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大空の肉盾:スカイレイダーIIのお話

*本題の前に。。。

先週の投稿が、知らないうちに「人気記事」にランクインしていました。読者の皆様に感謝申し上げます。

 

 

さて。

マニアの人は、スカイレイダーと聞いて、「あ便器を落っことした飛行機のことね」とピンとくると思います。

便器がある飛行機、というと、マニアでない人は旅客機を思い浮かべると思います。

でも、別にジェット旅客機のトイレが壊れて、便器が落っこちちゃった!というのではなく。

マニアの人が言っているスカイレイダーというのは、1945年に開発されたアメリカのピストン単発機で、あやうく太平洋戦争に投入されるところだった恐ろしい多用途機(爆撃・雷撃機)です。

スカイレイダー パブリックドメイン
 

 

この飛行機は朝鮮戦争やベトナム戦争で、地上の米軍部隊に協力してロケットだの爆弾だのを湯水のように大地にぶちこみ。

Wikipediaによれば「各種兵器を懸架するハードポイントは、左右の主翼下にそれぞれ7ヶ所、胴体下に1ヶ所の計15ヶ所も設けられており、現代のジェット戦闘機でも、これに匹敵する機体はなかなか見あたらない。」と、要すればロシアが自国の少数民族や北朝鮮人、最近は中国人まで「肉盾」として人命を湯水のように消費する一方で、アメリカは物量に訴えて人命の浪費を防いでいたのです。

「この飛行機に乗せることのできないものはないぞ!」

じゃあ、便器も載せることができるんだよね?

と誰が言い出したか。

パブリックドメイン
 

 

ちゃんと便器も落としました。

こういう国と日本は戦争をしてしまったのである。中二病的な国粋主義発言はやめて、憲法第九条と日米安保条約を大切にしましょう。

大活躍したスカイレイダーですが、実は朝鮮動乱の時点で世界はジェット機の時代に移行しており。60年代後半だっけ?には、ジェット攻撃機スカイホークと交代しました。

A1スカイホーク https://www.cavok.com.br/a-4-skyhawk-no-brasil-uma-curta-historia
 

 

スカイレイダーとよく似たやつにT28トロ―ジャンがあり。

トロ―ジャン パブリックドメイン
 

 

こちらは前輪式で離着陸時もパイロットに優しい飛行機。もともとは練習機だが、ベトナムに捕獲されて赤軍の戦闘機になったりとかもあり。フランスはこの飛行機をスカイレイダーみたいな地上襲撃に使い、アフリカにおける反乱軍の鎮圧に活躍したらしい(その後アルジェリアは独立達成)。

反乱鎮圧すなわちCounter Insurgencyを略してCOIN。

COIN機というモダリティーが生まれたのであった。

さて、スカイレイダーの後、A1スカイホークから、海軍はイントルーダー、空軍はサンダーボルトIIが生まれました。

https://canadianpower.shoutwiki.com/wiki/Grumman_A-6_Intruder
 

 

サンダーボルトII   https://aeromagazine.uol.com.br/artigo/boeing-entrega-novas-asas-dos-a-10-thunderbolt-ii.html
 

 

 

特にサンダーボルトIIのほうは、湾岸戦争だのイラク戦争だので敵の地上部隊をぶち56して有名になった。

そのサンダーボルトも、1977年初飛行の50年選手であり。そろそろ新しいやつと交代する時期じゃね?

というわけで、空飛ぶエイみたいな感じのやつが出現、してはおらず。

空飛ぶエイにしか見えないB2爆撃機   https://theaviationist.com/2025/04/16/b-2-using-gbu-57-mop-yemen-reports/
 

 

B2という怪機が飛んではいますが、こちらははるか敵国の心臓部まで超高空で侵入するステルス爆撃機なので、スカイレイダーみたいに、地上に這いつくばるかわいそうな歩兵の群れを機関銃でダダダダ!ぶぎゃぎゃぎゃー!とぶち56すのとはまた違った用途なのである。

というわけで、ステルスだの高空性能だのとは別の方に発展し。

このほど、ついにその究極が誕生しました。

その名も「スカイレイダーII」

OA1K スカイレイダーII   https://aviationweek.com/defense/aircraft-propulsion/us-air-force-names-oa-1k-skyraider-ii
 

 

 

あれ農業機じゃん?とピンときたあなたは大牧場主になれるかもしれません。

その名も「Air Tractor社」という、農業機製造で有名な会社によって作られた、というか、AT802という農業機そのものを改修したらこうなった、というのがスカイレイダーIIなのである。

農業機AT802   https://curiosidades.com.ar/ciencia-y-tecnologia/aviones-contra-incendios-mas-increibles-mundo/
 

 

 

農業機ってなに?

アメリカやカナダ、ブラジルの、とにかくだだっ広い超巨大農場において、肥料だの農薬だのを散布する飛行機のことです。

農地も、ある程度の大きさを超えると、トラクターだのなんだので、というのは時間がかかりすぎるらしい。飛行機なら相当の距離(面積)をひとっ飛びでいけますからねー

一方、農業機というのは、実は飛行機の中でも最も過酷な使用を強いられる機種といってよく。

◎そもそも離着陸性能がよくないと話にならない。滑走距離はともかくとして、普段から砂利だの石ころ、雨が降ればぬかるみ、という農業滑走路で楽々飛び上がったり、着地したりする性能が要求される。

◎いったん飛び上がれば、肥料だのが適切に散布される速度で飛ばねばならん。つまりジェット戦闘機とは別世界の、失速か?みたいな速度でユウユウ飛べる低速性能が必要である。

◎農場で肥料散布、となれば、農場の端っこまで飛んできたら、Uターンして散布を続ける必要があり。つまり零戦顔負けの旋回性能が必要である。

El nuevo plan de fitosanitarios apuesta por criterios de sostenibilidad en producciones agrícolas – AINIA
 

 

◎旋回以前に、超低空でのすわりがよくないと(安定性が悪いと)、肥料だのがあさっての方向にまかれてしまうので、爆撃機並みの直進性も必要となる。

◎大農場とはいえ、畑のすぐ横にはサイロだのなんだのがあり。こういうのに衝突しても空中分解とかせずになんとか不時着に持ち込める、という強靭さも必要。

◎無事に着陸したらしたで、こんどは整備があり。エアラインの格納庫とはこれまた真逆の、田舎のどまんなかでもなんとかなる整備性が必須である。

これらの性能は、そのままCOIN機に必須のものなのだった。

農業機からの転用はしごくまっとうな判断なのである。

肥料の散布装置を外してミサイルだのガンポッドだのに取り換え、データリンクなどの電子装備を追加したら「スカイレイダーII」になった。

でも、パイロットとして、スカイレイダーIIの出現は、素直に喜べないところがあるのです。。。。

ウクライナ戦争がはじまり、スティンガーだの、フツーの歩兵がよっこらしょ!と担いで発射すれば、ミサイルが勝手に飛行機を追尾して命中し、スホーイ戦闘機だっけ?とかを撃墜してしまうという事実が生まれました。

スティンガー   https://ameblo.jp/jtkh72tkr2co11tk317co/entry-12659818821.html
 

 

一見安全な後方の飛行基地に駐機してあったTu爆撃機が、自爆ドローンで見事に爆破されたといった状況も発生。一機で50億円だか200億円だかの最新型戦闘機が、模型飛行機に毛の生えたようなドローンにやられてしまうというご時世になってしまった。

低空性能だのなんだの以前に、単に投資効率、カネの費用対効果の面から、ドローンや機関銃だの安くてお手軽な兵器が猛威を振るう地上すれすれの襲撃作戦に、とてもじゃないが高価なジェット攻撃機なんて使うわけにはいかなくなったということなのである。

といって、やっぱりCOIN機は必要だよねー

といいつつ、COIN機の役割を果たしていたヘリコプターはウクライナでバタバタ落とされまくりじゃん。

しゃあねえ、落とされても損にならないお手軽なやつを撃墜上等で配備しよう。

それが「スカイレイダーII」だったということなのである。

せめてコクピット周りは「スツルモビーク」みたいに装甲で防禦されていることを祈っています。といって、こういう飛行機が落っこちるところは、だいたいジュネーブ条約なんて無視、つかまえて首をちょん切っちゃえ!という場所ばかりなのでしょうけれど。

まあ、COIN機1機とそのパイロットを人柱にすることで、地上部隊の大損害が防げる、という計算なのでしょうねー

軍隊はいやですねえ。

でも、平和な日本の、ふつーの企業で、誰かが人柱にされて集団を救う、みたいな行為が日常化されていないでしょうか。

左前になった国は、収益の増加ができない代わりに「コスト削減」で乗り切ろうとします。じつはコストではないのに「コスト」というレッテルをかぶせられ。切り捨てられてしまうのです。

「人柱」で検索したら、なぜか「北海道」と出てきました。「たくさんの死者を出し、それを人柱として埋めながら作った」といわれるトンネル。https://tablo.jp/discover/urban_legend/news001977.html
 

 

あなたも、知らないうちに、無能な指導層から「お前も人柱だ」と切り捨てられようとしているかもしれません。

切り捨て上等だ!と、自分の資産で自分の身を守ることができる経済的自由の獲得が、どの時代にもまして重要になっていると思います。

なんか楽しい飛行機の話が、絶体絶命の逃げ切り計算の話に転嫁してしまいました。

逃げ切るのではなく、逃げなくても暮らしていける不労所得の構築にあたり、この記事がお役に立てば喜びこの上ありません。

ではでは

 

Posted by 猫機長
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イギリスが生んだ世界一の艦上戦闘機とは

以前、世界一の戦闘機は?というお題で、零戦を差し置いて「F4F」という結論が導き出されたことは、皆さんご存じと思います。

その記事で、陸上戦闘機と艦上戦闘機には、必要となるスペックが違っているので、そもそも比べること自体が困難である、ということを述べました

忘れた、あるいは知らないよ、という人はこちらをご一読→「零戦はなぜ駄作にされたか」

そこで、優秀な艦上戦闘機に、なにより必須なものは?と考えるようになり。

結果、その「もっとも重要な能力」を持った戦闘機が、例によってというか、実はイギリスで生産されていた、という驚愕の事実に到達し。今回のお題にします。

その名も「フェアリー・フルマー」

https://www.1999.co.jp/itbig69/10691664a.jpg
 

 

あれ、ハリケーンの翼にスピットファイアの機首を付けたみたいじゃね?

はい。スピットやハリケーンとおなじロールス・ロイスのマーリンエンジンを装備しており。姿かたちもとんがった液冷機になりました。

ただ、当時英国の戦いで存亡のかかった英国では、マーリンも最新型はスピットとかに供給優先され、フルマーへは型落ち?で200馬力も出力が低いのしか回せず。

ともあれ、スピットがありながら、なぜ英国はフルマーを作ったのか。

冒頭に書いた陸上機と艦上機のスペック要求の差がこれを物語っています。

スピットは、イギリスの本土に襲い掛かってくるドイツの戦爆連合を迎え撃ち、特にメッサー109を爆撃機の護衛からそらし、あわよくば撃墜、できなくても、少なくとも109の餌食にならない速力、上昇力、旋回性能、火力、防御力をそなえた陸上戦闘機であり。

フルマーのほうは、連合軍の生命線である大西洋の補給船団をドイツの恐ろしいUボート潜水艦から守るのが主任務となった。

そのためには、狭いようで広い大西洋のどこからでも飛び立てる能力と、目印も何もない海のど真ん中で迷子にならない航法能力が必須となったのでした。

いずれもスピットではまったくダメダメである。

どうしよう。

海のど真ん中から飛び立つ、というのは世界一の海軍国イギリスには立派な空母があり。

一方、迷子にならない航法能力となると。。。。

ここで、英国ならではのクレバーな解決をしたのがフルマーだったのでした。

その解決策とは。。。。

「二人乗りにすること」でした。ははは

https://i.postimg.cc/5252R2mX/FULMAR-01.jpg
 

 

専門の航法員をのせることで、常時機位の確認ができ。敵機との乱戦で宙返りを繰り返し、雲の中に入ったり出たりしても、戦闘が終わったときにはちゃんとオマエはここにいるのだ、だから空母への帰投にはこうすれば行方不明にならずにすむのだ、ということを、操縦員がはっちゃきになって機体を振り回し機銃を撃ちまくっているときでも、航法員のほうは、冷静に、かはともかく十分計算することが可能になった。

計算といっても、当時はGPSなんてなくて、航空チャート(あるいは海図)と、「フライト・コンピュータ」とは名ばかりの計算尺により、手計算で行わなければならず。

味方の艦船から無線で方向指示が来たにしろ、はっきりいって単座機ですべてを一人がこなす、というのがいかに無謀なことであったかを英国は熟知していたということである。

Jeppesenのフライトコンピュータ-
 

 

ラバウルなどでは、坂井三郎さんなどからの情報だと、だいたい「空戦の終わるころには一式陸攻が迎えに来ていた。ベテランは陸攻なんかの世話になるかと、やせがまんして自力で帰っていった」みたいな記載があり。

ベテランの零戦搭乗員が神だから、やせがまんすれば帰れたのであって、少なくとも、ふつーに「単座機でも航法に問題はない」のとは全く違うぞ、と力説しておきます。

日米のみならず、イギリスも後にはシーファイアだのの単座機を投入しますが、それは通信装備が日本機に比べて比較にならないほど優秀で、航空管制も発達していたことや、アメリカに至っては、迷子になっても「ダンボ」と呼ばれる救援機、潜水艦、飛行艇、さらに戦闘機の側でも「いかだ」を装備するなど、要するに単座機でもOKね、という体制を確実に整えたうえで投入しているのです。

F4Fに搭載された救命いかだ。
F4F-3 life raft PRINT for F4F-3 Wildcat in 1/48 by Eduard 8591437571109 | eBay
 

 

これがない日本側はどうなったか。

すみません出典は忘れましたが、空戦を生き残り、編隊で帰投する零戦でさえ、「下方にふらふらと編隊を逸脱しそうになる零戦がいた。パイロットが疲労で失神しそうになっているのだ。馬鹿野郎!ちゃんと起きていろ!と絶叫するのだが、その声はもちろん届かない。その零戦は、ついにひょろひょろと高度を落とし、海面にすぽんと飲み込まれてしまった」

というような回想があるのです。別に空戦で損傷したのでもないのに、非道な遠距離作戦の疲労に耐えられずあえなく墜死、という事実が少なからず起きていたものと「推察します」。

Wikipediaでは

「イギリス海軍が複座戦闘機にこだわった理由は、目印も何も無い海上飛行においては、航法担当が機体を適切に誘導することが空母に帰艦するのに必要、と考えていたからと言われる。だが、実際のところは日本、アメリカが証明しているように、操縦者が航法を修得していれば単座機であっても問題なく帰艦できた。」

と書いていますが、「航法を習得」なんて前提条件でしかなく。航法計算が困難あるいはできないような海上や雲の上を、3時間もかけて基地まで帰り着くなんて、そんなことを単座機にやらすな!といいたい。

陸攻を迎えにやらすとか、どこまで毎回実効的に行えていたか疑問です。

Fairey Fulmar (1940)


 

 

ところで、複座にしたため、フルマーは鈍足で上昇力も物足りなくなってしまい。

軽快な単座戦闘機相手だと、カモじゃね?

せんぜん大丈夫でした。

そもそも「軽快な単座戦闘機」は、フルマーの飛ぶ大西洋のど真ん中まで飛んでこれないので、戦闘そのものが成立しないのであった。

フルマーが相手をしたのは、やっぱり複座、たいていは双発で、艦隊を襲おうとしてきた長距離航続力のある爆撃機や、これに随伴可能な長距離双発戦闘機など(https://teambtrb.com/2021/05/01/isthefulmarrubbish/)で、確かに零戦対スピットの空戦にくらべれば、まのびしたまだるっこっしい空戦だったかもしれんが、十分戦闘機として活躍できたのだった。

連合軍がドイツを押し込み、英国空母もイタリアだのヨーロッパ沿岸へ進出してくると、イギリスはマートレットという単発戦闘機を起用して、陸上基地から飛んでくるBF109などと対決させるようになり。

マートレット、米国名ワイルドキャット
https://hobby.dengeki.com/news/2141771/
 

 

マートレットはメッサー109相手でも格闘戦に持ち込んで優勢に戦ったらしい。

スピット、フルマー、F4Fとそれぞれの土俵で傑出した性能を持っており。

時と場所を間違えればやられ役になってしまうが、的確な用兵で名機として生まれ変わる、というのは、P40もそうですが、バッファロー(フィンランド版)など目の覚めるような活躍をしたのもあり。この辺はまた別記事で書いてみたいと思います。

とかく華やかな空戦ばかりに目が行きがちですが、それ以前にまず乗機のエンジンはじめ万全に維持し、味方と適切な交信を行い、戦場まで行って帰ってこれる航法。霧の中に入った、積乱雲を迂回した、という気象の知識も必要です。

こうした総合力で、特に航法というものが決定的になる大西洋の戦場にフルマーという「適材適所」を配置した英国恐るべし。

「負けに不思議の負けなし」ですが、英国の「勝ちも必然の勝ちのみ」にもっていく指導層の英知は学ぶべきと考えています。

フィンランドのバッファロー https://letztbatallion.com/%E3%83%8F%E3%82%BB%E3%82%AC%E3%83%AF-b-239-%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%BC-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%A9%BA%E8%BB%8D%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%9Cp-4/
 

 

何も目印のない海上で往復3時間、合計6時間、その間に苛烈な空戦で、生き残ったとしても「お前はもう死んでいる」疲労の絶頂で、毎日どうやって基地まで帰り着いたのか。

ジャパニーズビジネスマンが、24時間戦わないで済む日本になることを願っています.

 

ではでは

Posted by 猫機長
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どこに置くのかエンジン

みなさんは「ホワイトウインナー入りトマトジュース」を飲んだことがあるでしょうか。

Pixabay無料画像
 

ジュースなので、トマトといっしょにホワイトウインナーもミキサーに入れましょう。

スイッチオン。ぶごごごごごごー

鋭利極まりない刃がミキサーの底で回転し。

まずは、ウインナーがぽんぽこぽん、と切断されてミキサーのガラス越しに元気よく飛び跳ね。ほぼ同時にトマトが液化して、きれいな赤のジュースがぴしゃしゃしゃー!とミキサー内いっぱいに飛び散り、埋め尽くすのでした。

なんだそれは?どこかの飛行教官が教えてくれたレシピですが、だれも実際には作ったことはないらしい。

さて。

飛行機に必須の装置に、エンジンがあります。

エンジンがないグライダーは、自力で離陸することができません。飛行機を飛行機とする最も重要なパーツがエンジンなのです。

ただ、エンジンというものはものすごく取り扱いが厄介であり、世の飛行機設計者はあらゆる工夫を凝らして最適なエンジンの配置を考えてきました。

特にプロペラ機の場合、機体とプロペラが干渉するので、配置のオプションは相当限られてしまい。機体側のニーズと、エンジンのオプションによって、なんじゃこりゃみたいな珍妙な配置も生まれました。

代表的なエンジンの配置は。。。。

*今回は、単発プロペラ機について記載します。

①機首置き。トラクター型

一番一般的で、安全な配置です。セスナなど、たぶん現在飛んでいる飛行機の99.9%はこれでしょうねえ。

セスナ Pixabay無料画像
 

 

飛行機の鼻先、先端にプロペラがあり、このプロペラで飛行機を引っ張る形になるのでトラクター型というのです。

ともかく飛行特性が素直になるので、やはり一番飛行機に適した配置と思います。

この場合重要な特徴が、エンジン、特にプロペラを機体の重心より前に置けるということ。

こうした飛行機だと、エンジンを絞れば機首を下に下げ。ふかせば上げるという特性を持つようになります。

この特性は、特に着陸経路で重要である。エンジンを絞って、機首下げで滑走路に向けて降りていくとき、急に下降気流だ!エンジン全開!すると、自然に機首は上を向き。降下率を瞬時に殺すことができます。こうしたきびきびしたエンジン操作を行うのに適した配置です。

さらに重要なのが、失速をするとき機首が下がる、というもの。失速から墜落しかかる過程で、機首が下を向いていればきりもみに入っても舵が効いて回復可能ですが、水平できりもみに入ると、それこそフラットスピンと言って回復不能になってしまうのである。

機首上げでスピンに入った場合は回復は可能かも?でもそんな状態で回復できるなんて神パイロットはそれほどいないと思います。

 

➁ミッドシップ、トラクター/プッシャー型

といって、飛行機の設計上、エンジンを機首には置けないケースもあり。

典型的な例に、レイク・バッカニアがあり。

レイク・バッカニア https://www.airhistory.net/photo/490530/N8004B
 

 

この場合、プロペラもプッシャー式、すなわち機体重心の後ろかつ機体からかなり離れた上部に設置となっています。

これが何を意味するのか。

①の場合とは逆に、エンジンをふかせば機首が下を向き、絞れば上を向いてしまうということなのである。

着陸経路で、下降気流だ!思わずエンジンをふかしてしまうと、機体はぎゅんと機首を下にして加速し。いよいよ高速度で地面に突き刺さってしまう危険が生じます。

というか、「ジェネアビの神」高橋淳さんの受け売りですが、この特性のせいでバッカニアは多数の事故を起こしてしまったらしい。

 

この特性を知って乗りこなせばいいのですが、今度は逆にフツーの飛行機が操縦できなくなっちゃうとか、ちょっとバッカニアはご免だ、というパイロットも多いかもしれません。

似たようなのにPetrelがあり。

Petrel https://www.airplane-pictures.net/aphoto/1475824/i-9258-private-edra-aeronautica-super-petrel-ls/#google_vignette
 

 

 

でも、こちらはバッカニアみたいなクセの報告は聞かず。プロペラを翼のラインとほとんど同じに高さにしたのがよかったのかもしれん。

さらに似たようなケースでは、元祖系すなわち鉄パイプで鳥かごみたいに作ったウルトラライト機もプッシャー式のプロペラ、というのが多く存在します。

https://www.aeroexpo.online/pt/prod/quicksilver-aircraft/product-176668-27609.html
 

 

ぼくも一度コパイ席に乗せてもらいましたが、特性はあまりトラクター式と変わらない感じ。着陸経路では、エンジンではなく、フラップをバチ!バチ!と下ろしたり上げたりしてランプ(着陸角度・進路)を保っていたのが印象的でした。

ミッドシップエンジンの名機というと、P39があります。

P39  http://www.warbirdalley.com/p39.htm
 

 

 

あれ、機首にエンジンじゃないの?

いいえ違うんですよ。スケルトン画像をご覧ください

https://forum.il2sturmovik.com/topic/25507-p-39-engine-protection/
 

 

なんと、エンジンはパイロットの後ろの胴体に収まっていたのでした。

なんでこういうことをするのかというと、この飛行機は、大きさの割には重くてでかい機銃を装備しようとしたため、プロペラ軸を中空にしたうえで銃身に使って、機銃は機首、エンジンは中央胴体、という画期的な設計になったのであった。

さて飛行特性としては、スポーツカーがミドシップにするのと同じ効果つまり旋回で機首や尻が振られずいい感じで曲がれる、一方でやっぱり失速時に機首が下がらずに、回復できずあえなく墜落、というのも多かったらしい。

ちょっと余談ですが、P39は重武装と防弾の強化で重くなりすぎてしまい、ターボチャージャーなしで生産という、日本機もびっくりの低高度用戦闘機になってしまい。陸上機のくせに、艦上機の零戦に高度優位を奪われてさんざんな目にあってしまった。

しかし、ソ連にレンドリースされたP39は、独ソ戦の特徴である地表すれすれにおける空中戦により、苦手な低空に降りてきざるを得なかったメッサ―Bf109などを相手に互角の活躍をしました。

 

③リアエンジン、プッシャー式

P39が、機首に機銃を積むためにエンジンを後ろにずらした結果、エンジンからプロペラまで長いエンジンシャフトが必要になり。パイロット保護のための重量増加などをきたした一方で、機首に武器を集中する、というのは捨てがたい魅力があり。

いっそエンジンとプロペラを全部お尻に積んじゃおうよ、と「震電」という飛行機が作られました

震電 https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%82%BB%E3%82%AC%E3%83%AF-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B5%B7%E8%BB%8D-J7W1-%E5%B1%80%E5%9C%B0%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F-%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/dp/B0017TCKY2
 

 

ただ、こうすると先尾翼機にするしかなくなり。水平尾翼が機体の先に、垂直尾翼が主翼に、という要すれば安定もへったくれもない、常時パイロットがはっちゃきになって機体を安定させる、という飛行機になってしまったのではないかと危惧するのですが、プロトタイプ(グライダー)試験では意外と安定していたほか、失速に入りにくく、入ってもすぐ回復できたという情報もあり。

安定はともかく。

震電の場合、武装もさることながら、将来的にはジェットエンジンへの換装をもくろんでいたらしい。なんとなく現代のジェット戦闘機ちっくな外見で、先見の明を体現したようなスタイルですねー

但し重大な問題があり。

プロペラがパイロットの後ろで回っているため、敵弾にやられて脱出だ!というときに、パイロットがプロペラに当たってしまい。この記事の冒頭に書いたような「トマトウインナージュース」になってしまう危険性が高いということなのである。そのため、緊急時にはプロペラを爆散させるように爆薬を仕込んだそうです。

こういう死に方は嫌ですねえ
「零戦の操縦」ISBN978-4-7572-1734-8より。
 

 

元祖ウルトラライトみたいに、もともと脱出なんて考えてなくて、エンストでもどっかの原っぱに着陸だ!みたいなのならパイロットの後ろにプロペラでも問題はないんですけどねー

ドイツも震電と同時期に「プフェイル」という似ていると言えば似ている奴を開発しており。

プフェイル。 https://www.tamiya.com/japan/products/61074/index.html
 

 

こちらは、なんと機首とお尻に両方プロペラというキワモノだった。

しかし、やはり先進国ドイツは一歩進んでおり。

緊急脱出の際、後部プロペラと垂直尾翼の他に風防が爆破されて、座席ごと射出、という装置がすでに実用化されていたのだった。世界で最初の射出式座席です。

こうしてドイツのパイロットは「ウインナートマトジュース」になる危険から逃れていたのですね。。。

最後はちょっとすさんだオチになってしまいました。

3000字越えで終了。

ではでは。。。

 

 

Posted by 猫機長
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短編集:悲劇の発電機他

◎6月の祭り「フェスタジュニーナ」

ポルトガルやブラジルでは、5月末から6月(場合によっては7月)にかけて、週末の夜にお祭りがおこなわれます。聖ジョアンの日(6月24日)、聖アントニオの日(6月13日)と聖ペドロの日(6月29日)にちなんだお祭りであり。アントニオさんが「結婚の聖人」、ジョアンさんが「火(焚火)の聖人」、ペドロさんが「雨の聖人」である。

寒い冬のもっとも夜が長くなる冬至がこの季節で、焚火であったまろうよ、というのと、東北地方など厳しい乾季に雨を希う、という南半球の生活に合わせて発展しました。というわけで、ブラジル全国の風習ですが、東北地方で最も盛んらしい。

*結婚については、謎です。

ブラジリアでもこないだクルゼイロ地区のとある教会で「フェスタジュニーナ」があり。素敵女子などと一緒に見物に行きました。

男女がペアになって踊る「クワドリーリャ」。

 

 

これは盆踊りみたいなもので、踊る阿呆に見る阿呆。。。。踊ったら汗かくだけで損なので、一般の聴衆は見るだけでのほほんとしていました。

 

 

教会の駐車場で実施。善男善女の群れの後ろに教会の建物が見えます。

 

 

踊りよりも食べ物がほしいというのもいっぱいおり。売店が開かれて、くし刺し肉、スープ、干し肉ご飯だのと言った東北ちっくなのが出ており好評でした。ちっくというのは、ほんものの東北人から見たら、どこが!というのがあり、と思うため。

売店
 

 

写真は「シュラスコ」くし刺し肉です。
 

 

そのうち、ステージがぎゃーぎゃー騒がしくなり。観衆もステージまえに集まり出したので、素敵女子といっしょに見に行ったら、へんなサンバショーみたいなのが始まっていました。

 

 

キリスト教会で、半裸の狂乱ダンスいいのか?

よく見たらステージ横のスクリーンに「観光局(Secretaria do Turismo)」とかでかでかと宣伝したりしており。ほかにもショーの最中に近所のスーパーだのなんだのの宣伝をぎらぎら映写しており。

 

 

要すれば狂乱ダンス劇団を招聘したもろもろのスポンサーの宣伝をしていたのだった。

この中で、突然指名手配者の公示か?と思ったら、やっぱりスポンサーの政治家のことでした。

こうしたスポンサーからの献金のどのくらいの部分が教会に向かっているのか?べつにいいけど

上から教会の留学生?宿泊施設、講堂
 

 

でもマリア像とかもあり、やっぱりキリスト教のお祭りでした。

 

 

◎悲劇の発電機修理

1960年製のVWかぶと虫に乗っていますが、6か月くらい前かから、エンジン始動の際に「がらがらがら、ぎゃぎゃぎゃぎゃ」とものすごい異音がするようになってしまい。

いったんエンジンが回り始めると収まるというのと、そもそもものすごい音がする日と全然静かな日があったりで、原因が特定できず。いったんかかっちゃえばトルクもあってエンジン作動じたいは快調なので、しばらく様子をみることに。

世界の名車かぶと虫
 

 

最初の1~2か月はかえって異音が消え去ったかのようになったのですが、そのうちエンジンスタート時のみでなく加速だのエンブレだのの時にも「がりがりがりがり!」といやな音が出るようになり。

エンジンヘッドやピストンがいかれたとしたらどうしよう?

でも、エンジン内部ではなく、冷却ファンあたりが音源になっているようなのですよね。

であれば、とりあえずシリンダやクランクとかは無事のはずだが。

空冷VWエンジンは、エンジンシャフトとベルトでつながっている発電機の先についている冷却ファンでエンジンを冷やしています。

 

 

写真中央の黒い円盤がファンベルトで回されている発電機のプーリー。その右(後ろ)の筒が発電機。その後ろに強制冷却のハウジング。この中で発電機の軸と冷却ファンがつながっています。

このファンは、冷却用のハウジングの中に隠れていて外からは見えないのですが、このファンがハウジングと干渉して、鉄と鉄が擦れ合うようなすさまじい騒音が発生しているのかも?

元祖空冷。かぶと虫のエンジン
 

 

空冷VWエンジンの強制冷却システム。1がハウジング。4が冷却ファン
Amaury Almeida著「汝のVWを知れ」より
 

 

問題は、ぜんぜん音のしない時と、気が狂いそうな異常な音になる時があり、いつ「ぎゃぎゃぎゃぎゃ」と始まるのかがわからないので、音のしない時に修理屋に持って行っても原因特定できないんじゃね?という懸念があり。

そのうち、冬になり冷え込んだのが関係したのか?エンジンが回っているときは「ぎりぎりぎりぎり」と騒音が続くようになったので、修理屋に行きました。

すると「確かに冷却ファン関連だが、これは冷却ファンそのものではなく、接続している発電機とハウジング隔壁をつなぐリング(上の絵での11.)が破損したのかもしれん。そうだったら、この新品はもう製造しておらんので、見つけられないかもしれん」という恐ろしい所見が。

いずれにしろ、発電機をバラさないと。。。ということで、プーリーを外したところ、ああああ?

 

 

プーリーと発電機の回転軸を固定しているカムが摩耗してめちゃくちゃぎざぎざになっていたのでした。

 

 
こちらはいくらでも新品があり。プーリーもろとも新品に交換したら、異音がしなくなりました。
めでたしめでたし。

 

 

◎滑走時に前車輪がシミーするようになっちゃった

今度は軽飛行機のお話。

ふつーの飛行機は、主脚と前車輪合計3本のランディングギアで機重を支えています。

このうち、後ろ二本のメインギアで着陸の衝撃を吸収するなど、機体を支える文字通りメインの役割を持たせ、前輪の方はブレーキ機構とかは省いて軽くし、ステアリング機構に特化?となっています。

 

 

この前車輪ですが、滑走スタートから離陸で地面を離れるまで、飛行機の加速に合わせて高速度で回転し。地上を離れても数秒は慣性でぶんぶんとまわります。

これが問題で、ホイールバランスがとれていないと、ぶんぶん回りながら左右に振動し。

ぶるぶるぶるぶる。。。。と場合によってはギアそのものをもぎり取ってしまうような恐ろしい振動を生むことがあります。

ぼくの軽飛行機でも、機首上げして車輪を捕まえている地面がなくなったとたん、前車輪に連動している左右のペダルをもぎ取るか?みたいなすさまじい振動になったことがあり。でもホイールバランスを修正したら、きれいになくなりました。

 

 

というわけで安心して7年くらい乗っていたら、今度は着陸後前車輪が地面をとらえたときに似たような振動が起こってしまい。

いつも機体の点検をお願いしているお兄ちゃんに連絡してみたところ「タイヤの摩耗によってバランスが崩れたのだ」ということでした。

つまり、飛行機の前車輪は、離陸で空中に浮いてから一定の位置で回転が止まる傾向にあり。ひいては、着陸・着地の時にもいつも同じ場所が接地するので、そこだけ摩耗してバランスが崩れしまうということである。

そこで修理屋のお兄ちゃんは、バランス用の重りをホイールにはっつけて修正。

 

 

ところが。。。。

これでよくなったね、とはならないばかりか、離陸の時はともかく、着陸後減速時に「がたがたがたがた!」とまるで飛行機が分解か?みたいなものすごい振動に悪化してしまい。

もう一度確認したら、単なる一定部位(垂直)ではなく、なんか斜めに(水平に)も方べり(偏摩耗)しているとのことで、これが水平方向に強烈な振動を生んでいる、ということから、おとなしく新しいタイヤに替えましょう、ということになりました。

その後、恐ろしいシミーはなくなり。ほっとしています。

偏摩耗したタイヤ。写真ではわからんかもしれんが。
四角い銀色のはホイール用のバラストです。
 

 

ではでは

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プロペラの話3

これまで何度かお話ししてきたプロペラ。これまでの記事は以下をご参照お願いします。

その①「殺人装置」

その➁「枚数のなぞ」

さて、プロペラというのは、なかなか妙味のある装置です。

そのエッセンスは、揚力発生の装置であり、基本は主翼と同じものとなります。

でも、主翼が飛行機の針路に従い、ほとんど直線運動をするのに対し、プロペラはプロペラ軸を中心に回転運動をするという恐るべき特性があります。

何が恐るべきかというと、「プロペラの根元と先端で速度が違ってしまう」のです。

長さ1メートルで、60rpmすなわち1分間に60回回転するプロペラがあったとすると、この場合1秒間に1回転となりますが、プロペラの根元も先端も1秒間に1回転します。

この場合、プロペラ軸の中心から10センチの位置にあるプロペラの根元が回る距離はπX(半径X半径)すなわち3,14X2=6.28センチであるのに対し、プロペラの先端は3.14X200=628センチですから、根元と先端では100倍の速度差が生じることになります。

【飛行機のプロペラ】断面みたことある?どうしてねじってあるの?


 

揚力は速度と正比例しますから、先端がいい具合に揚力を生んでいるとき、根元は全然揚力ないじゃん、となります。

それじゃもったいないよねー、なんとか根元も揚力生むようにしたいね、ということで、プロペラには「ねじり」が入れられています。

【飛行機のプロペラ】断面みたことある?どうしてねじってあるの?


 

 

つまり、根元に行くに従いAOA(迎え角)を大きくして低速でも揚力を生むようにねじった構造になっているのです。

ちなみに、プロペラの先端速度が音速近くになると衝撃波が発生してたちまち効率が落ちちゃうので、プロペラの回転速度はプロぺラの長さによって制限され(逆もまた真)、そこそこの長さと回転数を設定することが重要である。

プロペラ機で最も究極まで行った第2次大戦の戦闘機では、零戦で1850rpm。比較してプロペラが短いきょうびのセスナでは2700rpmくらい。扇風機の回転数が「強」で1600rpmくらいなので、零戦と扇風機はだいたい同じななーというのがわかります。

扇風機https://www.rafuju.jp/products/detail.php?product_id=781439
 

 

さて、長さと回転数がだいたい決まってきたところで、この制約の中で最も大きな揚力すなわち推力を出すことが要求され。

初期のプロペラは、鳥の羽根というか縦長に引き延ばしたうちわみたいだったが、そのうち洗練され。

黎明期のプロペラ(15Bis)https://www.reddit.com/media?url=https%3A%2F%2Fpreview.redd.it%2Fikgt21ahtbmz.jpg%3Fwidth%3D640%26crop%3Dsmart%26auto%3Dwebp%26s%3D635dfeff1e059dda7cc8b94cffafe0b0bc3d0779
 

 

 

根元については、揚力というより強度が重要ということで、断面もほとんど円形となり。

そこからひゅっと羽のように伸び、全長の真ん中くらいまでは広い翼面上に、そこから先端にかけてはテーパーというが細くなっていく感じのペラが基本形となりました。

零戦のプロペラなんてまさにこれですよねー

零戦のプロペラ。http://goma-chan.com/odekake/1000aircraft/a999.html
 

 

 

エンジンパワーが強化され、かつ機体も重くなってゆくと、重くて大きな機体を引っ張る力のあるプロペラが工夫され。先端速度の関係から長さは限られるので、枚数を増やすとか、トルクの大きい形状が考案された。

典型的なのがP3Cのプロペラ。

https://rightwing.sakura.ne.jp/equipment/jmsdf/aviation/p-3c/p-3c.html
 

 

四角く、平べったいうちわ型ですが、これが長時間低速で哨戒飛行をするために最適らしい。

YS11の場合、平べったいが細長く、速力を重視していることがうかがえます。ただこプロペラの形状だと離陸時のトルクが出なかったらしく、YS乗りの間では上昇力のなさが泣き所とみられていたらしい。

https://news.livedoor.com/article/detail/19114721/
 

 

一方、根元でも揚力を出そうよ、ということで、カフスというフェアリングをつけたプロペラも散見されるようになりました。

B29爆撃機の例 https://www.flickr.com/photos/wbaiv/39105497831
 

 

この場合、エンジンによっては湯力というよりエンジン冷却ファンとしての役割もあったらしい。いずれにせよ、カフスはものすごい空気抵抗となるので、そんなの気にせず回せる大馬力エンジンでないと。。ということで日本では発達せず、アメリカ、イギリスの飛行機に多く見られます。

 

 

エンジンパワーが大きくなると、プロペラ後流やカウンタートルクつまりプロペラ軸のの回転と反対に機体が回ろうとする力も大きくなってしまい。離陸時のようにフルパワーかつ低速で舵が効かない、というような場合に飛行機をまっすぐ滑走路上に保つことが困難になってしまいました。

じゃあ、回転しているプロペラの後ろに、もう一列逆回転するプロペラをつけたらどうよ、ということで二重反転プロペラというのが生まれ。

An70輸送機の二重反転プロペラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/2%E9%87%8D%E5%8F%8D%E8%BB%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%9A%E3%83%A9
 

 

でも、Wikipediaいわく「プロペラ軸を正逆2方向に回転させる必要があり、それぞれ回転方向の異なるエンジンを各1基搭載するか、さもなくば変速機に逆転機を内蔵して2方向の回転軸を取り出さなければならない。しかも、そのいずれにおいても中空軸の内部に逆回転する別の軸を貫通させる必要がある。このため、軸受や軸そのものについて高い工作精度(2軸が互いに逆回転し、相対回転速度が2倍になるため、2軸の軸心を一致させないと猛烈な振動が発生する)と耐久性(前述の振動に耐える事が必要)が求められた。また、逆転機を内蔵した変速機は、通常の2倍近い数の歯車を組み込んだ極めて複雑な歯車装置となるため、その内部の整備性は通常のものに比して大幅に低下する。しかも大出力による大トルクに耐えるため、機構的な必然から重量が増大するというデメリットが存在する」ので、ソ連などを除いてあまり実用化されませんでした。

要すれば、大速力の欲しい機種は当時から発達してきたジェット機に置き換わっていったので、無理に二重反転プロペラにこだわる必要ないじゃん、ということだったらしい。

こだわる必要があったのはソ連で、初期のジェットエンジンはとにかく燃費が悪く。広大なソ連領をまたいで西側まで核爆弾を運んで行ける爆撃機が必要だが、ジェット機では途中でガス欠です、ということで、血道をあげてジェット機並みのスピードが出せるプロペラ機を開発したら、二重反転式の「ベア」になったということらしい。

パブリックドメイン
 

 

ベアには、なかなかかっこいい旅客機版の「TU114」もある。

ギアの長さに注目 https://jp.rbth.com/science/85287-tu-114-soren-hikouki-no-rekishi
 

 

なお、ソ連の旅客機は、機首が爆撃機みたいにガラス張りなのが多かったが、これは別に爆撃機に改修しようというのではなく、レーダー網が整っていないというか、広大すぎて整えられなかったソ連において、機首に航法手が座って、眼下の地形と地図をにらめっこしてナビゲートしていたらしい。

「あ、10時下方のラーメン屋でラーメン食ってる小池さんが見えてきた、もうすぐ東京だ」みたいな感じ。

小池さん https://www.pinterest.jp/pin/213639576064142945/
 

 

脱線から戻り。

プロペラブレードの形状ですが、隼とかの美しい直線・曲線のプロペラから、うちわエビみたいなP3Cのブレード、青龍刀みたいなのが二重反転になっている、極めつけのアントノフAn70とか、最近は形而上絵画の斜め上を行くようなのが多数生まれています。最新の流体力学を応用したらこうなるのですかねー

隼 https://minkara.carview.co.jp/userid/2109043/blog/41804693/
 

 

P3C https://www.midwaysailor.com/photos/p3orion.html
 

 

An70 https://www.cavok.com.br/ucrania-autoriza-producao-em-serie-da-aeronave-de-transporte-tatico-antonov-an-70
 

 

ぞうりエビ https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/%E3%82%BE%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%93.htm
 

 

最後に、ぼくが乗っている軽飛行機のプロペラです。これは性能というよりは手軽な生産性を狙ったシンプルなデザインですが、なかなか世界中で愛されているWarp Drive3枚プロペラです。複合素材だったか?とにかくプロペラにとって重要な堅牢性に秀でており、格納庫で飛行機を動かす際は、このプロペラの根元を持って押したりすることが多いです。

 

ではでは

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謎の傑作機KM2

どんなパイロットも必ず乗ることになる飛行機で、それも一度や二度ではなく、教官にしばかれながら、なんとか一人で乗りこなせるようになるまで我慢づよく付き合ってくれる頼もしい奴。それが練習機です。

練習機そのものとして作られる場合もありますが、自家用機として大人気になり、それを聞きつけた各国が喜んで練習機として購入するケースもあり。今回は、どちらかと言えば後者に属するビーチクラフトボナンザと、その日本版である富士KM2について投稿します。

まずはボナンザから。

時は第二次大戦中。日本が竹やりでB29をやっつけようとしていたそのころ、アメリカではすでに戦後を見越して「大人4人と手荷物が積める、自動車のように手軽で快適な軽飛行機。単葉・全金属製・水平対向エンジンを採用、斬新なデザイン(V字尾翼配置、美しい窓周り、モダンな内装)、小型軽量化など、新しい時代に合わせた、小型ながらも豪華な高速機(Wikipedia)」の設計製作が進んでいたのでした。

その結果、1947年にはV字尾翼のボナンザ・モデル35が初飛行し。その後、いろいろなユーザーの要望をくみ上げながら、通常の尾翼に変化したデボネアボナンザなど無数のモデルが生まれ。富裕層の高級な自家用機として現在もいっぱい飛んでいます。

(上)竹槍訓練https://www.reddit.com/r/HistoryFans/comments/5gozmt/japanese_soldier_training_women_to_defend_the/
(下)ボナンザ モデル35 https://www.kshs.org/km/items/view/853
 

 

この過程で、練習機型のT34メンターが生まれました。こちらも「良好な操縦性と安定性、そして荒い使用にも耐える頑丈さから傑作練習機との評価が高く、初飛行から50年以上を経た現在でも練習用として使用(Wikipedia)」されています。

練習機型のT34は、タンデムシートのかっこいい低翼単葉機です。日本でも、富士重工がライセンス生産しました。

ボナンザ(上)https://www.portaldoaviador.com/a-historia-do-beechcraft-bonanza-model-35/
とT34メンター(下)
http://www.avgeekery.com/mentor-beechcrafts-t-34-primary-trainer-well-played-gamble/
 

 

この経験から、富士重工は独自にその発展形であるKM1(陸自向け)とKM2(海自向け)を生産。今日の記事はKM2をお題としています(KM1もそっくりだけど)。

では、ここからアメリカの名機ボナンザをいかにして日本的に洗練していったかについて記載します。

まず、風防です。

ボナンザ(上)https://www.airteamimages.com/beechcraft-35-bonanza_D-EECA_-private_328761.htmlとKM2(下)富士KM-2研究 Study of the Fuji KM-2 (hikokikumo.net)

 

 

なぜ青がえるにしてしまうのか?

青がえる。東横線などで活躍した。(相鉄線かも?)
https://kumamoto.keizai.biz/headline/117/
 

 

気を取りなおして、側面のスタイルいってみます。

ボナンザ(上)https://flyteam.jp/photo/3662925とKM2(下)富士KM-2研究 Study of the Fuji KM-2 (hikokikumo.net)
 

 

トヨタのAAじゃん

スバルじゃないけど
Toyota AA – prvé auto vyrobili ešte pred vznikom automobilky | TOUCHIT
 

 

なぜこうなるのか?

これは、日本海軍じゃなかった海上自衛隊による使用方法と密接に関連しており。

海自の場合、基本サイドバイサイドの双発機、四発機を運用しており。機長と副操縦士が隣り合って座る感じにしないと都合が悪かった。

別にふつーのボナンザでいいじゃん?とは思うのですが、こういうぶっといピラーに四角いコクピット(丸みはあるけど)にしないと、天井に「いかり」を格納できないためらしい。

いかり?

海自の飛行機は、みんな錨を装備しているのです。

US2飛行艇の例
空飛ぶのになぜ“錨”つき? 飛行艇「US-2」の船っぽい“神装備”とは | 乗りものニュース (trafficnews.jp)
 

もちろんLM2に錨というのはうそですよー

では、なぜあんな冴えない、ダサくて、かっこわるい、ぶきっちょな、どう考えても誉め言葉がみつけられない、ボナンザの設計者が見たら卒倒しそうな、だれが見ても日本人にしか見えない、どうしようもないかわいそうなスタイルになったのか?

どうやら実戦配備になったときの実機になるべく近い雰囲気にしたかったらしい。

一式陸攻(上)https://benriyanekonote.sakura.ne.jp/issikirikukou.htmlとKM2(下)https://blog.goo.ne.jp/kazusisiren/e/a026b369f9a5d35852c576a290c36a09
 

 

なっとくしました。

KM2は4人乗りで、前には正副の操縦士としての役割を学ぶ訓練生。後ろには精神棒を構えた教官と、行き過ぎて死人が出ないように監視している米海軍のSP(Shore Patrol)がセットで搭乗していたそうです。

*もちろんうそですよー

 

ただ、全てうそとも言えない部分もあり。いじめに耐え兼ねた自衛隊隊員が、KM2を奪って飛び去り。結局今日まで行方不明という事件もあったそうです。

*この事件については、Wikipediaに詳しく書いてあります→自衛隊機乗り逃げ事件 – Wikipedia

すみません行方不明は陸自のLM1でした
http://hikokikumo.net/His-Mil-LM1-00000-index.htm
 

 

スタイル自体は各人の主観なので、ぼく自身は意外にいいじゃん、と思っていますが、性能や耐久性、強靭さは、やっぱりアメリカの冠たる高級軽飛行機メーカービーチクラフトの自信作、単発機の帝王であるボナンザを受け継いで、リムジンのような重厚な飛行機だったと聞いています。

ボナンザは、航空大学校で2020年まで練習機として使われるなど、文句ない世界の名機です。超高価なボナンザを無数に購入して練習機として使うことのできる日本は、やっぱり超大国だなーと素直に感心しています。

ぼくはブラジルに住んでいますが、ブラジルの場合ロクに練習機を買う金もなく。こともあろうにアルゼンチンから「アエロ・ボエロ練習機」を空軍だったかがまとめて購入してブラジル国内各地の飛行クラブにばらまいたという謎の過去があります。

なぜかアルゼンチン製の練習機アエロボエロ
https://www.airliners.net/photo/Aeroclube-do-Rio-Grande-do-Sul-ARGS/Aero-Boero-AB-115/806867
 

 

脱線ついでに、ブラジル政府はアエロボエロ購入の費用をねん出するため、パラグアイへ輸出している中古自動車に対する税金を充てようとしたのですが、ブラジルから大量にパラグアイへ輸出されている中古車は、両国民の駆け引きによって税金のかからない方法で出荷されていたため、政府は仕方なくどこか別の財源に変更したという話があります。

ブラジルとパラグアイにまたがる「友情の橋」。 https://www.memoriarondonense.com.br/eventos-single/construcao-da-ponte-internacional-da-amizade-foz-do-iguacu/32/
 

 

ブラジル全国から盗まれたじゃなかった取得された中古車がこの橋を渡ってパラグアイに輸出され、パラグアイの経済発展に貢献したらしい。

*訳が分からなくなった人はこの記事をご覧ください→微笑みの街ストロエスネル

本題に戻ります。

現在でもボナンザ乗りはアメリカをはじめ一目置かれる存在です。そんなボナンザを乗りこなすカッコイイ日本人パイロットのブログがあったので、リンクしときます→LA Flighrt Diary

世界の名機ボナンザを、これでもかとデフォルメし、似ても似つかぬゲテモノにしてしまった富士重工。でも、性能低下はぜんぜんなかったということですから、そこに日本の技術力が光っているのだと思います。

なんておちょくりまくっているように見えますが、KM2の、アートで、見る者の目を引き付けるふしぎなスタイルに魅了され、いつかプラモの一つでも組み立ててみたいなと思っています。

 

ではでは

 

Posted by 猫機長
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ペダルのお話

こないだ操縦かんのお話をしたとき、飛行機の操縦にはペダルも重要、と書きました。その記事ではスペースがなくなっちゃったので、改めてこちらでペダルについて書きたいと思います。

ぼくが乗っている軽飛行機「こよーて」のペダル
 

 

飛行機の操縦は「手と足」というふうに言われます。

手の方は操縦かんで補助翼と昇降舵。足はペダルで方向舵を動かします。

手足が調和するといい感じで均整の取れたカーブを切ることができます。

補助翼 http://blog.livedoor.jp/sac1195/archives/489548.html
 

 

昇降舵C*Uとは何か その1(技術的解説) | 彗星 (salamann.com)
 

 

方向舵 C*Uとは何か その2 (横の制御則) | 彗星 (salamann.com)
 

 

ターンコーディネーター(旋回釣合計)という計器があって、黒いボールが真ん中にあればいい具合に曲がっているということになります。

ターンコーディネーター
 

 

これが、ペダルを踏みすぎると、カーブの外側へ尻を振り出しながら曲がっていく感じになり、機体へのいらぬ負荷や、失速しやすくなるなどあり。ターンコーディネーターでは、ボールがカーブの外側に出ちゃいます。

これをスキッドと言います。 「飛行機操縦のABC」イカロス出版
 

 

 

一方、踏み足りないと、今度は機首をカーブの外側に向けながら、横滑りしていくようなカーブになり。スキッドと同じく避けるべきカーブとなります。ターンコーディネーターのボールはカーブの内側に行ってしまいます。

これをスリップと言います。 「飛行機操縦のABC」イカロス出版
 

 

スキッドやスリップは、ターンコーディネーターをみていないとなかなか気づかず。気づいたときは、コーディネタ―の玉ころを中心位置にけりこむようにべダル操作をすると修正できます。

また、操縦かんを倒しすぎたり、倒し足りなかったりするとやはりボールは中心から逃げちゃうので、操縦かんの場合は玉ころを中心に引っ張る感じで修正しますが、ふつーは30度旋回なら30度に人工水平儀のマークがぴたりと止まるよう操縦かんを操作して、玉ころの微修正はペダル操作で行っています。

20度旋回の例。人工水平儀の中央上黄色い三角のインジケーターが20度の白線で止まっています。玉ころは取り忘れた、というか玉ころを入れると地平線がみえなくなっちゃうので入れていませんが、まあまあ中央で維持していたと理解。
 

 

と思ったら、玉ころのある写真も発見。こちらは同じ20度でも左旋回。ちょっと上昇気味、それにつられて速力が落ち気味です。なかなかむずかしいですねえ
 

 

あと、上の写真で重要なのが人工水平儀の左横にある昇降計で、下降・上昇率0に維持します。つい上昇しちゃうと失速の危険が出るし、下降すると今度は速度がイエロー域に入っちゃうので、気を使います。

ドリフトやスリップは必ずしも悪、というのでもなく。飛行機の特性によりけりで、ぼくの乗っているコヨーテ(Rans Super Coyote)では、むしろぐいーんと尻を大きく振り出してカーブ内側に機首を切り込んでいくような旋回が好まれる傾向にあり。

また、高度取りすぎ、迅速に下降したいという場合に、フォワードスリップと言って、機首を左右どちらかに振り、操縦かんは機首と逆の方向に倒す、というのがあり。

意識的に操縦かんとペダルをディスコーディネートして、横滑り状態を作り出すのです。

滑走路の着陸経路に入ったけれど、高度高すぎ、という場合に多用されるテクニックで、黎明期の、フラップがなく、軽すぎてぜんぜん下降してくれないパイパーカブとかはこれができないと乗れないらしい。

パイパーカブのフォワードスリップ


 

 

あえて滑走路の延長線から機首を外したうえ、ふだんはやってはならない、ペダルとは逆方向への操縦かんの操作なので、実はなかなか怖くてできないですが、慣れてくればある程度なにげにできるようになるのでした。カブ乗りはぜんぜんなにげにやるらしい。

ぼくの乗っているコヨーテもあまり変わらず。フラップはついているけれど、フォワードスリップで高度調整というのはときたまあり。操縦席目線でのフォワードスリップを掲載します。


 

 

上の操縦席からの動画で、1:28でようそろー、と機首を中心線に戻していますが、場合によっては滑走路の真上まで来て初めて戻す場合もあり。

いずれにしろ、接地の時には機首は滑走路に正対していないとギアにいらぬ負担をかけるので要注意です。

さて、着地して減速だ!まっすぐ走らせるためには、三輪車と同じように前輪を操作しますが、三輪車と軽飛行機一般の違いは、前輪の操作をペダルで行うところにあります。これもペダルを右に踏めば機首が右を向くように作動し、左も同様です。

大きな旅客機では、ペダルではなくステアリングホイールで操作するのもあります。

YS11。機長側操縦かんの左横にあるステアリングホイールに注目。
http://www.airliners.net/photo/Interisland-Airlines/NAMC-YS-11/2228083
 

 

ちなみに、正式にはステアリングではなく、テイラーと呼ぶそうです。

一方、今どきの高性能自家用機には、テイラーもなく、ペダルと前輪が連動していないものもあります。

RV9A  https://www.kitplanes.com/jim-wright-rv-9a/
 

 

写真は「空のムスタング」RV9ですが、スピードを出すために、前輪は小さく、よわっちい支柱一本で支えられています。この前輪は自由にぐるぐると回転するようになっているところがミソで、こうしたケースではペダルで曲がりたい方のブレーキを踏むと、そちらの方のメインギアを支点に、前輪は慣性でぐりんと向きを変えて旋回します。

このやり方は黎明期の尾輪式飛行機でも採用されており。

巨大なB17を地上でまっすぐ走らすのは大変だったであろうと思います。。。。

尾輪式のB17 https://aventurasnahistoria.com.br/noticias/almanaque/b17-o-mais-importante-bombardeiro-aliado-da-segunda-guerra.phtml
と、前輪式になったB29 https://www.b29doc.com/b-29-doc-to-bring-its-history-restored-tour-to-newport-news-va/
 

 

B29もRV9と同じで、前輪を制御するステアリングシステムはなく、左右のエンジン推力と左右のブレーキで旋回したそうです(出典:https://www.quora.com/Why-did-the-B-29-have-no-nosewheel-steering)。

ここで、飛行機のペダルの特色がもう一つ明確になるのでした。

すなわち、飛行機にはアクセルペダルはないが、左右のペダルは両方ともブレーキペダル兼用なのだった。

2つブレーキペダルがあるの?

左右のペダルはそれぞれ左右のメインギアにつながっており、別々に作動させることができるようになっているのでした。

同じペダルですが、つま先で上の矢印の部分を踏み込むと赤線の軸でブレーキが作動。
下の矢印を肉球の部分で踏み込むと緑線の軸で方向舵と前輪が作動します。
 

 

ということで、上に書いたように、ステアリングのない機種ではブレーキで機首を制動し。

でも、やっぱりぼくの乗っている「こよーて」みたいに、すなおにペダルと前輪がつながっている方が全然操作しやすいですよねー

コヨーテのペダルから前輪支柱に伸びる制御機構
 

 

なぜ最新の高性能機が、よりによって脆弱で制御できない前輪にしているかというと、それは飛行機にとって車輪や支柱といった降着装置が、性能低下の元凶となる空気抵抗や重量増加を生むじゃま者だからなのです。

高性能になればなるほど、滑走路も舗装されたまともなのを想定しており、パイロットにもきちんとフレアして前輪にほとんど負担をかけない着陸の技量を要求し。

RVともなれば、飛行機が乗り手を選ぶ世界です。ムスタングというよりフェラーリですねえ。

ムスタング https://fukuokacj.jp/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B0+68
とフェラーリ https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17267411
 

 

ぼくみたいな貧乏人が乗る飛行機で、ロクな長さもない滑走路、場合によっては草だろうが土だろうが、道なき道に着陸するような場合は、前輪もがっちり強化したのが多い。

一つの究極がParadiseで、なんと前輪にぶっといショックアブソーバーを装備しています。

これは、練習生がどっかーん!という着陸をしても耐えられるようにという設計なのです。こういうところで名機というのがわかるのですよねー

Paradise
 

 

Paradiseの前車輪。アルミ色のぶっといアブソーバーに注目。
 

 

ここまでで3000字越え。とりあえず終わりにします。

ではでは。。。

 

 

Posted by 猫機長
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チーズはどこへも消えません➁

以前「チーズはどこへ消えた」という本について、「チーズ」の面から考察した記事を書きました。今回は「迷路」をお題に書いてみます。

その前に、この本のおさらい。前回記事でご存じの方は、「ここから新しい内容だよ!」の記載まで飛ばしてください。

Wikipediaでは

「『チーズはどこへ消えた?』(英語原題:Who Moved My Cheese?)は、アメリカ合衆国の医学博士・心理学者であるスペンサー・ジョンソン(英語版)が著した童話、ビジネス書。1998年にアメリカで出版され、2019年時点で2800万部を超えるベストセラーとなっている。」

あれ童話だったっけ?こんな「童話」を読んだ子供はアダルトチルドレンになってしまうのでは?

かんじんのSinopseすなわち内容の概要がWikipediaには載っておらず。むりやり要約しちゃえ!ということで以下の通りとなりました。

(参考:【要約】『チーズはどこへ消えた?』のあらすじ【20代向けの名著】 | 小売オタク)

◎登場人物は、小人の「ヘム」と「ホー」、そしてネズミの「スニッフ」と「スカリー」です。

◎この2人と2匹が迷路にあるチーズを探していると「チーズステーションC」で大量のチーズを発見。幸せな日々を過ごしていた。

◎ところが、ある日チーズは消滅してしまった。

◎ネズミどもは本能のおもむくまま別の場所にチーズを探しに行き。しかし人間どもは泣き言や繰り言をのべるばかりで「ステーションC」から離れることができず。

◎ヘムが「何もしないでこのままステーションCにいるべき。チーズはいつかは戻ってくるはずだ!」とだだをこねる一方、ホーは「とっとと身を危険にさらして新たなチーズステーションを探検に行くべきだ!」と見境もなくわめき。

◎引きこもりのヘムを残し、ホーはサンゴヘビや猛獣、政治家やB29と出くわす危機を無視して、闇くもに迷路に飛び込んでいった。

◎ところが、起業家(経産省、経団連)の加護があったホーは、いくらブラックな探検を強いられても生き延び。「俺は不死身のホーだああああ!」と、ついに新しいチーズを見つけることができたのでした。

めでたしめでたし

元ネタはこちら。ゴールデンカムイ
https://www.suruga-ya.jp/product/detail/892141554
 

 

ではなく、これ以上なく「めでたくなしめでたくなし」という終わり方になってしまっています。

 

ここから新しい内容だよ!

さて、前回は「チーズ」という、目標そのものについて記載しました。

でも、目標到達のためには「経路」があるわけで。この本では「迷路」で象徴されています。

さてこの迷路ですが、会社、社会と、それらが構成する常識であったりということらしい。

「チーズはどこへ消えた」を批判する人たちの論点では、権力とか指導層が自分の都合のよいように迷路を作り。要所要所にチーズを置いて、労働者というか社畜というかを必死に走り回り競争するよう仕向け、指導者側の利益になるよう誘導している、というものです。

この見解については、ぼくとしては全く同意するのでした。ははは

一寸先は闇の恐怖に満ちた迷路。

「進むも死、止まるも死」ではないけれど、「スカリー(恐怖)」で反射的(本能的)に迷路を走り回り、あてもなくチーズを探すように調教された社畜たち。

一部はチーズにありつきますが、その他の大多数は途中で力尽き。電車に飛び込んだり、過労死したり、うつで病院行きなどになり、消えて行きます。

要すれば、チーズにたどり着いた者しか生き残っていない(たどり着けなかった者は消え去る)ので、あたかもみんながチーズにたどり着けるみたいな錯覚を生み。実はブラックな真相が隠されてしまうのです。

権力の使い捨てにされる消耗品から、どうやって脱出するのか?

「社畜同士で団結して、迷路自体をぶちこわせー!」

という意見が複数出ています。「ついでに、迷路を作った権力者とその取り巻きを、片端から捕まえて、機関銃でハチの巣にしてしまえー!」

怒涛の大革命だ!

収容所群島 ソルジェニーツイン
YMCA-Press – Cover of the first edition of the Gulag Archipelago, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=112605369による
 

 

たしかに気持ちはわかりますが、ぼくはこうした考え方には賛成しません。

こういうのは共産主義者の考え方だからです。

ここでいう共産主義者というのは、実は共産主義者のことではなく。

共産主義の教義というか論理というかの中から、都合のいい部分を抜き出して大衆を扇動し。大革命を起こしたうえで、革命前も真っ青な恐怖政治を打ち立てる独裁政府とその構成員のことを言います。

例えばスターリンとそのギャングですが、プロレタリア革命と言って市民、農民をだまし、挙句の果てにはご存じの通りロシア全体に「収容所群島」をぶったててツアー政治も真っ青の独裁政権を作ってしまいました。

念のため、プロレタリアというのはもともとは都市の無産階級のことであり、それをレーンだったかトロッキーだったか?が、「農村の人もプロレタリアということにしましょう」と、著しく革命分子の分母を大きくすることに成功するなど、この時点で実は共産主義の定義などどうでもよくなってしまっていた。その後のスターリニズムの台頭においては、推して知るべし。

*このへん詳しくは以下ご参照

https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/2920527/011_p020.pdf

レーニンの農業・農民理論をいかに評価するか

https://www.textiletoursofparis.com/blog/the-origins-of-haute-couture-from-opera-to-le-sentier
 

 

さて、こうした共産主義者たちが「資本主義の迷路」をぶち壊したとき、だれが生産体制を回復するのか。

「迷路」が機能していた時は、迷路なりに産業があり、食品、工業製品、要すれば生活必需品が営々と生産されていた。

迷路をぶち壊すということは、電力、水力と言ったエネルギーインフラを含め、物理的ににぶち壊さないとしても、その活動を麻痺させ、機能できなくしてしまうのである。

フランス革命の場合は、王族、貴族の首をちょん切り、その経済基盤をぶち壊し分割して革命分子に分け与えたが、ブルジョア革命であり、いわばブルジョアの首が入れかわっただけ、と言ったらフランス人に怒られそうですが、国家としての生産基盤は損なわれずに済んだ。

ロシア革命はじめ共産主義革命の場合、「敵性身分」が根こそぎぶち殺されてしまい、生産基盤の経営ができた人材がラーゲリでブタの糞にまみれて4んじまったため、要すれば生産再開ができなくなってしまった。

革命政府でもそれに気が付き。NEPとかなんとかがんばったり、ホロドモールでウクライナから身の毛のよだつ略奪をするとか「工夫」したけれど、ついには共産政権そのものが瓦解してしまいました。

唯一元気なのが中国ですが、これは「資本主義の迷路」をいよいよ魑魅魍魎の迷路に仕立て直す中国人の恐ろしい金儲けの才能によるものであり、ぶち壊すどころかいよいよ堅固にしてしまっているのである。

何を言いたいのかというと、「迷路」をぶち壊すのは、そのあとどうするのかという恐ろしい火種を同時に含むことから、得策ではありませんよ、ということです。

どうすればいいのか。

別にそんな難しいことではありません。

鳥になればいいのです。

というか、「鳥の目を持てばいいのです」

地上にはいつくばっているから、目の前の壁の後ろに、どんな恐ろしい怪物が潜んでいるかわからない迷路になってしまうのです。

地上から見た迷路https://mirai-chiiku-labo.com/programming-meiro/
 

 

上空から見た迷路 https://karaezadrenaline.com/le-parc-aventure/le-parc-en-images/
 

 

上空から見れば、どこが行き止まりで、どこにへんな怪獣がいるか。そして、どことどこにどれだけのチーズがあるか、というのが一目瞭然なのです。

自家用機で空を飛ぶようになって、地上から見た視点とは別の視点を知ることができました。

そういった非日常の時間を持つと、日常の場面でも客観的な判断ができるようになった、と思っています。

突然抽象的になるなごるあ!はいはい、具体的なお話に戻ります。

要するに、迷路の中、外かかわらず、地上という2次元の同じ土俵にいるより、3次元つまり上空から俯瞰するような視点が得られれば絶対的なアドバンテージですよーと言いたいのです。

ここでの同じ次元というのは、「労働しないと生活できない」という次元のことです。無産階級のままでいるから、生産手段を持った屑のブルジョアに社畜としてこき使われてしまうのです。

では、迷路のどこに富があり、この富をどう使いこなすかを俯瞰視点で把握するにはどうするのか?

というわけで、結論はやっぱり、楽しくてためになるHP「アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ」の「Aviation」をご覧いただければとなります。

 

 

3000字を超えました。

ではでは

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車のブレーキが壊れた!そのときどうする?

1982年製のVWベース356レプリカに乗っています。
今回は旧車に乗っているといろいろありますねえ、というお話です。

怪車356「ポルシェ」

その①ブレーキがきかなくなっちゃった
とある吉日。田舎の飛行場からブラジリア市内の自宅に戻っている途中、なんか急にハンドルが左にとられるぞ?
最初は、ときどきという感じだったのですが、時の経過につれて持続的かつものすごい力で左旋回しようとするようになり。
あいにく土曜の午後で、かつ、となりに素敵女子を乗せていたこともあり、途中でストップとかもやらないほうがいいね、とむりやり30キロ、35分くらいの道のりをそのままつっぱしっちゃいました。
なんとかアパートへたどり着いたはいいが、いざバックで車庫入れしようとすると、ゔおおーん、とアクセルを踏んでも万力のように車輪が地面に貼りついて、動けないじゃん?さてはパンクか?
でも、タイヤはぜんぜんつぶれたりしていないのですよねー
この時点で、ベアリングかブレーキだな、とめぼしはついたのですが、前輪なのか後輪なのか、もしギアボックスと連結している部分だったらどうしよう、なんて眠れない一夜を過ごす羽目になってしまったのでした。いずれにしろ、いったん車軸の機構を冷やさないとどこが悪いのかわかりませんからねー
さて翌朝。素敵女子はまだぐーぐー寝ていましたが、日の出ちょっと後のすがすがしい空気のなかで、タイヤと車輪を点検してみると、左前輪のホイールキャップからブレーキオイルがにじみ出ているのを発見。

 

ふふんこれだな、と車に乗り込み、ちょっとだけ車庫から前進してみました。
すると、まるで昨日がウソのように軽快にころがり。
でも、ブレーキを踏んだとたん、「すかっ」とペダルが抜けてしまい。慌ててハンドブレーキで止めたのでした。ははは

ハンドブレーキ
 

 

どうやら左前輪のブレーキシューが押し付けられたままロックしてしまい、一晩で冷却されて元に戻ったものの、加熱時にブレーキオイルが漏れだしてしまったらしい。
一方、昨日の段階では、車をまっすぐ走らせるために無理やりハンドルを右に45度くらい倒しこんだりとかしていたので、ステアリングがやられなかったか?アパート敷地内の誘導路を走ってみることに。
幸いステアリングは無事のようである。一方、ブレーキは踏み込むとちょっと効き始めたか?くらいの時にすかっと抜けちゃうので、「効きはじめ」の段階で止まれるような、要すれば人の歩くくらいの速度しかだせず。
その日は日曜だったのでそのまま放置。
月曜朝、まだだれも道を走っていない早朝にエンジンスタート。そろそろとアパートの敷地を抜け出し。修理屋までの6キロくらい?を走っていきました。
この時点でステアリングは問題なし。でもブレーキは全く効かなくなってしまい。

 

 

しゃあないので最大でも時速50キロ、サードギア(ふつーはトップ)でゔいゔい言わせながら走りました。こうすれば、アクセルを放すだけでエンジンの方が車輪(実質はクラッチ)を減速してくれるのである。
みなさんが教習所でならったエンジンブレーキですねー
だいたい時速50キロで通常走行。はるか先に信号が黄色になっていたら、アクセルを放してエンブレで30キロぐらいまで減速、そこでゔいいいん!とダブルクラッチでセカンドにつなぎ、またエンブレで20キロ、10キロ、と減速。ここでもう一回ゔいいいん!とダブルクラッチでファーストにつないでもいいのですが、べつにカーレースでもないので、時速4キロくらいか?まで落ちたら、クラッチを踏んでエンストを防ぐとともに、ハンドブレーキを引いて止めちゃうのでした。こうすれば、ちょうど信号機が赤になったときに、横断歩道の目の前でぴたりと止めることができるのである。
結局、ハンドブレーキは1回使っただけで無事に修理工場に着きました。
マニュアルシフトの車はいいですねえ。トルコン車(オートマ車)だったら、ダブルクラッチなんておつなまねはできないので、レッカー車確定でした。ははは

ブレーキキャリパーを分解してピストンを交換。
 

 

ダブルクラッチってなに?
一昔前のバスの運ちゃんがいつもやっていたあれです、といってもわかりにくいと思うので、図解で説明します。
まず、ポルシェのペダル配置はこんな感じ

 

 

ここからダブルクラッチの説明です。
① ふつーに走行している状態。アクセルのみを踏んでいます。
② アクセルを放し、クラッチを踏み込んで(1回目)ギアを放し
③ ニュートラルポジションで、クラッチペダルを放し、アクセルをぐっと踏み込む。
ここがポイントです。この時エンジンとクラッチがつながっており、アクセルを踏んだ分だけゔいいいーん!とぶんまわります。
④ ここでクラッチを踏み込み(2回目)、ギアをつなぎます。
こうすることでトップ→サード→セカンドとギアダウンして歯車の大きさの違うギアにつないでも、ゔいいいーん!と回転数を上げておいたので、うまくギアとエンジンの回転数がかみ合い、すぱっとクラッチがつながるのでした。

2回クラッチを踏むので、ダブルクラッチというのです。
上の例は、トラックやバスなどにギアのシンクロ装置がなかったころ、運ちゃんが盛んにやっていましたよねーひところのレースカーでもブレーキの摩耗を極力防ぐためにパイロットじゃなかったレーサーが多用していました。ただレーサーのはもっと繊細かつヒールアンドトウ(トウアンドトウもある)といったエンジン回転数を維持するための技術と併用したので、ふつーの人にはとてもできない狂ったまねになっています。

 

 

もっとわかりやすい例はこちら

4:04から4:11に注目

 

 

かぶと虫など旧車乗りは、シンクロ装置保全のため、バスの運ちゃんみたいな古典的なダブルクラッチを普段から、という人も多く。

VWのトランスミッションシンクロ歯車
https://produto.mercadolivre.com.br/MLB-1627505565-kit-anel-sincronizador-1-2-3-4-marchas-kombi-fusca-vw-_JM
 

 

ぼくもその一人ですが、ブレーキが抜けたぞ!というときも役立つ重要な技術なのでした。
結局修理屋ではブレーキシューの交換とオイルの交換。その後1週間くらいか、念のため右側車軸のピボット1個とステアリングバーの接続ピボットを交換しました。

交換した部品たち
 

 

その➁パンク3連発
以前の記事で、4年ぶりか?タイヤ交換したことを書きました。
ところが、4か月も立たないうちにパンクが続発。
要するに、タイヤチューブが不良品だったということですが、きょうびチューブレスタイヤが主流で、まともなタイヤチューブはもはや市場に出回っていないという事実が判明。

何度もパッチを宛てて修理したチューブ
 

 

一方、4か月間の使用によって、タイヤ自体はうまくホイールになじんでいることがわかり。
意を決して、最後にパンクした左後輪はチューブレスにしてみました。
この場合、他のタイヤは空気圧26Psiのところ、チューブレスにしたのは32Psiにする必要があり。
このままではパンクはしなくてもタイヤの方減りや方向安定性など懸念されるところ、一週間走ってチューブレスでも問題なかったので、右後輪も思い切ってチューブレス、32Psiに変更。
いまのところ、前の2輪はチューブ入り、後ろはチューブレスで走っています。

チューブレスの場合は専用のエアバルブが必要で、見つけるのに苦労しました
 

 

その③エンジンヘッドのねじが暴発
とある吉日。朝起きて車庫に行ったら、エンジン下部からオイルがだだ洩れになっており。
漏れる場所から、やばいぜ!トランスミッションか?と懸念したのですが、修理屋で、単にシリンダーヘッドとヘッドカバーを密封するガスケットが破断して、オイル漏れをしていただけとのことでした。

シリンダーヘッドhttps://shopping.flat4.co.jp/products/detail/9665
 

 

シリンダーヘッドカバーとガスケットhttps://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%96%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%20%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88/2084016833/
 

 

ご参考まで、エンジン分解図https://www.facebook.com/motortownautoparts
 

でも、実はそれだけではなく、エンジンヘッドとシリンダー・エンジンブロックを接続・固定している8個のナットの一つが緩んで暴発、ヘッドカバー内でころころ転がっていたよ!ということでした。

① から④のうちどれかが外れていたらしい。https://2img.net/h/lh6.ggpht.com/_v8vsBvAegDk/TSvhThAIwiI/AAAAAAAAASk/HLqHAGhUaL0/sequencia-de-aperto-inicial-das-porcas-do-cabecote.jpg
 

今どきのエンジンだったら。。。空冷VWの原始的エンジンでよかったです。。。

VWエンジン
 

 
ではでは

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バッファローは大陸の動物だった

*この記事の「冬戦争」関連情報は、主に以下が出展となっています。

冬戦争における空中戦 – HiSoUR Art Culture Histoire

 

バッファロー戦闘機、といえば、マニアのみなさんは「かわいそうなやられ役」とすぐピンとくることでしょう。

引っ込み脚に密閉式風防と、設計当時は先進的だったのですが、実際の使用場面では隼や零戦に、なすすべもなくバタバタ落とされた、という事実があります。

同じビヤ樽体形のグラマンF4Fが善戦したのに比べいかにも情けないというかかわいそうなバッファロー。

バッファロー(左)とF4F(右)
F2A Buffalo, or F4F Wildcat? | Sticking with the Midway sche… | Flickr
 

 

当時の一線機だったP39、P40といった陸上機が、零戦との巴戦はやめて戦闘爆撃機(地上襲撃機)として前線に継続・活躍したのにくらべても、バッファローはいいところがなく。ひっこめー!と退場させられてしまった。

ところが、そんなバッファローが大活躍した戦場があるのです。

それが「冬戦争」そしてその後の「継続戦争」

バッファローの前に、これらの戦争の説明が必要と思います。

第2次大戦は、横暴なドイツがかわいそうなポーランドに怒涛の進撃を開始したのが始まりとされており。それは一面で正しいのですが、実は同じくしてロシアもポーランドに血も涙もない侵略を行いました。

ソ連は、連合国側のくせに「独ソ不可侵条約」を結び、ポーランドを分割。英仏がまごまごしている間に魔の手を近隣諸国に伸ばし。1939年11月にフィンランドに侵攻を開始しました。

これが「冬戦争」である。

どこかのウクライナ戦争みたいなソ連の行いに、西側諸国というか米英仏は驚き。ウクライナじゃなかったフィンランドに精一杯の武器供与を行いました。

あれフィンランドって枢軸国じゃなかったの?

ソ連が見境なく近隣国家を蹂躙するので、蹂躙されたフィンランドはソ連の味方であるはずの連合国から支援を受けたというわけである。

というか、フィンランドを「枢軸国」というのも実は疑わしくて、必死になってソ連と戦っているうちに枢軸国にされちゃった、というのが実態と思います。

Finland Winter War Map
 

 

さて、怒涛のソ連侵攻を食い止め、フィンランドはよく戦った。

戦いぶりが、やっぱりウクライナに似ており。航空戦においても、いろいろな国から急遽いろんな飛行機の供与(あるいは貸与?)を受けて、何とか乗り切った。

以下の数字はいずれも推定ですが、「冬戦争」の間に、ソ連側は700機近い損害を被り。ということはそれよりずっと多い飛行機を飛ばしていたのに対し、フィンランド側は215機が使用できました、なんて情報があり。4倍近い?という恐ろしい戦力差だった。

それでも、いろいろな飛行機をかき集めて215機で戦い、見事ソ連空軍を撃退したのである。

フィンランド機の内訳は

ブリストルブルドッグIV(15機)、

フォッカーD.XXI(41機)

ブラックバーンリポン(15機)

ブリストルブレニム爆撃機(18機)

フィアットG.50戦闘機(10機)

グロスターグラディエーター(30機)

モラーヌソルニエMS406戦闘機(30機)

ブリュースター・バッファロー(44機)

ホーカーハリケーン(12機)

枢軸側のイタリア機が入っているのがお笑い。

笑い事ではないのが、「冬戦争」がこじれた結果の「継続戦争」で、ドイツからメッサーシュミットBf109 の供与を受けています。なお、冬戦争は独ソ戦前なのでフィンランド単独、「継続戦争」は独ソ戦たけなわの時期に勃発した戦争です。

どこで読んだかは忘れたのですが、フィンランド人の偽らざる実感として、「継続戦争において、確かにドイツから武器の供与も受けはしたが、実態は、ドイツと同じ戦線において、ドイツと同じ敵と戦っていたというだけであり、決してドイツのフィロゾフィーなどに無条件に賛同していたわけではない」ということだそうです。

「継続戦争」後半にもなるとソ連が猛然と戦力を盛り返して敵も味方もみなぶち殺す「絶滅戦争」のキバをむき出しにし。フィンランドもたまらず涙の講和でなんとか全土を占領されることを逃れました。

この際のソ連の講和条件の一つが「フィンランド戦線で戦っているドイツ軍をフィンランド軍が攻撃し、これを追い出すこと」というこれまた血も涙もない要求であり。でも、その辺はドイツもフィンランドも大人の対応で、いちおうソ連に向けてドンパチはみせながらも、なるべく無傷でドイツ軍が母国に戻れるように立ち回ったらしい。

さて、共産主義者による占領を逃れるうえで決定的な活躍をした飛行機の中にバッファローがあった。「冬戦争」の間はバッファローがんばり。「継続戦争」からは、Bf109と共闘した。

 

F2A-1 Buffalo Model B-239 | Finnish Air Force
 

 

冬戦争、継続戦争時のバッファローとBf109
Finnish Brewster Buffalo and ME 109G – WWII Fighter Planes
 

 

あれ、カギ十字じゃん?

これも、フィンランド人いわく、もともとは「幸運の青い十字(ハカリスティ(Hakaristi)」ということでフィンランドに根差したシンボルであり(発祥はスェーデンだそうです)。これをドイツ人が借用して、独自のフィロゾフィーで使ったのだ、ということだそうです。

さて、バッファローです。

上記の通り、「冬戦争」で絶望的ともいえる戦力差を盛り返した。

フィンランド空軍は、雑多な戦闘機の寄せ集めでしたが、その中でもバッファローは「真珠」と称賛される活躍だったそうである。

その理由について列挙します。最後のはちょっと拍子抜けかもしれんが。

◎気候上の問題

太平洋戦線は、ヨーロッパ人から見れば灼熱地獄であり。「夏はきんちょーだねー」のものすごい酷暑、さらにものすごい湿気が立ち込め、西洋人の作った機械は故障が頻発したらしい。バッファローやスピットファイアなど、オーバーヒート多発でそもそもの基本性能が発揮できなかった。これがフィンランドに行けば、なんか寒いね、くらいでかえってエンジンに優しい気候という感じだったらしい。

◎陸上機としての運用と、魔改造

酷暑の太平洋で日本機動部隊と対決するのが主任務の艦上戦闘機のくせに、暑さでくたばったヘタレなバッファロー。これがヨーロッパ大陸での陸上戦闘機としての活動になると、着艦フックだの救命いかだだのは下ろしてかなり身軽になれた(真正の陸上戦闘機と比べてもほとんどハンデを解消できた)。また、輸入の途上でいったんスゥエーデンへはこばれ、SAAB社の工場で照準機とかの独自の艤装がなされた。どこまで魔改造になっていたか?は不明ですが、性能向上には役立っていたとおもいます。

ちなみに、皆さんご存じNOKIA社がバッファローの魔改造に手を出していたというか、資金援助していたらしく。フィンランドのバッファローは「NOKIA」とスポンサーの広告をしっかりペイントしていたのでした。

「使えないビア樽」戦闘機が「空の真珠」に!? 評価一変 フィンランドでF2A「バッファロー」はなぜ活躍できたのか – (2) | 乗りものニュース
 

 

◎相手に恵まれた

こうして無敵の陸上戦闘機に生まれ変わったバッファローは、ソ連のミグやラボ―チキン新鋭戦闘機をさんざんに打ち破った、というわけではなく。

Bf109とも互角に戦った新鋭ヤク9戦闘機
YAKOVLEV Yak‐9D FIGHTER
 

 

実は戦果の大多数が爆撃機とか一世代前のI15, I16だった。

「冬戦争」当時のソ連側の飛行機は

戦闘機

I-15複葉戦闘機(チャイカ-「カモメ」)

I-16単葉戦闘機

爆撃機

DB-3双発長距離爆撃機

SB-2双発高速爆撃機

TB- 3 4発重爆撃機

というわけで「ワンショットライター」とはいかずともそれに近い旧式爆撃機や、格下のチャイカとかばかりだったので、要すればふつーに勝てる相手に勝った、というだけだったのだった。ははは

I15 チャイカ POLIKARPOV I-153″CHAIKA”FIGHTER
 

 

ただしその勝ち方は尋常ではなく。キルレシオでは1対21、すなわちバッファローが一機やられるごとにソ連機は21機撃墜という恐ろしいスコアを達成しています。

「NOKIA」なんてふざけた広告をはっつけた飛行機に、バタバタ落とされるソ連機。

痛快ですねえ。はははははは

*ロシア人のみなさんごめんなさい。プーチンがぶち56されたら、もっとロシアにも好意的な記事が書けるようになると思います。

いずれにしろ、フィンランド人にとってバッファローは救世主であり。空戦でやられて、ソ連占領地の奥深くに落っこちちゃった!のを、フィンランド軍が決死の回収作戦で取り返したりなどしたらしい。

「継続戦争」になって、本当に新鋭のソ連戦闘機が飛んでくるようになると、バッファローもBf109に応援してもらうようになりました。

バッファローとBf109が仲良くロシアをやっつける、というのはなかなか美しい構図ですねえ。ウクライナでも。。。なんて脱線しそうになってきたので、終わりにします。


 

 

ではでは。。。。

Posted by 猫機長