レディオ空港で管制飛行の練習

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レディオ空港で管制飛行の練習 

空港にもいろいろあり、管制タワーもなんにもなーい、無い無い尽くしの地方空港から、まずエンジンスタートの前に管制(グラウンド)に許可をもらい、誘導路に出るときは別の管制(タワー)と交信。離陸したらしたで今度はまた別の管制(アプローチ)と連絡しなきゃ。。。という国際空港まで千差万別で、グランド、タワー、アプローチとそれぞれ周波数が違い交信だけでぐったりすることもあります。といって小さなEXPERIMENTAL機で国際空港に降りれるなんて日本ではありえない?得難きよき経験だったりします。

さて、今回はこの中間ともいえる「レディオ空港」SBCNに行ってみます。レディオというのはRADIOのことで、上記のグラウンドとタワーがごっちゃになった通信(ラジオ)室があり、ここと交信しながら離着陸します。交通量が少なく、タワーなど正規の管制を置く必要はないがエアラインなどが定期運航していてそれなりの飛行場対空援助業務が必要な場合に設置されます。

レディオ空港のいいところは、管制つまりパイロットに対して一定の指示強制力を持った交信ではなく、あくまでラジオ室からの情報提供で、降りる降りないなどの判断はすべてパイロットに一任されていること。要は管制官の一言ひとことに操縦を制限されることなく、のびのびとアプローチや離着陸ができます。

で、SBCN空港のラジオ周波数や、通信室が稼働しているのか確認します。観光地の空港なので、週日はエアラインも飛んでおらず通信室は土日しか機能していません、ということもあるのです。土曜日は稼働しているということで、今回の目的である「エアバスやボーイングとまじって離着陸」「通信室との交信のお勉強」は達成できそうだな。。。

なお、SBCN空港はブラジルでも有名な温泉地域にあり、この空港におりて温泉につかり、翌朝また帰ってくるということも可能ですが、今回は行ってすぐ帰ることにします。ブラジリアから陸路300キロ、バスで5時間くらいでしょうか。コヨーテ(ぼくの飛行機)の場合は、直線距離260キロ、風の影響も考えて2時間くらいで到着します。

目的地空港情報を把握したら、次は、燃料計算と飛行経路の確認です。出発地SDCB飛行場から直線で260キロというのは、東京から名古屋くらいの距離で、実はこよーての行動半径の極限に近く。スペック上は満タンでガソリン90リットル、1時間当たり消費量13リットル、ざっくり6時間は飛べることになっていますが、向い風を食らったら同じ距離を飛ぶのに燃費が20%増えちゃったなんて十分あるので、SBCNで忘れず満タンにし直す必要があります。前々日くらいに空港の管理会社に電話してちゃんとガソリンスタンド機能しているよね?と確認しておきます。後で計算したら実際の消費量は50リットル、行きは追い風で21リットル、帰りは向かい風でしたが29リットルですみました。


コヨーテの行動半径。青い円周が、向かい風などを考慮しても帰ってこれる距離。赤い円周はガス欠覚悟でどこまでも。。。という場合に到達可能な距離です。

飛行経路については、SDCBを離陸したら有視界航空路Dに入り、なるべく早めにSBCNへの直行許可をもらって時間とガソリンを節約する。高度はFL065(2000mくらい)、帰りはFL075(2500mくらい)としました。スピードは高度による修正を含んで対地速度88ノットで飛行計画(C1提出しました。

今回はこれまでで最長の飛行距離になることもあり、もうちょっと高く飛びたいな、というのもあったのですが「3000mを超すと酸欠で判断力が鈍るぞ」という助言もあり075どまりにしました。

飛行自体は、離陸直後にブラジリア国際空港のトラフィックの影響からいったん近場のSIQE空港上空に振られてしまい、そこからやっとSBCNへの直線飛行を許可されましたが、もともと予期されたことでもあり。のびのびと穏やかな乾季の青空を満喫し、巨大なコルンバ流域上空を通過しながらSBCN(カルダス・ノーバス)上空へ到着。



周波数をアナポリスアプローチからSBCNレディオに変更して、通信室を呼び出します。ぼくが到着したのはエアバス320が一機だけ離陸準備をしている最中で、通信室の兄ちゃんものんびりしていました。旅客機(旅)、こよーて(こ)、通信室(通)でこんな風に交信します。

(こ)通信室へ。空港目視。これからトラフィックに侵入。今日の侵入経路はどちらか指示願う。

(通)こよーてへ。今日は風が穏やかだからどっちでもいいよ。

(こ)じゃあターミナル寄りのほうから降りるね。。。ダウンウインド侵入。

(旅)ダウンウインドのにーちゃん、着陸までどのくらいかかるかい?

(こ)2分くらい。ターミナル寄りの滑走路端でアライン中の旅客機目視。

(旅)離陸開始。じゃあね

(こ)元気でね。。。。

みたいな感じ。旅客機離陸の後方乱気流を避けるためあえて周回を遅くして、着陸。エアバスが降りるような平べったくてだだっ広い空港は滑走路上で乱気流があったりするのですが、早起きしてきたかいがあってまだ穏やか、楽ちんで着陸できました。

誘導路からジェネアビ駐機場に向かったら、ちゃんと誘導員がいて指示どうりにストップ、エンジンカット。すぐに給油車が走ってきて、アブガスを21リットル入れました。


それから通信室のおにいちゃんと雑談し、空港をおさんぽ。


そのうちエアライン旅客機がどんどん着陸をはじめました。駐機場でぽけっと眺めます。



きりのいい頃(かつフライトプランで設定した離陸時刻)に、通信室と交信開始。エンジンスタート、誘導路走行、滑走路進出と飛行経路つまりSDCB直行FL065、とめんどいので一気に通信室へリポートしたら、通信室の兄ちゃんも「予定通り離陸支障なし、空港から20マイル圏外に出たときに通報願う」とあっさりした回答。乗客を降ろしたり乗せたりしているエアバスやエンブラエル(ボーイングはいませんでした)を横目に、無事離陸。


帰りも穏やかな空に恵まれのんびり帰ってきました。でも最後の区間でやっぱりSIQE空港上空に振られ、そこからSDCBに戻りました。

というわけで、乾季の空って、いいですね。。。ではでは。

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