車のブレーキが壊れた!そのときどうする?

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1982年製のVWベース356レプリカに乗っています。
今回は旧車に乗っているといろいろありますねえ、というお話です。

怪車356「ポルシェ」

その①ブレーキがきかなくなっちゃった
とある吉日。田舎の飛行場からブラジリア市内の自宅に戻っている途中、なんか急にハンドルが左にとられるぞ?
最初は、ときどきという感じだったのですが、時の経過につれて持続的かつものすごい力で左旋回しようとするようになり。
あいにく土曜の午後で、かつ、となりに素敵女子を乗せていたこともあり、途中でストップとかもやらないほうがいいね、とむりやり30キロ、35分くらいの道のりをそのままつっぱしっちゃいました。
なんとかアパートへたどり着いたはいいが、いざバックで車庫入れしようとすると、ゔおおーん、とアクセルを踏んでも万力のように車輪が地面に貼りついて、動けないじゃん?さてはパンクか?
でも、タイヤはぜんぜんつぶれたりしていないのですよねー
この時点で、ベアリングかブレーキだな、とめぼしはついたのですが、前輪なのか後輪なのか、もしギアボックスと連結している部分だったらどうしよう、なんて眠れない一夜を過ごす羽目になってしまったのでした。いずれにしろ、いったん車軸の機構を冷やさないとどこが悪いのかわかりませんからねー
さて翌朝。素敵女子はまだぐーぐー寝ていましたが、日の出ちょっと後のすがすがしい空気のなかで、タイヤと車輪を点検してみると、左前輪のホイールキャップからブレーキオイルがにじみ出ているのを発見。

 

ふふんこれだな、と車に乗り込み、ちょっとだけ車庫から前進してみました。
すると、まるで昨日がウソのように軽快にころがり。
でも、ブレーキを踏んだとたん、「すかっ」とペダルが抜けてしまい。慌ててハンドブレーキで止めたのでした。ははは

ハンドブレーキ

 

 

どうやら左前輪のブレーキシューが押し付けられたままロックしてしまい、一晩で冷却されて元に戻ったものの、加熱時にブレーキオイルが漏れだしてしまったらしい。
一方、昨日の段階では、車をまっすぐ走らせるために無理やりハンドルを右に45度くらい倒しこんだりとかしていたので、ステアリングがやられなかったか?アパート敷地内の誘導路を走ってみることに。
幸いステアリングは無事のようである。一方、ブレーキは踏み込むとちょっと効き始めたか?くらいの時にすかっと抜けちゃうので、「効きはじめ」の段階で止まれるような、要すれば人の歩くくらいの速度しかだせず。
その日は日曜だったのでそのまま放置。
月曜朝、まだだれも道を走っていない早朝にエンジンスタート。そろそろとアパートの敷地を抜け出し。修理屋までの6キロくらい?を走っていきました。
この時点でステアリングは問題なし。でもブレーキは全く効かなくなってしまい。

 

 

しゃあないので最大でも時速50キロ、サードギア(ふつーはトップ)でゔいゔい言わせながら走りました。こうすれば、アクセルを放すだけでエンジンの方が車輪(実質はクラッチ)を減速してくれるのである。
みなさんが教習所でならったエンジンブレーキですねー
だいたい時速50キロで通常走行。はるか先に信号が黄色になっていたら、アクセルを放してエンブレで30キロぐらいまで減速、そこでゔいいいん!とダブルクラッチでセカンドにつなぎ、またエンブレで20キロ、10キロ、と減速。ここでもう一回ゔいいいん!とダブルクラッチでファーストにつないでもいいのですが、べつにカーレースでもないので、時速4キロくらいか?まで落ちたら、クラッチを踏んでエンストを防ぐとともに、ハンドブレーキを引いて止めちゃうのでした。こうすれば、ちょうど信号機が赤になったときに、横断歩道の目の前でぴたりと止めることができるのである。
結局、ハンドブレーキは1回使っただけで無事に修理工場に着きました。
マニュアルシフトの車はいいですねえ。トルコン車(オートマ車)だったら、ダブルクラッチなんておつなまねはできないので、レッカー車確定でした。ははは

ブレーキキャリパーを分解してピストンを交換。

 

 

ダブルクラッチってなに?
一昔前のバスの運ちゃんがいつもやっていたあれです、といってもわかりにくいと思うので、図解で説明します。
まず、ポルシェのペダル配置はこんな感じ

 

 

ここからダブルクラッチの説明です。
① ふつーに走行している状態。アクセルのみを踏んでいます。
② アクセルを放し、クラッチを踏み込んで(1回目)ギアを放し
③ ニュートラルポジションで、クラッチペダルを放し、アクセルをぐっと踏み込む。
ここがポイントです。この時エンジンとクラッチがつながっており、アクセルを踏んだ分だけゔいいいーん!とぶんまわります。
④ ここでクラッチを踏み込み(2回目)、ギアをつなぎます。
こうすることでトップ→サード→セカンドとギアダウンして歯車の大きさの違うギアにつないでも、ゔいいいーん!と回転数を上げておいたので、うまくギアとエンジンの回転数がかみ合い、すぱっとクラッチがつながるのでした。

2回クラッチを踏むので、ダブルクラッチというのです。
上の例は、トラックやバスなどにギアのシンクロ装置がなかったころ、運ちゃんが盛んにやっていましたよねーひところのレースカーでもブレーキの摩耗を極力防ぐためにパイロットじゃなかったレーサーが多用していました。ただレーサーのはもっと繊細かつヒールアンドトウ(トウアンドトウもある)といったエンジン回転数を維持するための技術と併用したので、ふつーの人にはとてもできない狂ったまねになっています。

 

 

もっとわかりやすい例はこちら

4:04から4:11に注目
https://www.youtube.com/watch?v=8qanL6aH7fE

 

 

かぶと虫など旧車乗りは、シンクロ装置保全のため、バスの運ちゃんみたいな古典的なダブルクラッチを普段から、という人も多く。

VWのトランスミッションシンクロ歯車
https://produto.mercadolivre.com.br/MLB-1627505565-kit-anel-sincronizador-1-2-3-4-marchas-kombi-fusca-vw-_JM

 

 

ぼくもその一人ですが、ブレーキが抜けたぞ!というときも役立つ重要な技術なのでした。
結局修理屋ではブレーキシューの交換とオイルの交換。その後1週間くらいか、念のため右側車軸のピボット1個とステアリングバーの接続ピボットを交換しました。

交換した部品たち

 

 

その➁パンク3連発
以前の記事で、4年ぶりか?タイヤ交換したことを書きました。
ところが、4か月も立たないうちにパンクが続発。
要するに、タイヤチューブが不良品だったということですが、きょうびチューブレスタイヤが主流で、まともなタイヤチューブはもはや市場に出回っていないという事実が判明。

何度もパッチを宛てて修理したチューブ

 

 

一方、4か月間の使用によって、タイヤ自体はうまくホイールになじんでいることがわかり。
意を決して、最後にパンクした左後輪はチューブレスにしてみました。
この場合、他のタイヤは空気圧26Psiのところ、チューブレスにしたのは32Psiにする必要があり。
このままではパンクはしなくてもタイヤの方減りや方向安定性など懸念されるところ、一週間走ってチューブレスでも問題なかったので、右後輪も思い切ってチューブレス、32Psiに変更。
いまのところ、前の2輪はチューブ入り、後ろはチューブレスで走っています。

チューブレスの場合は専用のエアバルブが必要で、見つけるのに苦労しました

 

 

その③エンジンヘッドのねじが暴発
とある吉日。朝起きて車庫に行ったら、エンジン下部からオイルがだだ洩れになっており。
漏れる場所から、やばいぜ!トランスミッションか?と懸念したのですが、修理屋で、単にシリンダーヘッドとヘッドカバーを密封するガスケットが破断して、オイル漏れをしていただけとのことでした。

シリンダーヘッドhttps://shopping.flat4.co.jp/products/detail/9665

 

 

シリンダーヘッドカバーとガスケットhttps://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%96%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%20%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88/2084016833/

 

 

ご参考まで、エンジン分解図https://www.facebook.com/motortownautoparts

 

でも、実はそれだけではなく、エンジンヘッドとシリンダー・エンジンブロックを接続・固定している8個のナットの一つが緩んで暴発、ヘッドカバー内でころころ転がっていたよ!ということでした。

① から④のうちどれかが外れていたらしい。https://2img.net/h/lh6.ggpht.com/_v8vsBvAegDk/TSvhThAIwiI/AAAAAAAAASk/HLqHAGhUaL0/sequencia-de-aperto-inicial-das-porcas-do-cabecote.jpg

 

今どきのエンジンだったら。。。空冷VWの原始的エンジンでよかったです。。。

VWエンジン

 

 

ではでは

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