだった。

本当に勾配がきつくて、三速60キロでなんとか。。。という区間は、第三車線が設けられており。トラックとか、ぼくのにせポルシェみたいに遅いのは端によって、速い車に道をあけるのでした。

第3車線のある区間。ここではぼくが追い越し車線からトラック2台を追い抜いているところです。
 

 

そのうち、本当に2時間でピレノポリスに到着。

なかなか瀟洒なホテルに泊まりました

 

 

なかなかいいじゃん、と満足していたら、実は。。。

ビーチパラソルの上にある日よけは、得体のしれないビニールシートだった。アスベストなどの汚染物質がでまくりなのだろう。

 

 

夜のプールをロマンチックに照らすはずの証明も、実はうらぶれた裸電球で、893さんが仕切っていそうないかがわしい祭りでカラーひよこを売る露店と変わらないのだった。
 

 

カラーひよこ
https://note.com/note702/n/n89e6981c13b8
 

 

宿泊は恐ろしいお化け屋敷になってしまいましたが、毎朝のコーヒーはとてもいい感じで、ちゃんと暖かいコーヒーや冷やしたジュースが飲めました。

その名もRomaria Bistro
 

 

いよいよトレッキングに出発だ!Bistroのお兄ちゃんに「どこかいいところはない?」と探りを入れたところ、

 

 

お兄ちゃんは窓の外に駐車しているポルシェを見てひるみ。

「ううう、この車でも行けるような場所にはUsina Velha がある。そこなら遭難しないだろう」

とのことでした。

ところで、ピレノポリスには、無数といって悪ければ多くの観光スポットがあり。Usina Velha なんて聞いたことないぜー、というか素敵女子のほうで行きたがっていたのにFazenda Babiloniaがあり。

公式サイトはこちら→https://fazendababilonia.com.br/

何か知らんが、無数の食い物があるらしい。
 

ところが、この農園(fazenda)は土日しか開いていないらしい。あいにく日曜午後到着、水曜午後発ですからねー

素敵女子はめげずにFazenda Vagafogoというのを見つけ。

公式サイトはこちら→https://www.vagafogo.com.br/

やっぱり食い物があり。
 

 

ところで、せっかくピレノポリスまできて、大自然の中でトレッキングしないのももったいないよねーと思ったら、ちゃんとこの農園のなかにもトレッキングコースがあったのでした。

出典:https://www.rgbstock.com/photo/mmfAdvU/%3E+Brigde
 

 

出典:https://www.researchgate.net/figure/Figura-1-Arvorismo-silvestre-construido-e-praticado-na-RPPN-Fazenda-Vaga_fig1_277759121
 

 

なんか。。。レンジャー訓練じゃなくて、もっと運動神経のにぶい人でも行けるところがいいよね。。。

ということで、素敵女子がああでもないこうでもないと無数に出してくるオプションを、うんうんそうだねと辛抱強く聞き流し、じゃなかったしっかりと聞き(ここ重要です)。

そのうち彼女自身どこがいいのかわからなくなり。決めてよーと言い出すのを待って、じゃあここにしようよ、と実は最初からひそかに計画していた、とあるトレッキングコースに落ちつかせることができました。

その名もCachoeiras Bonsucesso。すなわち「ボンスセッソの滝」です。

なぜ最初から計画していたかというと、その理由は下の写真の通りです。

 

 

要するに、ホテルから16分で行けるのだった。

ほかに、素敵女子が行きたがっていた滝にCachoeira do Abadeがあり。

そちらはどんなかというと

 

 

なんと40分かかるのだった。

注目いただきたいのは、19㎞という、はっきり言って短いじゃね?なのに、時間は40分もかかってしまうということなのである。

つまりは、泥濘、砂利、岩石という、ありとあらゆる障害物に満ちた恐ろしい悪路であり、ほんとうだったらジープとか、そういうそれなりの車で来るべき道のりなのであった。

それを、かぶと虫を虫たたきでつぶしたような、へんな車できやがったので、ホテルのお兄ちゃんもひるんでしまったということに、到着してから気づいたのでした。

素敵女子のほうは全く気付かなかったのですが、近いほうが疲れなくていいじゃん、ということで、16分5.4㎞のBonsucessoに決めることができました。

翌日朝、といってもホテルのレストランで朝食をもぐもぐ食べたあとで出発。

 

 

戦々恐々と出発した割には、未舗装だけどふつーの道が続き。確かに20分もしないうちに到着。よかったねー

入り口で一人当たりR$60(1700円くらい)の入場料を払い。入場券代わりの腕バンド(写真上の緑のやつ)と、トレッキングルートの全体がわかる案内図をもらいました。

 

 

あれ、Bonsucessoだけじゃなくて、主要どころのAçude, Landi, Palmito, Pedreira, lagoa Azulとか一通り見れるじゃん?

知らないうちに現地お得ツアーみたいな、いかにも日本人が喜びそうなトレッキングになっていたのでした。

コースは上の写真の右下(Eが駐車場、家のマークが管理小屋)から始まり。往復で3㎞ていどとのこと。当日は9時ころ到着し、12時頃には管理小屋まで戻れました。

駐車場。というか、みんなてきとーに駐車しているだけだけど
 

 

管理施設
 

 

へんなお菓子だの虫よけスプレーだのを売っていた。
 

 

そうだ虫よけだ、と予め市内で安く買っていたやつを体中に噴霧しまくり。いよいよトレイルに分け入ったのでした。

スタート地点
 

 

なぜか厩のまえを通過。
 

 

滝ですからねえ。山麓に向けて登っていくのであった。
 

 

そのうちトライルの分岐点に到達。まよわずたくさんの滝を見られるほうに進んだのでした。ははは
 

 

この程度の橋ならゆうゆう渡れるのだった
 

最初の滝、Landiに到着。

小さな滝で「滝つぼ」も人一人の肩幅くらいでした
 

 

Landiのすぐそこに、Palmitoの滝があり。
 

 

こちらは人が腰までつかるくらいの滝つぼがありました
 

いやいやとにかく水が冷たいのなんの!皆さんが来るときは、ダイビング用の水着を持ってくることをお勧めします。

さらにずんずん進んでいきます。
 

 

この辺りはトライルも緩やかで、ぼくも素敵女子もまだにやにやしていたのだった。
 

 

Pedreiraの滝
 

 

この滝を超えたあたりから、急に道が険しくなり。いちおう階段はあるのですが、天を突くような急峻な崖を、かわいそうに素敵女子の腰まであるような高い一段一段を這うようにして登っていくようになり。

上を見るな!一段一段、確実に登っていくんだ!いつかは必ず頂上にたどり着く!と、フラフラになりながら登ってゆき。
 

 

ついにBonsucessoへ到達。
 

 

しかし、いよいよ階段は無情に険しくなっていくのでした
 

 

といいつつ、意外ににへにへと余裕で登っていたりして
 

 

ついに頂上のLagoa Azulに到着。

このあと、のこのこともと来た道を引き返して、管理小屋まで戻ったのでした。
 

おまけ

トライルのところどころに、へんな標語が書かれたプラカードが立っており。素敵女子は小学校の先生なので、大喜びで教材にしよう、と撮影しまくっていた。

「天の空気から来る自然の安らぎの中で、永遠なる神の愛の存在に生命が脈打つ(Baltazar Peres)」
 

 

なぜか多数の馬が。せっかくなら、馬に乗って滝まで行けるようにしたらとか、横着を考えるのであった。

 

 

管理小屋の近くで、のらクジャクを発見。

 

 

ブラジルにクジャクなんていたっけ?

Geminiくんによれば「はい、います。ただし、クジャク(インドクジャク)はブラジルの在来種ではありません。主に観賞用として持ち込まれ、動物園や公園、または一部の場所で野生化しているケースが見られます。」

とのことでした。

ほかにもホロホロ鳥とか、まるまる太っておいしそうなアヒルとかがいっぱい歩いていました。

ホロホロ鳥
 

ではでは

 

 

Posted by 猫機長
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プロペラの話3

これまで何度かお話ししてきたプロペラ。これまでの記事は以下をご参照お願いします。

その①「殺人装置」

その➁「枚数のなぞ」

さて、プロペラというのは、なかなか妙味のある装置です。

そのエッセンスは、揚力発生の装置であり、基本は主翼と同じものとなります。

でも、主翼が飛行機の針路に従い、ほとんど直線運動をするのに対し、プロペラはプロペラ軸を中心に回転運動をするという恐るべき特性があります。

何が恐るべきかというと、「プロペラの根元と先端で速度が違ってしまう」のです。

長さ1メートルで、60rpmすなわち1分間に60回回転するプロペラがあったとすると、この場合1秒間に1回転となりますが、プロペラの根元も先端も1秒間に1回転します。

この場合、プロペラ軸の中心から10センチの位置にあるプロペラの根元が回る距離はπX(半径X半径)すなわち3,14X2=6.28センチであるのに対し、プロペラの先端は3.14X200=628センチですから、根元と先端では100倍の速度差が生じることになります。

【飛行機のプロペラ】断面みたことある?どうしてねじってあるの?


 

揚力は速度と正比例しますから、先端がいい具合に揚力を生んでいるとき、根元は全然揚力ないじゃん、となります。

それじゃもったいないよねー、なんとか根元も揚力生むようにしたいね、ということで、プロペラには「ねじり」が入れられています。

【飛行機のプロペラ】断面みたことある?どうしてねじってあるの?


 

 

つまり、根元に行くに従いAOA(迎え角)を大きくして低速でも揚力を生むようにねじった構造になっているのです。

ちなみに、プロペラの先端速度が音速近くになると衝撃波が発生してたちまち効率が落ちちゃうので、プロペラの回転速度はプロぺラの長さによって制限され(逆もまた真)、そこそこの長さと回転数を設定することが重要である。

プロペラ機で最も究極まで行った第2次大戦の戦闘機では、零戦で1850rpm。比較してプロペラが短いきょうびのセスナでは2700rpmくらい。扇風機の回転数が「強」で1600rpmくらいなので、零戦と扇風機はだいたい同じななーというのがわかります。

扇風機https://www.rafuju.jp/products/detail.php?product_id=781439
 

 

さて、長さと回転数がだいたい決まってきたところで、この制約の中で最も大きな揚力すなわち推力を出すことが要求され。

初期のプロペラは、鳥の羽根というか縦長に引き延ばしたうちわみたいだったが、そのうち洗練され。

黎明期のプロペラ(15Bis)https://www.reddit.com/media?url=https%3A%2F%2Fpreview.redd.it%2Fikgt21ahtbmz.jpg%3Fwidth%3D640%26crop%3Dsmart%26auto%3Dwebp%26s%3D635dfeff1e059dda7cc8b94cffafe0b0bc3d0779
 

 

 

根元については、揚力というより強度が重要ということで、断面もほとんど円形となり。

そこからひゅっと羽のように伸び、全長の真ん中くらいまでは広い翼面上に、そこから先端にかけてはテーパーというが細くなっていく感じのペラが基本形となりました。

零戦のプロペラなんてまさにこれですよねー

零戦のプロペラ。http://goma-chan.com/odekake/1000aircraft/a999.html
 

 

 

エンジンパワーが強化され、かつ機体も重くなってゆくと、重くて大きな機体を引っ張る力のあるプロペラが工夫され。先端速度の関係から長さは限られるので、枚数を増やすとか、トルクの大きい形状が考案された。

典型的なのがP3Cのプロペラ。

https://rightwing.sakura.ne.jp/equipment/jmsdf/aviation/p-3c/p-3c.html
 

 

四角く、平べったいうちわ型ですが、これが長時間低速で哨戒飛行をするために最適らしい。

YS11の場合、平べったいが細長く、速力を重視していることがうかがえます。ただこプロペラの形状だと離陸時のトルクが出なかったらしく、YS乗りの間では上昇力のなさが泣き所とみられていたらしい。

https://news.livedoor.com/article/detail/19114721/
 

 

一方、根元でも揚力を出そうよ、ということで、カフスというフェアリングをつけたプロペラも散見されるようになりました。

B29爆撃機の例 https://www.flickr.com/photos/wbaiv/39105497831
 

 

この場合、エンジンによっては湯力というよりエンジン冷却ファンとしての役割もあったらしい。いずれにせよ、カフスはものすごい空気抵抗となるので、そんなの気にせず回せる大馬力エンジンでないと。。ということで日本では発達せず、アメリカ、イギリスの飛行機に多く見られます。

 

 

エンジンパワーが大きくなると、プロペラ後流やカウンタートルクつまりプロペラ軸のの回転と反対に機体が回ろうとする力も大きくなってしまい。離陸時のようにフルパワーかつ低速で舵が効かない、というような場合に飛行機をまっすぐ滑走路上に保つことが困難になってしまいました。

じゃあ、回転しているプロペラの後ろに、もう一列逆回転するプロペラをつけたらどうよ、ということで二重反転プロペラというのが生まれ。

An70輸送機の二重反転プロペラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/2%E9%87%8D%E5%8F%8D%E8%BB%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%9A%E3%83%A9
 

 

でも、Wikipediaいわく「プロペラ軸を正逆2方向に回転させる必要があり、それぞれ回転方向の異なるエンジンを各1基搭載するか、さもなくば変速機に逆転機を内蔵して2方向の回転軸を取り出さなければならない。しかも、そのいずれにおいても中空軸の内部に逆回転する別の軸を貫通させる必要がある。このため、軸受や軸そのものについて高い工作精度(2軸が互いに逆回転し、相対回転速度が2倍になるため、2軸の軸心を一致させないと猛烈な振動が発生する)と耐久性(前述の振動に耐える事が必要)が求められた。また、逆転機を内蔵した変速機は、通常の2倍近い数の歯車を組み込んだ極めて複雑な歯車装置となるため、その内部の整備性は通常のものに比して大幅に低下する。しかも大出力による大トルクに耐えるため、機構的な必然から重量が増大するというデメリットが存在する」ので、ソ連などを除いてあまり実用化されませんでした。

要すれば、大速力の欲しい機種は当時から発達してきたジェット機に置き換わっていったので、無理に二重反転プロペラにこだわる必要ないじゃん、ということだったらしい。

こだわる必要があったのはソ連で、初期のジェットエンジンはとにかく燃費が悪く。広大なソ連領をまたいで西側まで核爆弾を運んで行ける爆撃機が必要だが、ジェット機では途中でガス欠です、ということで、血道をあげてジェット機並みのスピードが出せるプロペラ機を開発したら、二重反転式の「ベア」になったということらしい。

パブリックドメイン
 

 

ベアには、なかなかかっこいい旅客機版の「TU114」もある。

ギアの長さに注目 https://jp.rbth.com/science/85287-tu-114-soren-hikouki-no-rekishi
 

 

なお、ソ連の旅客機は、機首が爆撃機みたいにガラス張りなのが多かったが、これは別に爆撃機に改修しようというのではなく、レーダー網が整っていないというか、広大すぎて整えられなかったソ連において、機首に航法手が座って、眼下の地形と地図をにらめっこしてナビゲートしていたらしい。

「あ、10時下方のラーメン屋でラーメン食ってる小池さんが見えてきた、もうすぐ東京だ」みたいな感じ。

小池さん https://www.pinterest.jp/pin/213639576064142945/
 

 

脱線から戻り。

プロペラブレードの形状ですが、隼とかの美しい直線・曲線のプロペラから、うちわエビみたいなP3Cのブレード、青龍刀みたいなのが二重反転になっている、極めつけのアントノフAn70とか、最近は形而上絵画の斜め上を行くようなのが多数生まれています。最新の流体力学を応用したらこうなるのですかねー

隼 https://minkara.carview.co.jp/userid/2109043/blog/41804693/
 

 

P3C https://www.midwaysailor.com/photos/p3orion.html
 

 

An70 https://www.cavok.com.br/ucrania-autoriza-producao-em-serie-da-aeronave-de-transporte-tatico-antonov-an-70
 

 

ぞうりエビ https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/%E3%82%BE%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%93.htm
 

 

最後に、ぼくが乗っている軽飛行機のプロペラです。これは性能というよりは手軽な生産性を狙ったシンプルなデザインですが、なかなか世界中で愛されているWarp Drive3枚プロペラです。複合素材だったか?とにかくプロペラにとって重要な堅牢性に秀でており、格納庫で飛行機を動かす際は、このプロペラの根元を持って押したりすることが多いです。

 

ではでは

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ペダルのお話

こないだ操縦かんのお話をしたとき、飛行機の操縦にはペダルも重要、と書きました。その記事ではスペースがなくなっちゃったので、改めてこちらでペダルについて書きたいと思います。

ぼくが乗っている軽飛行機「こよーて」のペダル
 

 

飛行機の操縦は「手と足」というふうに言われます。

手の方は操縦かんで補助翼と昇降舵。足はペダルで方向舵を動かします。

手足が調和するといい感じで均整の取れたカーブを切ることができます。

補助翼 http://blog.livedoor.jp/sac1195/archives/489548.html
 

 

昇降舵C*Uとは何か その1(技術的解説) | 彗星 (salamann.com)
 

 

方向舵 C*Uとは何か その2 (横の制御則) | 彗星 (salamann.com)
 

 

ターンコーディネーター(旋回釣合計)という計器があって、黒いボールが真ん中にあればいい具合に曲がっているということになります。

ターンコーディネーター
 

 

これが、ペダルを踏みすぎると、カーブの外側へ尻を振り出しながら曲がっていく感じになり、機体へのいらぬ負荷や、失速しやすくなるなどあり。ターンコーディネーターでは、ボールがカーブの外側に出ちゃいます。

これをスキッドと言います。 「飛行機操縦のABC」イカロス出版
 

 

 

一方、踏み足りないと、今度は機首をカーブの外側に向けながら、横滑りしていくようなカーブになり。スキッドと同じく避けるべきカーブとなります。ターンコーディネーターのボールはカーブの内側に行ってしまいます。

これをスリップと言います。 「飛行機操縦のABC」イカロス出版
 

 

スキッドやスリップは、ターンコーディネーターをみていないとなかなか気づかず。気づいたときは、コーディネタ―の玉ころを中心位置にけりこむようにべダル操作をすると修正できます。

また、操縦かんを倒しすぎたり、倒し足りなかったりするとやはりボールは中心から逃げちゃうので、操縦かんの場合は玉ころを中心に引っ張る感じで修正しますが、ふつーは30度旋回なら30度に人工水平儀のマークがぴたりと止まるよう操縦かんを操作して、玉ころの微修正はペダル操作で行っています。

20度旋回の例。人工水平儀の中央上黄色い三角のインジケーターが20度の白線で止まっています。玉ころは取り忘れた、というか玉ころを入れると地平線がみえなくなっちゃうので入れていませんが、まあまあ中央で維持していたと理解。
 

 

と思ったら、玉ころのある写真も発見。こちらは同じ20度でも左旋回。ちょっと上昇気味、それにつられて速力が落ち気味です。なかなかむずかしいですねえ
 

 

あと、上の写真で重要なのが人工水平儀の左横にある昇降計で、下降・上昇率0に維持します。つい上昇しちゃうと失速の危険が出るし、下降すると今度は速度がイエロー域に入っちゃうので、気を使います。

ドリフトやスリップは必ずしも悪、というのでもなく。飛行機の特性によりけりで、ぼくの乗っているコヨーテ(Rans Super Coyote)では、むしろぐいーんと尻を大きく振り出してカーブ内側に機首を切り込んでいくような旋回が好まれる傾向にあり。

また、高度取りすぎ、迅速に下降したいという場合に、フォワードスリップと言って、機首を左右どちらかに振り、操縦かんは機首と逆の方向に倒す、というのがあり。

意識的に操縦かんとペダルをディスコーディネートして、横滑り状態を作り出すのです。

滑走路の着陸経路に入ったけれど、高度高すぎ、という場合に多用されるテクニックで、黎明期の、フラップがなく、軽すぎてぜんぜん下降してくれないパイパーカブとかはこれができないと乗れないらしい。

パイパーカブのフォワードスリップ


 

 

あえて滑走路の延長線から機首を外したうえ、ふだんはやってはならない、ペダルとは逆方向への操縦かんの操作なので、実はなかなか怖くてできないですが、慣れてくればある程度なにげにできるようになるのでした。カブ乗りはぜんぜんなにげにやるらしい。

ぼくの乗っているコヨーテもあまり変わらず。フラップはついているけれど、フォワードスリップで高度調整というのはときたまあり。操縦席目線でのフォワードスリップを掲載します。


 

 

上の操縦席からの動画で、1:28でようそろー、と機首を中心線に戻していますが、場合によっては滑走路の真上まで来て初めて戻す場合もあり。

いずれにしろ、接地の時には機首は滑走路に正対していないとギアにいらぬ負担をかけるので要注意です。

さて、着地して減速だ!まっすぐ走らせるためには、三輪車と同じように前輪を操作しますが、三輪車と軽飛行機一般の違いは、前輪の操作をペダルで行うところにあります。これもペダルを右に踏めば機首が右を向くように作動し、左も同様です。

大きな旅客機では、ペダルではなくステアリングホイールで操作するのもあります。

YS11。機長側操縦かんの左横にあるステアリングホイールに注目。
http://www.airliners.net/photo/Interisland-Airlines/NAMC-YS-11/2228083
 

 

ちなみに、正式にはステアリングではなく、テイラーと呼ぶそうです。

一方、今どきの高性能自家用機には、テイラーもなく、ペダルと前輪が連動していないものもあります。

RV9A  https://www.kitplanes.com/jim-wright-rv-9a/
 

 

写真は「空のムスタング」RV9ですが、スピードを出すために、前輪は小さく、よわっちい支柱一本で支えられています。この前輪は自由にぐるぐると回転するようになっているところがミソで、こうしたケースではペダルで曲がりたい方のブレーキを踏むと、そちらの方のメインギアを支点に、前輪は慣性でぐりんと向きを変えて旋回します。

このやり方は黎明期の尾輪式飛行機でも採用されており。

巨大なB17を地上でまっすぐ走らすのは大変だったであろうと思います。。。。

尾輪式のB17 https://aventurasnahistoria.com.br/noticias/almanaque/b17-o-mais-importante-bombardeiro-aliado-da-segunda-guerra.phtml
と、前輪式になったB29 https://www.b29doc.com/b-29-doc-to-bring-its-history-restored-tour-to-newport-news-va/
 

 

B29もRV9と同じで、前輪を制御するステアリングシステムはなく、左右のエンジン推力と左右のブレーキで旋回したそうです(出典:https://www.quora.com/Why-did-the-B-29-have-no-nosewheel-steering)。

ここで、飛行機のペダルの特色がもう一つ明確になるのでした。

すなわち、飛行機にはアクセルペダルはないが、左右のペダルは両方ともブレーキペダル兼用なのだった。

2つブレーキペダルがあるの?

左右のペダルはそれぞれ左右のメインギアにつながっており、別々に作動させることができるようになっているのでした。

同じペダルですが、つま先で上の矢印の部分を踏み込むと赤線の軸でブレーキが作動。
下の矢印を肉球の部分で踏み込むと緑線の軸で方向舵と前輪が作動します。
 

 

ということで、上に書いたように、ステアリングのない機種ではブレーキで機首を制動し。

でも、やっぱりぼくの乗っている「こよーて」みたいに、すなおにペダルと前輪がつながっている方が全然操作しやすいですよねー

コヨーテのペダルから前輪支柱に伸びる制御機構
 

 

なぜ最新の高性能機が、よりによって脆弱で制御できない前輪にしているかというと、それは飛行機にとって車輪や支柱といった降着装置が、性能低下の元凶となる空気抵抗や重量増加を生むじゃま者だからなのです。

高性能になればなるほど、滑走路も舗装されたまともなのを想定しており、パイロットにもきちんとフレアして前輪にほとんど負担をかけない着陸の技量を要求し。

RVともなれば、飛行機が乗り手を選ぶ世界です。ムスタングというよりフェラーリですねえ。

ムスタング https://fukuokacj.jp/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B0+68
とフェラーリ https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17267411
 

 

ぼくみたいな貧乏人が乗る飛行機で、ロクな長さもない滑走路、場合によっては草だろうが土だろうが、道なき道に着陸するような場合は、前輪もがっちり強化したのが多い。

一つの究極がParadiseで、なんと前輪にぶっといショックアブソーバーを装備しています。

これは、練習生がどっかーん!という着陸をしても耐えられるようにという設計なのです。こういうところで名機というのがわかるのですよねー

Paradise
 

 

Paradiseの前車輪。アルミ色のぶっといアブソーバーに注目。
 

 

ここまでで3000字越え。とりあえず終わりにします。

ではでは。。。

 

 

Posted by 猫機長
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短編集:「愛のジョージ」と「HAIKAI」ほか

その①ヘッドセット修理

とある吉日、雨季のブラジリアにしてはからっと晴れて、久しぶりにそのへんの農場でTGL(タッチアンドゴー)してきました。ここ数週間、雨や霧で飛べないとか、飛べてもせいぜい滑走路の周回程度しかできなったので、まあまあせいせいと飛ぶことができました

現地でも有数の大農場。アスファルトの巨大な飛行場。

 

 

まあまあ、というのは、離陸前にちょっとやばくないけどやばいかも、というのが発生し。

いつもどおり、機体、エンジンと、プリフライトチェックは順調に行っていたのですが。。。

ラジオをオンにして、「えェラジオのテスト中。えへらへらへらー」とやったところ、あれ、片耳しか聞こえないじゃん?

もうフライトプランの離陸5分前くらいで、エンジンもガンガン回しているのに、あせりましたねえ。

スケルチ(マイク感度)調整とかやったのですがぜんぜんだめ。ヘッドセットからのコードを機体に接続しているコンセントをぶち抜き、コパイ用のヘッドセットに取り替えたらちゃんと作動したので、故障は機体側ではなくヘッドセットのスピーカーが死んだのであろうと判断し、その日はそのまま飛びました。

いやいや、ガンガンうなるコクピットの中でヘッドセットを外し、コンセントに抜いたりさしたりとか、うるさくてやってらんなかったですが、でもちゃんと両耳聞こえる状態でないと、大げさではなく多数の人の生死を分ける航空通信ですからねーちょうどソロでの飛行だったので全く問題なくヘッドセット交換できました。

問題のヘッドセット
 

 

さて、帰ってきてからじっくり確認、でもないけど、確かに7年以上の連続使用でもあり、湿気の立ち込めるブラジリアの夏でもあり。いつかは壊れるものが壊れたということで、インターネットで新たなヘッドセットを探してみましたが、なんと古すぎの化石になっていたらしく、どのサイトに行っても見つけることができず。

最新のに取り換えればいいじゃん?そうはしたいのですが、一応機長・コパイと2セット更新しなきゃならないし、値段も2倍どころか3倍、4倍となってしまうのですよねー

しゃあないので、いつも機体の検査をおねがいしているお兄ちゃんに連絡したら「確かに化石で新品はもうないが、部品は持っているから修理は可能である」とのことで、お兄ちゃんのアパートまでもっていって修理してもらいました。

7年の使用で、耳あてとマイクのスポンジがボロボロになっていたので、これらはコパイ分も含めて新品と交換してもらいました。これら消耗品はまだ新品があるらしい。

破れはてて、中から気味の悪い液体というボンドがにじみ出ていました
 

 

修理後はこんな感じ。耳当てがあんなにボロボロになったのは、純正品ではない得体の知れないニセモノだったから、ということで、じゃあちゃんと正規品を、としたら値段が高すぎて手が出ないので、やっぱり並行市場からまあいいじゃん、という模造品にしたのでした。ははは

ヘッドセットから耳当てを外して取り換え。上がダメになった耳当て。下がそれなりの新品。
 

ちゃんと両耳聞こえるようになりました
 

 

 

➁「愛のジョージ」と「HAIKAI」

「愛のジョージ」という名のカフェを発見。ポルトガル語で「Amado Jorge」です。

と言えば、ブラジルに住んだ人はわかると思いますが、Jorge Amado(ポルトガル語読みでジョルジェ・アマード)という文豪がおり。この文豪にあやかった、いわゆる意識高い系のカフェ兼古本屋らしい。

ムヒカそっくりのJorge Amado(パブリックドメイン)
 

 

このJorge Amadoですが、実はブラジル共産党員であり、このカフェも、結局そういう世界の住人が集まる恐るべきアジトではあるのですが、ぼくは小学校の教員のおばさんと一緒に行ったので、要すれば警察とかジエイタイとかとかかわりはないよね?ということで通してくれました。ブラジル空軍とはかかわりあいになっているけど。

街中にぽつんと立っている古本屋
 

 

ちょうどその日、というか夜の8時でしたが、共産主義者たちの集会に出くわし。でもその夜はみんなで詩を発表し合うというそれこそ意識高い系の集まりでした。

詩の内容もアジテーション的なものはなく、なんとなく平安貴族じゃね?みたいなのもあったりして。

マイクの前で歌ったり、詩の発表
 

 

安くてうまい、に近いかものサンドイッチと、謎のジュース
 

 

インテリアや古本コーナー
 

 

そのうち、へんなおっちゃんが登場し。

「俳諧をやります」

補足情報ですが、日本の俳諧とは「主に江戸時代に栄えた日本文学の形式、また、その作品のこと。誹諧とも表記する。正しくは俳諧の連歌あるいは俳諧連歌と呼び、正統の連歌から分岐して、遊戯性を高めた集団文芸であり、発句や連句といった形式の総称である。(Wikipedia)」

この俳諧が、日本人移民からブラジル人に広がり「HAIKAI」としてブラジル文化に定着したのでした。

季語だのなんだのというより、音韻とかがブラジルのソネットともなじみがあるらしいという技術的な部分と、なんでも茶化してやろう!というブラジル人の性格にマッチしたというのが主な理由らしい。

へんなおっちゃんの「HAIKAI」。お題は「マンゴー」

マンゴーは、皆さんご存じとおもいますが、とにかく繊維質で歯の間に挟まるのと、それはともかく、すさまじく黄色い果汁をそこら中にまき散らし、あたり一面を黄色くしてしまうという悪魔の果実です。

 

 

このHAIKAIを日本語に意訳したらこんな感じ(翻訳なので音韻もへったくれもないです。ご了承を)。

手にしたマンゴー

かぶりつく子供

歯に挟まる線維

喜ぶ子供。大口で笑う

黄色い笑い

 

原文はこちら、と言っても、書き取りしたわけでもなく、あくまで記憶です。

Mão com Manga

O menino Chupa

Fibra nos Dentes

Menino Feliz, Largo Sorrizo

Sorrizo Amarelo

 

ここで、「黄色い笑い」というのはブラジルのスラングで「気まずい笑い」という意味である。ここでは、盗み食いを見つけられた子供の「マンゴの-果汁で黄色く染まった口」を「気まずい笑い」とちゃかしているのですね。

 

会場は手を打って大笑い。

 

そんな感じでのんびりの一夜でした。

アフリカ系のおばちゃんと、アフリカ文化オマージュのオブジェ。
 

 

抽象画になり切れない、へんな絵画がいっぱいあった
 

 

③おまけ

今回の記事は字足らずなので、おまけに我が家の猫の写真を数枚。

車庫で、タイヤの上に登るバカネコ。
 

 

コンピュータの操作を邪魔するクズネコ
 

 

酔っ払いネコ
 

 

おそまつさまでした。

ではでは

Posted by 猫機長