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ペダルのお話

こないだ操縦かんのお話をしたとき、飛行機の操縦にはペダルも重要、と書きました。その記事ではスペースがなくなっちゃったので、改めてこちらでペダルについて書きたいと思います。

ぼくが乗っている軽飛行機「こよーて」のペダル
 

 

飛行機の操縦は「手と足」というふうに言われます。

手の方は操縦かんで補助翼と昇降舵。足はペダルで方向舵を動かします。

手足が調和するといい感じで均整の取れたカーブを切ることができます。

補助翼 http://blog.livedoor.jp/sac1195/archives/489548.html
 

 

昇降舵C*Uとは何か その1(技術的解説) | 彗星 (salamann.com)
 

 

方向舵 C*Uとは何か その2 (横の制御則) | 彗星 (salamann.com)
 

 

ターンコーディネーター(旋回釣合計)という計器があって、黒いボールが真ん中にあればいい具合に曲がっているということになります。

ターンコーディネーター
 

 

これが、ペダルを踏みすぎると、カーブの外側へ尻を振り出しながら曲がっていく感じになり、機体へのいらぬ負荷や、失速しやすくなるなどあり。ターンコーディネーターでは、ボールがカーブの外側に出ちゃいます。

これをスキッドと言います。 「飛行機操縦のABC」イカロス出版
 

 

 

一方、踏み足りないと、今度は機首をカーブの外側に向けながら、横滑りしていくようなカーブになり。スキッドと同じく避けるべきカーブとなります。ターンコーディネーターのボールはカーブの内側に行ってしまいます。

これをスリップと言います。 「飛行機操縦のABC」イカロス出版
 

 

スキッドやスリップは、ターンコーディネーターをみていないとなかなか気づかず。気づいたときは、コーディネタ―の玉ころを中心位置にけりこむようにべダル操作をすると修正できます。

また、操縦かんを倒しすぎたり、倒し足りなかったりするとやはりボールは中心から逃げちゃうので、操縦かんの場合は玉ころを中心に引っ張る感じで修正しますが、ふつーは30度旋回なら30度に人工水平儀のマークがぴたりと止まるよう操縦かんを操作して、玉ころの微修正はペダル操作で行っています。

20度旋回の例。人工水平儀の中央上黄色い三角のインジケーターが20度の白線で止まっています。玉ころは取り忘れた、というか玉ころを入れると地平線がみえなくなっちゃうので入れていませんが、まあまあ中央で維持していたと理解。
 

 

と思ったら、玉ころのある写真も発見。こちらは同じ20度でも左旋回。ちょっと上昇気味、それにつられて速力が落ち気味です。なかなかむずかしいですねえ
 

 

あと、上の写真で重要なのが人工水平儀の左横にある昇降計で、下降・上昇率0に維持します。つい上昇しちゃうと失速の危険が出るし、下降すると今度は速度がイエロー域に入っちゃうので、気を使います。

ドリフトやスリップは必ずしも悪、というのでもなく。飛行機の特性によりけりで、ぼくの乗っているコヨーテ(Rans Super Coyote)では、むしろぐいーんと尻を大きく振り出してカーブ内側に機首を切り込んでいくような旋回が好まれる傾向にあり。

また、高度取りすぎ、迅速に下降したいという場合に、フォワードスリップと言って、機首を左右どちらかに振り、操縦かんは機首と逆の方向に倒す、というのがあり。

意識的に操縦かんとペダルをディスコーディネートして、横滑り状態を作り出すのです。

滑走路の着陸経路に入ったけれど、高度高すぎ、という場合に多用されるテクニックで、黎明期の、フラップがなく、軽すぎてぜんぜん下降してくれないパイパーカブとかはこれができないと乗れないらしい。

パイパーカブのフォワードスリップ


 

 

あえて滑走路の延長線から機首を外したうえ、ふだんはやってはならない、ペダルとは逆方向への操縦かんの操作なので、実はなかなか怖くてできないですが、慣れてくればある程度なにげにできるようになるのでした。カブ乗りはぜんぜんなにげにやるらしい。

ぼくの乗っているコヨーテもあまり変わらず。フラップはついているけれど、フォワードスリップで高度調整というのはときたまあり。操縦席目線でのフォワードスリップを掲載します。


 

 

上の操縦席からの動画で、1:28でようそろー、と機首を中心線に戻していますが、場合によっては滑走路の真上まで来て初めて戻す場合もあり。

いずれにしろ、接地の時には機首は滑走路に正対していないとギアにいらぬ負担をかけるので要注意です。

さて、着地して減速だ!まっすぐ走らせるためには、三輪車と同じように前輪を操作しますが、三輪車と軽飛行機一般の違いは、前輪の操作をペダルで行うところにあります。これもペダルを右に踏めば機首が右を向くように作動し、左も同様です。

大きな旅客機では、ペダルではなくステアリングホイールで操作するのもあります。

YS11。機長側操縦かんの左横にあるステアリングホイールに注目。
http://www.airliners.net/photo/Interisland-Airlines/NAMC-YS-11/2228083
 

 

ちなみに、正式にはステアリングではなく、テイラーと呼ぶそうです。

一方、今どきの高性能自家用機には、テイラーもなく、ペダルと前輪が連動していないものもあります。

RV9A  https://www.kitplanes.com/jim-wright-rv-9a/
 

 

写真は「空のムスタング」RV9ですが、スピードを出すために、前輪は小さく、よわっちい支柱一本で支えられています。この前輪は自由にぐるぐると回転するようになっているところがミソで、こうしたケースではペダルで曲がりたい方のブレーキを踏むと、そちらの方のメインギアを支点に、前輪は慣性でぐりんと向きを変えて旋回します。

このやり方は黎明期の尾輪式飛行機でも採用されており。

巨大なB17を地上でまっすぐ走らすのは大変だったであろうと思います。。。。

尾輪式のB17 https://aventurasnahistoria.com.br/noticias/almanaque/b17-o-mais-importante-bombardeiro-aliado-da-segunda-guerra.phtml
と、前輪式になったB29 https://www.b29doc.com/b-29-doc-to-bring-its-history-restored-tour-to-newport-news-va/
 

 

B29もRV9と同じで、前輪を制御するステアリングシステムはなく、左右のエンジン推力と左右のブレーキで旋回したそうです(出典:https://www.quora.com/Why-did-the-B-29-have-no-nosewheel-steering)。

ここで、飛行機のペダルの特色がもう一つ明確になるのでした。

すなわち、飛行機にはアクセルペダルはないが、左右のペダルは両方ともブレーキペダル兼用なのだった。

2つブレーキペダルがあるの?

左右のペダルはそれぞれ左右のメインギアにつながっており、別々に作動させることができるようになっているのでした。

同じペダルですが、つま先で上の矢印の部分を踏み込むと赤線の軸でブレーキが作動。
下の矢印を肉球の部分で踏み込むと緑線の軸で方向舵と前輪が作動します。
 

 

ということで、上に書いたように、ステアリングのない機種ではブレーキで機首を制動し。

でも、やっぱりぼくの乗っている「こよーて」みたいに、すなおにペダルと前輪がつながっている方が全然操作しやすいですよねー

コヨーテのペダルから前輪支柱に伸びる制御機構
 

 

なぜ最新の高性能機が、よりによって脆弱で制御できない前輪にしているかというと、それは飛行機にとって車輪や支柱といった降着装置が、性能低下の元凶となる空気抵抗や重量増加を生むじゃま者だからなのです。

高性能になればなるほど、滑走路も舗装されたまともなのを想定しており、パイロットにもきちんとフレアして前輪にほとんど負担をかけない着陸の技量を要求し。

RVともなれば、飛行機が乗り手を選ぶ世界です。ムスタングというよりフェラーリですねえ。

ムスタング https://fukuokacj.jp/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B0+68
とフェラーリ https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17267411
 

 

ぼくみたいな貧乏人が乗る飛行機で、ロクな長さもない滑走路、場合によっては草だろうが土だろうが、道なき道に着陸するような場合は、前輪もがっちり強化したのが多い。

一つの究極がParadiseで、なんと前輪にぶっといショックアブソーバーを装備しています。

これは、練習生がどっかーん!という着陸をしても耐えられるようにという設計なのです。こういうところで名機というのがわかるのですよねー

Paradise
 

 

Paradiseの前車輪。アルミ色のぶっといアブソーバーに注目。
 

 

ここまでで3000字越え。とりあえず終わりにします。

ではでは。。。

 

 

Posted by 猫機長
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高度計を信じよう

こないだその辺を飛んでいたら、管制官のお姉さんからお𠮟りが。

いわく「チャーリーモード受信不能。トランスポンダ-チェックせよ」

小さな飛行機で飛んでいます
 

 

へいへい、とトランスポンダーのIDENTボタンを押してチェックしたのですが、どうもこちらの高度が管制まで届いていないようで、何度かチェックの後、やっと

「Cモード受信。レーダーコンタクト確認」と、無罪放免になりました。

なんか暗号文みたいになってしまったので、説明します。

C(チャーリー)モードというのは、ぼくの操縦している軽飛行機に搭載された機位発信装置すなわちトランスポンダーと連動した高度エンコーダーによって機体の飛行高度が管制に発信されている通信作動形態(モード)の意味です。

ますます意味不明か?

要すれば管制のお姉さんは、この高度エンコーダーから発信されるぼくの機の高度情報が受け取れておらん、機材チェックせよ、と言っていたのでした。

そこで、こちらはトランスポンダーのIDENTボタンを押して、送信チェックを実行。こうすると、管制官が見ているスクリーン上で、ぼくの飛行機を表す光の点が、ぴかぴか!と点滅し、トランスポンダー異常なし、ということを明示するのでした。

計器盤の中央に鎮座しているトランスポンダー。STBY、ALT、IDENTのボタンに注目。
 

 

ただし、IDENT実行には、まずSTAND BY – ALT – IDENTと順序立てて複数のボタンを押す必要があるとか、いったんIDENTを押すと管制官の画面で8秒だったか12秒だったかぴかぴかとまぶしく点滅して、ほかの機の光の点滅が見えなくなっちゃうとかあり。「まちがってIDENT押しちゃった」とかやると管制から烈火のごとく怒られるので皆さんが飛行機を操縦するときはご注意くださいね。

 

さて、管制がCモード受信できん、という場合、たいていは気象状況によって電波が切れぎれになっちゃうというのが多いはずだが、万一こちらの機器が故障していた、だったらやばいので、着陸したら早速トランスポンダーとアンテナをチェックしました。

そしたら、なんとアンテナがごみや錆で真っ黒けになっていることを発見!これでよく発信・受信できていたなとびっくり。

アンテナ。管制のお姉さんごめんなさい
 

さっそくガシガシとこすって錆とかはとったのですが、勢い余ってアルミ?のメッキもはがしてしまい。なんかプラスチックみたいな白い地肌が出てきちゃった!

そこで、いつも機体の年次検査をお願いしている兄ちゃんに連絡。週日でぼくは町から出られないけれど、お兄ちゃんに格納庫のカギを渡し、郊外の飛行クラブまで出張修理へいってもらい。機体からアンテナを外し、点検してもらいました。

この結果

「アンテナ自体は全然問題ない。ただアンテナとCモード送受信機の接続部分で機体に干渉していたのでちゃんと絶縁しといた」

さらには「メッキが剥がれて、アンテナ本体の真鍮だっけ?がむき出しなのは問題ない」ということで、70ドルの出費を抑えることができたのは安堵。

新品のアンテナ。これで70ドルですから、やってらんないですねー
https://www.aerian.com.br/antena-transponder-dme-conector-bnc-ted-104-12
 

 

その後は、トランスポンダー画面のCモード送受信シグナルもちゃんと点滅するようになり、いい感じに作動しています。

画面に表示されている「ALT」の下に、「R」のシグナルが点滅し、高度情報を管制に送信していることがわかります。
 

 

これだけだったらめでたしめでたしなのですが、修理屋のお兄ちゃんの心無い一言で、夜も眠れない、恐ろしい懸念が発生してしまったのでした。

その一言とは

「トランスポンダーの高度表示の誤差がでかすぎたから、調整しておいたよ」

と、まあこれだけならよかったのですが

「ちゃんと(機体を駐機してある)飛行クラブの標高にあわせといたからね」

の一言がぐさりと突き刺さったのでした。

標高にあわせた?うああああー?

というのも、トランスポンダーの表示すべき高度というのは、標高とかではなく、標準大気圧1013hPaに合わせたものでなければならないからなのです。

標高に合わせなければならないのは高度計で、離陸前にかならず「QNHセッティング」を行います。

QNHというのは「海抜高度規制値」のことです。

気圧は毎日変わりますが、飛行場の標高は一定しているので、例えばぼくのホームベースであるSDCB飛行場では、離陸前に「3200フィート」にダイヤルを合わせます。その時高度計の気圧表示窓に現れる気圧がその日の気圧ということである。QNHは飛行場近辺の低空を飛ぶときは特に大切です。

海抜3160フィートの飛行場にて。左がQNHセッティング。「コールスマン窓(黄色い枠内)」表示の大気圧1023hPa。これがQNE(右)になると、気圧を国際標準の1013hPaに合わせるので、高度は300フィート近く低い2920フィートになってしまいました。
 

 

一方、トランスポンダーはあくまでQNEセッテイングでなければならないのである。

QNEとは「国際標準大気規制値」。

広いようで狭い空では、いろんな場所から飛んできた飛行機が同じ空域に交じりあい。たとえば羽田から飛んできた飛行機とブラジリアで離陸した飛行機がブラジリア上空でかち合った場合、ブラジリアの気圧に基づいた高度計セッティングと、羽田の気圧に基づいたセッティングでは同じ高度でも明らかに高度計の針は違う高さを指してしまい。ニアミスなどの原因となるので、「じゃあ一定の気圧を決めてみんなこの気圧で高度計を調整しましょう」としたのがQNEです。そして、その気圧は国際標準大気1013hPaとなっています。

ふつう、みんなQNHで離陸し、ある一定の高さまで行ったらQNEに変更します。ちなみに、QNEでの高度の呼び方は、7500フィートとは言わずFL075(FLはフライトレベル)となります。

QNHとQNEの差
https://www.linkedin.com/posts/airlifter_qnh-qne-and-qfe-are-altimeter-settings-activity-7093040410830274560-PiU5
 

 

 

要すれば、トランスポンダーの表示はあくまでQNE(標準気圧、1013hPa)に基づいたものでは無ければならないのに、修理屋の兄ちゃんが不用意に「標高に合わせた」なんていうから、こいつQNEとQNHを勘違いしたんじゃね?

という恐ろしい疑惑が生まれてしまったのでした。

その日は水曜だったか?木金は一日中ブルー。土曜日早速飛行場へ飛んで行って、ちゃんとトランスポンダーのFL(フライトレベル)表示が1013で調整となっているか確認しました。

確認自体はしごく簡単で、高度計のほうの気圧を1013にして、そこで示される高度がトランスポンダーのFL表示と合致していればOkということなのである。

その結果は、写真のごとく

 

 

高度計3040フィートのところ、トランスポンダーのFL30と、ばっちり合致でした。

あーよかった

*この確認方法では、高度計がしっかり調整されている必要があります。念のため

FLの調整がちゃんとなされていないと、罰金(恐ろしい金額です)以前に、本当にエアトラフィックを混乱させてしまうので、間違ってもこの調整でQNHとQNEを取り違えるなんてあってはならないのである。

ただ、このチェックは問題なく正しい数値が出るだろうというあてはあった。

というのも、トランスポンダーへ情報発信する高度エンコーダーは、そもそも標準気圧に基づいた数値(高度)しか示さないようになっているからである。

一抹の不安として、このエンコーダーが出す数値に誤差が生まれていて、それを修理屋の兄ちゃんが下手にいじってさらに拡大してしまった、ということを恐れていました。

結論から言えば、お兄ちゃんは「標準気圧に基づいた標高に調整した」という、下線の部分をはしょってしまったということなのですね。。。

「標高」という言葉は「標準気圧」という言葉が前提になっているのかもしれませんが。

というわけで、終わりよければすべてよし、と強引に終わるのでした。

ははは

ではでは

 

Posted by 猫機長
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前が見えない➁ 旅客機の風防

 

 

その①についてはこちらをご参照→前が見えない
今回は、旅客機の風防について投稿します。
黎明期の旅客機は、風防なんてなくて吹きさらしで飛んでいましたが、そのうち飛行機のスピードが速くなり、高度も上がったりしていくうえで、すっぽり操縦者を覆う機体と風防に進化しました。

黎明期の旅客機 https://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/cl-pln8/DH66.html
 

といっても、最初はユンカース旅客機みたいに、機体には操縦者も覆う天井があるのに、なぜか操縦席だけ大きく天井をぶち抜いて、風防には申し訳程度の透明な板をくっつけたみたいな謎の飛行機も生まれ。

TYO magazine » 世紀をこえ、歴史的航空機が復活!──「ユンカース F13」 (tyo-m.jp)
 

 

Rimowa’s beautiful Junkers F13 flies for the first time | British GQ | British GQ (gq-magazine.co.uk)
 

 

ここまでやるんだったら全部覆えばいいじゃん、ということでハンニバルみたいな感じのが生まれました。
とくちゃんのプラモの部屋・プログ – 楽天ブログ (rakuten.co.jp)https://plaza.rakuten.co.jp/tokuchanplamo/diary/200611110000/
 

 

この当時はガラス・プレキシガラスの曲面加工とかがまだまだ未発達で、風防も窓枠ありすぎみたいなのが多かった。

エアスピードAs6Aエンヴォイ https://i.ytimg.com/vi/0eeUetkIz1o/maxresdefault.jpg
 

 

ちょっと脱線ですが、その後加工が比較的容易になった第二次大戦でも、一部の飛行機は曲面を極力避けて平面のガラスを窓枠で結合していた。

JU88 https://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/cl-pln4/290Ju87.html
 

 

零戦 https://onemore01.blog.ss-blog.jp/2015-11-15-1
 

 

東海 パブリックドメイン
 

 

曲面ガラスだと光が乱反射して全然透明にならず。海面下に身をひそめる潜水艦を目視で発見するために作られた東海など、典型的な「曲面ガラス大嫌い」の飛行機になってしまったらしい。
旅客機の場合は、上だの後ろだの下だのを見る必要はなく、ちゃんと離着陸できて前が見えればいいやということで、機首のガラス部分も次第に必要最小限のものに効率化されていった。ドラゴンラピードからエレクトラへの変遷で見て取ることができます。

https://www.mailexperiences.co.uk/de-havilland-dragon-rapide-flight-over-london
 

 

ロッキード エレクトラ https://www.hobbyland.jp/shopdetail/000000103144/
 

 

このへんで、だいたい現在に通じる旅客機の風防のスタンダードが生まれたというか定着し始めました。
スタンダードと言えばDC3。

https://airlegend.fr/aircraft/dc-3/
 

 

まず、流線形の丸い機首。そして、操縦者にすっぽりかぶさる感じで風防と天蓋が設置された。

http://hikokikumo.net/Z-14-Senmonka.htm
 

 

似たようで個性のある旅客機たちの機首と風防はこんな感じ

ボーイング247 https://flightsim.to/file/34658/boeing-247-fast-western-airlines-fwa18
 

 

ビーチクラフト モデル18 https://i.ytimg.com/vi/NjJ05D0YR-c/maxresdefault.jpg
 

https://aviadejavu.ru/Images6/MA/MA95-2/o2-4.jpg
ロッキード スーパーエレクトラ
 

 

三菱MC20旅客機 https://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/cl-pln8/MC-20.html
 

 

しかし、雨だろうが雪だろうが既定の路線を飛んでいかなければならない旅客機にとって、「風防に水滴や雪などが吹き付けられて、前が見えなくなってしまう」というやばい問題が生じ。
しょうがないので、せっかくコクピットに守られたパイロットが、風防のサイドウインドーを開けて顔を出し。びしょ濡れになりながら操縦というケースも多々発生してしまいました。
どうしよう。。。。
ワイパーが実用化されたのは第二次大戦くらいかららしい。
連合国勝利の立役者となったDC3が、ワイパーを設置して、雨だろうが雪だろうが元気いっぱい飛び回った。
ちなみに、日本にもDC3のライセンス版である「零式輸送機」がありましたが、こちらにはワイパーはなくて、戦後になってから日本の高空会社が購入した舶来のDC3に「あああこんな便利なものがあったのか!」と大喜びしたといううわさもあり。
まだワイパーのなかった戦前の30年代とかはどうしたのかというと
「風防に逆傾斜をつけた」
ボーイング247が典型的です。
まずは通常型から

https://flightsim.to/file/34658/boeing-247-fast-western-airlines-fwa18
 

 

逆傾斜をつけたのはこちら

https://www.tedwilliamsaviationart.com/profile-art/boeing-propliners/boeing-model-247-united-air-lines.html
 

 

この結果雨や雪が風防に貼りつかなくなって大喜びだったそうです。でも、機体強度だの空気抵抗だのではやはり無理があるらしく、ワイパーにとってかわられて今日にいたっています。

777のワイパー 縦ワイパーと横ワイパー: 風の探検隊 (air-nifty.com)
 

 

飛行機にとってなにより命なのがスピード。
でも、スピードだけでロクに前がみえない、操縦できない、というのでは困るので、パイロットの視界をよくする必要もあり。
結果、風防ガラスの位置や角度が色々と工夫されて、いろいろな旅客機の特徴的なツラがまえというか機首ができてきました。
も一度DC3ですが、やはり世界の名機だけあって、必要なものが必要な大きさと形で、と理解します。

http://hikokikumo.net/Z-14-Senmonka.htm
 

 

DC3の風防は、すとんと切り立った小さめのものが、大きくラウンドした天井にくっついており。重く、あつかいにくいガラスの使用面積を最小にしながら、空気抵抗の増大を抑えています。最新の旅客機では、機首と風防の段差がなくのっぺりとしています。空気抵抗の面ではこの方がいいのでしょうが、斜めにすればするほどガラスの面積も増えるわけで。さらには機体と一緒に曲面に整形しないとかえって空気抵抗増大になってしまいますから、整形しても軽く破損せず、かつ偏光して視界がゆがむということのない、最新技術があって初めて可能になったものと思われます。

https://air.theworldheritage.com/htm/htm_flame/flame_ERJ175.html
 

 

DC3から今日までの過渡期の例でYS11があり。当初のっぺり型を目指したが、やはり段差をつける方がよいということになり。確か3回ほど設計変更して最終的な形が決定された。

_pdf (jst.go.jp)
 

 

すずめや鷹など、鳥の頭はだいたい段差型をしており、個人的にはこれが一番効率的かなーと思うのですが、段差のない「機首一体」のも存在しています。

段差のないのもいる。https://medium.com/@VIVIMETALIUN/especial-tipos-de-tucano-6243f5f99434
 

 

グライダーも一体型が多い。

こういう風防で、乱反射とかないのだろうか?(PIXABAY無料画像)
 

 

とにかくスピードを出したい偵察機で、段差型から一体型に移行したのもあり。でも、「視界の歪みや夜間飛行時の内面乱反射の発生(Wikipedia)」で評判は良くなかったらしい。前期型の最高速度604キロから、段なし風防では630キロに向上したというのですが、エンジン出力も1080HP X2から1500HPX2と劇的に向上していますからねー風防の変更がどこまで役にたったかはなぞと思います

新司偵の初期型(上)http://www.hasegawa-model.co.jp/product/02243/
と後期型(下)http://www.nags-gallery.com/gallery/ki46.htm
 

 

大型機になると、空気抵抗以外の理由で、段差なしの一体型になることもあり。
例えばB29の場合、もちろん空気抵抗もあったが、通常型の機首上部に、というのだと、離着陸時に地面がみえなくなってしまい。B17で相当苦労したのか、B29では降着装置も前輪式にして、その点は離着陸がそうとうやりやすくなったとは思いますが、巨人機できびきびした取り回しの難しいB29だと、機首全体を温室みたいなガラス張りにして、地面を見やすくしたというのはあると理解します。

B29 パブリックドメイン
 

 

B29の着陸 https://www.youtube.com/shorts/zB4_tSsUJWA
 

 

B17やハドソンとか、段差式の機体でも機首はガラス張りにして照準器を置いていた。B29では、操縦席も一緒にしちゃえ!ということだったらしい。
あと、B29の場合は、与圧設備の都合があり。段差式にして照準手と操縦手を離してしまうと、効率が悪くなり設備も複雑になってしまったものと思われます。
他には機体の上部銃座の射角を確保したいというのも聞きます。
「空軍大戦略」でみんなおなじみハインケル爆撃機も、初期型は段差式だった。

初期型 https://www.gettyimages.com.br/fotos/heinkel-he111
 

 

後期型 https://www.gettyimages.com.br/fotos/heinkel-he111
 

 

与圧はないけれど、大体B29と同じ理由で「全視界操縦席」になったものと思われます。
戦後の旅客機全盛時代に戻ると、B29の民生型であるB377が機首と一体の風防になり。照準手の必要はないので、操縦席も前に移動し、ガラスの枚数も減りました。

B377 https://united-states-lines.org/boeing-stratocruiser/
 

 

ところが、ここでパラダイムシフトが。
これまでの飛行機は、とにかくパイロットの目を頼りに飛んでいましたが、戦後になってレーダーが普及し始め。
パイロットの肉眼ではとても見えないなん百キロ先の積乱雲とかを探知できるようになりました。
ただ、レーダーは飛行機の先端に付ける必要があり。というか、そうしないとぜんぜん非効率になってしまうのです。
そこで、軍用、民間問わず、飛行機の先端には「レドーム」がつくことになり。レーダーが格納されているコーン(電波透過性に優れた特殊な塗料で塗られているため、ふつー黒いです)の部分を操縦席の前にして干渉を防ぐ必要が生じた。
こうして、段差つきのコクピットが復活しました。
代表的なのがコンステレーション(ただし初期型はレーダーなかったらしい)

https://www.loughborough-raes.org.uk/ewExternalFiles/120313%20Beneath%20the%20Skin.pdf
 

 

https://www.europeanairshows.co.uk/aviation-anniversaries/july/lockheed-l-1049-super-constellation-first-flight
 

 

その後のDC8とか、ボーイング707,727,737とか、いずれもDC3ちっくな段差つきになっています。特殊な塗料もいろいろな色ができるようになり、現在の旅客機は機首も機体と同じ色ですが、その先端はレドームであり、レーダーが収まっているのです。さらに時代は進み、現在はまた段差のない形に回帰しつつあるようですね。でも、個人的にはやっぱりDC3みたいなメリハリのある段差式の機首がかっこいいと思っています。

 

ではでは

Posted by 猫機長
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滑走路と軽飛行機

以下、二つの対照的な滑走路を提示します。あなたが軽飛行機パイロットだったら、どちらが着陸しやすいとお考えでしょうか。

その1 小さな飛行クラブの滑走路。ときどき飛行学校の練習機が飛んでいるくらいで、トラッフィクがなく閑散としている。諸元は以下の通り

cbaaer – Google マップ
 

 

標高3200フィート、960mくらい。

全長600メートル、全幅6メートル。

滑走路番号03‐21

*この番号は、滑走路がどの方角に伸びているのかを示しており。03-21というのは、コンパスの30度から210度、つまりほとんど南北、という感じになっています。

https://www.asahi-net.or.jp/~TX6F-NKMR/map/map-02.html
 

その2 ジェネアビの重要なハブ空港。エアラインは乗り入れてないけど。諸元は以下の通り。

https://g1.globo.com/df/distrito-federal/noticia/2022/07/11/justica-volta-a-permitir-reintegracao-de-posse-do-aerodromo-botelho-pela-terracap-no-df.ghtml
標高3300フィート、1000mくらい。

全長1499メートル、全幅18メートル。

滑走路番号14‐32

*こちらは140度から320度ですから、東西に延びている感じ。

 

さて、軽飛行機パイロットのみなさんにとって気になる風向と風速ですが、サーマルで風が強くなった時で20ノットくらい。卓越風の風向は110度、南東から北西へ吹いています。南半球の滑走路です。

 

その1は丘陵地の底から丘の頂上に向かって登っていくような、かなり勾配のある滑走路で、離陸は滑走路番号03から谷底に向かって真っ逆さまに落ちていく感じ。着陸は21の方から坂道を登っていく感じで降ります。

ちょっと左右にそれるとたちまちコースアウトしそうな滑走路
 

誘導路に入ったところ。

彼女の身長は155cmです。滑走路の幅は3人分もうちょいで6メートルとしました。
田舎過ぎてだれも正確な寸法を知らないのだった。

ぼくが乗っている軽飛行機(LSA)の全幅が10メートルなので、翼は滑走路からはみ出してます。ははは

こんな飛行機に乗っています
 

 

 

その2は、平べったい大豆畑の端っこみたいなところにあり、東西どちらからでも離発着できる勾配の少ない平らな空港です。

全幅18メートルなので、それほど広いというわけでもないけど、その1に比べたら3倍。飛行機がとても小さく感じます。
 

見渡す限り伸びてゆく滑走路と格納庫群。
ここまで書くと、絶対その2の方が離発着しやすいよねー、だって

その2は、その1の2.4倍の長さ、幅に至っては3倍の広くて長い滑走路で、その1みたいな急こう配・谷底に降りていくような着陸は不要。視界の開けた平原だし、その1が常時真横からの横風着陸になるのに比べて、その2はほとんど機首からの向い風を利用できる。

というわけで、その2の圧勝だ!と思われるかもしれません。

 

でも、正直のところ、その1の方が降りやすかったりするのです。

えええどうして?

まず、その2から説明していきます。

https://www.flightmarket.com.br/pt/aeroportos/SIQE?srsltid=AfmBOoqiJdv9TtKkZ9JHvgA49oF0ooX81kI5frq0DeFxXseQdedn_juu
 

SIQEというのがこの空港の名前です。画像で空港の直上は藪みたいな感じ。空港の直下を道路が走り、畑や住宅が見えています。

これが何を意味するのかというと、空港の下側は確かに平べったく。しかし、上側はちょうど平野の境界線、言い換えれば崖になっていて、がけ下からの乱流が吹き上げてくるのでした。ははは

そして、滑走路自体は広くて長いのですが、写真の滑走路左端すなわち滑走路番号14、季節風に従って通常の着陸を行う端っこの先が、これまた変な窪地になっていて、こちらは吹き上げるというより、ここを通過すると浮力がなくなって急に機体が落ち込むので、わああー?とスロットルをふかして沈下を止め、そのうえで今度はスロットルオフ、機首下げですべりこみ、いい感じで滑走路番号を通過してラウンドアウトを始めたころあいで、今度は左のがけ下から吹いてきた乱流で、うあああ?と機体が持ち上げられてしまい。

画面の左から中央下が谷みたいになっていて、
乱気流が滑走路(白い箱つまり格納庫がいっぱいみえるところ)に吹き上げています。
 

ここで慌てずに操縦かんを止めればよいのですが、行き過ぎてつい前に倒してしまい。

その結果、乱流が終わった地点で今度はすとーんと落っこち。

そこで、わあああー!と機首上げ(迎角増による揚力増大。滑走路上なのでエンジンはほどんどオフ)してしまうのですが、これで下降が止まった、と安心した途端に、第2波の吹き上げ地点に差し掛かってしまい。

ぎゃああー!とつい機首下げをしてしまったときに、今度は揚力を一気に失って、どちん!と落着になってしまいます。

へんな機首下げを繰り返していると、スピードが落ちずに地面にぶつける感じになり、びょーんと跳ね上がったところで揚力を失って前輪で地上に激突、という、要すればポーポイに陥ってしまうのでした。

何度も離着陸を繰り返し、降下経路のここで沈み込み、滑走路上ではこことここが吹き上げだな?とわかって、沈み込みのところはちょっと高めで通過し、滑走路端を主脚でこするつもりで、心持ち機首上げで通過、吹き上げが来ても機首は下げないで、すとーんと落ちたときはぐっとさらに機首を上げてこらえる。これを計2回(3回の場合もある)繰り返すと、ちょっと機首を上げすぎか?みたいなかんじで、どしん(うまくいけばすとん)と主脚から接地するので、あとは操縦かんを引ききってなるべく前輪が落ちるのを遅らせることで、ぶざまだけどまともな?着陸ができるようになりました。

ただ、これは早朝の気流が穏やかな時の話で、10時から午後2時の、サーマルが荒れ狂う時間になると、滑走路上で木の葉のようにもまれてしまい。中心線上に着地するために、カニみたいに斜めになって風上の主輪での1輪着陸せざるを得ず、主脚によくないので、寝坊した日は来れない空港になってしまっています。

もっとも、これは空港が悪いのではなく、飛行機が小さすぎるのです。

こちらの空港に着陸が想定されているのは、ビーチクラフトのターボプロップ機とか、要すればハイソサエティーの乗る、ずっしりした高級なやつで、多少の吹き上げなんか気にしない、みたいなのばっかりなので、文字通り吹けば飛ぶような布張りのピストン機なんて知らないよ~ん、ということらしい。

ハイソサエティーの自家用機ビーチクラフト https://merkmal-biz.jp/post/40506
 

かなり乱気流のあった日にこいつがぐわーんと降りてきて、滑走路の端っこに接地したと思ったら、プロペラの向きを逆にしてぐわーんとすごいブレーキをかけ。例の吹き上げが始まる地点の前で無理やり停止しやがったのは、やっぱりこれだけでかくて重い飛行機でも、この滑走路における乱気流は嫌だったのかもしれん。

脱線しました。ではその1が意外とらくちんだぞ?について説明します。

こちらは、以下の着陸動画がすべてを語っていますが。。。。


一番わかりやすいのは(といって動画だとあまり地形の起伏や遠近が伝わらないのですが)、01:03のファイナルレグで、左側の小山にぶつかるようにして降りていきますが、滑走路末端はまだはるか下にあり。要すれば谷というか山というかの斜面をこするようにして降りていくところです。

言い換えれば、滑走路の末端が三方丘に囲まれているということであり。

崖の上にあるその1の滑走路が下からの乱流吹きさらしになっているのに比べ、こちらはこれらの丘がいいぐあいに乱流を遮って、滑走路上はたいてい穏やかになっているのでした。

降下中はこれらの丘に気流がぶつかって、わあああー!と揺れますが、スロットルの押し引きで乗り切り、滑走路末端に滑り込めば、そこから先は楽になるということである。

というわけで、こちらは滑走路の幅が飛行機の翼の幅より短いというふざけた滑走路ながら、ぜんぜん逸脱せずにふつーに着陸できているのでした。

また、谷底というかすり鉢の底というかが滑走路端ということは、そこから先はきつい登坂になるわけで。うまく着地さえできれば、ブレーキなしでも自然に飛行機の行き足がとまって、停止してくれる。乱気流で接地点を先延ばしにしなければならないような日には、特にありがたいです。

クラブの仲間が滑走路の末端(下のほう)での写真を持っていました。飛行機と滑走路の大きさに注目。
https://www.google.com/maps/place/cbaaer/@-15.7744664,-47.7031982,3a,75y,90t/data=!3m8!1e2!3m6!1sAF1QipNbBKOUoBYF-AFlCcxQ1Guq00GfmIXRxYKwVN01!2e10!3e12!6shttps:%2F%2Flh5.googleusercontent.com%2Fp%2FAF1QipNbBKOUoBYF-AFlCcxQ1Guq00GfmIXRxYKwVN01%3Dw203-h114-k-no!7i3840!8i2160!4m15!1m5!8m4!1e2!2s109702831146318633818!3m1!1e1!3m8!1s0x935a175f8c795307:0x3f0aea02808c1e74!8m2!3d-15.7744664!4d-47.7031982!10e5!14m1!1BCgIgAQ!16s%2Fg%2F11b6gchmnf?entry=ttu
素敵女子とお散歩した時の写真はこちら。

 

 

この勾配が幸いして、離陸は、下り坂の上から下へ滑走路が飛行機を放り投げて加速してくれ。いい感じで離陸できています。

こういう話は、じっさいに飛行機を操縦しないとわからないだろうなーなぜアメリカがジェネアビに力を入れているのかがこういうところに出ていると思います。日本にも、既定路線のエアラインだけじゃなくて、へんてこな滑走路でいろいろくふうして飛んでいるジェネアビの関係者がもっといれば、航空産業全体の発展に寄与すると思っています。

ではでは。。。。

 

Posted by 猫機長
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与圧の話

いつぞや、サッカーのW杯予選で「ブラジル対ボリビア」をやっていました。

6対0とか、ブラジルの圧勝と思っていたら、当初は機敏に動いていたブラジルの選手たちが、しだいにふらふらよたよたとくたばっていくのです。

ボリビアの方は終始元気いっぱい。

結局、2対0とか、ブラジルは勝ったけれど、なんか物足りない結果に。

ブラジルの選手は試合後「お前はもう死んでいる」状態になっていました。

高度3000メートル近いラパス市での試合で、富士山の8合目を走り回るのと同じになり。ブラジル選手は酸欠を起こしていたのです。

ボリビア人は、現地人の強みで、血中濃度が高まっていたらしい。

Arthur Friedenreich: a lenda do futebol brasileiro antes de Pelé


 

 

飛行機でも同じことが起こります。

ぼくが乗っている軽飛行機だと、高い時で7500フィート、すなわち2500メートルくらい。

この程度だと、寒いけれど、呼吸とかはぜんぜんふつーです。

3000メートルを超えると、サッカーみたいな運動をしなくても判断力が鈍り。これ以上の高度は酸素マスクとかが推奨されるらしい。ぼくはそれほど上がったことがないから知らないけど。

でも、パイロット以前に飛行機が悲鳴を上げ始めます。

高度を上げると、飛行機の過給機に十分な酸素がいきわたらず、エンジンの出力が落ちてしまうのです。

こうした状況を逆手にとって、偵察機とかは戦闘機の上がってこれない高度を飛ぶことができるようにしたのが多い。

その好例が「SR-71」。

Pixabay無料画像
 

 

実用高度25,929mと、飛ぶ高度が高すぎて、パイロットも生身だとたちまち窒息したうえ凍死してしまうので、宇宙服みたいな飛行服で保温し、酸素をいきわたらせるなどしています。

https://airandspace.si.edu/multimedia-gallery/08awinterjan2022interview-pressuresuitlivejpg
 

 

 

日本の「百式司令部偵察機」では、別に与圧服があるわけでないのに、酸素マスクと闘魂でアメリカのB29と同じ1万メートル近くまで上がってがんばった。

B29のほうは、やっぱり宇宙服か?

いやいや、半そで半ズボンとかで飛んでいたという記録があります。

なぜだ?B29搭乗員は、メチールでもきめて、狂乱していたのか?

いやいや、ある工夫で、B29の機内は、地上とあまり変わらないように調節されていたのです。

その調整の秘法が「与圧」。

エンジンで空気を圧縮し、なんとか人間の生き延びられる気圧、温度、湿度にしたうえで、畿内に導入しているのです。

地上と同じ1気圧にしようとすると、エンジンの推力が与圧の維持に取られすぎるなどして非効率なので、だいたい0.7気圧から、最近は0.8気圧まで上げることができるようになったらしい。

1万メートルの上空では、温度は―50度、気圧は地上の4分の1なので、いかに強力に与圧されているかということですねーそれでも何とか高度2500メートルくらいの気圧に持って行っているということなので、地上にいるのに比べて相当乾燥し、かつ酸素濃度も70%くらいまで下がってしまい。乗客も、何もしなくてもふらふらし始め、気が付いたら寝ちまってた、というのも多いと思います。

畿内全体を与圧できるようになったのは、戦前にもボーイング307とかあるにはあったが、実態上は戦後になってから。

B29の場合は、操縦区画や、銃手のいる区画に限定して与圧していた。

Pixabay無料画像
 

 

https://www.quora.com/Was-the-B-29-pressurized
 

 

https://www.sun-inet.or.jp/~ja2tko/jap/jap.b29/b29no2.html
 

 

ちなみに、日本の百式司令部偵察機のスケルトンはこんなかんじ


もちろん与圧はなし。
 

 

その与圧の経験が戦後の花形マンモス輸送機であるコンステレーションやB377,DC4などに生かされました。

与圧が大量高空輸送にとっていかに重要であり、しかし困難かつセンシブルな先端技術であったか。与圧の失敗がいかに重大な被害をもたらすかというのに、コメット旅客機の連続事故があります。

コメット旅客機(パブリックドメイン)
 

 

 

戦後、「最後のレシプロ旅客機」と言われたボーイング377が、B29譲りの機体とB307 からの集大成である与圧設備で世界の空を制覇していたころ、与圧の技術を会得しつつあった英国が、満を持してコメット旅客機を開発しました。

先進的な後退翼の4発ジェット旅客機で、さしものB377も時代遅れになったか?

がしかし、コメット旅客機に連続して重大な空中分解事故が発生。

乗員も乗客もみんな4んじまうので、原因究明にも苦労し。

それでも、そのうち、与圧が事故の原因であることが明らかになり。

与圧した飛行機というのは、機内の圧力が外気に比べて異常に高くなっており。要すれば風船がぱちん!と破けちゃうみたいな、一歩手前にあるのを、機体の骨組みだ外皮だとかで無理やり抑えこむことになってしまい。

風船に針、と同じとは言わないが似たような感じで、穴が開きでもしたら、そこから亀裂が走り、機体が破裂してしまうことが分かった。

そして、穴が開く重大な原因の一つが「四角い窓」

 

 

つまり、窓の鋭角(角)の部分に圧力が集中して、ひびが入ってしまうのである。

アメリカ側は、四角い窓の危険を知っていたのか?B377では、まるい窓のバージョンが多かった。でもユナイテッド航空などの使用していた機体は四角い窓だし、四角と丸の混合した機体もあり。ボーイングもまだ試行錯誤だったらしく、別にアメリカが英国に与圧の情報を出し惜しみしたから発生した事故ということでもなさそうである。

https://flyawaysimulation.com/images/add-ons/18640/b377-lia-1zip-1-image.jpg
 

 

上部キャビンが角窓。下部キャビンが丸窓の例。
https://www.airliners.net/photo/Ghana-Airways-Nigerian-Airways/Boeing-377-10-34-Stratocruiser/92259/L
 

 

四角窓でも与圧に問題を起こさなかったB377おそるべし。これなら、機銃掃射を食らってハチの巣になっても、空中分解とかはせずに、ユウユウと飛び続けるのではないかと思ったりします。

これは、英国の飛行機がひ弱なのではなくて、アメリカの飛行機がどこかおかしいのです。

与圧はアメリカの得意技ではあるけれど、別に専売特許でもなく。

バトル・オブ・ブリテンの段階で、ドイツは超高空を飛ぶJU86という大型偵察機を開発しており。

高度1万2千メートルという、泣く子も黙る高空性能で、もちろん与圧室を備えていました。でも、乗員は2名のみで、全長17メートル、全幅25メートルという大きな機体(東京を初空襲したB25くらいの大きさ)になんとか2名分の与圧設備を搭載できた。

https://i.pinimg.com/originals/df/31/ce/df31ceee9dd35f3290c06e15dd46bd07.jpg
 

 

ttps://br.pinterest.com/kadyshevks/
 

スピードは時速400キロくらいで、遅くはなかったけれど速くもなく。ディーゼルエンジン搭載とか、なかなか妙味のある機体なのでいつか詳しく書いてみたいですが、そんな与圧装置付きの不思議な飛行機が存在しており、大戦中期にイギリスが高高度型スピットファイアを開発するまでは、1400キロの航続距離を生かして、のこのこと敵地上空に侵入し。

JU86を追っ払った高空型スピットも与圧装置を備え。2重の風防をスライド式ではなくねじ止めにしたりとか、与圧隔壁をコクピットに新設したとか、いろいろ工夫し。実はあまりうまく作動しなかったらしいのですが、英米は電熱服や酸素吸入など進んでいたので、パイロットも、あああ!ちびってあそこが凍っちゃった!壊死だ!なんてならずに済んだらしい。

 

B29を迎撃した日本の屠龍だの雷電だの飛燕だのは、作動するしない以前にそもそも与圧がなく。米英に比べ粗末な飛行服でよくぞ成層圏まで上がれたものと思います。リポビタンDでも飲んで、「ガンバラナクッチャ」と、はっちゃきになって飛んで行ったんでしょうねえ。

ガンバラナクッチャ

 

 

与圧のなかった大戦中の戦闘機でも、米英のは「気密性」がよく、要すればキャノピーを閉めれば寒い外気は100%遮断され、エンジンの熱でそこそこ暖かかったらしいです。

日本機はどうだったでしょうか。なんか「ブラックな職場」という言葉が浮かんできてしまうのは、ぼくだけでしょうか。

ああ無情。。。

ちなみに、ぼくの乗っている軽飛行機は、ぜんぜん気密性がなく、隙間風吹きまくりで、冬は凍えます。。。

小さな飛行機に乗っています
 

 

いまどきの旅客機は、素敵女子のCAさんがにこにこと機内食を配り、映画だなんだと、あたかもお家の居間にいるような感覚にしてお客をけむに巻いていますが、舟板一枚下は地獄じゃなかった、隔壁一枚裏は。。。。なので、理解して乗りましょう。

もちろん、隔壁が破れたりすると、遺族への補償でエアラインはつぶれるし、同型機は一斉に飛行停止とかになってしまうので、絶対隔壁が破れない構造になっているのが現代の飛行機ではあります。

最後はおどかしてしまいました。まあ、隔壁なんてない軽飛行機に比べれば、ジェット旅客機は急減圧とかが起こらないとは言えないけれど、全然大丈夫ですよーと、皆さんの飛行機旅行を無責任にけしかけて、結びといたします。

 

ではでは

Posted by 猫機長
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短距離ランナーがマラソン走者になった話

飛行機マニアなら「スピットファイア」という言葉はご存じと思います。

「英国の戦い」でドイツのメッサーシュミットBf109戦闘機をやっつけてドイツ軍の怒涛の進撃をくいとめ。英国がドイツに占領されずに生き残る上で決定的な貢献をした殊勲の戦闘機です。

Pixabay無料画像
 

 

でも、実は空戦そのものはメッサ―と一進一退だったらしい。

メッサ―を追い払ったように見えて、実はメッサ―の方で燃料切れになり、お家に帰らなきゃ。。。と退散していったので、いかにも「制空権を確保しました」というふうになった。

この当時、ヨーロッパの戦闘機は軒並み航続力が少なく。大陸内で飛んでいるうちは、燃料切れになっても、彼我入り乱れた前線のそこかしこに味方の補給施設もあったので、存分に空戦して、燃料切れになったらそのへんに降りましょう、ですんでいた。

太平洋のぽつねんとした島々を飛んでいた零戦とかとえらい違いですねーちなみに、零戦乗りが一番ほめるのが格闘性能でもスピードでもなく「安心していって帰ることのできる航続力」だったそうです。

零戦の偉大さがここに明確となります。元来、3000キロなんて航続距離を得るためには、燃料積みすぎとなって直線飛行もままならないはずなのに、満タンでも米英の新鋭機と互角に格闘するという狂った戦闘機になっています。要すればマラソンランナーなのに短距離選手の瞬発力も併せ持つバケモノでした。(バケモノになれた悲しい理由はこちら→グラマンと零戦)

代わって、スピットやメッサ―は、航続距離は925キロくらいしかなく。そのぶん機体、エンジンに振り分けることができて、これ以上ない俊敏な短距離選手になりました。

さて、英国の戦いではドーバー海峡が大陸と英国の間に横たわっており。直線距離で34キロと、短いようでいてその先は敵地であり。この時押せ押せで英国領空に殴り込んでいたドイツ機は、被弾しようがどうなろうがこの海峡を飛び越えないとそこで終了となってしまうので、勝っていても途中で背を向けて帰るしかなくなり。

スピットの方は文字通り自分の家の庭で戦っていたので、よゆうよゆう!でした。

連合軍戦闘機の行動半径の増加 http://ktymtskz.my.coocan.jp/E/EU5/bomb3.htm
 

 

こうして、防空戦では大活躍したスピットですが、攻める方になるとやっぱりからきしダメになり。長距離爆撃機についていくことができず、戦闘以前にそもそも戦場そのものに到達できずに、丸腰になったB17など爆撃機が大被害を受けることになってしまいました。

でも、戦闘機としての性能は申し分ないので、英国人はいろいろ考え。

「そうだベルリンに行こう」ということになりました。

その距離960キロ。八丈島から「そうだ京都に行こう(806キロ)」というのとまあまあ似たような距離である。

でも、これってスピットの最大航続距離じゃん?ベルリンまでいけないことはないけれど、そこでエンコだよ?

そこはイギリス人で、いろいろやって、航続距離を倍増した、スピットの長距離偵察型を作り上げてしまったのでした。

まずは、重量物を廃棄した。

敵と会っても、正面からドンパチではなく、逃げるが勝ちだ!が任務なので、重たい防弾装置や、機銃などはぜんぶ下ろしてしまった。

この結果、偵察型スピットの風防はすっきりというかのっぺりというかになり。

通常型の風防(上)https://togetter.com/li/1146070 と偵察型(下)https://ammonaitoh.blog.fc2.com/blog-entry-841.html の風防
 

機銃を取っ払ってスペースができた主翼の前縁の先っちょから胴体との接合まで全部燃料タンクを増設した。

機銃がなくなってすっきりした主翼前縁 http://blog.livedoor.jp/hyamagu3/archives/52270196.html
 

 

 

これだけで航続距離は倍増し、2254キロまで伸ばすことができたらしい。零戦の3350キロよりまだ少ないけれど。。。

それでも気が済まず、主翼下胴体中央に半月型の増設タンクを設置。

https://www.webmodelers.com/202308Kotobuki.html
 

 

一方、無理やり航続距離を倍以上にしたため、油温や油圧がやばくならね?とオイルタンク容量も増大しなければならなくなった。

この結果、スマートな曲線を描いていた機首下部のラインが、なんかぼっこりしたさえないデザインになってしまった。

https://ammonaitoh.blog.fc2.com/blog-entry-841.html
 

 

さらに、重量のバランスをとるためか微妙に尾部を延長し、垂直尾翼の形もへんなとんがり気味のかんじに変更。

https://majo44.sakura.ne.jp/planes/spit9/10.html
 

 

のっぺりした風防とあいまって、なんかスピットにしてはぼてっとした、痩せてるけどやぼったいスタイルになってしまいました。きっとケイト・ベッキンセイルが化粧を落としたらこんな感じになるんだろうなあ。

ケイト・ベッキンセイル https://www.cc9.ne.jp/~yokota/yoko-index.html
 

 

ところで、胴体下面に穴が開いていますが、これはうんちやお◎っこが出るのではなくて、写真機のレンズ穴なのでした。偵察機ですから。。。

https://www.webmodelers.com/202308Kotobuki.html
 

 

ちなみに、この写真を見て、子猫のおしりぽんぽんを思い浮かべるのはぼくだけでしょうか。生後間もない子猫は、まだ腹筋だのが弱すぎて自分でお◎っこやうんちができないので、母猫がなめなめ、あるいは飼い主さんがティッシュでそこをぽんぽん、と刺激して排出促進しなければならないのですよね。。。


 

 

 

もともと戦闘機なので運動性は抜群。でも燃料いっぱいに写真機、丸腰じゃあ、メッサ―相手に心もとないよねー、ということで、どうエンジンをいじったか、高空性能も充実させることができ。

でも、そのままだとパイロットが凍死・窒息死してしまうので、操縦席を与圧式にした。

このため、風防はねじ止めにして、むりやり圧力差で吹き飛ばないようにするなど、パイロットから見れば恐怖でしかない細工がなされ。でも、与圧なしで1万メートルまで上昇し、お◎んちんが凍っちゃうよりましか、と文句は出なかったようです。

こうして完成した偵察型スピットは、ダムバスター作戦のために重要な情報とかをすっぱ抜いて活躍しました。「遠すぎた橋」で有名なマーケットガーデン作戦(連合軍のオランダ奪還)でも情報収集に活躍したらしい。

動画Spitfire over Berlin https://www.youtube.com/watch?v=ljqPi-aVh8M
 

 

メッサ―の長距離型がロンドンまでお使いに、というのはできなかったようで、米英の飛行機がいかに余裕を持って作られていたかを示すエピソードでもありますねー

偵察型スピットは塗装もPRUブルーとかいうふしぎな色に塗られ、空に溶け込むようにして低視認性を達成していたらしい。でも、模型とか見ると、白黒の「インバージョンストライプ」が入っていて、一目で「あ、あそこに飛んでる」とわかっちゃうという、残念な塗装になっています。

与圧も実はあまりうまく作動しなかったが、幸いエンジンの熱がコクピットにつたわり、酸素はともかく、わりかし快適だったという情報もあり。

スピットのくせに遠出ができる不思議な偵察機。イギリスらしい飛行機のお話でした。

 

ではでは

Posted by 猫機長
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Quoraおもしろ回答

Q&Aサイトで、なかなか面白い質問があり、ちょこちょこ回答していたら、短編みたいな形でたまってきたので投稿します。みんなも各回答のリンクにいって、高評価してね!

あなたが最も好きな戦闘機は何でしょうか?理由と共に説明していただけると幸いです。

ttps://www.flickr.com/photos/sdasmarchives/27396772315/
 

https://www.bnamodelworld.com/model-planes-wolfpack-design-wp14808-1:48-usaaf-seversky-p-35a-fighter
 

 

セバスキーP35です。

引っ込み脚なのに、引っ込んでも車輪が半分以上見えている不思議な引っ込み脚。

そんなできそこないの格納で、メインギアが空気抵抗でまくりなのに、尾輪は機内に全面格納というなぞのこだわり。

視界のために空気抵抗を犠牲にした涙滴型風防なのに、一番肝心な真後ろの視界が機体フレームに隠れて全然みえない。斜め後ろは見えるけど。

パイロットの視界を遮るようなフロントガラスの窓枠。

これでも速度競技機として強かったとか、たぶん競技相手が複葉機ばっかりだったのだと思います。

要するに、まるでできそこないにしよう、できそこないにしよう、と努力して作ったみたいで、こいつ合格!いつか、4分の3レプリカを作って、乗ってみたいななんて夢見ています。

でも、この飛行機が本当に好きな理由は、理屈ではなく、とにかく、かわいいいい!からなのです。

ちなみに、太平洋戦争で零戦にボコられまくったが、うまく積乱雲ににげこみ、というか、積乱雲に突っ込んでも分解しないという驚異の強さを発揮し、ハチの巣状態になりながらもなんとか基地に帰り着いたもの多数といううわさの、頼れるやつでもあるそうです。

 

 

日本刀はなぜ一本の刀を両手で握って使うのですか?世界中、たいていは刀(矛)と防御具(盾)のセットではないでしょうか。それともそのセットでは矛盾を生じてしまうので、具合が悪いのですか?

 

以下はお手軽回答です。詳しくはこちら→日本の剣術に盾がない理由

それは日本人の体格が虚弱なので、片手で刀をぶんぶん振り回す力がないからです。

というのはうそです、ごめんなさい。

猫機長とは、こんな人です。20年前の写真
 

 

二刀流とか片手刀法もあります。

ただし、日本の片手技は、攻め勝っておいて一振り、というのが多く、ぶんぶん振り回して勝機をつかむ、というのとはまた違っています。そういった意味では虚弱体質でもなんとか片手で操れると思います。

実は、武士の本分は弓であり、弓と盾は同時に使えないので、盾から肩当に変化し。

https://www.touken-world.jp/tips/11258/
弓を引くとき、この肩当がいい具合に背後を防ぐ盾になった。
 

 

盾を持つかわりに、刀の鎬で敵の打突を受け(ながし)つつ、敵を切り落とす、両手剣術になったと思います。

二刀の場合は、小太刀で受け、大太刀で切るのが多い。ただし、小太刀は盾というスタンスではなく、あくまで敵の刀をこちらから制し、抑えるという役割になっています。

◎剣道などなど

剣道、居合道、弓道:日本武士道から見た成功とは – アーリーリタイア

 

◎剣道などなどの精神的なうらづけ

精神と知能:幸不幸、成功と失敗を分ける分水嶺 – アーリーリタイア

 

 

小型機のレシプロエンジンはどんな燃料を使っているのですか?着火は点火プラグ、それともディーゼルエンジンのような自然着火ですか?

 

鋭い着眼点で、思わず回答。

基本、ガソリンエンジンです。

点火系のトラブルはピストン機の泣きどころで、近年では電子インジェクションだの工夫はあるのですが、自動車と違ってものの数分でなん百メートルと上昇下降する飛行機のエンジンでは、温度、湿度、密度などが激変するため、下手にコンピュータ化されたシステムだと、変化に追随するのが過剰なストレスになり、厳正な整備をしないと故障の原因になったりするらしい。

今日でも軽飛行機のエンジンが「コンチネンタルザウルス」つまり第二次大戦前からあまり変わらないライカミング社やコンチネンタル社製が主流なのは、ローテクのほうがかえって故障しないとかがあったりするのです。

https://pvd.ajpest.shop/index.php?main_page=product_info&products_id=35427
中島エアロスバル。エンジンはライカミングです。
 

 

ディーゼルエンジンだと、燃料そのものの圧縮と高温化で爆発するので、点火系は不要なところから、これを航空エンジン化する試みもあったのですが、いまいちメジャー化できていないらしい。

ブラジルではアルコールエンジンもありますが、ちょっと高い高度へ上がると、大気密度と温度の変化に敏感なアルコールがたちまち揮発してエンストになっちゃう(ガソリンに比べてアルコールは化学変化が著しい)ので、基本地上十数メートルで肥料や農薬を散布する農業機に使われています。ブラジルは世界有数のサトウキビ生産国であり、広大なサトウキビ農場で使う分には、いくらでも安くサトウキビからアルコールが生成できるので、その意味ではなかなか便利らしい。(*追記。別に高度変ってもどうってことないよ?という情報あり。でも。その情報源もやっぱり農業機パイロットだったりして。。。)

電気モーターは。。。。あまり故障の予兆も見せず、突然壊れたり、なおしたつもりなのに思わぬ再発が起きる電気機器の残念な特性と、雨の中に入ればモーターは冷水のシャワーを浴びる感じになるし。。。。なので、ぼくとしてはあまり信用できないで、います。

やっぱり軽飛行機のエンジンは、空冷の水平対向、キャブレターじゃなきゃ。。。むかしのスバルみたいなエンジンが最良ですね

元祖空冷。かぶと虫のエンジン
 

 

◎飛行機の点火系についてはこちら

自家製麺の極意:恐るべしマグネトー‐アーリーリタイア

 

◎悪魔の液体ガソリンについてはこちら

燃料タンク給油口破損。悪魔の液体ガソリンと闘う – アーリーリタイア

 

◎殺虫剤の効かないサソリやタランチュラには、ガソリンをかけてあげましょう。

田舎暮らしつづき。サソリや雨漏りその後‐アーリーリタイア

 

 

ポルトガルは大部分をスペインに囲まれているので、ポルトガル人は第二言語としてスペイン語を学ぶことが普通なのですか?

 

こういう質問をしてはいけません。

ポルトガルは、建国当時から、スペインにいじめられまくり。一時はスペインに併合されたりもしながら(そのいきさつがいかにもポルトガル的な「ばっかだなあ」という感じなのですが、ここでは省略)、なんとか独立を回復し。ブラジルを搾取したりして経済活性化のためがんばりましたが、スペインにくらべればただの屑だったので、イギリスに魂を売って生き延びました。

ということから、ポルトガル人は自国のアイデンテティとして、ポルトガル語を必死に守り抜こうとしています。ポルトガル人がポルトガル語にかける、鬼気迫る情念には、たじろぐものがあります

https://periclesvilela.blogspot.com/2017/04/foi-deus-amalia-rodrigues-n-1715.html
 

 

ブラジルのように、ロシア人もウクラナイ人もどんどん混じり込み、結果ポルトガル人が聞いたら何を言っているのわからないブラジル・ポルトガル語は、ポルトガル人から見れば屑の言語であり、ポルトガル語と認めてやらん、となっているらしい。

*アフリカ人のポルトガル語は、ポルトガル人もびっくりのポルトガル語です。パーフェクトなポルトガル語を話さないとポルトガル人が人間扱いしてくれなかったらしい。ポルトガルが植民地にいかに苛烈な統治をおこなったかと思います。

*ブラジルは植民地じゃなかったの?そういう時代もあったことになっていますが、ブラジル人はあまりにあほアホ(あるいは頭が良すぎる)なため、統治することができなかったというのが実情です。

脱線しすぎました。

ポルトガル人にとって、スペイン語は、ポルトガル語を退化させた屑の言語なので、別に勉強しないでも話せます。

というわけで、ポルトガル人の第二言語は、ポルトガル語です。

あれ?

第一言語は、イギリス英語です。

日本人の第一言語がアメリカ英語なのといきさつは似ていると思います。さいわい、ポルトガルは、イギリスに原爆を落とされたり、占領されたことはありませんが。

最後に。。。。

この屑回答を読んで、ふざけんな―!通報だー!とわめいている人(特にポルトガル人)はいませんよね?そういう人は 、ぜひブラジルに来てみんなでサンバを踊りましょう(踊れない人は、サンバを踊る素敵女子たちと交流しましょう)。ポルトガル人も、ウクライナ人も、日本人も、ロシア人も、みんなともだちです。

めでたしめでたし

◎ブラジル生活

都会の風物詩 – アーリーリタイア

田舎暮らしつづき。サソリや雨漏りその後 – アーリーリタイア

サンパウロ買い出し紀行 – アーリーリタイア サンパウロ買い出し紀行

家電王の農場に着陸 – アーリーリタイア

 

ではでは。

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空飛ぶスバルのお話

最近「空飛ぶクルマ」が話題になっています。

マイカーあるいはタクシーを拾うような感覚で、お手軽にいつでもどこでも、というなかなかおつな発想で、いろいろ試験車?試験機?など開発しているらしいが、とあるやばい理由によって実現は困難かもしれません。

https://www.bibian.co.jp/product.php?id=p763745338
 

 

やばい理由についてはこちら→「空飛ぶクルマ」

20ヘクタールも超えればもう大規模農家という、田んぼも建物も人間もひしめき合う日本では、車もおしくらまんじゅうですが、アメリカとかに行けば、フツーに「見渡す限り大平原」というのがあったりします。

それだけ集落と集落の間の物理的距離が開いており。隣町と言っても車で数十分、なんていうのもフツーにあったりします。

というわけで、マンハッタンの摩天楼とかではともかく、アラスカまではいかなくとも、カナダとの国境地帯とかでは車なんて遅すぎる、自家用機でなくちゃ。。。。という場所もいっぱいあるのです。

要すれば二束三文で買った中古の軽飛行機を乗り回すという世界が存在しているのである。

この場合、空飛ぶクルマ、というか、クルマのように使いまわす飛行機というか、結局同じ気もしますが、特に北米では軽飛行機が重要な市民の脚となっています。

そういった、自動車のように親しみ深い軽飛行機たちの代表が「セスナ」

セスナというのは、英語で軽飛行機のこと、ではなくて、セスナという飛行機製造会社の名前なのです。

セスナ 172  Pixabay無料画像
 

そのセスナは、第2次大戦で発展したレシプロエンジン機の技術をもとに、2人乗りから6人乗りの軽飛行機をじゃんじゃん売りさばいて、文字通り「軽飛行機の代名詞」になりました。

でも、セスナだけではなく。世界各国で小さな軽飛行機を製造するようになり。

アメリカではパイパー社がセスナ社と双璧とでも言いましょうか、元祖軽飛行機でセスナよりさらにいにしえの「カブ」その発展形の「スーパーカブ」そのまたさらに発展して「チェロキー」とか「アパッチ」とかヒット作を生み出しました。

チェロキー Pixabay無料
 

 

安くてお手軽、という路線をカブに取られたビーチクラフト社は、逆に高級志向で「ボナンザ」「クイーンエア」「キングエア」なんて王侯貴族の名前をつけた飛行機で有名になり。

ボナンザ Piaxabay無料画像
 

戦後の一時期、マイカー代わりに平和な空をガンガン飛ぼうぜーという、なかなか希望にあふれた時期があったのです。

日本では折から高度成長期に入っており。スズキフロンテとか三菱500、ホンダ360とかが元気いっぱい走り回っていた。

フロンテ https://gazoo.com/feature/gazoo-museum/meisha/rr/19/05/22/
 

 

そんな時代の少年たちが、「アメリカのセスナとかかっこいいよねー」と憧れ「日本にもセスナみたいのがあったらいいのになー」と夢見ていたら、なんとその夢は実現したのでした。

高度成長期の日本はよかったね!

日本人が作った、セスナみたいな軽飛行機は、1965年に初飛行しました。

その名も「エアロスバル」。

https://www.s40otoko.com/wp-content/uploads/2018/08/1.jpg
 

 

 

富士重工です。スバル360という世紀の名車と共に、なんと軽飛行機も誕生させていたのでした。

「これが日本のコンパクト・プレーンです」みたいな感じで生まれたエアロスバルすなわち富士FA200は、諸国の軽飛行機に比べてもそん色ない傑作機となり。次の特徴を持っていました。

◎運動性:宙返りだろうが何だろうがお手の物で、アクロバット機としての対空類別(認可)も取得している。

◎主翼をセミ・インテグラルタンクにすることで、軽飛行機としては驚異の航続距離(1000キロくらい)を達成。

あれ、どこかで聞いたことがあるぞ?

零戦か?と思った人は、惜しいけれど違うのでした。

 

特徴続きます

◎小さくて軽いくせに安定性も優れており、しかも上記の通り運動性もいいといった、一種矛盾する性能を両方持っているといったなかなかおつな飛行機だった。この辺は、安定性はいいけれど、とろくて。。。というセスナに勝っていたと思います。さらに言えば、敏捷に動いてくれるけれど、なかなかまっすぐ飛んでくれないというカブ(そしてLSA一般)に比べても、とても素直で乗りやすかったらしい。

ここまでは操縦面での特徴ですが、機体とかハード面でいうと

◎スライド式のキャノピーにして、乗員の乗り降りをらくちんにした。

https://www.wikiwand.com/ja/FA-200

 

 

◎主翼水平尾翼はテーパーをかけない直線形にして生産性を高めた(もっと言えばぶつけちゃったときの修理も楽にした)◎舵面とか部分的に波板を使ったり、構造材の形状や組み合わせを工夫するなりして、堅牢かつ軽量な機体に仕上がった。◎凝っているのが「スロッテッド・フラップ」の採用で、フツーのフラップに比べて気流の流れがよくなり、着陸性能の向上に貢献した。

飛行機のフラップ5種【プレーン、スプリット、スロテッド、ファウラー、スロテッドファウラー】

 

 

一方、高性能へのこだわりが不利に働いた点として

◎キャビンを流線形に絞り込んだため、後部座席が窮屈になり。積載可能な荷物が限られてしまった

という、お客を乗せてなんぼのエアタクシーや遊覧事業とかには不向きの機体になってしまったのでした。軽飛行機としてはかなりの弱点ですよね。。。。

一方、飛行学校における訓練機としてはなかなか優秀だったそうで、全日本空輸、航空大学校などそうそうたる組織で活躍した。

世が世なら、「舞い上がれ」の舞ちゃんも、シーラスとかボナンザではなくてエアロスバルに乗っていたかもしれないのですねー

Wikipediaによれば「西ドイツ・イギリス・オーストラリア・南アフリカ・ギリシャと言った海外に輸出した」とあり、世界水準を超えた傑作機であったことがうかがえます。あれアメリカ輸出はなかったっけ?

国内、輸出合わせ296機を販売。生産は1986年まで続きました。

商売としてはいまいちですが、日本の飛行機の優秀さを世界にしめした事例と思います。

さて、上記でも書いた「くるくるよく回り、操縦しやすい」という特性ですが、それってもしかしてこれじゃね?

隼 https://joefig.exblog.jp/21754159/
 

 

まさにその通りで、そもそも富士重工というのは、中島飛行機が戦後解散した(GHQに解散させられた)後を受け継いで生まれたメーカーであり、占領軍による航空機製造禁止で、しかたなく自動車を生産していたら、そっちが本業になっていたという会社だったのでした。ははは

というわけで、マニアから見れば、エアロスバルの姿かたちってそのまま隼じゃん?とわかると思います

隼(上)https://soyuyo.main.jp/ki43d/ki43-3.html
とエアロスバル(下)https://flyteam.jp/aircraft/fuji/fa-200-aero-subaru/photo?filtertype=airport&filtercode=ryugasaki-airfield
 

 

一方、よく間違われるのが「エアロスバルはスバル製の水平対向エンジンを積んでいた」で、確かに水平対向ですが、アメリカのライカミング製のエンジンを積んでいたのでした。ざんねん

機体製造のノウハウは弾圧を逃れてなんとか継承できたが、エンジンとなると戦後のブランクは越えがたかった、ということなのでしょうねえ。

最後に、この投稿でしか見ることのできない特ダネを入手しましたので、このブログの読者の皆様だけに、秘密で暴露だ!

なんと、富士重工は、三菱向けにライセンス生産の図面を提供していたというのです。

この生産が実現した場合の「エアロミツビシ」がどんなになったかという想像図を掲載するのでした

 

 

 

もちろんおおうそですよー

*零戦のキャノピーはこちらからお借りしました→https://freeway.main.jp/yusyukan/gazou/zero/IMG_7346-ed1-900-600.jpg

 

おあとがよろしいようで。このへんで打ち止め。

ではでは。。。

 

Posted by 猫機長
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操縦かんのお話

映画をみていると、悪いナチの戦闘機に襲われたB17爆撃機とか、やっぱり悪いゼロ戦に襲われたドーントレス爆撃機とか、果ては単に乱気流に巻き込まれた旅客機とか、きりもみや急降下にはいってしまい、それをパイロットが、両手で操縦かんを力の限り、ふんぬおー!とひっぱって、地面や海面すれすれで回復。。。というシーンを皆さん飽きるほどご覧になっていると思います。

というわけで、飛行機の操縦というのは操縦かんでするのななー?はいその通りです。

セスナの操縦かんはこんなかんじ

パブリックドメイン
 

 

インベーダーゲームのお人形さんみたいなやつが操縦輪です。

スペースインベーダー。https://hirocher.cocolog-nifty.com/holiday/2008/04/post_4169.html
 

 

このお人形さんの両手を握る感じで、ほいさー!と押し込んだり、ふんぬおー!と引っ張ったりして操縦します。

お人形さんじゃなかった操縦輪は、計器盤から生えているコラム(ほうきの柄みたいな棒)からワイヤーで昇降舵につながっており。

C*Uとは何か その1(技術的解説) | 彗星 (salamann.com)
 

 

前に押し込めば機首が下を向き、後ろに引っ張れば機首が上向くようになっているのでした。

よし、これならパイロットが心臓まひで4んじまっても、かわって操縦できるぞ!

ピッチ制御ならできますねーでもそれだけでは飛行機はちゃんと飛んでくれないのでした。

3次元空間で飛ぶ飛行機は、2次元空間の自動車と違い、ピッチと共にロールというものを制御する必要があり。

これは要すれば横転するか、あるいはしないで水平に飛ぶかということである。カーブを切る時には、横転気味にする必要があります。

このロールを行うのが、お人形さんすなわち操縦輪で、「輪」という名前でよく分かると思います。

この操縦輪をぐるっと右に回せば、飛行機は右に傾き。左も同様です。

ロールは「補助翼」というものを使います。こちらもほうきの柄とつながったワイヤで動かします。

 

C*Uとは何か その2 (横の制御則) | 彗星 (salamann.com)
 

 

映画だと、操縦輪をまっすぐ、ふんぬおー!と引っ張るだけで回復していますが、操縦輪をしっかり中立にしておかないと、きりもみという恐ろしいことになってしまいます。

よしよし、これでパイロットが4んじまっても、かわりに操縦できるぞ!

いやいやもう一つあるんですよ。

それが、機首を右に振るか、左に振るか、まっすぐ保つかという、「ヨー軸の制御」です。

これは操縦かんではなくて、ペダルで制御します。

ぼくが乗っている軽飛行機「こよーて」のペダル
 

 

ペダルもケーブルで方向舵につながっています。

右のペダルをぐっと踏み込めば機首は右を向き。左も同様です。

C*Uとは何か その2 (横の制御則) | 彗星 (salamann.com)
 

 

ちなみに、ピッチ、ロール、ヨーの3軸は下の図みたいな感じです。

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00367/contents/00006.htm
 

 

この3軸の制御ができるようになり、パイロットが4んじまっても、あなたが代わって操縦できるようになりました。めでたしめでたし

覚えておいて絶対損はないですよーこのブログの読者の多くは旅行大好きな素敵女子によって占められていますが、皆さんが乗る旅客機が酔っ払いみたいな動きをし始め、CAさんたちがべそをかいて騒ぎだしたときは、たぶんパイロットは4んじまっているので、あなたが代って操縦してあげてくださいね。

操縦輪にもいろいろな形があり。

セスナ140 https://www.aopa.org/news-and-media/all-news/2022/july/pilot/from-the-editor-staying-sharp
 

 

セスナ150 https://www.aopa.org/news-and-media/all-news/2023/april/pilot/the-best-150-on-earth
 

 

セスナ172 https://www.flyingmag.com/cessna-172-still-relevant/
 

 

セスナ140のヨーク(操縦輪)なんて、アートですよねー

一方、操縦輪ではなく、操縦かん(スティック)という、床から生えている棒で制御するのもあり。

スポーツ機とか、昔の戦闘機などが多用しています。

零戦の操縦かん https://jpgazowork.blogspot.com/2021/03/10000-222340.html
 

 

こちらは、操縦かんを前に倒して機首下げ、後ろに倒して機首上げ。左に倒せば左にロールし、右も同様です。

へんなのに、スピットファイアーの操縦かんがあり。

https://www.airliners.net/photo/UK-Air-Force/Supermarine-356-Spitfire-F22/1526234/L
 

 

べつにこれでシャボン玉を作ろうというのではなく。ふんぬおー!と両手で引っ張る時に、両手でこのわっかを握ることができるように、ということらしい。

スピットファイアだけではなく、第1次大戦のキャメル複葉戦闘機などからすでにこのかたちの操縦かんだったらしい。

キャメルのは三角形でした https://www.pinterest.jp/pin/407083253805236196/
 

 

でも、イギリスだけで、ほかの国にはこうゆうのは見当たらず。イギリス人の手とか関節はどこかねじれているのかもしれません。

今どきの軽飛行機(LSA)でも操縦かん(スティック)形式のが多く。

こよーてもスティックです

コヨーテのスティック
 

飛行機の操縦装置は、デュアルといって、機長、副操縦士それぞれに並列に計2組、つまり操縦かん(操縦輪)も2つ、というのが普通ですが、操縦席の真ん中に一本だけというのもあり。こちらは、だいたい先端がY字型になっており、機長(左席)が操縦するときはY字の左のグリップで、副操縦士の場合は右のグリップで、となるらしい。

https://www.pilotmix.com/bravo-700
 

 

いずれにしても、飛行機の操縦かんは、操縦輪(ヨーク)形式と操縦かん(スティック)形式に大別されるのです。

それぞれ特徴がありますが、ヨーク式のやつは大きな旅客機や輸送機など、えいや!と大きくメリハリのついた動きで、舵の効きはじめを確実に捉え、効いてきて惰性がついてきたら、これまたえいや!と中立に大きくもどす、というような動作に向いているらしい。747は操縦したことはないので、また聞きですけど。

ぼくの乗っているような軽飛行機では、ちょっとした横風でたちまち機体が木の葉のように揺れてしまうので、機敏な操縦かんの操作で対処する必要があり。また、ちょっと動かすだけできびきびと姿勢を制御できるので、やっぱり軽飛行機はスティックだね!と思っています。

一方、セスナなど小型機でもヨーク形式が多いのには理由があって、操縦を習うには縦の制御(ピッチ)と横転(ロール)をそれぞれしっかり体感するのが大切ですが、ヨーク形式であればヨークをそれぞれ押し込む、回す、とわかりやすく分割して操作できるので学びやすいし、そもそも軽飛行機の製造目的の一つに練習機としての利用があり。ゆくゆくジェット旅客機(ヨーク式)のパイロットを目指すというケースでとても重要なのであった。

ただ、床から生えているスティック式の操縦かんを両ひざの間で操作、というのはセクシーに感じる女性もいるらしく。デートなどの遊覧飛行では、スティックの方がいいかも?ただ、離陸前の昇降舵チェックつまりスティックを限界まで倒そうとすると、だいたい隣の女性がおなかに抱えているハンドバッグにぶつかって、あああごめんどけてね?となってしまうのであった。

ヨーク式だったらこれは防げるんですけどねー

いいとこどりをしようとしたのか?セスナ162があり。

https://youcanfly.aopa.org/flying-clubs/flying-club-newsletter/2017/november/19/aircraft-spotlight
 

 

こちらは、計器盤から生えているけれど、操縦輪ではなくてスティックになっています。

ピッチとローの分割や、繊細な操作の双方ができるのではないかな?乗ってみたい飛行機です。

 

今どきの飛行機では、サイドスティックなどというのもあり。エアバスや軍用機などで多用されているようですが、なんか電線で舵面操作しているみたいで、フライトシムと同じになってしまい、飛行機の挙動を文字通りスティックとラダーで感じることができなくなっちゃうんじゃね?と思います。

グラスコクピットにサイドスティックのセスナ400。今どきの飛行機はつまんないですねえ
PR-TEP - Cessna LC41-550FG Corvalis TT
 

 

その点ボーイングはがんこに操縦輪を継承しており。こういくことを書くぼくも新大陸(アメリカ大陸)の飛行機乗りなのかもしれません。ヨーロッパでLSAなど飛ばしている人たちがどう感じているか、知っていたらコメントなど頂ければ幸いです。

飛行機の操縦には、操縦かんの他にラダー(ペダル)も重要ですが、3000字を超えたので別の記事にします。

最後に、自衛隊教官の見事な操縦桿さばきを掲載。12:12からご覧ください

これで、人間ウオッシュレットとかがなければいいんですけど https://www.youtube.com/watch?v=c4j8gkIbJUo&t=1074s
 

 

ではでは。。。

Posted by 猫機長
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零戦はコピーだった:真実かデマか? (イギリス機も関与?零戦の真実)

第二次大戦で、アメリカやイギリスの飛行機をバタバタと撃墜し、有名になった零戦。当時から現在まで、日本人がそんなすごい飛行機作れるわけないじゃん?アメリカかイギリスの飛行機のコピーだよ!という意見が存在しています。

そして、なんとつい最近、「零戦は、とあるイギリス機のコピーであることが濃厚となった」という情報が飛び込んできたので、スクープします。

この情報においては、一見日本機特有とみなされる特色が、実はイギリスの某機にそっくりだったことが明らかに。

その特色とは

その①操縦席

零戦の操縦席は、欧米と比べて、機首よりで、後方の視界も大きく開けています。

F4Uと比べると一目瞭然ですが、F4Uの場合、コクピットがぐっと後ろ、そして機体に埋没したファストバックなので、視界もへったくれもなくなってしまい。着陸が危険な飛行機になってしまいました。

https://warbirdsnews.com/aviation-museum-news/planes-fame-air-museums-f4u-1a-corsair-combat-veteran.html
 

 

その逆が零戦。

https://www.sankei.com/photo/story/news/160127/sty1601270013-n1.html
 

 

なぜこうなるのかというと、これは傾向であって絶対というのではないのですが、欧米の戦闘機は、まずは操縦席を防弾装置で囲って、その前などの胴体に燃料タンクを格納し、被弾面積が大きい翼内タンクはなるべく避けたためです。

F4Uと零戦の燃料タンク配置
コルセアはhttp://seafurry.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/wwf4ff4uf6f-db2.html
零戦はhttp://seafurry.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/ww-612d.html
 

 

その➁運動性

上記の通り、欧米では、まず「落ちない飛行機」つまり頑丈で防弾も十分、武装も強力。速度と高空性能を重視したので、必然的に重く鈍重になり。運動性は二の次になってしまいました。零戦のように、複葉機にも迫る旋回性能というのは欧米の飛行機にはなかなかなく。

複葉機はアクロバットに優れた性能を持っており。今日でもピッツ・スペシャルなどが生産されています。(PIXABAY無料画像)
 

この①②の特性は、長く欧米で議論の的となり。

確かに防弾装備もなく、骨組みもきゃしゃで軽く作れば軽快な飛行機にはなるが、零戦ほどに洗練された運動性は、なかなか生み出せない。エンジン馬力が小さい日本の飛行機では、どこか空力設計で秘密があるはずだ。。。。。

そんな議論が続く中、とある吉日、ひょっこり、この空力デザインを決定的に洗練させた零戦のとある部分が解明され。

その場所、デザインとは。。。

「でっぱり(こぶ)」です。

なんだそりゃ?

零戦の前部風防からカウルまでのラインに注目。

機銃の上にかぶさって張り出し、風防にめり込むようになっています。


 

 

これがF4Fになると、機銃は翼内のみで、前部風防もでっぱりなんてなく、すっきりしています。

https://warfarehistorynetwork.com/article/the-grumman-f4f-wildcat-was-a-rugged-lethal-tool-for-the-u-s-navy/
 

 

この不思議なでっぱりについての最新情報が発見され。

「零戦の高性能は、このでっぱりによって気流が見事に整えられ、速度や空戦性能に貢献したことで達成された」

そして、

「このでっぱりは、英国のとある戦闘機からコピーしたのである」

という衝撃の情報が!

さて、その知られざる英国戦闘機とは

「ソッピース・キャメル」

https://www.aeroclip.com.br/p-9308761-Sopwith-Camel-172-%23-12447—ACADEMY
 

 

複葉戦闘機だよ?

風防そのものがないじゃん?

どこがでっぱりじゃい?

いやいやちゃんとでっぱりがあるんですよ。

https://www.fiverivers.com/amap402.html
 

 

https://www.airforce.gov.au/community/visit-and-learn/heritage-centres/raaf-base-amberley-heritage-centre
 

https://www.cgtrader.com/3d-models/aircraft/historic-aircraft/sopwith-camel-ww1-airplane
 

 

https://www.raafamberleyheritage.gov.au/aircraft/sopwith-camel/
 

 

当時の他の戦闘機は、機体にどんと機銃を置いただけで、銃把だのなんだの突起物が乱流をだしまくっており。

スパッドXIII
http://www.wwi-models.org/IM/USA/laskodi-spad.html
 

 

フォッカーDVII
Machine Gun & Fokker D.VII
 

 


 

 

フォッカーDRI

 

 

そこにすっぽり流線形の覆いをかぶせたため、その恐るべき効果として

「この覆いによって気流が乱されまくり、上方に偏向されたため、かえってパイロットに風が当たらなくなった」

そうです。ははは

さて、ここまで読んだみなさん。零戦がキャメルのコピーだ!というのは全くのデマであり、ウケ狙い、読者を呼び込むための単なるネタだということがご理解できたと思います。

というか、まさかコピーだ!と思ってしまう素敵女子とかがいないように、念のため明記しておくのでした。

ははは

あああごめんなさい!

 

 

ただ、キャメルの「プロペラ、エンジン、パイロット、搭載火器、燃料を機体の前方1.8m以内に集中させた(https://hobbycom.jp/workshop/library/weapon_sora/56.html)」というのは、なんとなく日本機ちっくであり。もしかして堀越さんとかが参考にしたかも?

風立ちぬ」の堀越さんhttps://www.ghibli.jp/works/kazetachinu/
 

 

零戦が絶対にキャメルのコピーではないという証明があります。

それは「操縦のしやすさ」

キャメルも零戦も、格闘性能が著しく高かったのですが、しかし、どうやってその性能を達成したか、については全く逆のアプローチであり。

キャメルの場合、ロータリーエンジンのトルクを利用して、その御しがたい横転のクセを逆に御することのできる優秀なパイロットを要求した。

Wikipediaからの引用ですが

「エンジンの強いジャイロ効果がキャメルの操縦性を独特なものにして、新人パイロットには難しいものであり、着陸時の事故が多かった」

すげー暴れ馬になってしまったキャメルの動画を発見。本物か?レプリカか?

 

 

「意図的に不安定にされており、いつも真直ぐ飛ぶためにパイロットは常に調整する必要があったが、これによって比類ない機敏さを与えられたキャメルは、第一次大戦中に全軍通じての最多撃墜数を記録した戦闘機となった」

「アメリカ軍も使用したが、操縦の難しさゆえに事故を起こすパイロットが後を絶たず「パイロット・キラー」と呼ばれた。実際、意図せぬ機首上げ・機首下げをすることも多く、結果として墜落事故が多発」

以上引用終わり

エンジン自体がプロペラと一緒に回転するロータリーエンジン

 

 

零戦の場合はその逆で、戦闘機のくせにとても安定しており、操縦がしやすかった。つまり、パイロットの操作に素直、という特性が、神業の空戦技術を持つ老練なパイロットと一体になって戦争初期の大戦果が可能になった。

でも、零戦のこの操縦性は、残念ながら、先の大戦においては欠点として作用してしまったと思っています。

操縦がしやすいために、航法、通信、気象といった基本、そしてマニューバ、シザーズといった高等技術をぜんぜん学べていない、あまり飛行時間のない練習生でも、何とか一人で離着陸ができてしまった。

それは、たいして操縦できない少年飛行兵でも、とにかく離陸できればいい。あとは敵に突っ込め、という特攻にいくらでも起用できることを意味し。

これは零戦のみでなく、隼など日本機に共通した特性で、もし、零戦等がキャメル並みに操縦のしにくい飛行機だったら、そもそも離陸できないし、特攻も技術的にできなくなり、若者たちの命もかなりの数が助かったのではないかと思っています。

 

いやいや今回はデマそのものになってしまいましたが、こういった記事で、みなさんが飛行機に興味を持っていただける一助になれば、大変幸いです。

なお、スヌーピーが犬小屋に乗っかってドイツの複葉機などと戦うシーンがありますが、スヌーピーにとってこの犬小屋はキャメル(のつもり)なのだそうです。

スヌーピーの撃墜王!(フライング・エース!) | おたまの夢の種 (ameblo.jp)
 

 

ではでは

Posted by 猫機長