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軽飛行機で空母に着艦

とある吉日。ルジアニア空港へ着陸アプローチに入り、速度97キロ(60マイル)、フラップツーまで下げてなにげに侵入していったのですが、あれ、なんかおかしいぞ?

小さな飛行機に乗っています

 

 

ふつうなら、台形になって迫ってくる滑走路が、いつまでたっても同じ大きさのままでフリーズ?したみたいになっており。いつもは、滑走路に正対してエンジン計器確認したあと、もう一度滑走路に目をやったときにはかなり眼前に滑走路がはみ出しているのですが、今回は、遠くにひしゃげた台形のままでとどまっており。

あれ、計器確認忘れたかな、ともう一度計器盤に目をやってスピードや高度をかくにん、滑走路に目をもどすと、今度はスレッシュホールドが間近に。。。ではなく、さっきと同じ遠くにひしゃげたまま見えており。

なんかおかしいぞ?

着陸時の滑走路の見え方。同乗者に撮影いただきました

 

 

はっと、GPSに表示されているVS(対地速度)を見たら、56キロ(34マイル)を表示しており。

速度計のVI(計器速度)は上記の通り97キロなので、なんと時速41キロ(26マイル)の向かい風を食らっていたのでした。

左の赤丸が速度計で、対気速度を計っています。

右の赤丸がGPS。対地速度が表示されます
 

 
滑走路と見事に正対し、かつ一定の季節風か?だったので、機位の修正はしなくても真っ直ぐらくちんに飛べていたため、風の存在に気が付いていなかったのでした。

空気の中に浮かんでいる飛行機は、自動車のように地面を直接走行しているわけではなく、空という気体が地面と飛行機の間に挟まるため、飛行機の本当の速度や高度を知るためには、飛行機と一緒になって動いている気流についても計算する必要があります。

 

 

今回のケースでは、自分は時速97キロで飛んでいるつもりなのに、その半分に近い速度の強烈な向かい風に押し戻されて、実際には時速56キロになっちゃってたわけですからねーもし近くに道路があったら、地上を走る車がF1レースカーのごとくぼくの飛行機を追い抜いていくのが見えたと思います。

反射的に燃料残量チェック。まだまだいっぱいあるぞ、と安心し。

でも、このままじゃいつまでたっても滑走路にたどり着けないぞ!燃料はあるけど。。。

と、混乱するあたまを何とか冷やして、こうするしかないよね、と意を決し。

「フラップ全格納、機首下げ、エンジンパワーオン」

という、本来滑走路付近では絶対やってはいけない、やったらあっという間に滑走路に突き刺さるぞ、という操作をあえてやってみました。

そしたら、いいぐあいに滑走路が迫ってきて、ふつーに着陸できました。ははは

でも、時速40キロの強烈な風ともなると、一定方向で吹いているうちはよいが、VRB Windつまり方向不定で突如変わっちゃうようになると、小さなEXPERIMENTAL機ではあおられて操縦不能になっちゃう、事はなくてもめちゃくちゃゆすぶられちゃうので、乱気流にならないうちにとっとと離陸してぼくのホームベースに逃げ帰りました。

早朝の朝7時から8時に飛んでいたので、太陽熱によるサーマルや乱気流が発生する前だったのが良かったのだとおもいます。

陸上の滑走路は、どこからどんな速度の風が吹こうがあなたまかせ、飛行機のほうで横風とかに対応して着陸しなければなりませんが、これが空母になると、自らこうゆう強烈な向かい風を作って飛行機の発着を助けています。

アメリカの原子力空母などは、時速30ノットすなわち56キロは出すらしい。つまり、もともと無風の状態において、着艦する飛行機には時速56キロの向かい風を提供できるということである。すごいな

ただ、空母に発着するジェット戦闘機とかの離着陸速度が240キロ(130ノット)くらいなので、実際には時速184キロで甲板に激突!アレスティングワイヤーで無理やり停止させるという無謀なことをやっています。

右の写真は、アレスティングワイヤーで無理やり飛行機の行き脚を止めているところです。左の写真にハンバーガーが出てくる理由はこちらをご参照→「ハンバーガー食べました」

 

 

ちなみに、ぼくが乗っている軽飛行機ですが、最高速度が時速192キロなので、ジェット戦闘機の最低速度よりも遅かったりしたのでした。

ということは、軽飛行機は空母に着艦できるかも?

みんな大好き護衛艦「いずも」で検証してみましょう。

「いずも」の全長は248メートル。

一方、ぼくがいつも離着陸しているSDCB飛行場の長さは605メートルと出ました(Google Earth)

 

 

つまり、ぼくのホームベース「SDCB」は「いずも」2隻+100メートルちょいあるという事である。

で、ぼくはいつもSDCB滑走路のだいたい三分の一くらいで離着陸しているので、着陸滑走距離は200メートルという事になります。

という事は、無風で停泊中の「いずも」でも、うまく艦尾に接地できれば、艦首の50メートル前くらいでストップできるということである。へえー

離陸も同様に、艦尾からスタンディングテイクオフでがんばれば、あれれー滑走路じゃなかった飛行甲板がおわっちゃうー!となる50メートル前で浮き上がることができるのでした。えっへん

①最初は病院船だったのに、いつの間にか空母に豹変していた「いずも」

 

 

②「いずも」の大きさ比べ

①②とも出典はTokyo Expres(外部リンク)です

 

 

ヘリ空母だけあって、「いずも」は時速50キロ(27ノット)の高速で走れます。ということは、もともと37キロ(20ノット)の向かい風が吹いて入れば、両者プラスして87キロとなり。最初に書いたようにぼくの軽飛行機の接地速度は60~50マイル、つまりちょと高めに見積もって97キロなので、実質10キロくらいの差しかなくなり。

つまり、通常の飛行速度(時速160キロくらい)で「いずも」のおしりまで飛んで行って、艦尾直上到達までに出力をしぼって速度も97キロに落とし、フラップ全開でフレアをかけたら、ヘリコプターちっくにほとんど垂直にすとん、と甲板に降り立つことができたりして。

ちなみに、ふつーの滑走路では、滑走路端を15メートルの高さで通過すべし、などあるのですが、遮蔽物がなくて滑走路長の短すぎる空母では、艦尾すなわち滑走路端を、ほとんどメインギアをぶつけちゃう高さ、で降りる必要があると思います。

ううーむ楽しそうだ、一度やってみたいな。。。。

もし海上自衛隊の人がこの記事を読んでいたら、ぜひ艦載機として軽飛行機を検討してみてください。意外に便利かもしれん?

ちなみに、みんな考えることは同じらしく、セスナで米空母に着艦、なんて実例もあるらしい。

もちろん、フライトシムでの実例です。https://www.nicovideo.jp/watch/sm30816976

 

 

このケースでは、甲板の三分の一から真ん中くらいに、いいぐあいで着艦しています。どんな向かい風設定にしたんだろう?

もういっちょ。こちらは「信濃」への着艦です。

 

 

停泊中で向かい風がなさそうなので、いひひひ海にぽっちゃんだぞ!と期待していたら、ちゃんと艦首の50メートルくらい手前?で止まりました。ちなみに、信濃は266メートルで、いずもよりおおきいですねーメタバースで一度やってみたいななんて思いました。

https://diamond.jp/articles/-/294372

VRゴーグルでバーチャルフライトだ!すごい世の中になりましたが。。。

でも、やっぱりアナログの世界のほうがいいですね、ははは

 

 

ではでは。。。

Posted by 猫機長
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羽ばたき機のお話

空を飛ぶのは人類発祥からの夢であり。

古今東西の幾多の神話や物語で、翼によって自由に空を飛ぶ天使みたいなのが生まれました。

典型的なのがキリスト教の使徒たち。

受胎告知 ダヴィンチ

 

 

なんかぶきっちょな翼をはやしており。これじゃあ、すずめにぐんぐん追い抜かれ、やーいやーい!ちゅんちゅん!なんていじめられそうですが、そんなことより、大天使ガブリエルは主エホバのメッセンジャーとして、恐るべき知らせをマリア様(画面右側の素敵女子)に伝えようとしています。

「よう姉ちゃん。戸棚に隠してあった僕のあんぱんを盗んで食べちゃっただろう」

というのではなく、もっとまじめな場面ですが、ここでは本題ではないので、こちらの記事に譲ります→日本美術と西洋美術の違い

ギリシャ神話になると、ヘルメスというお兄ちゃんがおり。

足の裏の感覚と「お金をかせぐ限界値を外す」(大嶋信頼)————翼あるサンダルの神 | hermioneのブログ  かるやかな意識のグリッド(の風)にのる (ameblo.jp)

 

 

翼の生えたサンダルでそこかしこを自由に飛び回っていたらしい。

一方、泥棒はするは、素敵女子はかどわかすわの、しょうがない奴でもあり。でも本題ではないのでここでは書きません。

なお、翼の生えた帽子も空を飛ぶのに一役買っているはずなのですが、ぐぐってもサンダルばかりが強調されていました。ふしぎだな

ちょっと脱線して、カップのナイト

 

 

こちらの翼は、空を飛ぶためではなく、遠くから良い知らせをもたらしてくる、というメッセージのシンボルだそうです。

この記事を読んでいるタロット素敵女子で、もっと情報があったらコメントしてね!

占いつながりで、「動物占い」というのがあり。

やってみたら「あなたはペガサスです」と出ました。

皆さんもどうぞ。リンクは→https://www.doubutsu-uranai.com/uranai_12chara.php

 

 

ゆるキャラのイラストだからいいけれど、本当に天馬なんて存在したら、かなり気味の悪い生き物になっていると思います。

パイロット同士の会話で「こないだその辺を飛んでいたら、のらペガサスと衝突しそうになっちゃった。こわいね」とかもあったりして。

さて、いよいよ真打の登場です。

その名も「イカロス」

イカロスは、キリスト教の天使でもなく、ギリシャ神話の英雄でもなく。

ギリシャ神話に登場こそしてきますが、ただの人間。その辺のどこにでもいるクズ野郎でした。ははは

ところが、ひょんなことから、「大空が俺を呼んでいる!」と、鳥の羽根とロウ(蜜ろう)で自作の翼を作り。ロウで自分の背中にくっつけると、おおおおー見事に羽ばたいて大空にまいあがったぞ!という、マンガとしか思えない展開ですが、フクロウのごとく羽ばたいて見事な飛翔をしたらしい。

ふくろうカフェ。かわいいな

長野県初フクロウカフェオープン | ふくろうカフェ楽園のブログ (ameblo.jp)

 

 

でも、これって。。。。

翼を自作して、空を飛んだ。

つまり、飛行機のことですよね。感動した!

こうして、イカロスは、地上でほざいているただの屑から、塵みたいな小さな飛行機(翼)で空をとぶ、世界初のパイロットすなわち「大空の屑」になったのでした。ぼくとは空つながりの屑なかまだったのですね。。。。

イカロスはそのあと墜落し「星になった少年」と化してしまいましたが、さいわい、ぼくはまだその前段階の「大空の屑」です。長生きしたいと願っています。

 

 

さて、ギリシャ神話では、いとも簡単に翼を作り、羽ばたいて飛んでいますが、現実は厳しく。

人力や機械の力で、いくら人間が羽ばたき機を作ってもうまくゆかず。

落胆していたら、「羽ばたかなくてもとべる」というもう一つの方法を発見、というか再発見しました。

コンドル。一回も羽ばたかずに170キロは飛ぶらしい。

 

 

つまり、アホウドリやコンドルが滑空しているのを、まねるほうが現実的だと気が付いた。

この場合、羽ばたいて自分から風を発生させるのではなく、季節風だの、断崖に吹いている風や山岳風だの、要するに自然に吹いている強烈な風を翼にあてて揚力をうみだすという、ちゃっかり屋さんの飛び方を極めることになり。

リリエンタールあたりの世代でグライダーを発明或いは性能向上し。サントスデュモンに至って、翼は揚力、エンジン(プロペラ)で自分から風を作って翼に送風する(実際は飛行機が前進して向い風を作り、翼に当てている)という技術を編み出しました。

この当時から、後付けちっくに、翼の上面と下面の流れの違いで気圧に差がうまれ、その結果翼が持ち上げられる、という揚力の理論が解明されてきた。

リリエンタールによる鳥の翼の研究。

(翼理論の芽生え(リリエンタール、ラングレー、ライト兄弟の飛行)

 

 

リリエンタールのグライダー

https://www.aerobase.jp/aerobase-blog-20201115/

 

 

サントスデュモンの飛行機。おしりにプロペラのついた先尾翼機です。

https://webkits.hoop.la/topic/14-bis-santos-dumond

 

 

というわけで、とにかく飛べるようになったぜ!と現在の飛行機はみな「固定した翼」になっています(ヘリコプターは飛行機とは言えせんので、念のため)。

一方、鳥や昆虫たちは、なぜ羽ばたきで飛べるのか?

最近になり、やっと解明されてきたところに、「翼で空気の渦を作り」その渦による気圧差をうまく利用して空に浮かんでいるという事がわかってきました。

これを、気流の流れが剥離して生まれる「前縁渦」というそうです。

「固定翼」の飛行機では、いかに翼に沿って気流を流すかがポイントで、「剥離」や「渦」なんて呪いのワードであり。失速・墜落一直線の、言っちゃいけない言葉なのに、よりによって、鳥や昆虫たちは、自分から渦を発生させることにより揚力を発生させていたという恐ろしい事実が明らかになってきました。

ただ、この方法で揚力を発生させるためには、すさまじい数の羽ばたきを行わなければならず。スズメで1秒間に17回、ハチドリになると80回は羽ばたいているらしい。

 

 

とても人間の技術で、秒間80回(17回でも)も羽ばたきできるつばさなんて作れないのでした。ははは

一方、オーニソプターと言って、模型の世界では羽ばたき機が実用化され、じっさい飛行場の鳥を追い払うために使われているものもあるそうです。でも、人が乗れる大きさ(重さ)となると、実用化は難しいらしい。

オーニソプター。

 

 

ところが、人類が血のにじむような努力の末に空を飛ぶことができるようになったのに、そんな努力なんて、なにそれおいしいの?と、はるかな古代からそのへんを自由に飛ぼ回ってきた、恐ろしい存在があるのです。

その名も「飛天」

Wikipediaでは「仏教で諸仏の周囲を飛行遊泳し、礼賛する天人。仏像の周囲(側壁や天蓋)に描写されることが多い」となっていますが、航空力学的に言えば、翼がないのに飛んでいるという、レッドカードだ!の約束破り、規則破りの「魔物」です。

メビウスの帯みたいな「はごろも」で揚力を得ているらしい

https://www.bilibili.com/video/BV12y4y1x7uQ/
 

要するに、女性です。

というか、この世の女性たちは、すべて飛天です。このブログを読んでいる素敵女子たちも、空を飛ぶための「羽衣」をどこかにしまい忘れているか、あるいは忘れたふりをしてどこかに隠し持っているのです。

細心の空力理論が解明されるにつれて、鳥や昆虫が羽ばたいて飛ぶ原理も解明、再現できるようになっており。

いがいな近未来に、てんとう虫みたいに翼を伸ばしたりしまったりする「空飛ぶ車」が実用化になるかもしれませんね。

天使のいる風景

 

 

ではでは

Posted by 猫機長
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ビーチギアのお話

ビーチは夏の風物詩。ハワイアンでも聞きながら、のんびりビーチチェアでスマホをオンにして、すてきなHP「アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ」にアクセスだ!

なあんて、くつろぐイメージの海岸ですが、船にとっては底なしの残酷さを発揮する、生と死の恐ろしい境界線だったりします。

このブログは飛行機乗りのブログなので、船というのは「飛行艇」のことです。

飛行艇は、船のくせに翼があるため、いったん着水したが最後、波にもまれて翼がもげそうになってしまい。

もげなくても、いつも転覆の危機にさらされているといってよい。要するに重心が高すぎて安定できないのである。(安定性のいい飛行艇は、飛行機としての性能がだめになっちゃいます)。

というわけで、着水したら、とっととビーチまで走ってゆき、陸揚げする必要があり。

波打ち際まで来たら、搭乗員が台車(正確には「浮袋付主車輪2個」と「尾部運搬車」のセット)を抱えて海に潜ってゆき。飛行艇の底の所定の場所にピン止め固定し、トラクターで引っ張ってランプから飛行艇を陸上のエプロンまで移動させます。

台車をつけた二式大型飛行艇(模型です)http://www.hasegawa-model.co.jp/product/e45/

 

 

こう書くと簡単ですが、どんぶらこと波のまにまに揺れる巨大な飛行艇を、ランプ際に仮止めしておくのがまず大変で、やれブイを投げるだの錨を下すだの、飛行艇パイロットは飛行士の前に船乗りでないとやっていけず。

なんとか波打ち際の浅瀬で飛行艇が仮止めできたら、上記のように台車の取り付けですが、これがなかなか危険な作業で、波がそれほどなくても、夏は灼熱の太陽で焼け死にそうになりながら、冬は厳寒の海で凍死しそうになりながら、台風通過近しなどの時は、それこそ荒れ狂う波にタコ殴りにされながらという、精神的にも肉体的にも極限の作業になり。

荒波で、取り付けかかった台車が外れて艇底を直撃!大きな穴が開いて飛行艇が沈んじゃった、なんてこともあったようです。

この辺は、以下のサイトに大迫力で描写されているので、ご訪問ください→http://www.aero.or.jp/web-koku-to-bunka/2009.11.15koshida.htm

毎回必死になって台車をつけなくても、最初から台車がついた飛行艇は作れないの?

それがなかなかそうはいかず。

飛行艇の艇体、特に底の形状はとても重要である。

水の抵抗というのはものすごく大きく、水上滑走の強力なブレーキとして作用してしまうため、艇底にステップという段差をつけて、滑走(滑水)時にはある程度まで速度が上がったらステップより上は水面から離れて抵抗を激減させる、というような機構があってやっと離水できたりします。

ステップの一例amazon.co.jp/スペシャルホビー-SH72162-72-ショート-サンダーランドMk-Ⅴ/dp/B07R682D3P

 

 

そういった船底に、台車みたいなものがついていたら、抵抗以前に、まるで煉瓦で船を沈めるようになってしまって、離水どころではなくなってしまい。台車は基地の方で保管していて、飛行艇が着水してランプ(滑走台)に迫った時点で海に投げ入れて、飛行艇側に拾ってもらう(そのために浮袋が付いていた)という要注意な作業が必要だったらしい。

ちなみに、往年の巨人飛行艇ドルニエドックスですが、なぜうまく運航できなかったかの理由の一つに、重すぎて、何とか離水しても水面から500メートルくらいまでしか上がれなかった、というのがあり。これじゃあ実用高度もへったくれもないですよねー

陸上機に比べて、船の形にして、波を切ったり波頭にたたかれても壊れないようにするために、いかに重く、スピードの出せない形になってしまっているかが浮き彫りになるのでした。

ドルニエDoX飛行艇 https://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/cl-pln2/TW010.html

 

 

ただ、飛行艇というものはなぜか「錨」にこだわり。錨なんて乗せなければ、著しく軽くなるんじゃね?なんて思うのですが、今日のUS2飛行艇に至ってもちゃんと錨を乗っけており。

US2飛行艇と錨

https://pbs.twimg.com/ext_tw_video_thumb/1124974002961694722/pu/img/IoBZR12VpauyvgGj.jpg

 

 

要するに、錨の無い船なんて、クリープの無いコーヒーだ!というわけで、飛行艇は何よりも前に船ですから、錨は必須ということなのかもしれん。

ううむ、船乗りというのは狂った人種ですねえ。飛行機乗りがどう思われているかは知らないけど。。。。

というわけで、昔の飛行艇は、泣く泣く、毎回生命の危険を冒して台車を装着するしかなかった。

しかし、技術の進歩とともに強力なエンジンが生まれ。戦後になると、台車をくっつけても離水し、それなりの高高度に上がることができるようになったのでした。

そのお手本が「PS1」

舟底に台車ではなく、胴体の横に大きな車輪がついています。

http://hikokikumo.net/HIs-Mil-PS1-01-19771129-Kitagawa.jpg

 

 

https://pbs.twimg.com/media/FArZPUfVcAI4upK?format=jpg&name=large

 

 

着水して、ビーチ間際まで走ってきたら、機首から旅客機みたいに前輪を出し、胴体の車輪もカニの目みたいににょごご、と伸びて、前輪、主輪が海底に届くまでは船みたいに、そこから先は陸上機みたいに車輪で滑走して(動力はあくまでプロペラ)、器用にというかぶきっちょにというか、ランプを上がっていきます。

http://hikokikumo.net/HIS-Mil-PS1-000index.htm

 

 

離水の時はこの逆で、最初は海底を歩いてじゃなかった車輪でともかく移動してゆき、足というか車輪が海底に届かなくなったら、泳いでじゃなかった海上航走に移るらしい。そのあと、にょごご、と車輪を機内に格納して、本格的に離水。

http://hikokikumo.net/His-Mil-PS1-09-19790705-konan-01-kitagawa.jpg

 

 

こうして、フロッグマンが命を懸けて毎回台車を装着する必要がなくなり。かなり楽ちんになることはなった。

でも、地上で駐機しているPS1を見ると、つい、このまま陸上の空港を滑走して、離陸や着陸ができないかなーなんて思ったりします。

ビーチギアを展開して、陸上機みたいなPS1

http://hikokikumo.net/HIS-Mil-PS1-000index.htm

 

 

でも、そんなことをしたら、たちまち衝撃などでこれらの脚はもげてしまい、擱座炎上になってしまいます。

ということから、この脚は、降着装置すなわち「ランディングギア」ではなく「ビーチギア」と呼ばれています。あくまでビーチの斜面(ランプ)を上り下りするためのギア、ということである。

PS1の格納メカニズム。http://www5a.biglobe.ne.jp/~t_miyama/lgindx.html

 

 

しかし時代は進み、エンジンもそうだが、素材技術とかも進み、軽く、細くても強靭な脚が作られるようになった結果、文字どうりランディングギアを設置した水陸両用飛行艇もできるようになりました。

ランディングギアを装着して水陸両用になったUS1。外見はPS1と変わらないなあ

https://www.shinmaywa.co.jp/aircraft/us2/us2_history04.html

 

 

アメリカなどでは、カタリナ飛行艇など、戦前戦中から水陸両用飛行艇を作っていた。日本は台車型にこだわったが、これもエンジンのチョイスとか、飛行機としての性能を極限までひきだそうとした日本と、飛行機としては凡作でも、いつでもどこでも使うことのできるタフなのを目指したアメリカの差があると思います。

アメリカのカタリナ飛行艇。タイヤのでかさに注目。

https://plaza.rakuten.co.jp/nobtk/diary/201906090000/

 

 

これで飛行艇の進化は究極に達したか?いえいえ「水陸両用」のさらに斜め上をいく恐ろしい機能を備えた物体が存在しています。

その名も「グラマン・ダック」。

ダックくんは、離着水、離着陸の他に、離着艦もできるのでした。

空母に降りるために、巨大な着艦フックを装備したダックくん(垂直尾翼下面)

https://naval-encyclopedia.com/naval-aviation/ww2/us/grumman/J2F/grumman-j2f-2A-VMS-3-StThom-VirgonIsl1940.jpg

 

 

水上機なのか飛行艇なのか?珍妙な姿かたちのダックくんですが、現代のジェット戦闘機も顔負け、制動索に着艦フックをひっかけて勇ましく着艦していたのでした。

現代の戦闘機の着艦。制動索とフックの作動がよくわかる一枚

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cf/FA-18_Trap.jpg

 

 

でも、ダック君のさらに上をいく至高の存在が。

その名も、ウオーラス飛行艇。

以前の記事にも記載した通り、飛行艇のくせに軽飛行機の小ささと軽さで、ちゃんとランディングギアを持っているばかりか、着艦フックはないくせに、なにげに陸上の滑走路みたいに空母に着艦していたのでした。

空母に着艦するウオーラス飛行艇。(パブリックドメイン)

 

 

ダックくんやウオーラス君は、洋上の空戦で撃墜されて落っこちたパイロットを波間から拾い上げ、あるいは空母に、あるいは陸上の飛行場に、あるいは最寄りの島々や艦艇に送り届けるという、とても重要な活躍をしたらしいです。

カナダやアラスカなど、水たまり(海も含めて)はいっぱいあるが滑走路はなかなか。。。という地域では、主に下駄ばきの水上機が、荒れ地を短距離で離着陸できるブッシュプレーンとともに、現地の重要な交通輸送機関として活躍しているそうです。

ターボプロップエンジン推進による、いまどきのブッシュプレーン

http://blog.covingtonaircraft.com/2019/05/10/mike-pateys-draco-the-coolest-stol-aircraft-ever/

 

 

ではでは。。。

Posted by 猫機長
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2022年の不労所得総決算

今回の記事は、例によってふむふむ難解・難読の書です。でもおしゃれな挿絵をいっぱい入れたので、素敵女子の皆様もスルーしないで、いいね!してね!

投資女子やセミプロ投資あんちゃんには重要情報と理解します。数字は目安、アバウトなのでご了承お願いします。

 

 

ウクライナ戦争にコロナ禍、米国異次元利上げと、怒涛の2022年も終わり。

一言でいえば「さんざんな一年」でしたねーこれでもかと下がってゆく元本の市場価格に、資産が溶けてなくなっていっちゃうのでは、という恐怖の12か月でした。

さて、このブログはお題も「不労所得」なので、この「絶望的な破壊の一年」で、なけなしの資産がどうなったかについて、いつも「いいね!」いただいている素敵女子やナイスガイたちに開示するのでした。

昨年から今年の変動はこんな感じ。数字は基本、現地通貨です。

あと、Santander銀行に債券投資がありますが、こちらは給与所得をぶち込んでおり、不労所得ではないので考慮外にしました。

また、年央あたりにItau銀行の債権をちょっとかなり(つまりまあまあ)崩して、リート購入したら、リートの元本がその後急落して、泣きました。

①金融資産種目

2021年12月31日

2022年12月31日

債権(Itau銀行)

789,091.37

787,851.95

金地金

81,125.00

75,500.00

リート+ETF(Santander)

3,017,131.99

2,784,095.47

リート(Itau)

238,285.00

221,930.80

4,125,633.36

3,869,378.22

労働保険(FGTS)

325,242,63

358,704.00

総計

4,450,875.99

4,228,082.22

円額換算

@20.653=91,923,941 円

@24.80=104,856,439円

➁投資用不動産等

560,000.00

760,000.00

①+➁(現地通貨)

5,010,875.99

4,988,082.22

①+➁(円額)

@20.653=103,489,621円

@24.80=123,704,439円

ここで注目は、まず①の純然たる金融資産の残高。

2021年12月はR$4,450,875.99

2022年12月はR$4,228,082.22

2022年についてさらに掘り下げます。

毎月の配当や金利のうち、再投資できた金額が毎月平均でR$25,497.00なので、一年ではRS305,964.00を再投資した。

うちR$200,000.00を②に分類される実物不動産に振り分けたので、上記①すなわち金融資産に振り分けることができたのはR$105,964.00になります。

したがって

2022年末における①金融資産の元本から配当の再投資分を除いたがんらいの元本の金額は(R$4,228,082.22―R$105,964.00)=R$4,122,118.22

すなわち、配当を除いた元本のみの増減でみると

2021年12月のR$4,450,875.99から、2022年12月実質R$4,122,118.22へ、ざっくり8.4%の減少になっちゃった!

でも、R$⇔円のレートがこれまた@20.653から@24.80に大変動したので、2021年は金融資産のみでは1億を割ってしまっており投資用不動産とかを入れて何とか1億だったのに、今年は金融資産のみで1億という、現地通貨では減ったのに円額では増えた、という恐るべき結果になっています。

要すれば、今年が異次元円安ということなので、来年はまた投資用不動産とかを総動員してやっと1億に逆戻りしちゃいそうな気がします。かなしいな

 

 

今年要注意だったのは、投資用不動産を購入したこと。

ほんとうは元本価格すなわち株価の一株(リートは一口)当たりの時価が急落し、DY(配当利回り)が相対的に急上昇するいまこそ株やリートを買いあさりたかったのですが、実物不動産でとある物件を買わざるを得なくなり。

この物件購入は、無利子(固定割賦)で頭金+10か月の分割払いにできたので、年利13%を超えるブラジルではとても好条件で買えました。なんてその分購入金額にすでに織り込まれちゃってるのだろうけれど。。。。

この物件の時価総額はR$300,000.00ですが、12月末時点でまだ未払い分の割賦がR$100,000.00あったので、資産計上には差し引きのR$200,000.00としています。

ここまでは元本のおはなし。

実はそれより毎月の配当の方が重要です。

というわけで、2022年と2021年の配当及び金利すなわちこれこそまさに純然たる不労所得については以下の通り

*注意:以下は、生活費とかを除いて再投資した金額なので、念のため。

*も一つ注意:2021年の金利収入は、もうちょっと少なかったはずなのですが、1年間でどれだけ増加したかを確認するのが目的なので、多め(2022年とおなじ金額)にしちゃいました。ははは

2021年(@20.653)

2022年(@24.80)

リート配当(1か月平均)

16,480.00

18,998.00

債権金利(1か月平均)

6,500.00

6,500.00

1か月あたり計

22,980.00

25,497.00

1年分総額

275,760.00

305,964.00

1年分総額(円換算)

5,695,271円

7,587,907円

円額だと、2021年から2022年で33%増加と、いかにもすごそうですが、これも狂乱円安のトリックなので、実質は現地通貨の10%増加にとどまった。

これでもよさそうだけれど、今度はインフレがあり。IPCA指標で5.79%なので、実質の収入増は10-5.79=4.71%にとどまりました。

まあ、インフレを差し引いて、かつ日々の生活費を差し引いた再投資額なので、まずは順調かなとは考えます。

ちなみに、毎月632,325円ということで、ベンチマークとしている毎月30万円をこえることができて一応安堵。でも、これも為替に幻惑されているので、あえて去年の為替でやってみると526,589円で、こっちの方がリアリスティックかなーと思います。

 

 

なんか数字ばっかりでこんがらかっちゃった?ので、ごくおおざっぱに、まとめてみます。

金融資産の時価評価額:ざっくり8.4%の減少になっちゃった!

不労所得:インフレを差し引いて4.71%増加。

ううむこの2行を書くためにどれだけ計算じゃい。くたばりました。

 

 

というわけで、結論として、不労所得は何とか増加しているし、元本の減少も「恐慌の1年」の割には抑えられたと、安堵しています。

特に元本の増減は要注意で、1年単位で増えた減った、と一喜一憂しているとかえって資産を失う結果になると思います。

じゃあどのくらいのスパンでみればいいの?というわけで、一例としてリート「SHPH11」でみてみます。

1999年に一口R$100.00で購入。

2023年1月11日の段階で1口R$729.00になっていました。つまり792%の上昇ですねえ。

その間のインフレ(IPCA指標)は以下の通り

 

 

というわけで、1999年から2022年までの23年では、

R$729.00―R$663.66=R$65.34がインフレを超えた純利益。

つまり、

インフレを超えて65.34%上がっているのでした。

一年あたりインフレを超えて2.8%(単利計算)なので、ここ2,3年落ち込んではいても、20年のスパンでは勝っているということになります。

ここでこのリートの重要なポイントとして、上記はあくまで元本のみの変動であり、これとは別に配当が毎月、コロナかで営業中止した1年程度を除いて必ず分配されてきたことです。つまり、元本はインフレに勝る上昇で資産保全を達成し、さらに配当による不労所得で生活費の充当を可能としてきた、ということです。

タコ配とは別世界の毎月分配もありますよ、という実例になっていれば幸いです。

 

 

もちろん、金融資産の総体を構成する銘柄の中には、SHPHだけではなく、雑多のリートや債券で構成され、下がるいっぽうだー!なんてダメダメなのもあるのですが、総体的には拡大していってくれているので安心しています。

人口ボーナス期にある新興国の不動産投資が主体なのでこうした安心も得られますが、日本の場合は、はっきり言って投資するにできないんじゃね?というか、結局S&P500へのインデックス投資とか、日本に住んではいても投資先は米国を選ぶ人が多数。でも、Jリートでがんばって資産拡大している人もいることはいるらしい。

2023年の年末には、うだうだ書かなくても、すぱっと元本総額が増加していることを祈りたいですが、難しそうですねー2024年から2025年にかけての世界市場の復調を願っています。

ではでは。。。

Posted by 猫機長
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着陸の奥義。フレアとは

パイロットの格言に「離陸はするもしないが自由だが、着陸は義務だ」というのがあります。

地上にいる限りは、今日はなんか風が強いから離陸はやめよっと、と自在に決めることができますが、いったん上がっちゃったら、天候が急変して烈風逆巻く荒天になろうが、着陸を逃れることはできず。突風にもまれながらの着陸という恐ろしい事態に陥り、木に登って、降りられなくなったネコみたいになっちゃいます。

なさけないなあ

https://mofmo.jp/article/24173

 

 

離陸や上昇は、機軸をまっすぐに保ってエンジンをぶんまわせば、自然にふわふわと上がっていくのに比べて、着陸は、失速間際までスピードを落とし、墜落寸前、スピードが遅すぎて舵も効きにくい状態でよたよたと降りていくので、操縦で最も難しい操作だったりします。うまくいけばふわっと降りますが、突然下降気流などで、どちん!ふぎゃー!なんて時もあります。

「脊髄反射」では反応しきれない、 急な気流の変化で落着しても壊れないよう、特にメインギア(主脚)はびょんびょんたわんで衝撃を吸収するようになってはいますが、ぼくの乗っているような空虚重量280キロの軽飛行機では、脚も極力軽くするために、申し訳程度のバネがあるのみで、パイロットがうまく着地の衝撃を殺さないと、ギアを壊してべそをかきます。

衝撃を殺す奥義が「フレア」。

滑走路に正対して、風の穏やかな日はるんるん♪、乱気流の日はふぎゃぎゃー!ともまれながらも、エンジン操作と操縦かん・ペダルの操作でなんとか「降下率3度」の降下経路を維持して降りていきます。

 

 

ぼくのホームベースでは、降下率、というより昇降計の針が500f/minから1000f/minの間に収まるように降りていきます。

昇降計

接地目標点までそのまま降りていく方法①もあるが、田舎の短い滑走路では、滑走路手前の遮蔽物を過ぎたときにスロットル全閉、一瞬機首下げしてひょいと滑走路端で高度をゼロ近くへ落とします②。

短い滑走路を長く使う秘法

 

 

でも、①であろうがに②であろうが、そのままだと、どちん!と「飛行機を地面にぶつける着地」になってしまいます。

ここで「フレア」の出番です。

基本は、滑走路に飛行機が近づくにしたがって少しづつ操縦かんを引いて機首上げをします。

そのまま操縦かんを引いていくに従い、スピードは落ちるが機首が上がり揚力が増すので、落下率も減少してゆき。滑走路の上を漂う感じになり。

浮力じゃなかった揚力がなくなった瞬間に、メインギアが、きゅん!と着地。

でもまだまだ操縦かんを引くぞー!機首上げのウイリー走行で、さらに機速が落ちてゆきます。まだ機首を上げておくくらいの揚力は残っているためです。

そして操縦かんを腹にくっつくくらい引ききったそのせつな、ふわりと機首が落ちて、とんと着地。というのが一番幸せな着陸です。

こんなふうにうまくいった日は、一日はっぴーです。

滑空とフレアについてうまく表現した図。

https://www.researchgate.net/figure/n-the-final-approach-to-landing-the-pilot-pitches-up-to-arrest-sink-rate-and-land-softly_fig1_48548276

 

 

でも、フツーは、メインギア着地の時点でまだ降下エネルギーが残ってしまっていて、ギア着地と同時に機首を下に振ろうとするので、フレアをぐっと強くして(操縦かんをちょっと早く引いて)ウイリー状態を保つようにします。

こういう着陸もまあまあ満足。パーフェクトじゃないけれど。

でも、あるあるなのが、操縦かんを引くのが間に合わず、主脚と前輪が間を置かずに、ちゅん!ちゅん!と接地する着陸。

前輪式飛行機であればこれでなにも文句はないし、見知らぬ滑走路に着陸する場合は、こういう着陸で前輪での操舵性を確保して、とにかく滑走路上での安定を確保したいケースもあり。

でも、基本は上に書いた「ウイリー着陸」です。これを普段から練習しておかないと、ポーポイジングという恐ろしい現象を引き起こすことがあります。

ポーポイジング、あるいはバウンシングは、接地時に落下エネルギーが残りすぎてしまっており、主脚、前輪がどん!どん!と地面に「ぶつかる」のみでなく、反動で大きく機首が上がっちゃうときがあぶない。ぐっと機首上げ姿勢になっていらぬ揚力が生まれた機体は、ぼよよーんと機首を上にして地面から跳ね返り、でももともとスピードはそれほどでもないので、そのまま失速、機首を下に振って、今度は前輪からどん!とおっこち、またしてもぼよよーん!と跳ね返ります。

始末が悪いのは、跳ね返るごとにこのバウンシングはますますひどくなり、ついには文字通り機首から墜落、前輪を折っちゃうという事態になってしまいます。

 

 

というわけで、運悪く、ポーポイズだ!と気づいたら(2回バウンドしたら)、ともかくエンジン全開だ!揚力を増大させて落下を止める。機体が水平でとまり、まだ滑走路があったらそのままもう一度フレア開始してもいいし、あるいはゴーアラウンド(着陸をあきらめてエンジン全開、上昇)というのもある。

つまり、飛行機が着陸したくないのに、パイロットが無理に接地させようとした時にポーポイズは起きる、ということですね。

言い換えれば、接地するまえに速度や降下などのエネルギーがすべてコンマ0.000Xになっていなければならないということである。

零戦乗りは「滑走路上3寸で失速させろ」と言っていたらしい。

このために必須の操作がフレアです。

かんぺきにフレアができていれば、ぐん、と機首が上に向いた状態でちゅん、と主脚が接地し、そのまま滑走路を滑ってく感じになる。

でも、着陸は毎回風向きや強さ、だけでなく、気温や湿度などでもコンディションは大きく変わってしまうので、パーフェクトな着陸、というのはなかなか至難なのです。

今どきの前輪式飛行機は、エネルギーが残った着地でも、機首を下に振るので、よっぽどでなければそのまま地面をつかんで止まってくれますが、尾輪式は大変で、ちょっとでもエネルギーが残っていたら、メインギア着地と同時に尻が下に振られ、ぼよよーんと機首を上に向けて跳ね上がってしまい。その後は機首から墜落、と即ポーポイズ状態になってしまうらしい。

 

 

そんなこんなで、尾輪式の操縦はとてもシビアです。僕は前輪機乗りだけれど、いつか尾輪式を乗りこなせる本物の飛行機乗りになりたいと思っています。

実際の着陸を録画しました。

ほんとうは上の写真の通り左側の座席にいますが、自撮りなので、動画では反転して右側になっちゃってます。ご了承おねがいします。

 

 
ダウン・ウインド・レグで撮影開始。1:28でフラップ1(カチッと音がしてます)。1:37で第3旋回点の旋回。ベースレグに入り。2:07で第4旋回、ファイナルに侵入。2:50でフラップ2。3:28でくらいで滑走路を長く使うための機首下げ(上記画像の②)、すぐ操縦かんをもどして3:35あたりからフレア開始。3:40から3:41の境目でメインギア接地。そのまま滑走して、3:46あたりでおなかまで操縦かんを引き切りると同時に浮力を失った機首が下がって前輪が接地、となりました。4分の動画はながいぞ!というせっかちな人は、2:50あたりからご視聴ください。ははは

 

 

別にコクピット目線から1分の動画を作っています。別の日の着陸で、上のと微妙に違っており。着陸って、一回一回がアートですよね。。。。

こちらからご視聴ください→ https://www.youtube.com/watch?v=yZcao-SFzXY
 

 

微風の好条件でした。0:03あたりでフラップ2をおろしています。0:36くらいで滑走路を長く使うための機首下げ(上記画像の②).。こちらの動画のほうが大きくできています。0:40あたりからフレア開始。0:46でメインギア接地。そのまま操縦かんを引き続けますが、浮力がなくなり0:50でノーズギア接地。

小型飛行機は失速速度30ノット、接地40ノットくらいのところを、滑走路上は容赦なく10ノットから20ノットの風が吹きまくる日も多く。風にもまれながらというなかなか容易ならざる世界では、あります。

滑走路上の風は20ノットでも、エアバスとか737の着陸速度は150ノットくらいなので、風なんてなんぼのもんじゃーい!らしい。でも、巨大なフラップを広げて、リバースをかけて無理やり停止なんて狂ったまねは、ぼくにはとてもできませんねえ。もちろんそれでぜんぜん安全ですけど。でも、やっぱりブレーキがなくても自然に止まっちゃうLSA軽飛行機のほうがいいなあ、なんて思っています。

こんな飛行機に乗っています

 

Posted by 猫機長
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短編集:クリスマスに寄せて

優しさいっぱいのクリスマス特集です

 

 

かぶと虫に356レプリカ。この2台に代わる代わる乗っています。

こうゆうふしぎな名車たちを生み出したドイツについて、短編を3つほど掲載します。ひとつめはドイツ文学の名作「朗読者」の感想文(ネタバレなし)です。「愛を読む人」として映画化されているので、そちらの方をご存知の方も多いかもしれません。ふたつめは飛行機乗り目線から見た、飛行機史上のとある実話。3つ目は、その実話がらみのちょっとした短文です。

 

 

1.ナチスの「犯罪」についてのドイツの本音。

とある素敵女子から、なにげに借りた小説「朗読者」。実はドイツの深層が隠された恐るべき内容でした。戦後10年程しか経っていない当時のドイツに、まず登場するのが、なよやかな病弱少年。歩道でゲーゲー吐いて倒れかかったときに助けてくれたたくましいおばさんと、どきどき!な関係になってしまいますが、その後おばさんが戦争中は強制収容所の看守だったことが発覚し、裁判行きに。とこれくらいならネタバレにならないでしょう。

 

 

恐るべきは、①少年:ワイマール時代の虐げられたドイツと戦後の悩める優しいドイツ、②おばさん:第三帝国(ナチスドイツ)、を象徴していて、おばさんの裁判シーンは、裏付けのない判決を言い渡されるドイツ(おばさん)、勝者の論理を押し付ける連合国(裁判官や、便乗しておばさんだけに罪をかぶせる元同僚)を象徴するが如しである。

「裏付けのない理由」がいかにもドイツ的な明快・正確さで提示されていますが、ネタバレになるので書きません。「朗読者」という題名がまさにそのものずばりとだけいっておきましょう。そして裁判をひっくり返す「理由」を知っている優しい少年は、おばさんへの「朗読」を続けるのでした。公式に戦争犯罪を認めたドイツの小説であり、ラストは避けがたい内容ではあると理解しますが、「ヒトラー最後の12日間(こっちは映画です)」とともにドイツの正義とはなにか?を議論(というか主張)し後世に残す重要な文献と理解しました。

映画版「愛を読む人」https://nospensees.fr/the-reader-traumatismes-secrets-et-passion/

 

 

2.キュートな飛行気乗りのお話をひとつ。

第二次世界大戦、ヨーロッパ。

イギリスを発進し、海を越えてヨーロッパ内のドイツ陣地を空襲したB17爆撃機の編隊。しかし激烈なドイツの反撃にあい。

当時のドイツ高射砲はかなり優秀だったらしい。

さらには、ほとんど体当たり状態まで突っ込んでくるドイツ戦闘機の攻撃も激しく。これは勇敢とかいう前に、時速500キロ近くで動きまわる空中戦では、ほとんどぶつかるまで近寄らないと機関銃の弾も当てられん、ということで、日本の零戦乗りも「敵機から50メートルくらいの距離まで近づいて、照準器から敵機が大きくはみ出るくらいになってから射撃した」そうです。

実際に衝突したケース

 

 

というわけで、B17側も被害続出し。一時は出撃ごとに三分の一に及ぶ機数が撃墜されたこともあったらしい。

そんななかで、チャーリー・ブラウンさんの操縦するB17一機が、なんとか爆撃を終えて帰路には着いたものの、エンジンがやられてスピードが出ないぞ!

必死に帰路を急ぐ編隊に置いて行かれてしまったのでした。

当時は100機にも及ぶ爆撃機が密集体形をとって、近づくドイツ戦闘機に一斉に射撃をくらわすという防御の仕方をしていたので、一機だけはぐれちゃった爆撃機なんて、それだけで敵戦闘機から見れば「おいしいエサ」です。

こまった!どうしよう。。。

そんな状態で、遠くからキラリ!と輝く機影があったと思うと、ぐんぐん瀕死のB17に近づきはじめ。

遂に敵戦闘機に発見されてしまった!

あやうしB17!

一方戦闘機の方では、フランツ・スティグラーというドイツ丸だしの名前を持つパイロットが操縦していました。

「いひひひひ!これで勲章確定だぞ!」と大喜びでB17に近づき。

スティグラーさんは、これまでの戦歴により、この一機を落とせば「騎士鉄十字章」を獲得できるところまできていたのです。

ぐんぐんとB17に近づいたとき。

うあああ?なんじゃいこりゃあ?

B17は、それまでの戦闘で、左の水平尾翼は吹き飛び、垂直尾翼も半分無くなっちゃった!身を守るための機銃はもはや撃ち尽くし、機体は穴だらけ。

「空飛ぶぼろ雑巾」の状態で、幸い4発エンジンのうちまだ3発は動いていたので、なんとか水平飛行は続けられていた。

 

 

ひえええ!だれだこんな残酷なことをする奴は!と、敵だなんだという以前に、かわいそうになってしまったのでした。

飛行機の中ではもう誰も生きていないんじゃね?

幽霊船状態のB17。スティグラーさんは、B17の真横まで戦闘機を操り、並行して飛行しました。

操縦士は生きているぞ!必死になって飛行機を水平に保っていたのでした。

操縦席からチャーリー・ブラウンさんが、うつろな目でこちらを眺めています。

チャーリー・ブラウンさんもスティグラーさんを視認。よく見ると、Bf109戦闘機の、出来損ないじゃないけどそれに違い、ほとんど身動きもできない小さな操縦席の中で、一生懸命チャーリー・ブラウンさんへサインを作って送って来ています。

以下、スティグラーさん(ス)とチャーリーさん(チ)の会話

ス「ぼけかおまえは。イギリスとは全然違う方向に飛んでいるぞ」

チ「ざけんな!トイレもない飛行機に乗ってやがるくせに、偉そうだぞごるあ!」

ス「おまえらとちがって飛行中にう◎ちなどせんわ!いいかよくきけ、イギリスまで送って行ってやる」

チ「えっほんと?あとで「わかば」のたい焼きおごってあげるね!」

と、そこからは仲良く、イギリス近くの、連合軍制空権の始まる直前の空域まで飛んで行き。スティグラーさんはドイツへ向けて反転していったのでした。

400キロの距離を飛んだB17は無事イギリスに帰還。

基地で大騒ぎするなかまたち。「わああぼろ雑巾が飛んできた!」

チャーリーさんは、隠さずに「変なドイツ人が道案内をしてくれました」と報告すると、上官は

「たしかにドイツ人は道案内が大好きという習性があるようだが。。。ん?あれ?敵と仲良く編隊飛行なんて、何を言っとんねん!しばき倒したるでごるああああ!」

文化的なイギリス空軍なので、シバかれはしませんでしたが、

『敵への肯定的な感傷の一切を今後構築しないよう』命じられてしまいました。

一方スティグラーさんの方は、ちゃっかり「一機落としました。海の上なので残骸は見つからないよ」と報告し、どうやら勲章もゲットしたらしい。

東京四谷の「わかば」。天然物のたいやきです

 

 

それから40年後。

いろいろあって両者は再会することができ。親友になったのでした。

めでたしめでたし。

ちなみに、スティグラーさんがチャーリーさんのB17を撃墜しなかった理由は

「まるでパラシュート降下中で、全く反撃できない人を撃ち殺すようなものだ。そんなことは断じてできない」

と述べています。

 

3.ブラジリア国際空港で

日独米の若者達をモルモットに開発したB17やB29を祖先に持つだけあって、なかなか精悍な面構えのボーイング737。ハチの巣になっても飛び続ける機体、乱気流の少ない超高空をらくちんに飛行できる与圧装置、IFR(計器飛行)や航空管制技術の開発によって「殺しても死なない」安全性が確立され、ぼくもその安全さを享受している旅客の一人では、あります(撮影@ブラジリア国際空港/SBBS)。

ではでは。。。

Posted by 猫機長
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毎月分配型REITの真相:具体例の解明

今回は、ふむふむ・投資情報なので、そちら方面が苦手な素敵女子たちにはごめんなさい。でも、ビットコインとかよりはとっつきやすいかも?

投資女子の皆さんはぜひぜひコメントなどお待ちします。投資女子でなくても、コメントや、いいね!してね!

というわけで、素敵女子たちに、素敵な歌をプレゼント。でも、できたら、最後まで読んでね!

https://www.youtube.com/watch?v=l1zkDyl-cTk

花の首飾り

 

 

*一方、プロ、セミプロ投資家の皆さん。なんちゅういいかげんな記事じゃ!とかの突っ込みは禁止です。

さて、このブログではあくまでご時世の移り変わりに影響されない投資の基本についてをお題としてきたので、あまり個別銘柄の分析なんてやらなかったのですが、敬愛するブロ友のTiaraさんと、「毎月分配型リートは、タコ足か?タコ足でないのか?」というお題で「ラサール・グローバルREITファンド」についていろいろ意見交換したら、なかなか興味深い情報が出てきたじゃね?ということで、皆さんに共有させていただきます。

なお、消費者目線からのおもいきりポジショントークなので、あらかじめご了承ください。へんなオピニオンリーダーのへんなポジショントークよりはましかもしれませんが。。。。

さて、「ラサール・グローバル・REITファンド」です。

とてもよくレイアウトされた説明資料が以下PDFにまとまっています。

「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)/(1年決算型)」インフレ環境の中で改めて注目されるグローバルREIT投資 (nikkoam.com)

今回の記事は、この資料から目についた部分をいじわるく指摘するのでした。

(1)まずは、このファンドの概要について把握。

株式との比較、インフレへの言及、不動産ファンダメンタルズ、ポートフォリオも先進国で固められていて手堅いか?などなど、穏当な記載で、これらはプラス要因。

株式との比較(ほんとはここでリート指数との比較が欲しかった)

 

 

でも、アメリカ不動産市場が堅調だ、なんて書いていて(2022年9月時点の掲載)、ほんとか?

堅調な不動産ファンダメンタルズだそうです

 

 

人によっては「リーマン以上の不動産恐慌が来るぞ」なんてあおっている者もいるくらいなので、その辺は書いておくべきと思います。6月から、米FRBは4回連続0.75%の利上げという異次元の政策に及び、英国の年金基金も破綻が懸念されていた(その後本当にショックになった)。こちらはマイナス要因ですが、確かにファンド運営者の責任でないとはいえる。

毎月分配は魅力です。

 

分配金は毎月変動しており、すなわち母体となる事業(賃貸、ショッピング、オフィス)などの業績も考慮して増減資していることがうかがえ。これはタコ足とは真逆なのはナイス!ですね。なんか激減してるけど。。。。

また、ポートフォリオの銘柄も明示しており、これもナイスですね

先進国といいつつ、ほとんどUSREITじゃね?ははは

*腐っても鯛のアメリカなので、プラスポイントです

 

 

要注意なのが

「投資者のファンドの購入価格によっては、分配金の一部または全部が、実質的には元本の一部払い戻しに相当する場合があります。ファンド購入後の運用状況により、分配金額より基準価格の値上がりが小さかった場合も同様です。」という記載。

特別分配金とは何か? 設立からこの方、いつ、どんな時に分配されたかが気になります。

一生懸命説明しているが、結局めんどくてわかりませんでした。

 

 

もっとわかりやすいのを見つけました

 

 

残念ながら「グローバルREIT指数」ではあっても「ラサール・グローバルREITファンド」の実績ではなかったのですが。。。

でも

①キャピタル、インカム、トータルリターンという根本的・決定的な指数をわかりやすく一目で明示している。

②ラサールREITファンドも、優良な先進国のREITで構成されているので、上記のグローバルREIT指数をなぞるような推移をしていることと推察(逆にそういった推移をしていなければ、インデックス投資ともいうべき優良ファンドとしては失格)して、

上記を総合して、独断と偏見の「猫機長による判断」をお送りいたします。

(2)ぱんぱかぱーん!恐怖の?診断結果はこれだ!

悪い投資ではなさそう。

ここ数年の配当について、ちょっと減少度合いが激しいのが懸念ですが、皆さんのポートフォリオの中の1銘柄として前向きに考えられるかもしれん(もちろん自己責任ですよ)。

なさそう?かもしれん?

だって、決定打があやふやなんだもん。。。

決定打は、やはりこのグラフ(なんてINDEXですけど)

*この資料の一番やばいマイナス点として、このINDEXと当該ファンドの成績を対比したグラフがない、というかなり重大なのがありますが、まあ両者似たような軌跡であると独断しています。

 

 

コロナだのなんだので、落ちているときは素直に、ガーンとキャピタルゲインが落ちている。

結果、トータルリターンがマイナスの年がありますが、これは「普通」です。

リートも、株の一種です。要すれば高配当株の一つだと思っていれば間違いない。

株ですから、リーマンだの英国年金ショックだので元本(Capital→キャピタル)はガーン!と落ちて当然である。

重要なのは、(A)インカムが維持されていることと(B)維持とはいってもめくらめっぽう支払っているのではなくて、企業実績に従って、利益のある月は多く支払い、そうでない月はそれなりに、となっていること。

この(A)と(B)の両立がそれこそファンダメンタルな重要性を持っています。

(A)で、元本が墜落したら、配当も払われなくなっちゃうというのは、なにかおかしい。つまり、賃貸だのは、元本の額面がどうだろうが稼働しており、配当の原資となる毎月の家賃だのなんだのはちゃんと支払われているためである。言い換えれば、元本の上下なんてNasdacだのの金融市場におけるマネーゲームですから、配当とごっちゃにする方がおかしい。

(B)といって、元本を急減させるような重大イベントは、中期的には業績も悪化させて、利益も減少し、配当も少なくなってしまうのですが、ここで何もなかったように同じような金額を払っていたとしたら、そちらも怪しい(保留していた利益を払うとかもあるけど)。

これまで何度も書いているのと同じ結論になっちゃいますが、キャピタルが増減しようとも、インカム(企業利益)がちゃんと出ていれば問題ないのである。

このケースでちょっとこんがらかるのが、「特別分配金」とか言ってキャピタルが減少したときの支払では「トータルゲインでマイナス」になるから、いかにも「たこ足」に見えますが、その場合は、毎月分配型だろうが四半期決算の3か月事の配当だろうが、どんなリートだろうが株だろうがマイナスになり、それをもってタコ足とは言えないと理解します。

タコ足というのは、繰り返しますが「キャピタルゲインとは別に、事業の業績がマイナスになっているのに配当を続ける」ことです。

*世間一般の「タコ配」の定義と違っているぞ!という人に。「iFinance – 金融情報サイト」によれば「タコ配は、「蛸配当(タコ配当)」や「タコ足配当」の略で、企業(株式会社)において、実際には配当に必要な利益が出ていないにも関わらず、無理に配当を行うことをいいます。」なので、同じと思います。ただ、「利益」にキャピタルゲインを混ぜちゃうと、訳が分からなくなるのだと思います。

この辺を納得するかどうかですねーでないと配当を生かして元本を保全するという考えができなくなり、元本の値上がり益だけが利益と思ってしまうので、結局は元本を切り崩す逃げ切りの思考になってしまうと思います。こっちの方がよっぽどタコ足なんですけどねー

 

 

というわけで、皆さんご理解いただけたでしょうか?

ご理解いただけた人は、このファンド含めたあなたの投資ポートフォリオ全体のインカムゲイン・配当が、元本増減の山あり谷ありはあっても毎年(毎月、毎日)の生活コストを払いきって余りがある、というところまで積み立てを続けている人だと思います。

がんばれ!みんなで夢の配当生活を実現しましょう。このブログに巡り合った人で、このブログの本家HP「アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ」の「経済コンテンツ」を熟読しご理解いただけたなら、必ずや経済的自由に到達し、不労所得だけでも生活できるようになると確信しています。

ではでは。。。

Posted by 猫機長
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大空の豚丼:DC3のお話

今からおよそ250年前。英国内での迫害に耐えかね、脱出だ!北米大陸に渡った新興宗教団体の人々がいました。インディアンをいじめたりしながら西部を開拓し、アメリカ合衆国が成立。似たようなケースにオーストラリアがありますが、こちらは有無を言わさず送り込まれた人たちによってできた国であり、自分から逃げてきた人たちの国アメリカとは違いがあるといえばある。

イギリスって、そんなに残虐非道だったのでしょうか。。。。

*ちなみに、奥さんにいじめられて、お家に帰れなくなったポルトガルのだめんずが流れ着いたのがブラジルです。はいはい脱線でした。

https://togetter.com/li/1219409

 

 

映画ではかっこいい幌馬車がつらなって、悪いインディアンを撃退しながら、ステキな大牧場を建設したりしていますが、現実ではそうもいかず。険峻な山河にさえぎられて立ち往生しているうちに食料が尽きて、最後は人肉を食べて生き延びた「ドナー隊の悲劇」などが有名です。

一山越せば肥沃な平野が広がっているのに、一歩手前で斃れていった人たち。この山をひとっ飛びできれば!と何度思ったことでしょうか。

アメリカ人にとって、長距離の移動というのは、民族のDNAに刻み込まれているのだと思います。

その逆に「京都人」があり。洛中で3世代以上生活していないと京都人にはしてやらん、とか、ぼくのように京都駅の東にある埼玉県で生まれた土人は、人間扱いしてくれないのでは、と恐怖しています。

*京都の素敵女子を除く。京都の女性は、みな素敵女子です。

ちなみに、関西には、京都人、大阪人、奈良人と恐るべき個性を持った3つの人種が混在しており。

 

 

この多様性が共存できる日本は、きっと世界の移民を受け入れることができるのだろうなーと期待しています。

アメリカに戻ります。

国土広大なアメリカのみならず、小せいちいせいのイギリスでも、世界に散らばる植民地の管理は大問題であり。古代ローマでは「アッピア街道」などで「すべての道はローマに通ず」でしたが、世界の大洋にまたがる大英帝国では、迅速、確実な連絡は、大英海軍が必死にシーレーン防衛をしても容易にはいかず。

そんななか、恐るべき発明がなされました。

それは「飛行機」

サントス・ヂュモンの14Bis。世界初の公開飛行でした。

 

 

英国など、大喜びで航空輸送に参入し、エアラインの時代になりました。

こうして、船などでは何週間もかかったロンドンからインドへの旅も、飛行機でいけば3日くらいか?で行けるようになり。

(画像出展はhttp://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/ です)

アームストロング・ホィットワースアーゴシー旅客機

 

ショートS.8「カルカッタ」飛行艇

 

デハビランド DH66 “ハーキュリーズ”旅客機

 

 

ロンドンからインドまで、これらの飛行機を乗り継いて何とか到達したらしい。

しかし、エアラインの発展を阻む恐るべき障壁が。

「要するに、儲からん」

儲からないどころか、大赤字であり。

大英帝国の国威を示すために税金をじゃぶじゃぶ注ぎ込んで補填しまくり、やっと実現していたらしい。

当時の旅客機には、こんなのがあり。(画像出展はやっぱりhttp://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/です)

カーチスライトT-32″コンドル II “旅客機

 

 

コンソリデーテッド フリートスター 20-A 旅客機

 

 

上記の英国~インド便も含めて、だいたい1機あたり14名くらいしか乗客を乗せることができず。

それじゃあ儲かるわけないよねーというのが実情だった。

当時は、エアラインと言いながらも、中継地において燃料補給やエンジン整備などしまくりで、その時間のほうが飛んでいる時間より長いんじゃね?なんてかんじだったらしい。

例えば、ドルニエ飛行艇によるヨーロッパ・南米便では、とても大西洋を横断できる航続距離がないので、途中まで燃料や資材を積んだ汽船が出迎えに行き。

ドルニエ飛行艇

http://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/cl-pln12/2010/DORNIER-DoJ.html

 

 

合流点で着水した飛行艇に補給をしている間、乗客たちは汽船に移乗して、今日でいえば優雅な豪華客船の一日を楽しんだらしい。

汽船で、オザミ・トーキョーもびっくりの晩餐。「鱧(はも)のベニエ あさりと蟹味噌, マッシュルームのデュクセル パスティスの香り」を食べた後、一晩ゆっくり眠って、翌朝朝日とともにこれまた優雅に離水。さあ次は最終目的地のナタール港(ブラジル)です、なんて旅行をしていたらしい。

どれだけ航空券やら晩餐やらで浪費してもこたえない、超富裕層の酔狂だったのですねー。

ヨーロッパ諸国が貴族的なエアラインに血道をあげて富裕層を喜ばし、貧乏人の血税を湯水のように注ぎ込んでいたころ、アメリカは、へへんそんなふざけたお遊びはエアラインなんかじゃないよーと嘲笑っていました。

なにしろ、怒り狂ったインディアンの襲撃を防ぎつつ、食うや食わずの冒険をつづけ、運よく肥沃な平野までたどり着くか、でなければ共食いか!という世界です。「ハモのベニエ パスティスの香り」もへったくれもなく、とっとと「吉野屋の豚丼」で腹ごしらえして、次の襲撃に備えなければ!

ぼくはブラジルに住んでいますが、狂牛病が荒れ狂った当時、東京に旅行する機会があり。深夜でしたが、吉野家はちゃんと開いていました。

カウンターのお兄ちゃんに「ねえねえ牛丼はあるの?」「ありますよ」

でもやっぱり怖くなり豚丼にしました。ははは

注文してから1分もしないうちにほかほかのおいしい豚丼が!

 感動の一瞬でした。

さて、黎明期のエアライン業界は、せいぜい貴族のたしなみでしたが、これが自由市民に裨益し、業者も儲かるように発展するにはどうするか。親方日の丸に頼って補助金で生き延びるのではなく、みずからの力で大儲けしてやる!というアメリカのフロンティア魂が爆発し。

その結果生まれたのが「DC3」

これまでの旅客機とは一線を画した、革命的な飛行機だったのでした。

 

 

◎まず、28人の乗客をのせることで、一人当たりの客単価を著しく効率化できた。

◎頑丈で素直な飛行特性。計器飛行や無線航法の発達と合わせて、雨だろうが風だろうが突っ切って飛ぶことができ。ともかく定期運航というレベルに持って行けた。

DC3の出現により、エアラインは初めて「お客さんからのチケット代だけで運用し、儲けを出すことのできるビジネス」になったのである。

吉野家の豚丼は、注文してから1分もたたない、瞬時にでてきましたが、DC3も「エンジン修理のため、出発を2時間お待ちください」なんてアナウンスがあったのち、エンジンごととっとと取り外して、新品に換装、カウルをつけなおして。。。と、本当に2時間で完成し、あれよあれよという間に、元気よく離陸。大空の中に消えていきました、なんてかんじだったらしい。

*資料では「エンジン着脱が短時間で可能」となっており、どこかで「2時間で取り換えちゃった」という情報もあったのですが、紛失。こういう話はコンステレーション旅客機でもあり、要すれば、冷戦当時「アメリカの飛行機はすぐなおせるぞ」とソ連を威嚇する意図もあったらしい。

50年代にNY~パリ便などで活躍したコンステレーション旅客機

パブリックドメイン

 

 

そもそも故障しないし、故障してもすぐ部品が買えて、あっという間に直しちゃう、という、まるでVWのかぶと虫みたいな飛行機だったのでした。

世界の名車かぶと虫

 

 

その信頼性、耐久性などから、第2次大戦では輸送機として大量に生産され。アメリカを勝利に導いた4大兵器の一つ(ジープ、バズーカ、原爆そしてDC3)として称賛されています。

DC3の恐るべきコストパフォーマンスと耐久性、使いやすさは現在にいたるも有用性を失わず。カナダだのアラスカだの、西部劇もびっくりの、いまどきのひよわなジェット機では入っていけないような地域では、いまでもターボプロップ化されたりして飛んでいるといいますから、いかに優秀な飛行機かということがわかると思います。

ターボプロップ化されたDC3。

http://larch.blog.jp/archives/5161238.html
 

 
本当の名機は、レジェンド(伝説)となると共にレガシー(遺産)も残すといいます。DC3は、上記の通りレジェンドとなりまくり、そして現在の大型旅客機につながる機体構造を確立した、レガシーそのものの飛行機でもあると理解します。

ちなみに、戦後にDC3を操縦した日本のパイロットから「飛行中はとてもすなお。着陸で、接地時に尻が落ちるせつな、方向舵がふっと効かなくなる一瞬があり、気を使った」などの感想があります。

世界の名機DC3。エンジン出力の制約やレーダー装備が未発達であったことから、本格的なエアラインへの進化は第二次大戦以降の新世代旅客機に譲りますが、大好きな飛行機です。

Clássico Douglas DC-3 está à venda no Brasil

ではでは。。。

Posted by 猫機長
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W杯:日本チームに応援すべきか?

すべきでない、と言って物議をかもした共産主義者のおっさん(東京都区会議員)がいた一方で、ドイツなど本物の文明国では「氷点下のW杯サッカー、熱気乏しく 人権重視しボイコットの動き―ドイツ(外部リンク・時事通信)」なんて、カタール大会の意義そのものを問う(そしてそんな大会に出るドイツチームなんて応援してやらんという)動きもあったりして。

このへんを、Q&AサイトのQuoraにおいてつらつら書いてみました。以下、お題として提示されていた質問2つと、ぼくなりの回答です。

なお、本稿におけるW杯ポスターの出典はAFPニュース(https://www.afpbb.com/articles/-/3170004)です。

イタリア、1934

 

さて、Quoraです。

ドイツに勝って幸先のいいスタートを切ったものの、コスタリカに敗北。どうなる日本?

質問その1:サッカーW杯2022コスタリカ戦の敗因は?

回答:W杯ともなると、試合の結果には、単にチームの実力だけではなく、応援する国民のそして国の経済・社会状況が影響して、W杯での成績に反映されるケースがあるようなのです。

ブラジルの例で言えば、70年の3冠達成の時がまさに「ブラジルの奇跡(的経済成長)」の頂点であり。78年にアルゼンチンに優勝をさらわれたあたりからおかしくなり、その後はハイパーインフレに陥りましたが、92年の米国で優勝し、同じくしてレアル政策で躍進しました。

ドイツが日本に負けたのも、「人種差別を認めたW杯ではないのか?そんなW杯を盛り上げていいのか?」と自問自答し、悩んでいる結果が出てしまった。これから「このW杯で勝つことは、ナチの過去に戻ることではない」と吹っ切れれば、スペイン相手に7対1で勝ったりして?

この回答を読んだ皆さん、2年後に日本の経済社会はどうなっているでしょうか?恐ろしいハイパーインフレにあえいでいるでしょうか?あるいは日本だけ世界で独り勝ちの躍進になっているでしょうか?

ブラジル、1950

 

 
その後、日本は見事予選突破。

https://www.nikkansports.com/entertainment/photonews/photonews_nsInc_202212020000361-2.html

 

 
ベスト8まで進めば、なんとブラジルと試合の可能性が。

そのブラジルは。。。。

質問その2:ワールドカップを観ていて、やはりブラジル代表のプレイに一番ド肝を抜かれるのですが、彼らは何が違うのでしょうか?また、他国の代表がああなることは不可能なんでしょうか?

回答:貧富の差が激しいブラジルでは、「シテイ・オブ・ゴッド」でも提示されている通り、とても学校にいけない貧民層が多く。

そんな家庭の親父は、サッカーの試合になけなしのお金を賭けて、勝てば酒を飲んで奥さんや子供を殴り。負ければ倍殴るという生活です。親父のゲンコツから逃げ出した子供の生きる道は、何とか中流階級のいる地区に潜入して、商店などから寄付をお願いすることですが、単に寄付をお願いしても相手にしてくれないことが多いので、タウルス拳銃を向けて「お金ちょうだい。じゃないとあなたに事故がおこりますよ」という、強制的な寄付をお願いする生活になってしまいます。

https://www.russoairsoft.com.br/revolver-taurus-.38-spl-rt-85s-oxidado-brilhoso

 

 
もちろん、そういう行為は、世間では犯罪なので、商店主の方で今度は用心棒を雇い。

夜陰にまぎれて少年たちを先制攻撃で間引いてしまいます。

ブラジルでは、慢性的な貧困があり。こうした少年たちが無限に生まれてくるので、片端から間引いていくのですが、時に、特殊技能により、こうした地獄の連鎖から逃れることのできる少年たちもいます。

もうお分かりと思いますが、こうした少年たちが天性の才能で、ブラジルでしか生まれない「すごい選手」になったりします。

もちろん上記は極端な例で、中産層出身の名選手もいますが、だいたいは、上記ほどでないにしてもハングリー精神にあふれた、要すれば育ちの違う少年たちなので、これを超える選手、というのは日本では難しいと思います。

でも、ブラジル人の中でも、こうした実情から、ワールドカップは、いたたまれなくてとても見れない、とテレビを消す人もいます。

一方、「世間では犯罪とみなされる」生活を送る少年たちでも、特にいじけたところもなく、おなかがいっぱいであれば、ピストルなんて忘れて、楽しくサンバを踊っています。これがブラジル独特の身のこなしになるのだと思います。

楽しいサンバ

 

 
選手になっても、決して、お金のためにいやいやサッカーをやっている、というのではなく、お金がなくてもやっぱりサッカーやってんじゃん、というところもあり。サッカーを口実に地獄のような家庭にしてしまうクズ親父もいる一方で、サッカーというスポーツが、地獄の社会から人を救い出すなにかも持っている、というところだと思います。

ブラジルも含め格差・貧困のない世界になることを、願っています。

スペイン、1982

 

 

暗い話題ばっかりだったので、W杯にも楽しめる部分があるにはある、というお話も行きましょう。

構図、という言葉があります。

この言葉は、芸術家にとって、恐ろしいパワーワードなのです。

どんなに才能あふれる芸術家でも、構図のない絵を描いてしまうと、けっきょくほにゃららな小学生の図工なのか、名作なのかわからないものになってしまいます。

いちおうおことわりしますが、ぼくは絵画から感性を排除する気は全くありません。でも、感性こそすべて、という人に限って感性なのかその場の気分なのかわからないままに漫然と絵をみて「感動した気になって終わり」という恐ろしい世界に落ちいってしまうと理解しています。まず理性に照らし合わせて、さらに理性を超える魂の世界に入る、ほうがよいと思っています。。。。

ソ連じゃなかったロシア。2018

 

 
で構図ですが、3分割構図、対角線構図、三角構図、キアロスクーロ(レンブラント様式)、シメトリー構図、色による構図(補色、反対色など)その他無数にあり。いえることは、名作はこれらの無数のオプションから、選び抜かれた構図をもって「カドの立った寿司」みたいな切れ味を実現している、ということでしょうか。

ひらめきで一気に、ということもあるのでしょうが、多くの場合は何枚も何十枚もデッサンをかさねて、構図を考え抜いて。。。というのが名画を通じて伝わってくると思います。

究極のファッションのごとく、なにげにコーディネートしているけれど、細部まで鍛え(考え)抜かれ、選び抜かれた構成が自然にかつ魂の奥底に迫るインパクトで見るものを圧倒する。フォービズムや現代アートでは、この「優しさいっぱいの自然さ」を放棄してグロテスクなやつもあるけど。

構図のお手本といえば、ダビンチの晩餐だのいろいろあるのですが、しかしその最高峰は、なんと日本人なのでした。

その名も「葛飾北斎」

出展:https://artscape.jp/study/art-achive/1205252_1983.html

 

 
北斎さんが、考え抜いてこの構図を構築したのか?あるいはその場のノリでやったら結果こうなったのか?本人に聞くことはできないのですが、緻密な構図になっています。日本画の場合は大首絵(上半身アップ)みたいな固定化した構図とか、犬図みたいな禅の世界(あっぱらぱ)も多いのですが、あっぱらぱに見えても名画は構図もしっかりしている、と思います。

上記は絵画といういわゆる2次元アートの世界ですが、人間の運動というお題で、極限のアートが見れるのがW杯だった。

サッカーマニアのみなさん、ここでぼくが「浅野琢磨のシュート」を引き合いにだして称賛すると思ったでしょうか。

https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20221123-OYT1I50182/

 

 

へへん残念でした。たしかに日本人離れした蹴り込みでしたが、そんなのぜんぜんへろへろへなちょこのあっぱらぱだよーん、という恐ろしいアートが存在しているのです。

それが「ベベトのゴール」

「米国ワールドカップにおけるベベト選手のゴール」のことです。決勝進出をかけたすさまじいプレッシャーの中、なにげに地面を転がっていく一直線のシュートが、キーパーの指先10センチ、ゴールポストから10センチをかすめてゴールに。動画(外部リンク)ご覧ください。こういうなにげにふつーのシュートを打てる人が最高の芸術家かもしれん。

画像出展はhttps://internacional.estadao.com.br/

 

 

なお、このゴールには、ロマリオという、マラドーナを真人間にしたらこうなる、というのが、ゴ◎ブリみたいにからんでいますが、マニア向けのお話なので、ここでは省略。

3000字を越えました。

次のワールドカップでは、SDGが本当に達成されて、安心して日本に応援できるようになっていたらいいですね。

ではでは。。。

 

Posted by 猫機長
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日本がリードしていた戦前のエアライン

以前、B29は、実は爆撃機ではなく、戦後の大量航空輸送を実現するための実験機であり。 爆撃機として使用されたのは軍から予算をもらうためにすぎず、トーキョー・エクスプレスと呼ばれた爆撃行で貴重な運航データを得、ついでに爆弾も落としてきた、という事を書きました。

「そんなことあるかい!ふんぎゃー!」と怒る人も多数と思います。

私の母も、横浜六角橋で空襲から逃げまどった世代であり、B29の爆撃は、ついでだよーん!なんてふざけたことを書くな!と言いたい気持ちはよくわかります。

 

 

でも、アメリカにとって、戦争なんて対岸の火事。レンドリースで産業を大開発し、切りのいいところで真珠湾攻撃によりうまく日本に参戦のきっかけをつくってもらい。週刊空母だのグラマンだので大儲けの、ようするに戦争自体が目的ではなくて、戦争を口実に、いかに儲けるか、だったのは、戦後のアメリカの覇権を見れば明らかと思います。

アメリカが目を付けた戦後の産業の一つに「長距離大量航空輸送」があり。

金儲け以前に、戦略的・安全保障の意味合いも強いのですが、この記事の本題ではないので、ここではスルーします。

さて、戦前には「大規模航空大量輸送」はなかったのか?

エアラインという存在があるにはあった。

典型的な例として「ロンドン~ニューデリー」を見てみます。

*以下「中島航空機博物館(外部リンク)」に迫力ある説明がありますが、そこから情報や画像を拝借しています。

まずは、ロンドンからジェノバまで、陸上機の「アームストロング・ホィットワースアーゴシー旅客機(乗客20名)」で飛んでいきます。

かっこわるい飛行機。
 
つぎに、ジェノバからアレキサンドリア(エジプト)まで、ショートS.8「カルカッタ」飛行艇(乗客12名)で飛んでいきます。

やっぱりかっこわるーい。

 

 

アレキサンドリアから最終目的地のインドまでは、デハビランド DH66 “ハーキュリーズ”旅客機(乗客14名)で飛んでいきます。

多少はかっこいいか?

 

 

お疲れ様でした。果たして何日かかかったのか?

だいたい、乗客がたった14名では、とても採算が取れないのは明白で、この定期便の場合は、大英帝国がいかに遠い植民地であっても、いつでも到達できるぞ!と世界を恫喝するための手段という意味合いが強かった。要するに、日本のローカル路線もびっくりのめちゃくちゃ赤字、税金を使いまくりでなんとか補填していたという、こまったエアラインだったということである。

ちなみに、今日のロンドン~ニューデリー便は、アメリカン航空で平均8時間40分、¥58,806で行けるらしい。これは直行便なので、乗り継ぎ含めたLCCだともっと安くなるかもしれん。機材の記載はなかったのですが、B777あたりと思われます。

果たして、飛行機3機を乗り継いだ命知らずの冒険、富裕層の酔狂でしかなかったエアラインが、今日の、ねこもしゃくしもお手軽お気軽に利用する路線バスみたいになるなんて、当時のだれが想像できたでしょうか。

よっぽどずるがしこく、中国人もびっくりの強欲で、ロシア人よりも血も涙もない、目的達成には手段を択ばない、そんな人種でなければ想像できないですよね。。。

でも、想像したやつらがいました。

それは「皆殺しのルメイ」に代表される「アメリカ人」

もともと大陸国のアメリカ。開拓のために幌馬車で何日も移動しているうちに、食料がなくなり、「ドナー隊の遭難」みたいに、ついには人肉を食べて生き延びた、なんて事態も発生しており。もし、迅速、安全に、大量の人々を長距離輸送できたら。。。。という悲願が、アメリカ人のDNAに刻み付けられていた。

そのDNAが作り上げた恐るべき成果の萌芽にDC3があり。

「大空の豚丼」として知られるDC3ですが、アメリカ人は、DC3の生産によって、イギリス人が息も絶え絶えロンドン~ニューデリーを運航していた時代に、いつかはお手軽大量輸送がくるぞ!という手ごたえを感じたことと思います。

世界の名機DC3(Pixabay無料画像)

 

 

なぜDC3か?そしてなぜ豚丼か?については、長くなるので別記事にします。ここでは、幌馬車よりよっぽどいい、飛行機という輸送手段があるぞ!という画期的な気づきがあった、という事を特記しておきます。

でも、飛行機なんて水ものですよねー、という恐ろしい課題に直面し。

当時の飛行機は、有視界飛行で、せいぜい高度5000メートルを飛ぶしかなかった。ということは、雨だの曇りだのという場合はそもそも離陸できなかったり、途中で入道雲に行く手を阻まれて引き返すしかなくなった、なんてことは日常茶飯時で、青空でもサーマルなどで、がんががん!きゃー!なんて、快適とは程遠い、やっぱり命知らずの旅になってしまい。

皆さんが、東横線で中華街に行こうとして、東京出発の時点で「CB(積乱雲)が出ていますので出発を1時間遅らせます」そして出発したはいいが「やっぱりCBが出てきたので、出発地に引き返します」なんてやられたら「崎陽軒に行けなくなっちゃうじゃないかー!代わりにシュウマイ持ってきて食わせろ!わぎゃぎゃぎゃー!」と大騒ぎになると思います。

https://kiyoken.com/

要するに、採算のための最も基本となる定時運行、反復輸送の見込みが全く立たなかったのである。

ところが、ヨーロッパ人が戦争を始めたおかげで、これらの障壁をぶち破る可能性が生まれ。

まず、レーダーはじめ無線・電波通信の発達により、肉眼で見えるはるか先の気象を探知でき。ゆうゆうと積乱雲とかを避けるのみでなく、それほど揺れない層雲であれば、すっぽり中に入っても地上から電波で誘導してもらい、計器飛行ができるようになった。つまり、雨だのなんだので出発時間を遅らせたり、引き返すなんてことがなくなった。

大型爆撃機の開発で、大型輸送機の原型を軍が提供してくれた。特にエンジンの著しい性能向上は偉大な貢献をもたらし、長距離を高速で安全に飛ぶことができるようになり、洋上飛行でも飛行艇にする必要はなくなった。これは、どこから流れ弾が飛んでくるかわからないから防弾チョッキを着て歩かなければならない紛争地域から、どこでもドアで東京にぽんとまよいこみ、防弾チョッキなんてもういいやあ!と投げ捨てるくらい、飛行艇から陸上機になって身軽(効率的)になれたという事です。

きわめつけは、排気タービン過給機と与圧装置の開発で、高度1万メートルまで上昇し巡航することができるようになったこと。この高度では、ジャップの戦闘機が上がってこれないだけではなく、気圧が低くてスピードが出せ、燃料の節約になることと、入道雲だのなんだの気流をかき乱すものが少なく、意外に揺れないで飛行できるぞ!という、お客さんを手なづけるための決定打を得ることができた。

与圧が決定打となったいまどきの飛行機(BUSINESS INSIDER)。

 

 

これをB29で体験・学習・実験し、今日のエアラインにつなげたという事である。

めでたしめでたし。あれ?めでたくなしめでたくなし?

しかし、アメリカ人の戦後輸送より先に、大量エアライン輸送を実現していた恐ろしい国があったのです。

なんと、日本でした。

大東亜共栄圏における連絡網を確保するために、横浜を起点として1941年7月には、横浜~サイパン~パラオ、横浜~バンコク線、赤道を超えてはるばるチモールまで民間旅客機を運航していたというから驚き。当時の「大日本航空(鶴のマークの会社とは別物です)」の「民間精神旺盛な」パイロットたちが「胸に翼型の金モールをつけた紺色のダブルの背広に半長靴という制服に身をつつみ、颯爽として南方の空に飛びたった」なんて痛快ですねーただ戦局の悪化に伴い、軍事作戦にいやおうなく飲み込まれていったらしい。(引用元は:飛行艇パイロットの回想 -横浜から南太平洋へ―必読です- http://www.aero.or.jp/web-koku-to-bunka/2009.09.15koshida2.htm)

運航に使われたのが、97式大型飛行艇。

    かっこいいなあ

 

 

南洋の島では、女性ばかりの、それはその、まあ楽しい島とかもあったようで、そんな往年のパラグアイみたいな島にちょくちょく寄っていたりしたらしい。

わくわく、どきどきー!

 

 

こちらの話も、機会があったらまた詳しく?書きたいと思っています。なお「チャイナクリッパーや、シコルスキー S-42はどうした!」とかの突っ込みは禁止です。

3000字越えで打ち止め。

ではでは。。。

 

Posted by 猫機長