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ピストンエンジンのジェット機

みなさんは、飛行機といったらどんなのを思い浮かべるでしょうか。

例えばジャンボジェットとか、F35とか。

あるいはセスナとか。

飛行機には、ジェット機とプロペラ機の2つのグループに大別することができるのでした。

ちなみに、ぼくが自家用機を買ったころ、友達(もどきもふくめて)は、

「わあああ―見せて見せて―」と大騒ぎし。

でも、見せたら

「なんだプロペラ機じゃん」

とたちまちつまらなさそう、拍子抜けした、となってしまうのでした。

どうやら、自家用機というのはサイテーションとかのことだと思っているらしい。

サイテーション https://disciplesofflight.com/final-cessna-citation-mustang/
 

 

なるほど、ビジネスジェットで優雅な、というか。

そんなのが「PHENIX JET」という国際オペレータ―のホームページに乗っていたので、抜粋します。以下、写真含め「https://www.phenixjet.com/jp/business-jet/」からの抜粋です。

◎機内を独り占め。ラグジュアリーで快適な旅を

ファーストクラスを超越したラグジュアリーな機内空間において、従来の民間便では味わえなかった快適な時間を過ごすことができ。機内で高速Wi-Fiを用いた動画視聴や電話も可能となっています。

フライトの最中には、客室乗務員が用意したベッドで眠ったり、シアタールームでゆっくりとくつろぐなど、友人や家族とも充実した時間を過ごすことができます。
 

 

◎お好きな料理をお選びください

お料理の種類からお酒の銘柄に至るまで、メニューはすべてお客様のご希望に沿ったものとなり。有名なシェフとも提携し、様々なお食事をお客様にお楽しみいただけます。
 

でも、実態は単発ピストンの2人乗り軽飛行機。「ドアは閉めてもすきま風」ということで、どへーずっこけ、となったのだと思います。

夏はそこそこ涼しいですが、冬は殺人的な寒さになるため、
ユニクロのももひきが必須です。
 

 

確かに、ジェット機の方が高級ちっくというのがあることはあるが、プロペラ機ももっと見直されてもいいとおもいます。。。。

 

茶番が長くなりました。

飛行機は「噴進式エンジン」のジェット機と、「ピストンエンジン」のプロペラ機に大別することができます。

そもそも飛行機が前に進むために、エンジンの動力をどうやって大気に伝達するのかが黎明期の大きな課題だった。

自動車ならタイヤが直接地面を蹴るので、車軸をまわせばいいだけですが、空気中に浮かぶ飛行機はどうするのか?

風を動力に変える風車というものがあり。風にまわしてもらうのではなく、エンジンで風車をまわして飛行機が動けるくらいの風を作ればいいや、ということに気が付き。形状をくふうしたらプロペラになった。

ドペリュデサン レーサー
https://www.airliners.net/photo/Untitled/Deperdussin-Monocoque-1913/857292
 

 

プロペラ機が元気いっぱい飛びまわるようになり。

飛行機のスピードが遅い当時はそれでもよかったが、第2次大戦も終盤になってくると、時速700キロだのといったスピードを出す飛行機も現れ。

もっと速くだ!エンジン出力をもっと上げろ!

エンジン出力は上がりましたが、スピードは700キロくらいで頭打ちになってしまい。

いくらエンジンパワーが大きくなり、うちわみたいな強大なペラを5翅、6翅だ!とぶん回すようになっても、回るプロペラの先端がマッハちかくだっけ?になると急に効率が落ちてしまい。

プロペラで得ることのできる推力の限界に達してしまったのである。

こまったな、プロペラ以外の推進方法はないのであろうか。

ロケットがあった。これはこれで「秋水」とかそっちの方に一時は発展したが、長じては飛行機というより宇宙開発の方が適していることがわかり。

そのうち、空気の圧縮とか点火によって、爆発的なパワーが生まれることがわかってきた。

ふむふむ。サメがごぼごぼ。。。と水だろうが人だろうが飲み込むみたいな感じで空気を呑み込んで圧縮し。点火、大爆発だ!と噴射するエンジンができたら。。。。

1930年代から先進諸国がはっちゃきになってジェットエンジンを開発した。

ターボジェットエンジン https://hangar.flights/airplanes/difference-between-turbojet-and-turbofan-engines/
 

 

こうして、例によってドイツが世界初のモータージェット機「ハインケルHe178」を開発した、のではなかったりします。

ハインケルジェット機 https://www.fotoarena.com.br/detalhes/foto?id=V320%2F0129&b=spl&ta=imagens
 

 

 

じゃあどこが世界初なの?アメリカ?イギリス?

いやいや、イタリアです。

えつ。。。。

信じられないかもしれません。一見百聞にしかずで、実物は以下の通り。

カプロニ・カンピーニ http://www.fiddlersgreen.net/models/aircraft/Campini-N1.html
 

 

マカロニ・スパゲッティではなくて、カプロニ・カンピーニです。ちなみに、「棺ピーに」と出てしまい、すべてカタカナにするのに苦労しました。

カッコだけなんじゃね?いやいやちゃんとメカもジェットちっくなのです。

ジェットエンジンに必須の構造としてコンプレッサーがあります。

コンプレッサーは、回転するローターというファンと、ファンですが回転しないステーターによって成り立っています。

ガスタービンとは?


 

 

ちゃんと「棺ピーに」にもコンプレッサーがあるのでした。

カンピーニのローター https://svppbellum.blogspot.com/2018/12/caproni-campini-cc2.html
 

 

そして、もひとつジェットエンジンに必須の燃焼室ですが、こちらもちゃんとあり。

https://svppbellum.blogspot.com/2018/12/caproni-campini-cc2.html
 

 

じゃあ、タービンもあるよね?

うっ!そ、それは。。。

ジェットエンジンは、コンプレッサーで圧縮した空気を燃焼室で爆発させるというものであり、そもそもコンプレッサーをまわさないとお話にならないのであった。

で、コンプレッサーを回転させるのに必須なのがタービン(Turbine)なのである。

も一度ターボジェットエンジンの図解を掲載します。

The Difference Between Turbojet and Turbofan Engines Explained


 

 

タービンがないカンピーニ。それって、へそのないネコと同じじゃん。

いやいやカンピーニににもちゃんとへそがあったんですよ。タービンはないけど。

カンピーニの断面図はこんな感じ


 

 

まず、コンプレッサーは以下の通り。

 

 

燃焼室はこちら

 

 

そして、タービンの替わりにコンプレッサーをまわしていたのがこいつなのだった。

 

 

その名もファッシーニL. 121/R.C. 40ピストンエンジン。

あれピストンエンジン?はい、これがカンピーニのおへそじゃなかったタービンの役割を果たしていたのだった。

ふつーのジェットをターボジェットとかターボファンとか言うのに対し、カンピーニみたいなのはモータージェットというそうですが、れっきとしたジェットエンジンであることには変わりはなく。

というわけで、真正のジェット機第1号は確かにハインケルですが、モータージェットはカンピーニが世界初なので、この記事には何も嘘は書いていないのでした。えっへん

*マニアの人へ:コアンダはまた別の話です。おわり

ただ、最初で最後かというとそうでもなく。日本でも桜花のモータージェット化バージョンとかが進められていたし、未来には、もしかして電気モーターでコンプレッサーを駆動するジェット機も生まれるかもしれん?という、意外と希望に満ちたエンジンかも?

では、なぜピストンエンジンによるモータージェットがその後発展しなかったのか。

それは、もう当然ですよね。。。

ピストンエンジンというのは、ピストンの上下動をクランクシャフトで円運動に変える、という実はエネルギーロスが大きく、ピストンヘッドだのシリンダだの重い部品が必須で、飛行機にはじつは。。。。

というわけで、タービンによる、最初から回転運動のターボジェット、ターボファンが現在の飛行機のメインストリームになりました。

じゃあ、なんでセスナみたいなプロペラ機もいっぱい飛んでいるの?

これは、ジェットエンジンのこまった性質によるものです。

その1は、ともかく燃料を食う事。ピストンエンジンでスパークプラグ爆発に使う燃料と、ターボジェットでそれこそ湯水のように燃焼室噴射する量では比較にならない。現在ではターボファンとかターボプロップとかで省エネにがんばってはいる。

その2として、低速でのトルク、加速がぜんぜんダメなことである。軽飛行機とか、短い滑走路で急加速が必要なケースではあまりジェットは役に立たないのであった。

その3として、ジェット機というのは掃除機である。未舗装の滑走路などで土くれや石ころでも吸い込めば、バラして総点検になってしまうのであった。

こうした特性から、軍用輸送機やアクロ機、農業機とかは、まだまだプロペラ機全盛です。

ここまで書いたら、3000字を越えてしまいました。

ぼくも、いつかカンピーニちっくなモータージェット機を自作して、その辺を飛んでみたいなと思っています。

「秋水」ロケット機 https://hhrrggtt38518.hatenablog.com/entry/2022/11/13/072132
 

 

ではでは

Posted by 猫機長
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サクリファイスの話

来るなら来てみろむらすずめー

 

 

チェスの世界に「サクリファイス」という言葉があります。

一見重要な駒を、ドーン!と捨て去り。対戦相手がぬか喜びをした隙に、ぶぎゃああー!とチェックメイトに持って行ってしまう戦術(ハメ手という人もいる)のエッセンスをなすものです。

典型的なのに「フライドリバーアタック」というのがあり。

序盤はフツーにポーンで中央の支配。ビショップをなにげにふつーの地点に配置した時点で、実はおそろしいタクティクスが発動するのだった。

ビショップ展開。
以下、盤面画像の出典はhttps://chess-beginner.com/fried-liver-attack/
 

 

このあと、いきなりナイトを敵陣近くにはね。クイーンとルークの両取りを狙うぞ!と隙をうかがい。

赤丸にナイトが侵入したら、黒陣営に致命的なフォーク(両取り)となる。
 

 

ここで黒は、へへんそんなのわかってるよーん、とポーンでビショップの道をふさぐのだった。

 

 

この後、白ポーンが黒ポーンを取り除き、それを黒ナイトがさらに奪取。

こうすれば、白のナイトはビショップの支援を受けられなくなり、赤丸にはねてもキングにただで食われるだけになってしまうのである。

どうしよう?

素直に赤丸にはねるのだった。

ははは

 

 

大喜びで馬肉を食らう黒のキング

 

しかし、次の瞬間、白のクイーンにボコられるのだった。王手だ!

 

 

ぎゃあああー!必死に逃げるキング。

 

 

しかし、クイーンは、中央のナイトを取り除き執拗にチェック。

 

 

結局、クイーン交換強要、そして白のビショップによって黒のキングはぶち56されてしまうのだった。

チェックメイト
 

 

ナイトを捨てて攻撃するという、常識を覆すストラテジーを見通すことができなった黒のキングは、ろくにゲームも始まっていないうちに頓死。ナイトを取るということをプライオリティにしてしまったために、もっと優先すべきキングの安全がほにゃららになってしまったのだった。

ははは

 

 

B17と97重爆の性能比較をしていて、サクリファイスという言葉が脳裏に浮かび。

唐突かもしれませんが、本題に入るのでした。

両者ともに、日米の国運をかけて製造した爆撃機です。

B17は四発。97重爆は双発。

パブリックドメイン
 

https://www.yaplakal.com/forum7/topic1784616.html
 

日本は四発爆撃機を実用化できなかったので、非対象に見えるがこうしないと比較できないのです。

この時点で日本側が不利にみえますが、マニアの間で流通している情報は

◎日本は装甲(他重量物)を外して、双発でも4発とかわらない性能を実現した。

要するに、B17は四発の内二発が防禦装置(機銃と装甲)を運ぶために割かれてしまっており、爆撃機としての飛行性能は残りの二発が担っているので、言い換えれば、二発だけでも爆弾搭載量とかの攻撃力だけなら何とかなるという考え。

97重爆のエンジン。1500馬力 https://harley-shovelhead.com/blog/?p=9184
 

 

その結果防御力の全くない「ワンショットライター」になってしまった、という意見です。ライターで有名なのは一式陸攻ですが、B17に比べたら97重爆も似たようなものである。

そもそも、どのくらいの爆弾を積めたのか?

97重爆:1000キロ。重爆だけあって、飛行機に1トンの重量物を乗せるというのは、確かに離れ業である。

B17:5800キロ。

えつ。。。。

やっぱり四発は双発に比べて飛行性能(爆弾積載量)も格段に向上するのだった。

というわけで、二発でも防禦を犠牲にすれば。。。という説は成り立たないことが明らかに。

B17が1機あれば、97重爆の5機分ですからねー

資源がたりない!効率化だー!と言っていた日本こそ、四発爆撃機を量産すべきではなかったのか?

滑走路が整備できないとか、一機の飛行機に四発もエンジンをのせる工業力がないとか、それなりに事実ではあるのですが、単純に積載量1000キロの双発爆撃機2機より、積載量5800キロの四発機1機の方が同じエンジン4発で3倍近くの爆弾を運べるわけですからねー

B17のエンジン。1200馬力。https://mx.pinterest.com/pin/4925880837368057/
 

 

こんがらかったか?

97重爆はエンジン1基あたり爆弾500キロ

B17はエンジン1基あたり爆弾1,450キロ

パイロットや航法通信士、銃手、機銃の数も、実は同じように、双発機2機を作るより四発機1機の方がエンジン当たりの数が重要な節約になるのだった(上の例では実質半分)。

航続距離もB17の方が上です。スピードはどっこいどっこいだが、防御力は言うまでもありませんよね?

結局、日本は、上の黒キングのように、プライオリティを間違えて、みごとにやられてしまったのである。

では、アメリカは何をサクリファイスしたのか?

それが「巴戦」

と書くとちょっと強引ですが、要すれば日本が格闘戦のできる戦闘機を雲霞のごとく作ることに血道をあげていた時に、アメリカはちゃっかり、いかに最短コースで爆弾を日本のライフラインの頭上に降らせるかという方向でプライオリティを設定した。

たしかに、護衛戦闘機を一時的ではあれサクリファイスした。でも、爆撃機自体が不死身なので、戦争遂行という点では見事に大当たりし、日本(ドイツも)の主要都市は灰燼に帰してしまった。

日本が世界に誇る零戦ですが、いくら格闘戦に強くても、それ自体では戦争には勝てないのである。

B17はまっすぐに飛ぶことしかできない、というか爆撃機なのでまっすぐに飛んで爆弾を正確に落とす必要があるのですが、そうゆう爆撃機を迎撃するためだったら、はっきり言って格闘性能なんて全く必要ないのだった。

零戦はP35,36,37,38,40, 47,400,51,F4F,F4U,F6Fとバタバタ落としました。でも、繰り返しますが、落としたこと自体が敵のライフラインを爆砕して機能マヒさせたかというとぜんぜんそうはならないのである。

日本は対戦闘機戦闘で制空権を取って、それから。。。というなんかまだるっこしいほうに血道をあげてしまったため、B17が雲霞のようにやってきて、戦闘機用の7.7ミリでは当たっても落ちないし、20ミリが当たる至近距離まで行く前にB17のブローニング防火機銃でやられてしまうという悲惨なことになってしまった。

これが格闘戦至上の軽戦闘機ではなく、ブローニングを跳ね返す装甲と、13ミリ以上か?B17に通用する武装を持った重戦闘機だったら。。。

重戦闘機の例。P61(パブリックドメイン)
 

 

結局1万機以上零戦を生産する意味はあったのか?ということです。

それだけ栄発動機(火星発動機)を作れるんだったら、B17みたいな「殺しても死なない」四発の重爆をもっと作れていたのでは?

広大な太平洋をまたいでアメリカに戦略爆撃できるか?という、いつもの反論はありますが、それこそ、行くぞロンドンワシントン!と、デトロイトやロスアラモスを火の海にしてやるぞ!というふうにプライオリティを置くことができなかったのか?と考えるのです。

P51にしても、実は格闘性能はそれほど。。。でも、爆撃機に降ってくる零戦にくらいついて、爆撃機から引っぺがしたら任務完了。あとは急降下でさようならーという感じで、アメリカは戦闘機なんてあくまで補助、脇役と割り切った。

結局、日本は見かけのフライオリティすなわち「格闘戦で制空権を獲得」で自らをだましてしまい。開戦初頭に米英の戦闘機勢力を一掃したが、そこで軍部も責任を果たしたと安心し、思考停止してしまった。

アメリカは、そんなことより日独のライフラインを破壊だ!と、戦略爆撃に血道をあげ、戦闘機がまだ工場で生産中のところをせん滅してしまった。

日米比較の記事だと、いつもこの結論になってしまうのですが、結局日本はまず「何を成果とするのか」を決める能力をつちかうことが必要である。

だれも何も決めない、決められないままにずるずると日中事変から太平洋戦争にずれ込み。バッファローを何機落としたとか、戦争の帰結に直結しないポイント的な成果の羅列をして自らだましているうちに、アメリカは零戦の飛べない超高空から日本の主要都市に侵入し、最後は原爆二発で戦争に決着をつけてしまいました。

山本元帥が、あともうちょっとだけ日本人離れしていて、近衛文麿さんに「勝てるの?」と聞かれたときに「狂ったかクズ野郎?勝てるわけないだろう!」と明確にエッセンスを直答していたら。。。。あたら「私は軍人です。やれと言われれば1年や2年は大暴れして見せますが、その後は全く自信を持てません」なんて、いかにも日本人的な「勝てないと言いたいが直答しないので聞いているオマエの方で忖度してわかってくれ」みたいな回答をしたため、近衛さんのほうでも自分に都合よく解釈し。。。。その後は原爆に至る地獄に落ちてしまった。

3000字を超えました。脈絡のない投稿ですみません

行くぞロンドンワシントン http://www.warbirds.jp/heiki/50000.htm
 

 

ではでは

 

Posted by 猫機長
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こんな飛行機に乗っています

どんな飛行機に乗っているの?とよく聞かれます。

小さなLSAに乗っています。と答えるのですが、みなさんそこで一瞬フリーズします。

LSAってなに?

軽い軽飛行機のことです、と小学生みたいな、でも真実そのものの説明をするのですが、みなさんはいよいよ、(・◇・)????となるのでした。

というわけで、軽い軽飛行機ってなに?ということの説明を試みます。

例えば零戦はこんな飛行機です、と説明するのにグラマンと比べると説明しやすいように、なんか僕の乗っている「RANS COYOTE(以下こよーて)」と比較するいい飛行機がないかなーと思ったら、ちゃんとありました。

その名も「パイパースーパーカブ」

ともかく、外見だけでもまずは「こよーて」と「スーパーカブ」を比べてみましょう

こよーて(上)とスーパーカブ(下)https://www.airliners.net/photo/Untitled/Piper-PA-18-150-Super-Cub/1112500
 

 

なあんだ、両方ともセスナじゃん。

いやいや、セスナに似ていますが、セスナじゃないんですよ。

こんがらかるので、とりあえずセスナは忘れて、両方ともセスナみたいな高翼のチープな単発プロペラ機、と理解いただければよいと思います。

 

なぜスーパーカブを引き合いに出したか。

ひとこと「世界のだれもが認めるこれ以上ない名機」だからです。レファレンスとなる名機に比べられれば「こよーて」も光栄なり、という意味で、お手本としました。

ちなみに、「名機」の定義は人により異なり。零戦は駄作だがF6Fは最高の名機だ、という人はまさかいないでしょうが、いたとしてもそれはその人の勝手です。

でも、スーパーカブについては、飛行機乗りならだれでも「世界の名機」と称賛を惜しまない飛行機なのです。

飛行機乗りでスーパーカブを名機だといわない人は、はっきり言って自分で何らかの飛行機を操縦して空を飛んだことのない人でしょう。

 

というわけで、比較いってみます

実は、「スーパーカブとこよーてを比べてみい」とGoogleジェミニに聞いた内容ですが、なるほどこよーてについてはなかなかうなづける内容であり、スーパーカブについてもみなさん知らなかった!なんて発見もあるとおもうので、面白おかしく編集しますが以下の通りです。

                                      

 

質問:スーパーカブの飛行特性とRANS Supercoyote(ES Wing)の飛行特性はどの程度違うでしょうか

 

回答(下線部分が回答そのもの。その下におもしろ解説です):

「スーパーカブ(Piper PA-18)とRANS S-6スーパーコヨーテ(ES Wing)の飛行特性は、外見上のカテゴリー(高翼式)は同じですが、機体重量、制御応答性において大きく異なります。

S-6スーパーコヨーテは、PA-18よりも軽量で軽快であり、特に操縦の応答性(ロールレート)が速いのが特徴です。」

へえええー!こよーてのほうが敏捷だった?

 

 

 

機体重量(空虚重量)

スーパーカブ:450キロ

こよーて:270キロ

重量差:1.66倍

 

あれ、どこかで見たぞ?この数字をだいたい10倍にすると。。。。(全備重量)

グラマンF6F:5,704キロ

零戦:2,733キロ

重量差:2.08倍

 

ええええー?、カブってそんなに重かったっけ?零戦とグラマン、まではいかないにしても、それにちかいじゃん?

いかにこよーてが「ひ弱なひょろっ傑」かということが浮き彫りになってしまった。だって、スーパーカブだって「軽い飛行機の代表選手」ですからねえ。。。

コヨーテに乗るのが怖くなってしまいました

 

気を取り直して、制御応答性です。

「スーパーカブ: 構造が頑丈で重く、制御系統が伝統的なため、操縦感覚は重く、ロール(横転)の応答は比較的穏やかです。乱気流の中でも安定しやすく、パイロットの操作に対する許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)です。

RANS S-6 (Rotax機): 複合材や軽量な構造材を使用し、エンジンも軽いため、非常に軽快で応答性がクイックです。特にエルロンによるロールレートが速く、空のスポーツカーのような感覚です。しかし、機体が軽いため、乱気流や突風に対してPA-18より敏感に反応し、常に積極的な操縦(”Fly the plane”)が求められます。」

 

「頑丈で重く、制御系統が伝統的」ってなにを言いたいんだジェミニ?

いろいろ更問したら、だいたい以下の通りになった。

◎スーパーカブのほうは、グライダーを引っ張ったりとか力仕事も多いので、こよーてと同じ鋼管布張りでも、鋼管の肉厚が違った。

◎制御系統もケーブル主体で、こよーてがコンロッドを多用しているのに比べ昔ながらの仕様です

ということらしい。

ふむふむ興味深いですねえ。

コヨーテのコンロッド
 

 

いきおい「操縦感覚は重く、ロール(横転)の応答は比較的穏やか」というのは理解でき。

一方「乱気流の中でも安定しやすく、パイロットの操作に対する許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)です。」というのはちょっと?

あくまで、こよーてに比べて、ということなんでしょうねえ。だって、確かにコヨーテの倍近い重さがあるにしても、カブみたいな小さな飛行機が「乱気流の中でも安定」なんてありえないですよねー

さらには「許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)」に至っては、取りようによってはスーパーカブへの侮辱になりかねないので、ちょっと補足します。

そもそも、カブというのは「決して操縦の優しい飛行機ではない。しかし、三舵のバランスがよくて、ちゃんと操縦ができる奴なら、自分の手足のように動いてくれる。カブで学んだ飛行機乗りは基本がしっかりしている」(高橋淳さんというジェネアビの神によるご意見の受け売り)ことから、許容度とか破綻しにくいとかだとセスナになるとおもいます。

 

おっとまたセスナだ。今回の記事ではセスナは忘れて、ずんずんカブとの比較いきます

「RANS S-6 (Rotax機): 複合材や軽量な構造材を使用し、エンジンも軽いため、非常に軽快で応答性がクイックです。特にエルロンによるロールレートが速く、空のスポーツカーのような感覚です。しかし、機体が軽いため、乱気流や突風に対してPA-18より敏感に反応し、常に積極的な操縦(”Fly the plane”)が求められます。」

どん亀のこよーてを「空のスポーツカー」と言ってくれてありがとうジェミニ!

感動しました。うるうる。。。。

確かに、スーパーカブに比べてもコヨーテは乱気流に弱い、まっすぐ飛んでくれん、というのはわかった。でも、エルロンによるロールレートがいいというのはやっぱりうれしいでつねー一方で、スーパーカブがフォワードスリップで着陸してくるのをみると、戦闘機みたいなキレがあり。やっぱりカブ乗りは神だなーと感心するのでした。

カブのフォワードスリップ

こちらも神着陸→https://www.youtube.com/shorts/0bz7Wt2EfPE

 

 

あと、両者の大きな違いがエンジン。

エンジン以前に、こよーてはエンジンフードが複合材「ガラス繊維」でずるっこ成型しています。スーパーカブのほうはアルミニウム合金。

「スーパーカブ: Lycomingエンジンは低速・高トルクが特徴で、固定ピッチプロペラ(または改造可変ピッチ)と相まって、低速でのパワフルな引きを提供し、STOL時の力強さにつながります。巡航速度は控えめです。

RANS S-6: Rotax 912エンジンは、その軽さから機体のSTOL性能向上に貢献しつつ、スーパーカブに比べて高回転型です。これにより、スーパーカブとほぼ同じか少し速い程度の巡航速度を発揮でき、移動性が向上しています。」

 

このへんはこよーてのほうがメンテがしやすいとの理解。一方、高回転型でエンジンの作動はなめらかですが、プロペラ回転に合わせるために減速歯車を噛ませる必要があり。この歯車がほにゃららになったときに何が起こるかはこちらをご参照→頓死するところでした

 

この記事に書いていなかったところで、カブとこよーての最大の相違点は、カブが尾輪式であること。こよーてのほうは前輪式、尾輪式とあり、ぼくの乗っているのは前輪式ですが、尾輪式に改造しようかな、なんてたくらみも持っています。

 

 

飛行機ごっこから本物のスポーツとしてのフライトへ進化する関門の一つに、尾輪式を乗りこなせるかどうかがあり。でも、カブに比べても安定性がないといわれてしまったこよーて。おとなしく前輪式のままにしといたほうがいいかも。。。

 

ではでは

 

Posted by 猫機長
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軽飛行機のエンジンについて

軽飛行機といっても、きょうび実機とLSAに大別され。この記事ではLSAすなわち軽量スポーツ航空機のエンジンについてです。

LSAは、大体がライカミング系の「恐竜エンジン」か、ROTAXの「創作料理エンジン」に分かれます。

恐竜系は、第二次大戦のさらに前の30年代からのクラッシックな飛行機たちに装着されたエンジンを、ほとんどそのまま現在も継承しているもの。LSAが生まれる以前の実機はほぼすべてこれで、日本のエアロスバルもライカミングのエンジンを積んでいます。

エアロスバルhttps://trafficnews.jp/post/121378
 

 

エンジンhttps://a15ff11300g.sakura.ne.jp/miniature%20car/nichimo%20fuji%20FA-200%20aerosubaru.html
 

 

航空業界というのは、最先端技術をふんだんに取り入れているようで、実はものすごく保守的でもあり。

その辺を飛行していて、あれエンジンの調子が?、というときに、車と違って路肩に駐車、なんてできない飛行機は、エンジンもともかく壊れないで回ってくれるということが最優先され。

それには、やっぱり実績のあるエンジンが。。。ということで、恐竜エンジンが今日も重宝されています。

いつぞや、ルマン24時間耐久レースでなかなか勝てない日本のメーカーチームが、血眼になってなんとかインジェクションとかかんとかシステムとか、イノベーションを盛り込んだエンジンを送り込み。でも結果は途中で故障してリタイヤとなってしまった。

ポルシェは全然リタイヤしないで最後まで逃げ切るよね?というわけで、こっそりというかポルシェのエンジンを購入してばらしたら「その古めかしさに驚いた」そうです。

要するに、なんとかインジェクションなどの、変な創作を入れないから、シンプルで壊れないエンジンになっていたのですね。。。。

飛行機、特にそれほど性能とか高いものは要求されない軽飛行機で昔ながらのコンチネンタルやライカミングが珍重されるのもこれでお分かりと思います。

一方、いつまでも古い技術のままだと、新たな時代の新たな要請にはなかなかこたえられなくなり。

ライカミングエンジンが生まれた1930年代後半では、「ハイウエイを走ることのできる高速車」としてVWかぶと虫がデビューしています。当時時速80キロというのは夢の超特急だったのですねー

ところが、2024年の今日では、速度制限が120キロ、実際はもっと速く走れるよ、という車がふつーになり。

速度を至上命題とする飛行機が、高速道路の上を飛んでいたら眼下で車がぶんぶん追い抜いていきました、というのでは困る。

というわけで、えいやーとイノベーションに舵を切ったのが「創作料理系」すなわちLSA軽飛行機です。

LSAの場合、エンジン以前に、30年代にはなかったコンポジット素材などで機体の軽量化を達成したりとか、エンジンについても高回転で滑らかに回し、減速機で適度に落としてプロペラにつないだり、半水冷式にして冷却効率を高めたりとか、エンジンの重量自体も「恐竜」に比べ減少となりました。

この結果、軽量のエンジンで軽量の機体を引っ張るので、馬力は少なくしても恐竜エンジンを積んだ実機とそん色ないか、上回る性能を持ったLSAがじゃんじゃん生まれています。

安全面はどうなの?ROTAXは、創作系ですがガソリンと潤滑油さえ切らさなければともかく回ってくれるという「百姓エンジン」で、恐竜もびっくりの耐久性を持っています。

では、なぜ恐竜系が駆逐されないのかというと、LSAは機体が軽すぎて安定性に欠け、特に着陸時にちょっと乱気流が吹くとめちゃくちゃ揺さぶられて着陸が困難であるという残念な特性があるので、ずっしりした古典的な実機(最近は「認証機」という呼び方もある)もまだまだ人気なのです。

ぼくは貧乏人で実機を維持する(要すれば税金を払う)お金がないのでLSAに乗っています。

そんなLSAのエンジンをちょっと覗いてみると。。。

まず、こんな飛行機に乗っています。

 

 

そのエンジンは、こんな感じ

巨大なラジエーター。ぼくの飛行機はアンティークなのでこんなですが、きょうびのLSAはぐんと小さなラジエターになっています。
 

 

エンジンヘッド。プラグの上に、冷却水の取り入れ管がついているのがわかります。オレンジのは潤滑油の配管にまかれた遮熱シートです。
 

 

 

プロペラシャフトに接続した減速機。ライカミングとかは減速機なしで直接プロペラ軸に接続されています。
 

 

減速機と作動原理。赤い色の部品が摩耗してやばいことになった記事についてはこちら→プロペラシャフト
 

 

オイルクーラー。ここから先は恐竜系も創作系も似たような部品になります。
 

燃料系。まずはガスコレイターから

この部品は、飛行機の最も下になる部分に設置され、重力でガソリンと分離されて落ちてくる異物や水をキャッチし、排出弁で機外に放出するもの。排出弁すなわちドレン弁は、毎回飛行の前に開いて異物を吐き出させます。
 

 

ガスコレイターを通過したガソリンは2つのガソリンポンプを経由してエンジンへ。写真の四角いのは電気ポンプであり、離陸上昇時の高負荷の場面でONにして、水平飛行に移ったらOFFにします。
 

機械式ポンプはこちら。電気ポンプと違い、エンジンが回っている限り常に作動します。
 

 

電気ポンプを経由して上がってきたガソリンはT字管で分岐されて、左右のキャブレターや燃圧センサー、余剰燃料のリターンの配管に向かいます。
 

 

点火系のCDIモジュール。恐竜はもっと古典期なコイルかも?
 

 

キャブレター。ROTAXはツインキャブです。恐竜はエンジン下部に一つ装着がスタンダード。
 

 

上の図の➁が左右のキャブレターです
 

 

エンジンとは直接関係ないけれど、ブレーキフルードのタンク。実態は自動車用のパワステオイルを流用しています。ブレーキシューの摩耗とともに液面低下しており、継ぎ足しが必要です。
 

 

軽飛行機購入後数年(実は7年)、ガソリンの配管を交換しました
 

 

ではでは

 

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軽飛行機のメンテあれこれ

「こよーて」という小さな飛行機に乗っています。

 

エンジンの整備とかは専門のエキスパートにやってもらっていますが、日常の点検整備はオーナーがやる必要があり。そんなちょっとしたメンテについて記載してみます。

◎ラジエターの水位確認

半液冷すなわちエンジンヘッドが液冷で、シリンダーが空冷のROTAXエンジン。液冷の部分がある以上ラジエターもあり、クーラント水の確認が必要です。

エンジンカウル上部にある点検口を開き。。。

 

 

ラジエターキャップを外します。

 

 

写真の給水口右側に、リターン用の穴が開いているのが見えるでしょうか?(下の写真では赤丸の部分)

 

 

普段はキャップからゴムパッキンがコイルばねで押さえつけるようになっているのですが、ラジエター温度が上昇して、危うしラジエタ―!爆発か!のちょっと前に、水蒸気というか、熱くなったクーラントの圧力でばねが押し上げられ、リターン用の穴から蒸気を逃す仕掛けになっています。要すれば圧力鍋の安全弁みたいなものである。

キャップを裏返したところ。

 

 

本当は定期的にチェックすることになっているのですが、飛行するごとにキャップを開け閉めなってしているとパッキンもバネも傷んでしまうので、計器盤の水温計、水圧計を常時チェックし、夏の暑くなってきたときには確認頻度を増やすようにしています。

逆に頻度が低すぎると、今度はリターンから蒸発していくクーラントの量が補充より多くなってしまい、やばい気泡発生などの原因になるので、頻度は多すぎず少なすぎず、計器と外気温度とのにらめっこで、なかなか神経を使います。

アンティークの旧機なので、ラジエターも巨大です
 

◎風防の洗浄

車に比べると、意外に汚れの少ない軽飛行機の風防ですが、やはりちょくちょく洗う必要があり。

しかし、車のようなガラスではなく、アクリル樹脂(プレキシグラス)なので、ちょっとでも雑な洗い方をするとたちまちすりガラス状になってしまい。

鬼教官伝授の洗い方は、

まずは水で流す。でもエンジンとかに入らないよう、静かに少しづつ。。。と神経を使います。
十分に埃が流れたら、自動車用のワックスをかける。
ここが秘伝ですが、水洗いにしろ、ワックスがけにしろ、「手でする」。布などは厳禁。
いったんワックスがけしたら、今度は「脱脂綿」でふき取ります。鬼教官は「これも手でふき取れ」と言っていますが、ぼくは綿をつかっています。ははは

 

 

いやいや飛行機ってセンシブルですねえ。洗うのも水だけで、洗剤は使いません。万一のアクリル樹脂の変色やひび割れを防止するためです。ワックスも「Grand Prix」だけで、他のは使いません。

日本でも売っていれば、広告料を取れたのに。。。。無理か。
 

 

◎タイヤと車輪

ホームセンターで売っている中国製のコンプレッサーを使って空気圧を調整

 

 

あと、ホイールのねじがちゃんと締まっているか確認。

 

 

これを忘れていると、ねじが外れて飛んで行っちゃうことあり。いちおうスペアのねじを複数持っています。

意外と小さなねじ。
 

 

◎ブレーキ関連

軽飛行機のブレーキはペダル操作で作動します。

 

 

このペダルが、なかなか妙味があり。

ペダルの上端を踏み込むとブレーキが利き。下の方を踏むと方向舵と前輪が動くようになっています。

赤丸を踏むとブレーキが作動。緑が方向舵と前輪のステアリング。
ブレーキを踏むと、青丸のアクチュエーターからブレーキオイルが押し出されて、メインギアのブレーキシューをディスクに押し付けるようになっています。

 

 

アクチュエーターがよくわかる一枚。
 

ここでは、ブレーキオイルが漏れたりしていないかを目視します。

ちなみに、左右のペダルでブレーキは別々に作動します。ぼくののっている軽飛行機は前輪で操舵できますが、操舵できないのもあり、そういう場合は左右のブレーキ加減で地上の旋回を行います。

ペダルとつながっておらず、単に向きが変わるようになっている形式の前輪の例。

最新の飛行機はこうした形式にして重量軽減を狙ったものが多いです。

 

 

◎翼内点検

飛行機の翼には点検口があり。

 

 

ここを開けて翼内における骨組みや張線(ワイヤなど)、補助翼のロッドなどなどに問題がないか確認します。

きょうびスマホがあるので、カメラを穴からくぐらせてかしゃかしゃ撮影でき。助かっています。

というわけで、同じような写真が続きますがご参考まで。

 

他にも、以下書こうかと持ったのですが、ここまでで写真が多数でページ数が多すぎになっちゃったので、別記事にします。

◎ガソリン給油

◎羽布の確認

◎オイルレベル

 

ではでは

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遭難寸前だ!ピレノポリスつづき

以前、ブラジル中央高原の秘境でトレッキングした記事を書いたら、意外に人気だったので、調子に乗って続編です。

でも、遭難とはぜんぜん縁のないほとんど安全そのものの市内観光なので、今回の記事タイトルは単なる行きがかり上のキャッチコピーです。

なぜ「ほとんど」であり「100%」安全ではなかったについては、恐ろしい中国マフィアが関係してくるからです。

さて、前回記事で書いた通り、ブラジルの首都ブラジリアから車で2時間の歴史都市ピレノポリスに行ってきました。

ブラジルでもなかなかの景勝地であり。大自然でトレッキングだ!と「ボンスセッソの滝」を見に行ったのが前回の記事。でも、町そのものがとてもすてきな観光スポットなので、2泊3日の旅の実は大部分は市内観光をしていたのでした。

ピレノポリス市の地図を掲載。

Mapa Pirenopolis | Tô Longe de Casa
 

 

なかなか広いまちであり、今回はこの地図の左半分くらいを徘徊してきました。

画像の右上にあるのがボンスセッソの滝。左の中あたりに空港。
 

 

 

実態上はさらに中心部の旧市街をのこのこ歩き回りました。

 

 

上の地図で、いかにも23個以上の観光スポットがあるように見えますが、例えば⑥は「Pizzaria do Alemao」すなわち「ドイツ人のピザ」という、あまりおいしくなさそうなピザ屋さんだったりします。

要するに、この地図を作成するにあたりスポンサーになったいろいろなお店屋さんの住所を、いかにも観光スポットみたいに、本物の観光スポットに混ぜて記載していたのでした。ははは

 

さて。

始点は④あたりにあるホテル。前の記事でも書いたけど、なかなかいい感じのところでした。

ここから車で5,6分も行くと、かなりの急こう配の先に⑳、⑬、⑯に囲まれたマトリス教会にたどり着くのでした。

 

 

 

「正式名称をノッサ・セニョーラ・ド・ロザリオ教会といいます。1728年から1732年にかけて建設が始まり。ゴイアス州で最も大きく、最も古い建造物の一つとされています。

歴史的遺産の象徴であり、建築や宗教的な価値を超えた重要性を持っています。聖霊降臨祭(Festa do Divino Espírito Santo)など、市の主要な宗教行事の中心地です。歴史地区の中心に位置しており、美しい自然景観に囲まれた、地元の人々にとって非常に大切な場所となっています。(以上ジェミニくん解説)」

 

教会から⑬のほうに行くと、⑬と⑱の間に橋。その橋の隣にジビーノ博物館があり。

外からの写真撮り忘れたので外部リンクから引用
https://www.tripadvisor.com.br/Attraction_Review-g1026887-d4377026-Reviews-Divine_Museum-Pirenopolis_State_of_Goias.html
 

 

 

 

「この街の伝統的な文化と信仰の中心であるFesta do Divino Espírito Santo(聖霊のジビーノ祭り)の歴史と文化を紹介する博物館です。

この祭りは、ブラジル国内でも特に重要な聖霊への信仰表現の一つと見なされ、街の文化的なアイデンティティにおいて中心的な役割を果たしています。

寄贈によって集められた画像、模型、祭りと関連する物品などが展示されており、この街の主要な祭りの背景にある文化を蘇らせています。歴史的な建造物である「Antiga Casa de Câmara e Cadeia(旧市議会議事堂・監獄)」の建物を利用しています。監獄としての歴史もこの博物館の一部となっています。

「Sala dos Mascarados(仮面の間)」では、祭りの中で行われるイスラム教徒とキリスト教徒の戦いを祝う「Cavalhadas(カヴァリャーダス)」という祭礼的な舞踊や仮面に関するものが展示されています。「Sala Geral(一般の間)」では、パストリーニャス、コンガダス(コンゴ系のダンス)、写真、彫刻、模型などが展示され、地元の信仰とフォークロアを伝えています。(ジェミニより)」

 

というわけで、監獄だ監獄だー!と見に行こうとしたら、そちらは閉鎖されており。上の写真の部屋だけが開いていました。一方、無料で見せてくれたっけ?忘れちゃいました

 

 

ジビーノ博物館の角っこからマトリス教会を見るとこんな感じ

 

 

 

上で書いた橋はこんな感じ。その向こうには別の教会が。

 

 

ジェミニ君の説明:「カルモ橋は、リオ・ダス・アルマス川に架かる木造の橋です。街で最も古い橋の一つとされています。カルモ教会は、1750年から1754年の間に建設された、植民地時代の歴史的な教会です。宗教美術博物館 (Museu de Arte Sacra) も併設され、聖なる美術品、祭壇、鐘などが収蔵されており、街の宗教的な伝統や文化を保存する役割を担っています。」

でも、博物館は週末しか開かないよ、といわれて入場できず。泣きました

 

マトリス教会を起点に、⑳のほうに行くと、映画館と演劇場があり。いずれも入り口前を通過しただけで、写真を撮り忘れたので、インタネからの引用ですが、これらもなかなかの観光名所である。

映画館 https://www.agitapirenopolis.com.br/cine-pireneus-31610
 

 

 

演劇場https://agenciacoradenoticias.go.gov.br/47627-obras-do-teatro-de-pirenopolis-serao-retomadas
 

 

 

「ピレノポリスには、注目すべき映画館と劇場があります。

◎シネ・テアトロ・ピレネウス (Cine Teatro Pireneus):1929年にネオクラシック様式で建設され、1936年に改装されてアールデコ様式のファサード(正面)に変更されました。映画館として機能し、後にテレビの普及などで閉鎖。現在は、劇場、映画館、ギャラリー、音楽公演のスペースとして利用されています。

◎テアトロ・デ・ピレノポリス (Theatro de Pirenópolis / Teatro Sebastião Pompeu de Pina): 1899年に建てられた、ピレノポリスの歴史的な建物です。現在は、修復され、劇場として機能しています。(ジェミニより)」

ここから今度は⑬にむかっていくと、地図ではわからないけれどものすごい下り坂になっており。その坂が終わってちょうど⑬くらいで緩やかな上り坂に変わり。通称「Rua do Laser(レジャーの道)」として、夜はなかなかおしゃれなレストラン街になるのでした。

 

 

素敵女子と早速とあるピザ屋にもぐりこみ。四角いピザをたべました。

おいしいけれど味が濃いですねえ。
 

 

ずるっこでジェミニくんに解説してもらいます。「この街で最も人気がある場所です。歴史的なルア・ド・ロザリオ (Rua Nossa Senhora do Rosário)の一角にあり、特に夜間のナイトライフと美食の中心地として有名です。植民地時代の建物を利用した多くのレストランやバーが並び、多様な料理(地元の料理やその他のブラジル料理)を提供しています。

生演奏(ライブミュージック)が行われることが多く、活気にあふれた雰囲気になります。

車両が通行止めとなり、歩行者専用となって、誰もがリラックスして楽しむことができます。

通りにはロマンチックな黄色の街灯が設置され、魅力的な夜の景観を作り出しています。」

残念ながら「地元の料理」は見つけられず。ピザだの焼肉だのブラジルだったらどこでもあるじゃん、みたいなのばっかりだった。

日本食があるよ!ということだったので、行ってみたら、なんか創作料理みたいのが出てきて、ベーコン入りの油ご飯という、そんな日本食あったっけ?チャーハンでもないし。。。。みたいな感じでした。

 

 

素敵女子が生物を食えないので、寿司頼は頼まず。こちらははまともなのがあるみたいです。。。

 

現地の料理はないのか?「レジャーの道」にはなく、監獄(ジビーノ博物館)をちょっとすぎた、23(〇がでてきませんでした)の場所にある大衆レストランで「Carne de Lata」を発見しました。日程の都合上食べる時間がなかったのですが、確かにおいしそうだった。たちまちメタボになりそうだけど。

 

Carne de Lataは、日本語にしたら「缶詰の肉」ですが、いわゆる工業製品の缶詰ではなくて、ラード(豚の油)に牛だのブタだの鶏だのの肉をぶち込んで、缶の中に密閉したらこうなった、みたいなやつである。

 

食い物もいいが、ピレノポリスは実は当てもなくうろつくのが一番いい町であり。

以下、3000字を超えてしまったので、ばらばら写真を添付しときます。

 

 

ではでは、と書こうとしたら、終わる前に、そうだ中国結社だった。

さっきの映画館、劇場の近くに、ブラジルならどこにでもあるかんじの大衆食堂があり。バイキング形式でいろいろな料理が並べられているのを、好きなだけ皿に盛って、盛った食い物の重さで支払う「量り売り」形式のやつ。

レストラン自身は「ここには中国人がいなくてすがすがしいねー」だったのですが、壁に飾られている装飾を見てびっくり

 

 

「春満江南 祥古富貴」ですか。

古来より富貴なり江南、今春爛漫なり。。。というと、洪門か青幇か?パラグアイでなにかあって、ここなら追手はくるまい、と逃れてきたのかもしれません。

レストランのオーナーはふつーのブラジル人のおばちゃんで、中国人とは一切関係ないよーとのことでした。巨大な扇についても、ゴイアニア(ブラジル高原部の商業都市)で買ってきたよーとのことであり。

素敵女子ともどもハチの巣になって発見される、というのもいやなので、それ以上は詮索しませんでした。ははは

ではでは

 

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エンジンフードのお話

人間生きているといろいろな目にあい。ポルシェ356Aのいいかげんなレプリカに乗っていますが、ブレーキが壊れて「4ぬかと思った」みたいな体験もしながら、あちこち修理して乗っています。

ほかにもエンジンをほとんど再製造する羽目になったとか、電気部品が壊れてはてしないエンコが続いたとか、そのたびになんとか修理して、やっとまともに走ってくれるようになりました。

ブレーキ故障についてはこちら→「4んだかもしれん」

エンジンについてはこちら→「オイルだだ洩れ」

電気部品についてはこちら→「えんこ」

なかなかかわゆいポルシェ
 

 

さて。

いいかんじにエンジンとかが動くようになったら、それまでは目につかなかったところが気になるようになり。

それが「エンジンフード」

かぶと虫とポルシェのエンジンフード
 

 

リアエンジンなので、エンジンフードも後ろです。
 

 

かぶと虫はフードのそのものの外側に取っ手と鍵があり。ポルシェの方は車内からレバー(ケーブル)で開閉するタイプ。ドロ(悪人)に対する安全性や見栄えはポルシェの方がいいけれど、メンテンナンスが大変なのだった。

ぼくの乗っているレプリカは車体全体の作りこみがいい加減で、本来ならば鉄板一枚のエンジンフードが、無駄に分厚いFRPでごまかしたため、それほど大きくはないパーツなのに、機動隊の盾もびっくり、それこそ金庫のドアみたいにずっしりとなってしまいました。

そのエンジンフードを、やれ電気系統だやれキャブレターだ、とひっきりなしに開け閉めしていたため、ロック機構を引っ張るケーブルが切れちゃいました。

しかたなしに、これもぶちぎれて使用できなくなっていた廃品のアクセルケーブルで代用していたのですが、メカニカルは一巡して修理完成したので、いよいよこっちも。。。と、勇躍部品屋さんに向かい。

 

むりやりアクセルケーブルで代用していました
 

ポルシェと言っても部品はほとんどかぶと虫。でも、上で書いたとおり、かぶと虫は直接エンジンフードの取っ手で開閉なので、こちらはかぶと虫派生の「VWブラジリア」のトランクフード用のケーブルを流用していました。

ブラジルでしか生産していなかった「ブラジリア」
https://motortudo.com/volkswagen-brasilia-1976-lideranca-absoluta/
 

 

ケーブル https://soccolbarbieriecialtda.mercadoshops.com.br/MLB-3770142954-cabo-capo-vw-brasilia-completo-1714-_JM
 

 

さて、ケーブルを購入したはいいが、この先端にねじ止めする取っ手というかボタンを購入しようとしたら、あれ品切れじゃん?

仕方なく、部品屋のおやじといろいろねじの直径が合うやつを探し。

ライター用のボタンになっちゃいました
https://www.bunnitu.com.br/menu-de-carros/fusca/botao-do-acendedor-painel-vw-fusca-kombi-brasilia-variant-passat
 

 

なんかへなへなとたよりないボタンだなー、まあ作動には問題なさそうだからいいや。

さて、こうした旧車・怪車の部品を売っているような怪しい店の前には、ふつー流れ者の工員がたむろしており。酒を飲んだり、段ボール箱かなんかを机にドミノをしていたりするので、部品屋のおやじにちゃんと仕事できそうなやつを一人紹介してもらい。

部品屋の前で早速交換しました。

「Auto Pecas」が部品屋さん。駐車場に、勝手に車をばらしたりとか、思いおもいに流れ者のメカニックが、部品屋からのお客をつかまえてシノギをしています。
ちなみに、部品屋の左隣の「Puro Pano」は反物屋、右隣の「Otica」はメガネ屋です。
 

 

歩道の上に勝手に作業台をつくっているのだった。
 

 

さて、問題はケーブルではなく、ケーブルの先に設置したロック機構であり。

幸いこちらは交換する必要はなかったのですが、がちゃがちゃと調整すること2時間余、なんとかちゃんと開閉できるようになりました。

アルコールで拭きまくったけれど、まだライターの絵が残ってしまいました
 

 

これでなんとか開け閉めはできるようになったエンジンフード。でも、上で書いた通り、重い重いFRP製のまがい物なので、開けたはいいがとにかく重くて。。。と、つっかいぼうを入れておかないと開いたままの状態にできなかったのでした。

ポルシェ台無し。ははは
 

 

そこで、飛行クラブの管理人で、なんでも屋のお兄ちゃんに相談してみました。

おにいちゃんいわく、確かにバカみたいに重いが、うまく適切なダンパーをかませれば開いたまま維持できるじゃね?

そこで、1個余っていたコヨーテ(自家用機)用のダンパー(ドアの開閉用)を使い。フードの重さをうまく中和?できるような支点をブリキ板で自作して、てきとーにねじ止めしたら、うまくいきました。

軽飛行機コヨーテ
 

 

コヨーテのドアとダンパー
 

 

ポル公に試着してみたところ
 

 

ところで、上の方の写真の、空気取りいれ口グリルの中に写っている緑のへんな物体は何だ?

 

 

これは、雨がエンジンの電子部品(ディストリビュータ、Hallセンサー)に振りかかり、ショートを起こすのを防ぐための「水よけ」なのです。まあ傘みたいなものですねえ。

 

がんらいツインキャブだったエンジンを、整備の簡易さからシングルキャブに替えてしまったため、純正の「水よけ」だとキャブのフィルターに干渉してフードが閉まらなくなっちゃうので、そのへんの文房具屋さんで買ったプラスチック製のファイルバッグでいいかげんに空気取り入れ口に縛り付けておいたら、効果てきめんだったのでそのままにしていたのです。

でも、フードにダンパーを入れたりとか、ここまでくれば、この「水よけ」ももっとかっこいいのに替えたくなりますよねー

よしよしてきとーに自作してやろう。このていどならぼくでもできるよーん

新たなファイルバッグを購入。

透明ちっくなのが今回購入したもの。緑のは上の写真の「水よけ」材料と同じものです。
 

 

両面テープも使い。切ったり貼ったりしたら、こんなふうになりました。

透明のクリアファイルで、なんか高級ちっくになりました
 

 

 

 

その後、幸いオーバーヒートもなく、無事に走っています。

 

 

おまけ

エンジンルームに入り込んでDIYのじゃまをするクズネコ
 

 

ではでは

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無尾翼機のお話

以前、主翼と尾翼の間にある、切っても切れない恐ろしい腐れ縁について書きました。

記事はこちら→誰が尾翼をそうさせたか

 

飛行機というものは、主翼で揚力を得て空高く肥ゆるじゃなかった上がっていくことができるのですが、主翼だけではだめで、尾翼があってはじめてきりもみだのなんだのに入らず、フツーに飛ぶことができるのでした。

この場合、主翼が上向きの揚力を生むともに、飛行機をまっすぐ飛ばす安定性を得るために、尾翼では下向きの揚力を発生させて釣り合いを取っています。

https://radizetsu.blog.fc2.com/blog-entry-1261.html?sp
 

でも、尾翼なんて、飛行機が大嫌いな重量物、空気抵抗でまくり、かつ、せっかく主翼が作った揚力の一部を削減させてしまう、飛行機からみれば、パイロットの次に役立たずな、ただのごみじゃん、であり。

尾翼がなくても飛べる飛行機ってないのかなーというのが、意外と関係者間でまじめに研究されてきました。

その結果、ちゃんと無尾翼機とか、その仲間の全翼機とかで実用化されるまでになっていたのです。

一番有名なのがB2爆撃機。

https://www.flugzeuginfo.net/acdata_php/acdata_b2_en.php
 

 

でも、これは機体の安定のために相当コンピュータ制御に保っていると思われ。

そういうずるっこなしに、フツーの飛行機と同じくらい静的・動的安定のある無尾翼機ってないの?

パイロットが細心の注意で操縦すれば。。。というのならあるらしい。

例えば、Me163とかノースロップのN9とか。

Me163  https://forum.finescale.com/t/the-original-egg-plane-messerschmitt-me163-komet-testors-ex-hawk-1-48/257370
 

 

ノースロップN9 https://planesoffame.org/aircraft/plane-N9MB
 

 

無尾翼機がちゃんと存在していることはわかりましたが、どうやって尾翼なしで飛ぶのか?

それは、無尾翼機がへんな主翼を持っているからなのです。

どんなふうにへんなの?

まず、フツーの主翼はこんな感じ

全翼機の世界(全翼機とはなんだ(その2))
 

 

ご覧の通り、空力中心は翼を上に引っ張ろうとするし、重心下に引っ張るので、両者の場所が一致していない以上、翼はくるりとバランスを崩して回転しそうになってしまい。

安定どころではないのであった。

でも、尾翼の代わりに、主翼自体に下向きの揚力を発生するようにしたら?

S字キャンバー翼(反転キャンバー翼、あるいはプランク翼)というのが発明され。

翼型の種類と特徴 ー ライト兄弟の飛行機から現代の旅客機まで | 鳩ぽっぽ
 

 

この画像にある翼型のしっぽというか、とんがった先端あたりに注目ください。一番上のように、ぴゅっと上向いていたり、あるいは翼の下面が先端近くで水平尾翼みたいに下側に膨らんでいるのがわかると思います。

ううむわからん?という人に、S字キャンバーではないフツーの翼型(の一例)派こんな感じ

翼型の種類と特徴 ー ライト兄弟の飛行機から現代の旅客機まで | 鳩ぽっぽ
 

 

つまり、フツーは翼下面は平べったくて、上に膨らませて揚力を発生しているのだが、S字キャンバーは、後端を跳ね上げるか、あるいは下(先っぽ)にも膨らみを持たせるとかして、後端では下向きの揚力が生じるようにしたのであった。

こうすれば、翼前縁から中央とか、要するに大部分は飛行機を空に押し上げる上向きのプ揚力を生み。一方、後端のちょっとした部分で、翼がつんのめらないために必要な下向きの揚力を生み出して、水平飛行を可能としたのである。

へええええー!頭いいねえ。

こうしたプランク翼の典型にファウベル滑空機があります。

ttps://www.flickr.com/photos/125284960@N05/15109484278/in/photostream/lightbox/
 

 

なかなかかっこいいというかかわゆいというか、これを飛ばしていて操縦不能に陥ったという情報はでてこず。いがいと操縦が楽しいグライダーじゃね?

ちなみに、Me163や、無尾翼機じゃないけど「震電」もグライダーでプロトタイプを作り、いずれもとても操縦性がよかったとのことなので、無尾翼というのはグライダーにはむいているのかもしれん?

グライダーの場合は、燃料といった、機体の挙動によって重心が移動してしまったり、消費されるに従って重心点が変わっちゃった、というパーツがないので、無尾翼機みたいに重心移動にものすごくシビアな機体にはうってつけなのだそうである。

震電のグライダー型プロトタイプ 。正式名称は海軍空廠 MXY6 前翼型動力付滑空機 https://kcraft.biz/?pid=136910246
 

 

そのうち、ふつーの矩形翼よりも、後退翼の方がモーメントアームを稼げるんじゃね?ということに気が付き

ttps://www.flickr.com/photos/rkc01/28707741500
 

 

https://fdra.blogspot.com/2014/05/ala-voladora-northrop-n-9m-usa.html
矩形翼つまりまっすぐな翼のFauvel(上)と、後退翼のノースロップ(下)
 

 

モーメントアームというのは、がんらい尾翼のある飛行機の概念であり。要すれば主翼と尾翼の間の距離のことである。この距離が長ければ長いほど小さな尾翼でも安定できるという理屈なのであった。

https://radizetsu.blog.fc2.com/blog-entry-857.html?sp
 

 

つまり、後退翼にして、胴体近くは正の揚力を生むようにし、先端つまり空力中心より極力離れたところでこんどは不の揚力を生むようにすれば、ふつーの飛行機とはいかないまでもそれに近い感じにできるんじゃね?

全翼機の世界(全翼機とはなんだ(その2))
 

リピッシュという機体などで、こちらの発展を見ることができます。

上記の図では、翼の先端に「ねじり下げ」といって、ほとんど尾翼みたいな翼型になっているのであった。

 

その後、エンジンの付いている飛行機でも無尾翼機が生まれ。

NASAの太陽光動力機。エンジンというよりモーターだけど。
https://www.nasa.gov/image-article/page/2794/
 

 

後退翼にすると、方向安定性もよくなるというおまけもあった。

ここまでなら、無尾翼でもちゃんと飛べるじゃん、と思われるでしょうが、実は、ことはそう簡単でもなかったのだった。

なんとかまっすぐ飛ぶというならまだしも、旋回やフォワードスリップとか、要するに操縦性はどうよ?というのがあり。

素直な翼ではない、文字通りねじけた(ねじり下げた)翼です。

水平尾翼がないので、昇降舵もないのだった。ははは

仕方がないので「エレボン」といって、補助翼と昇降舵をむりやり統合してしまった。

垂直尾翼のあるやつ(Fauvel、コメート)とかはまだその程度ですんだが、真正のというか、垂直尾翼のない奴は、方向制御ために、エレボンのさらに先端に「ラダー」をつけ。これがぱかっと開くと空気抵抗になり、機首が抵抗の多いほうに向く、という、なんかアドバースヨーを逆用したような怪しい作動が必要になってしまった。

全翼機の世界(全翼機とは何だ(その4))
垂直尾翼のない真正無尾翼機の操舵舵面。
 

 

ちなみに、上の図ではフラップも示されていますが、ふつーはねじけた翼の全翼機には、フラップはつけられなかったらしい。

結局、無尾翼機といいつつ、垂直尾翼を残したコメートなどはそれなりに「成功」しましたが、真正のやつは実用化までは。。。というのが実情らしい。

単に挙動を制御しきれん、というほかに、着陸時に滑走距離が長くなりすぎとか、離陸も物凄く機首上げしないとうまく浮き上がらないとか、いろいろこまったクセに対応する技術革新が得られなったということなのですねー

きょうびはステルス性能優先でB2爆撃とかも飛んでいますが、この記事の初めに言ったように、コンピュータでむりやりまっすぐ飛ばしているということであり、残念ながらあまり望ましい発展ではないと理解します。唯一順調に行ったのが高速機つまりコンコルドやミラージュ戦闘機などにおける三角翼だと思います。

著しい機首上げ姿勢でないとうまく離着陸できん、というのは無尾翼機の重大な課題であり。コンコルドは、なんと機首が折れ曲がるようにして視界を確保するという荒業に訴え。

離陸時のコンコルド https://www.aeroflap.com.br
 

 

一方、パイロットの鍛錬に頼って、機首上げ上等!という力技により、多数の事故機を出したしまったのにカットラスがあります。

カットラス https://boomsonicprints.com/print-store/f7u-3m-cutlass-side-view/
 

 

カットラスはじめ、無尾翼機は、いったん空高く上がっちゃえば、空中での挙動はそれほど癖のあるものでもなかったらしい。でも、飛行機にとって最重要である、離着陸時の操縦性に難あり、ということで、残念ながら現在は忘れられた存在になってしまいました。

でも、将来は、全翼機なのか?リフティングボディなのか?なぞの旅客機も研究途上だそうで、未来には不思議な形の飛行機がいっぱい飛んでるかも?

3000字越えで打ち止め。

こうなるかも。未来の旅客機 3種の「見た目も中身も近未来すぎる旅客機」エアバスが発表 燃料は水素 2035年実用化へ (2020年9月21日) – エキサイトニュース
 

 

ではでは。。。

 

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遭難寸前だ!恐るべき観光旅行

いろいろあって、素敵女子と2人で3泊4日の観光旅行に行ってきました。

ピレノポリスというブラジル平原の内陸、首都ブラジリアから飛行機で1時間、車で2時間の場所にある景勝地かつ歴史都市です。

これまで何度か飛行機で行ってきたときの記事はこちら

飛行機でピレノポリス①

飛行機でピレノポリス➁

でも、空港に降りて歴史都市を散歩、そのまままた空港へみたいな弾丸旅行ばかりだったのが、今回は数日にわたる観光になり。市内も自在に回れるように、車で行きました。

世界の怪車356
 

 

レプリカポルシェ356Aに着替えだのなんだの積み込み。ブラジリアから50キロくらいまでは複数車線のある立派なハイウエー、そこから先は単線の、それでもいいかんじに舗装された道路が続き。

 

 

おおむねまっすぐ、でも山あり谷ありの勾配が厳しく、上の写真では勾配の頂上からまっさかさまに落ちていくじゃなかった降りていくところです。ちょうどオートバイの走っているあたりが谷底で、ともかくアクセルを踏み込んで時速100キロ超、ぶるぶるぶるぶる。。。。と車体を震わせながら降りていき。今度は上りで頂上までに時速80キロくらいまで速度が落ち。またそこから谷底に。。。というのが延々と続くのだった。

本当に勾配がきつくて、三速60キロでなんとか。。。という区間は、第三車線が設けられており。トラックとか、ぼくのにせポルシェみたいに遅いのは端によって、速い車に道をあけるのでした。

第3車線のある区間。ここではぼくが追い越し車線からトラック2台を追い抜いているところです。
 

 

そのうち、本当に2時間でピレノポリスに到着。

なかなか瀟洒なホテルに泊まりました

 

 

なかなかいいじゃん、と満足していたら、実は。。。

ビーチパラソルの上にある日よけは、得体のしれないビニールシートだった。アスベストなどの汚染物質がでまくりなのだろう。

 

 

夜のプールをロマンチックに照らすはずの証明も、実はうらぶれた裸電球で、893さんが仕切っていそうないかがわしい祭りでカラーひよこを売る露店と変わらないのだった。
 

 

カラーひよこ
https://note.com/note702/n/n89e6981c13b8
 

 

宿泊は恐ろしいお化け屋敷になってしまいましたが、毎朝のコーヒーはとてもいい感じで、ちゃんと暖かいコーヒーや冷やしたジュースが飲めました。

その名もRomaria Bistro
 

 

いよいよトレッキングに出発だ!Bistroのお兄ちゃんに「どこかいいところはない?」と探りを入れたところ、

 

 

お兄ちゃんは窓の外に駐車しているポルシェを見てひるみ。

「ううう、この車でも行けるような場所にはUsina Velha がある。そこなら遭難しないだろう」

とのことでした。

ところで、ピレノポリスには、無数といって悪ければ多くの観光スポットがあり。Usina Velha なんて聞いたことないぜー、というか素敵女子のほうで行きたがっていたのにFazenda Babiloniaがあり。

公式サイトはこちら→https://fazendababilonia.com.br/

何か知らんが、無数の食い物があるらしい。
 

ところが、この農園(fazenda)は土日しか開いていないらしい。あいにく日曜午後到着、水曜午後発ですからねー

素敵女子はめげずにFazenda Vagafogoというのを見つけ。

公式サイトはこちら→https://www.vagafogo.com.br/

やっぱり食い物があり。
 

 

ところで、せっかくピレノポリスまできて、大自然の中でトレッキングしないのももったいないよねーと思ったら、ちゃんとこの農園のなかにもトレッキングコースがあったのでした。

出典:https://www.rgbstock.com/photo/mmfAdvU/%3E+Brigde
 

 

出典:https://www.researchgate.net/figure/Figura-1-Arvorismo-silvestre-construido-e-praticado-na-RPPN-Fazenda-Vaga_fig1_277759121
 

 

なんか。。。レンジャー訓練じゃなくて、もっと運動神経のにぶい人でも行けるところがいいよね。。。

ということで、素敵女子がああでもないこうでもないと無数に出してくるオプションを、うんうんそうだねと辛抱強く聞き流し、じゃなかったしっかりと聞き(ここ重要です)。

そのうち彼女自身どこがいいのかわからなくなり。決めてよーと言い出すのを待って、じゃあここにしようよ、と実は最初からひそかに計画していた、とあるトレッキングコースに落ちつかせることができました。

その名もCachoeiras Bonsucesso。すなわち「ボンスセッソの滝」です。

なぜ最初から計画していたかというと、その理由は下の写真の通りです。

 

 

要するに、ホテルから16分で行けるのだった。

ほかに、素敵女子が行きたがっていた滝にCachoeira do Abadeがあり。

そちらはどんなかというと

 

 

なんと40分かかるのだった。

注目いただきたいのは、19㎞という、はっきり言って短いじゃね?なのに、時間は40分もかかってしまうということなのである。

つまりは、泥濘、砂利、岩石という、ありとあらゆる障害物に満ちた恐ろしい悪路であり、ほんとうだったらジープとか、そういうそれなりの車で来るべき道のりなのであった。

それを、かぶと虫を虫たたきでつぶしたような、へんな車できやがったので、ホテルのお兄ちゃんもひるんでしまったということに、到着してから気づいたのでした。

素敵女子のほうは全く気付かなかったのですが、近いほうが疲れなくていいじゃん、ということで、16分5.4㎞のBonsucessoに決めることができました。

翌日朝、といってもホテルのレストランで朝食をもぐもぐ食べたあとで出発。

 

 

戦々恐々と出発した割には、未舗装だけどふつーの道が続き。確かに20分もしないうちに到着。よかったねー

入り口で一人当たりR$60(1700円くらい)の入場料を払い。入場券代わりの腕バンド(写真上の緑のやつ)と、トレッキングルートの全体がわかる案内図をもらいました。

 

 

あれ、Bonsucessoだけじゃなくて、主要どころのAçude, Landi, Palmito, Pedreira, lagoa Azulとか一通り見れるじゃん?

知らないうちに現地お得ツアーみたいな、いかにも日本人が喜びそうなトレッキングになっていたのでした。

コースは上の写真の右下(Eが駐車場、家のマークが管理小屋)から始まり。往復で3㎞ていどとのこと。当日は9時ころ到着し、12時頃には管理小屋まで戻れました。

駐車場。というか、みんなてきとーに駐車しているだけだけど
 

 

管理施設
 

 

へんなお菓子だの虫よけスプレーだのを売っていた。
 

 

そうだ虫よけだ、と予め市内で安く買っていたやつを体中に噴霧しまくり。いよいよトレイルに分け入ったのでした。

スタート地点
 

 

なぜか厩のまえを通過。
 

 

滝ですからねえ。山麓に向けて登っていくのであった。
 

 

そのうちトライルの分岐点に到達。まよわずたくさんの滝を見られるほうに進んだのでした。ははは
 

 

この程度の橋ならゆうゆう渡れるのだった
 

最初の滝、Landiに到着。

小さな滝で「滝つぼ」も人一人の肩幅くらいでした
 

 

Landiのすぐそこに、Palmitoの滝があり。
 

 

こちらは人が腰までつかるくらいの滝つぼがありました
 

いやいやとにかく水が冷たいのなんの!皆さんが来るときは、ダイビング用の水着を持ってくることをお勧めします。

さらにずんずん進んでいきます。
 

 

この辺りはトライルも緩やかで、ぼくも素敵女子もまだにやにやしていたのだった。
 

 

Pedreiraの滝
 

 

この滝を超えたあたりから、急に道が険しくなり。いちおう階段はあるのですが、天を突くような急峻な崖を、かわいそうに素敵女子の腰まであるような高い一段一段を這うようにして登っていくようになり。

上を見るな!一段一段、確実に登っていくんだ!いつかは必ず頂上にたどり着く!と、フラフラになりながら登ってゆき。
 

 

ついにBonsucessoへ到達。
 

 

しかし、いよいよ階段は無情に険しくなっていくのでした
 

 

といいつつ、意外ににへにへと余裕で登っていたりして
 

 

ついに頂上のLagoa Azulに到着。

このあと、のこのこともと来た道を引き返して、管理小屋まで戻ったのでした。
 

おまけ

トライルのところどころに、へんな標語が書かれたプラカードが立っており。素敵女子は小学校の先生なので、大喜びで教材にしよう、と撮影しまくっていた。

「天の空気から来る自然の安らぎの中で、永遠なる神の愛の存在に生命が脈打つ(Baltazar Peres)」
 

 

なぜか多数の馬が。せっかくなら、馬に乗って滝まで行けるようにしたらとか、横着を考えるのであった。

 

 

管理小屋の近くで、のらクジャクを発見。

 

 

ブラジルにクジャクなんていたっけ?

Geminiくんによれば「はい、います。ただし、クジャク(インドクジャク)はブラジルの在来種ではありません。主に観賞用として持ち込まれ、動物園や公園、または一部の場所で野生化しているケースが見られます。」

とのことでした。

ほかにもホロホロ鳥とか、まるまる太っておいしそうなアヒルとかがいっぱい歩いていました。

ホロホロ鳥
 

ではでは

 

 

Posted by 猫機長
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サントスデュモンのお話その2

飛行機の黎明期に活躍したふしぎな発明家サントスデュモン。以前、生い立ちから飛行船王になるまでのお話を書きましたので、こちらもお読みください→飛行船でお散歩

さて。

何度も墜落しながら、飛行船で空を飛ぶということは極めたサントスデュモン。

エッフェル塔を周回するサントスデュモンの「6号」飛行船
https://www.cidadedosleiloes.com.br/peca.asp?ID=16674769
 

 

でも、鳥みたいに、翼で空を飛ぶ、という夢はまだ達成されていなかった。

リリエンタールだのライト兄弟だのが、はっちゃきになってグライダー開発とかを進めていた。つまり、翼で滑空というのならなんとかできるところまでは来ていたのである。

サントスデュモンは、別にはっちゃきにはならず。ゆうゆう遊び半分、といったら怒られそうですが、のびのびと飛行船から飛行機への転換を目指した。

第一の布石が、「14号」でした。

14号 https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/20/Dirig%C3%ADvel_N%C2%BA14_-_1-13633-0000-0000%2C_Acervo_do_Museu_Paulista_da_USP.jpg
 

 

飛行船じゃん?

はいその通りです。でも、この飛行船からゴンドラとかを取り去って、この下に飛行機のプロトタイプを括り付け。

このプロトタイプが空中でどんな挙動をするか実験を重ねたのでした。

https://www.cabangu.com.br/pai_da_aviacao/4-「14Bis」/1-simula.htm
 

 

飛行船にあたる部分は引き続き「14号」の名前で継続。飛行機のほうは「14Bis」と命名。「Bis」は「再び」というか「帰ってきた14号」みたいな意味である。

この場合、揚力は「14号」で稼ぎ、飛行機のほうの舵面の効きとか機体の安定性とかを「14Bis」で実験したのである。

「14号」がでかすぎて風の影響を受けすぎ。すくなからず「14Bis」の挙動にも影響を与えしまったので、次は「14号」なしでやることに。

鋼鉄のワイヤーを一本張り渡し、ここに「14Bis」をぶら下げたうえで、機首もケーブルでロバにつなぎ。ハイドー、シルバー!とロバを走らせ、ケーブルにひっぱられて「14Bis」が疾駆するという実験を行い。

https://www.cabangu.com.br/pai_da_aviacao/4-「14Bis」/「14Bis」mula.jpg
 

東宝の特撮みたいな実験がどれだけ効果を生んだか?

自信をつけたサントスデュモンは、いよいよ「14Bis」単独で飛行することに。

単独飛行について書く前に、「14Bis」という飛行機についてちょっと解説します。

長さ10メートル、全幅12メートル、高さ4.8メートル。

ぼくの乗っている軽飛行機コヨーテが、全長6.1メートル、全幅10メートル、高さ3メートルなので、「14Bis」のほうが一回り大きい。

でも、重さはコヨーテが270キロなのに、「14Bis」は160キロと、ものすごく軽いのだった。

Rans Super Coyote
 

 

「14Bis」(飛行中のレプリカ) Física em Ação: 14bis
 

 

特徴的なのが、「先尾翼機」であること。

当時は、ライトフライヤーとか、少なくとも水平尾翼は先尾翼にするというのが一般的だった。

というのも、当時のエンジンはとにかくパワーがなく。

「14Bis」のエンジンは50Hp、95キロ。コヨーテのほうは80Hp、60キロと、零戦とグラマンもびっくりの「埋められない差」があり。さらには、コヨーテはWarp Drive3翅プロペラで、「14Bis」の「櫂をつなぎ合わせたような2翅プロペラ」とは伝達できるエネルギーというかトルクがぜんぜん違うのである。

要すれば、「14Bis」含め当時の飛行機は、エンジンのパワーが決定的に不足しているぶん、とにかく軽く、揚力の稼げる機体が必須になっていた。

このために、複葉にして、揚力と箱型構造による強度の両立を図り。

フツーの尾翼の場合、主翼が上向きの揚力を生むともに、飛行機をまっすぐ飛ばす安定性を得るために、尾翼では下向きの揚力を発生させて釣り合いを取っています。

https://radizetsu.blog.fc2.com/blog-entry-1261.html?sp
 

 

でも、「下向きの揚力を発生させる尾翼」なんて贅沢なものを付けたとたん、黎明期の飛行機ではたちまち主翼で作った揚力が打ち消されて、離陸できなくなっちゃうのでした。ははは

先尾翼機の場合、先尾翼も揚力を生み。主翼とともに揚力を稼ぐのに重要だった。

https://radizetsu.blog.fc2.com/blog-entry-1261.html?sp
 

 

しかし、先尾翼の場合、3輪車をバックさせて走らせるようなもので、ともかく安定性が悪い、というか、安定をくずそうというような挙動をしてしまうので、パイロットが尋常ならぬ繊細さで機首の上げ下げを制御しなければならず。

というわけで、ブレリオXIくらいまで進化して、非力ながらも最小限のパワーがあるエンジンが開発されると、先尾翼機はすたれていったのでした。

ブレリオXI  https://www.bleriotxi.com/Home/private-se-xmc-bleriot-xi-la-manche-14293.jpg
 

 

この結果、特徴的な「14Bis」のスタイルとなったのである。

それでも、サントスデュモンは、「14Bis」を飛行船にぶら下げたり、ケーブルにぶら下げたりして十分に訓練し。それ以前にも飛行船で十分な飛行時間を積み上げ。

操縦ができないか、できても絶望的に困難な当時の先尾翼機で、何度か落っこちては機体を直すを繰り返しながらも、ついにまあまあ安定して飛ぶことに成功。

パブリックドメイン
 

 

1906年10月23日、ブローニュの森、bagatelle競技場で、2メートルの高度で7秒間に60メートルを飛び、ヨーロッパにおける最初の飛行機の飛行として知られるようになりました。

時速31キロ。確かにロバ(時速50キロくらい)に引かせてテストできるスピードだったのでした。ははは

めでたしめでたし。おわり。

の前に。。。

飛行時間を積み上げる、というのはどういうことをいうのでしょうか。

サントスデュモンの場合は、飛行時間の多くが飛行船(気球も)ですが、パイロットとしての実体験であり。きょうびフライトシムで自衛隊パイロットもびっくりの操縦をこなすお兄ちゃんも多数ではありますが、実際墜落を切り抜けて新たに。。。というのはやはり代替できないと理解しています。

一つの例として。

「5号」飛行船でエッフェル塔周回に挑戦していたサントスデュモン。例によって飛行船の高度が下がり始め。ゴールにたどり着く前に、とある大資本家の庭園にある高い木に引っ掛かり、墜落と言わなければ不時着のやむなきに至ってしまった。

その大資本家が、なんとロスチャイルドだったということである。

お気に入りの庭園に、突然変な野郎が空から落ちてきやがり。ロスチャイルドもびっくりしたでしょうが、別にケンカになったとかいう記録も見つからないのですよねーブラジルだったら、まあ一杯コーヒーでも飲んでいきなさい、となるのですが、そういう記録もなし。

代わりに、ロスチャイルド庭園のお隣に邸宅を構えていたブラジル王室の皇女イザベルさん(皇太子格)から、遊びにおいで、と誘われ。

落っこちたことが縁で呼ばれたくせに、ヒコーキ野郎(というか風船野郎)としての功績をいたく評価されて、メダルをもらいました。

「サン・ベント」といって、事故から守る守護聖人のメダルでした。

イメージ画像
História da Medalha de São Bento – Mosteiro da Virgem
 

 

というわけで、実は何とかの表彰とかではなく、純粋にお守りですよ、という意味のメダルである。自由人から自由人への大切な連帯の証明ですね。

さて、その後エッフェル塔周回を完遂し、フランス航空当局から「ドイチェ賞」が付与されると、早速、時のブラジル大統領(皇室は廃止されていた)カンポス・サーレスから、“Por céus nunca dantes navegados”という謎の美辞麗句が刻まれたメダルが送られました。

でも、こっちのメダルは、政治家の人気取り、国威発揚のための英雄づくり、どこかのイーロン・マスクじゃないけれど、政権への票集めのための「客寄せパンダ」に利用されているだけじゃね?と思ってしまうのはぼくだけでしょうか。どこかのファストフードチェーンで「今週のトップセールス店員」を表彰するみたいな、なんか「社畜の証明」みたいに見えてしまうのです。

空を飛ぶという純粋な喜びを分かち合ったのがイザベルさんのメダルなのに対して、空を飛ぶということを利用してなんか利益を得よう、というのがカンポス・サーレスのメダルなのであった。

前者の、空飛ぶよろこびは、飛行船「9号」の優雅なお散歩で頂点に達し(そのヒコーキ版でDemoiselleもある)ましたが、その後、後者のビジネス追及に飲み込まれてしまったのが悲しい現実と思います。

Demoiselle
OIP.l6Y3SZcseGEWoPcLXrxktwHaE8 (474×316)
 

 

ビジネス追及によって、やれねじれ翼の著作権は誰だとか身の毛のよだつ抗争に発展したり、機関銃を乗せて人をぶち56す軍用機とか、最後は原爆を落とすということが正義というふうに世界がねじけていってしまったのかもしれません。

このHP的に言えば、サントスデュモンはお金(もうけ)から自由になった資本家。カンポス・サーレスなどは飛行機を隠れ蓑に利益を追求するビジネスオーナーとでもいったところでしょうか。ライト兄弟は、ロスチャイルドなどにうまく使い倒される「哀れな社畜」の人生だったと思います。

Santos Dumont https://br.pinterest.com/pin/502292164674809670/
 

 

牧歌的な内容にしたかったのに、最後はやっぱりすさんでしまいました。ははは

ではでは

 

Posted by 猫機長