ドレン弁

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ドレン弁

ガソリンタンクには、大気中の湿気やほこり、ガソリンに混じっていた水がたまりエンストの原因になったりします。

水や埃はガソリンより重くタンクの底に溜まるので、エンジンまでの配管にドレン弁をつけて、離陸前の機体チェックの時に少量のガソリンを抜き取るのですが、炭酸飲料みたいに「こぽこぽ」なんて空気か水か?出てくることあり、これを思いついたのはやっぱり生活の知恵だなーと感心しています。離陸に入ってから「あ忘れてた」とならないよう、ドレンの場所に「Ⓓ」のシールを張って注意を引くようにしています(忘れないよう自戒をこめて書いています、はは)。

ちなみに、まだ操縦練習生のころ、エンジン快調で離陸したら、エンジンが「ぷす」なんて急に力がなくなり。あわててスロットルを開こうとしたら、教官はこれを制止し、機首下げでスピードを稼ぐとともに、スロットルは逆に閉めてガソリン流量をあえて少なくし、エンジンがまた快調になったのを見極めてまたスロットルオン・上昇に戻ったのでした。

教官曰く、これは燃料系統に空気が入っていた時の典型的な症状B7で、スロットルはあえてオフにしてとにかくエンストを防ぐのが先決、と教えてくれました。

ドレン弁。燃料の状態を確認する大切なパーツです

別の例では、とあるパイロットが、何年もかけてクラシックプレーン(みんなの憧れJ3カブ)をレストアし、さあテスト飛行だ!と離陸したのはいいのですが、離陸直後から燃料圧力計B7の針がびょーんと「ゼロ」に向かって触れてゆくのを発見。

世界の名機パイパーJ3カブ

なんだこりゃ、エンジンは快調なんだけど。。。。と考える間もなくガス欠を起こしエンジンがストップ。

必死になって空港へ滑空する努力もむなしく、滑走路手前の草地に落着、でんぐり返しになってしまい、飛行機は大破・全損。パイロットはべそをかきましたがぴんぴんしていたのが不幸中の幸いだったそうな。

で、ガス欠の原因が「ドレン弁の閉め忘れ」だったことが後で判明したそうです。きっちり閉めなかったために、上空の大気圧が低くなったところでガソリンがエンジンにゆかずドレン弁のわずかな閉め忘れの隙間から大気中に噴射されてしまったのです。なんちゅうあほな理由で貴重なカブを失ってしまったのか。。。このお話を教訓に、いつもドレン弁をしっかり操作するよう自戒するのでした。

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