タグ: 航法(ナビゲーション)

ブログBlog

才能と適性。必要な才能は誰でも持っている。

シュバイツアーなど医学界の偉人、ミケランジェロやリキテンシュタインなど美術の巨星。レオナルド・ダ・ヴィンチに至っては、芸術家なのか科学者なのかわからないくらいに多彩な「技のデパート」状態で、うううこんな天才にはとてもなれない、せめてその何分の一かの才能があれば、平々凡々のリーマンを脱出して、ちょっとは楽な生活ができるだろうに、とほほ。。。。と嘆いている人も多いと思います。

レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプター。

現代の知識で工夫を加えた改良版だと、ちゃんと飛ぶらしい。

F1中継など見ると、シューマッハ(はい古いです、すみません)がガンガンぶっちぎりで勝利しています。

カッコいいレーサーになりたいぜー!なんてレーシングスクールを目指す青少年も生まれ。でも、ヨーロッパの一流どころでは「ドライビングには才能が必要だ。才能がない者は、努力と時間の無駄なのでこのスクールに来る資格はない」なあんて追い返されたりすることもあるらしい。

その一方で、レーサーになるために生まれたような「脳みそとケツがつながった」才能あふれる人でも、本人は「車なんて興味ないよ」と、いっしょうけんめい美術大学で勉強したりしているみたいなケースもあります。

旧ソ連などで「天才陸上選手」ともてはやされながら、本人は「実は科学者になりたかったんだけど、むりやり体育選手にされちゃった」みたいなのもあり。

となりの芝生は青く見える、ということなのでしょうか。ぼくは運動音痴なので、スポーツ選手とかうらやましいなーと思っています。

こうしてみると、F1レーサーと言っても別に人類全体を導く選ばれた人、というのではなくて、自動車レースの世界で人類の極限に達した人、というかんじで、それぞれの得意分野で「適性」がある、ということなのだと思います。

すなわち、天は誰にでも才能を与えており。ダ・ヴィンチみたいなマルチ人間は別として、人それぞれで与えられた才能の種類が違っている。そしてそれはごく少数の選ばれた人のみに与えられた特権ではなくて、「適性」があったところに訓練が重なり、うまく開花した人が「天才」と呼ばれるようになる、のだと考えます。

つまり、「天才」という特別な人種はおらず、普通の人がそれぞれの「適性」を持っているということである。

日本の人には、ピンと来ないかもしれませんが、これは人種差別などを防ぐとても大切な考え方なのです。

「特別に選ばれた人」の存在を認めてしまうとどうなるか。ナチスドイツが典型的で、ユダヤ人迫害が始り。その恐ろしさを当のドイツ人自身が知り抜いているので、ドイツ人同士の間でも「密告されて迫害されたらどうしよう?」と戦々恐々の日々が始まってしまいました。差別が容認された社会とはそういうものです。

というわけで、「才能」「天才」を「適性」におきかえてみましょう。ぼくでもできるぞ!と希望がわいてきませんか?

適性に恵まれなくても、かえって成功する人もいます。

日本語教師あるあるですが、ネイティブの日本人が、友達としてはいいけれど、教師としてはどうも。。。。となるケースがあり。一方、生まれも育ちもブラジルの非日系の先生が、とても生徒に頼られるというようなことがあります。

これは、ネィティブの人は、「最初から自然にしゃべれる」ため、0スタートの生徒さんたちに「どうやったらしゃべれるようになるか」を教えることができないためです。同じく0スタートして、ネィティブレベルまでたたき上げた非日系教師の方が、「どうやったら」という部分の引き出しが多くて、大切な知識の移転ができ。ハンデを克服したからこそ教師として成功できるのだと思います。

ただし、気を付けてください。虚弱体質でもやしの人(ぼく自身がそうです)は、相撲取りにはなれません。やはり自分自身を知ることが重要です。「ウルフ」千代の富士みたいに、小さい体を知恵と勇気で克服し大成することも可能ですが、それは、千代の富士が自分自身を十分に分析して、相撲取りとしての最低限の適性をはぐくんだから可能となったのです。

小錦(左)と千代の富士(右)

出展:https://grapee.jp/208009

やせっぽちの人がプロレスラーになりたい、と考えるようなケースでは、実は体格への劣等感を、筋骨りゅうりゅうなプロレスラーという別世界のキャラクターになれたらなーみたいな、実はうすっぺらい要求の満足で解消しようとしている程度だったりします。もっと適性のある分野がないか考えてみましょう。一方、やせっぽちでも「強さの証明」としてのプロレス好きが高じて武道の世界に入り、なかなかのところまでいく、というようなのはたくさんある。

ウルフの場合は、実績もあるけれど「適性(体、技)を鋼鉄の意志(心)で鍛え上げた」のが本当の強さだと思っています。

要は、プロレスラーになりたいのか、強い人になりたいのか。そして「強いってなに?」ということをあなたの適性が教えてくれますよ。ということである。

弟の仕送りで生き永らえ、人々と仲良くなれず、ろくに絵も売れないまま、最後は自殺しちゃった(他殺説もある)、どうしょうもなくしょうがないゴッホでも、ぼくとしては、「美術を最後の最後まで追求し、主張し、伝えた」勇気のあるとても強い人だと思います。でもこの記事を読んでいる素敵女子のみなさんは、こういう男性からは逃げましょう。ははは

ゴッホ「アルルの跳ね橋(1888年)」

おなじお題で5枚の絵がありますが、一番好きな一枚です

自分の適性はどうやって見極めるのか。

自分は何になりたいのか?どんなことで成功したいのか?考えてみると、結局はやりたいことと得意なことはつながっていることに気づきます。

自衛隊パイロットの養成で、ある一定の飛行時間に達しても単独飛行できないという生徒は「適性なし」とレッテルを貼られてエリミネート、つまり飛行学校を退学にされてしまいます。

もしこの記事を読んでいるあなたが、エリミネ―トされたばかりで悲嘆に暮れているとしたら、なぜ悲しいのか考えてみましょう。

ジェット戦闘機に乗って、ミサイルとかを使いこなしたい:なるほど。でもジェット戦闘機でないとなぜだめなのか?だってミサイル撃てないから、というのであれば、あなたは適性は飛行機のりではなくて、戦闘マシーンになるということであるから、防大などそっちの道がある。外人部隊とかで伝説になったりして。

ミサイルなんて余計。とにかくジェット戦闘機に乗りたい:おおお君は飛行機乗りだ!でもカデットから抜け切れていませんね。もっと民間精神旺盛になって、河原桟敷のULPクラブに行ってみましょう。本物の飛行機乗りであれば、ULPだろうがF15だろうが飛行機で空を飛ぶということに変わりないことがわかると思います。なんてぼくはF15を飛ばしたことはないけれど、セスナだろうが737だろうが、飛行機を操縦するという根本は変わらないよ、と言いたいのです。

で、ぼくはやっぱり飛行機乗りだ、となった場合は、民間だろうが自衛隊だろうが地上勤務でいいからじゃんじゃん仕事してお金をためてULPを買い(モーターグライダーやセスナもいいが、お金かかりすぎ。)、自由に飛べばいいのです。まあこれは機長として飛ばなきゃわからないだろうなー。プロのジェネアビパイロットになるなどの手もある。

ジェネアビの神パイロット「淳さんのおおぞら人生、俺流」

すごいぞ!

そして、河原桟敷で飛んでも物足りないや、という人は、やっぱり飛行機乗りとしての適性がそれほど。。。ということなので、自分の適性を見つけ出してその分野で頑張りましょう。

適性が発見できたとして、どう開花させるか。

剣道選手あるあるの例で行きます。この記事を読んでいるあなたが「大会でいい所まで行くけど、そこでストップ。ぼくって才能ないのかな。。。。」と落ち込んでいたら。

「いい所まで行く」時点で、十分適性はありますよー。問題は「メダル、賞状がほしい」「負けたくない、恥ずかしい」という方向に意識がずれちゃっているので、そんなことは忘れて「こうと思った面打ちを、どんな場面でも必ず打てる」ように、訓練(稽古)に浸りきればいいのです。夢中で、時のたつのを忘れる、となれば、気が付いた時には自分でも驚く面を打って、勝っています。

ではでは。。。。

 

Posted by 猫機長
ブログBlog

小説日章丸事件:中東を救った日本人たち

日本とイランの懸け橋となった日章丸

*今回は、戦後の緊迫する中東情勢の中で世界をあっと言わせ、「海賊とよばれた男」で映画化された事件についてのお話です。

1950年代。

世界大戦の結果、独立国として認められたイラン。でもどうやって経済を維持していくのか?世界有数の産油国だけど、はっきり言ってそれしか、のイランには石油の輸出が生命線となっていました。

ところが、石油の採掘、販売は石油メジャーすなわちイギリス資本に握られており。例えば10円の儲けが出てもイラン側には1円しか転がり込まず。残りの9円はメジャーがごっそり持って行ってしまうのでした。

これじゃ生きられん!と石油資源開発の国有化を断行したイラン。

なんてことない、自分の家の庭で作ったなすやきゅうりを自分の手で売って、儲けも自分の懐に入れます、と同じごくフツーのことなんですけど。。。。

でもイギリスは激怒。

メジャーを通じないで、イランから直接買うやつは許さん!となり。海軍を派遣して、イラン直売の原油を運ぶタンカーを拿捕する挙に出ました。

危うし新生イラン!

この事態に、義憤にかられた日本人がいました。その名も出光のおっちゃん。

「まるでABCD包囲陣だ!他人事じゃないぞ!」

ABCD包囲陣というのは、アメリカ、イギリス、中国、オランダの悪だくみのことで、結託して石油を日本に売らないようにしたため、日本は切羽詰まり、真珠湾攻撃(と東南アジアの油田占領)というキチガイ沙汰に至ったことは、学校で皆さん習っているとおりです。

イランの場合は売る方ですが、経済の生命線を絶たれることに変わりはなく。

出光さんは、遂に決意します。「わしも石油屋じゃ!メジャーの言いなりにはさせんぞ!」

メジャーなんてほっといて直接イランから石油を買ってしまえ。

でも、イギリス艦隊が待ち受けるホルムズ海峡の、レーダーや哨戒機うじゃうじゃの近代ピケット網を突破しなけば。。。。

ううう、と頭を抱えうなだれる出光さん。

そのとき、じりりりりん、と電話が鳴り。

秘書嬢からお取次ぎ。「似道(にみち)さんからお電話です」

そんな奴いたっけ?まあ出てみよう。

と、いかにもアメリカなまりの外人さんの声で

「お前が民族系石油のボス、イロコワだな?お前のやろうしているキチガイ沙汰をうまく実現させてやるぜー」

「イロコワじゃねえ!出光だ!てめえ似道かニンジンかしらねえが、ふざけんな!いてまうでごるああああ!」

「ヘイユ―、ニンジンちゃう、ニミッツあるね。お前らジャップとは太平洋で面白いボコりあいをしたから、その縁でお前らがイギリスを出し抜いてもシカトしてやると言っているんだよ。バカで偉そうなイギリスの植民地主義者に一泡吹かせてやろうじゃないか」

ふむ!と感触を得た出光さん。

その後いろいろあって、日章丸というタンカーを仕立て。こっそりとイランにガソリン買い付けにやらしたのでした。

映画「海賊と呼ばれた男」での日章丸。画像出展は

http://fuseishoyo-roku.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-50ee.html

帝国海軍生き残りの船長はじめ、猛者ぞろいの船員たちに操船され、イギリスの艦隊が待ち受けるホルムズ海峡へ、さびしくお使いに行かされた日章丸。

はたしてその運命は?

ホルムズ海峡への航路には、戦時中ドイツにジャガイモを輸送した日本の潜水艦が通過した海域もあり。艦長じゃなった船長はじめ、どの辺が浅瀬で、イギリス軍艦が接近を嫌がるかとかに精通していたため、無線封鎖をしたうえで、わざとこういう難所ばかり選んで航海したのでした。

ちなみに、ドイツへ潜入した日本潜水艦は、ジャガイモをあげる代わりにロケット戦闘機の設計図をもらって帰ってきましたが、これは余談です。

ドイツの「コメート」

http://asasdeferro.blogspot.com/2016/08/messerschmitt-me-163-komet.html

日本版「秋水」https://i.pinimg.com/564x/9d/6f/00/9d6f006c1b71705ba2acd1a8837bd908.jpg

船長から訓示

「我々は、これから鬼畜米英によって沈められたわが輸送艦の墓場を通過する。総員が粉骨砕身努力し、帝国海軍伝統の技量を発揮せよ。本日天気晴朗なれども波高し」

と、Z旗を勇ましく掲揚して、かどうかはともかく、勇躍、人の嫌がる難所に飛び込んでいったのでした。

その時英海軍は。

実はホワイトハウスからのGSOMIA(機密情報協定)情報が入っており。巡洋艦隊を海峡の出口に展開していたのでした。

艦橋に陣取るイギリス司令長官に、参謀から連絡。

「長官殿、人工衛星からの写真を現像しました」

「フムン。でニッショーマルとかいう不審な工作船は写っていたのかね」

「粗製乱造の米国衛星なので画質が悪すぎ、なかなか判別できませんが、タンカーらしきものに、下駄、メガネにキモノを着た人夫と思われる陰影が多数写っております」

「中国人かもしれんぞ」

「マストに向かって『たちしょん』をしているとしか思えない陰影も写っています」

「全艦に指令。日本のタンカー発見。浅瀬から抜けて、我々でも操艦できる広い場所に出てきたら、夜のうちにレーダー射撃で沈める。朝のティー・タイムの前にやっちまえ」

「長官殿、なぜ日本人はこういうずる賢いまねをしようとするのでしょうか」

「参謀君、きみはウインザー侯爵家の出だったね。私はサーの称号を得るまではしがないフリーターだったのだよ」

「ふりいたあ、でありますか?」

「簡単に言えば無職ということだ。でだな、貴族は不労所得のあるお金持ちだから、コンビニに行ってもお金を払って賞味期限内のおにぎらずを買うだろう」

「このまえ賞味期限が切れていたのを発見したので、店長につっかえしておきました」

「まさにそこなのだよ。私のような貧乏人は、そういう賞味期限切れのやつを、裏口からこっそり店長に恵んでもらって生きて来たのさ」

「つまり、日本のタンカーも裏口からこっそりやろうとしているのですね」

「そういうことだ。ううむかわいそうに、他人とは思えなくなってきた」

と、そのとき。

ごごごご。。。と目の前の海が隆起し。

くじらか?とおもったら、突如原潜が巡洋艦の目の前に出現。

原潜の艦橋に現れたニミッツ。

「ヘイユ―、いままで気が付かなかったのかい?あいかわらずとんまだな」

激昂する英司令官

「なにおこいつっ!こそこそ隠れていやがったくせに!言っとくがアメリカのバカ空母みたいに、目の前で中国のクズ原潜が浮かびあがっても気づかないようなスカタンとはわけが違うからな!」

「まあまあこまかいこといわんと、一緒に楽しいことをしないか?」

尻込みする英司令官

「突然BLか?そんな趣味はないぞ」

「おまえといっしょにするな!甲板を見ろ」

巨大な潜水艦の甲板には、ブラジルから連れてきた数十人の美女と、山と積まれたバーベキュー用の肉や酒が。

おおおおー!大歓声の上がるイギリス艦隊。

おやおやという間に、潜水艦のまわりは艦隊から漕ぎ寄せるボートでいっぱいに。

みんなでサンバパーティーだ!美女と踊り狂い、バーベキュー食べ放題の楽しい親睦が始ったのでした。

ちょうどその横を、日章丸がそそくさと通過していったのに誰も気づかず。

サンバパーティー

https://www.youtube.com/watch?v=fVidhHZfbrw

無事にイランについた日章丸。石油メジャーにいじめられていたイランの人々から大歓迎を受け、ガソリンをたくさん積んで、日本に帰ってまた大歓迎を受けたのでした。

怒り狂ったイギリスは日本をいじめようとしましたが、ホワイトハウスから「石油はみんなのものだよ?そうだよね?」と無言の圧力があり。みんな、つまりアメリカのものである石油はイギリス資本が独占できるものではないことが明らかになり。

ホルムズ海峡(出展はhttps://www.nikkei.com/article/DGXKZO46145120U9A610C1EA2000/)

アメリカも、自分は表舞台に出ないでイギリスの独占に風穴を開けることに成功したのでした。

これは決して荒唐無稽な作り話ではなく。もちろん面白おかしく脚色していますが「日章丸事件」として本当にあった事件をもとにしたフィクションです。

日章丸の航海は想像を絶した困難なものだったそうで、「日本輸送船の墓場」では「夜明けになってなにげに航跡をみたら、沈没船のマスト二本の間を通過していた。沈没船の残骸に船底をひっかけてこちらも沈没にならなかったのは奇跡だった」みたいな「まさに戦没の英霊が日章丸の壮挙に呼応して加護した」結果の成功だと思います。

一方で、米英の駆け引きにも否応なく巻き込まれたと考えます。出光さんや日章丸の勇気、世界政治・経済状況が絡み合っての結果だと考えています。

真面目な日章丸のお話はこちら→日章丸事件(Wikipedia)

ではでは。。。

 

Posted by 猫機長