ELT(Emergency Locator Transmitter)

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ELT(Emergency Locator Transmitter)

遭難時の捜索のために機体に装備しておく発信機。通常はOFFにしておき、落っこちちゃった!というときに作動させると、下記のブラジル空軍ポスターのように衛星などで電波をキャッチし、レスキューに来てくれるそうです。

ブラジル空軍のポスターと、コクピットのELT作動スイッチ(赤丸の部分)

しかしいろいろあり。まず救助費用がいくら請求されるかというのはまあ命に代えれないにしても、時々パイロット間のWhatsappで「OO空港近くの空域で誰かが誤操作して発信してしまった。心当たりがないか空軍から捜索命令が出ている」などという連絡があったりして、誤作動させないで飛んでいても、いつとばっちりで巨額の罰金が管制当局から請求されるか、なんていらぬ心配のものとになったりします。なお機体にマイナス5Gの負荷がかかると誤作動ではなく自動的に作動するとのことですが、そんな負荷がかかったら乗員のほうは脳みそが頭蓋骨のなかでつぶれて死んじゃうと思います。

なぜこんな話をするのかというと、2019年1月1日をもってすべての航空機に装備が義務付けられてしまい。いちおう前年10月ころから準備開始していたのですが、ぼくの飛んでいるEXPERIMENTALの世界では、みんななんじゃこりゃ?とちんぷんかんぷんの状態。ぼくは知り合いの電気屋さんが輸入のつてを持っていたのでとりあえず1700ドルでアメリカから購入。この時電気屋さんがブラジル空軍に登録してくれたのですが、後になって通信公社にも登録が必要ということがわかり。問題は通信公社自体ではなく、軍を離れた承認のため「民間航空公社(A●AC)」という恐ろしい機関にまず登録しなければならないことが判明してしまいました。

機長席の座席を外して設置。この黄色いちっちゃな箱がELT本体です。右の黒い棒がアンテナ。布張りで電波を通す機体なので機体内部に取り付けています。

とても個人の力では対応できないので、サンパウロの専門航空ブローカーに連絡。この会社は本来エアライン旅客機のELT登録とかをやっており、突然のウルトラライトパイロットからの連絡にもかかわらず快く対応してくれました(お金は別)。

ブローカーの調査により

  1. そもそもA●ACの承認したELT個体か、
  2. A●ACの承認した業者によって据え付けられたか

が登録に必須であることが判明。ぼくの場合はブローカーにより改めてELT 個体のA●AC承認を取り付け、はるばるELTを見にきてもらい、据え付け状況を確認し、写真を撮ったり、番号を調べたりとかでなんとか①②ともA●ACの承認をもらったのでした。(この手数料やらでさらに1700ドル吹き飛びました。とほほ。。。)

この承認を元にブラジル通信公社の登録に進み、登録料(50ドルくらい)を支払い、あと2週間待つのだぞ。。。(Financial3.1といわれました。

2か月間待たされました(泣)

ELT購入から数えて半年、もうだめか?どうしよう?と途方に暮れた日々も終わりをつげ、ついに登録完了したのでした。

これで略式のフライトプラン(C1)限定にされ、ちまちまその辺を飛ぶだけ、という日々に終止符を打ち、正式フライトプランで南米どこでも飛ぶことができるようになりました。しかしビュロクラシ―(官僚主義)っていやですねえ。。。

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