以前、VWかぶと虫に気液分離機(ベーパ―セパレーター)を設置した話を書きました。
現今のガソリン品質悪化で、ちょっとしたエンジンルームの過熱でもガソリンが気化してしまい。気泡がエンジンに入ると、げっぷがのどにつっかえたような感じでエンストになってしまい。気液分離器で解決しました。

世界の名車かぶと虫

気液分離機
このプラスチックの容器ですが、管が3本出ており。
真ん中がガソリンタンクからのガソリンを容器に送り込むもの。
一番下が容器からエンジン(キャブレターに)送り込むもの。
真ん中の管にエンジンの放射熱で気化してしまった気泡と液体が一緒に入ってくるのを、この容器で気泡だけを分離して一番上の管からガソリンタンクに返す(リターン)ようになっています。
日本でも10%エタノール混入だそうですが、クズなブラジルは30%も混入しており。このため沸点が大幅に下がってしまい、分離機で液体だけをエンジンに送るようにして初めてまともにエンジンが回るようになったのであった。
クズで貧乏なブラジルの政府は、1931年の時点でなんと5%混入を開始。70年代には20%に引き上げやがった。2015年に17%、2025年には30%という行いにおよんだのである。
僕のかぶと虫は車体が1960年製、エンジンは1969年製ですが、当時はいまだ混入5%であり。要すればまだまだまともなガソリンであり、そのガソリンで回るように設計されたエンジンなのであった。

Brasília – 1960’s | A panoramic view of Brasília in its earl… | Flickr
ぼくが社会人として車で通勤するようになった90年代くらいか?では20%くらい。しかし、かぶと虫はがんばって元気いっぱい走っていたのだった。
これが2025年には30%ですからねー
なんかアイドリングが安定しない、信号待ちでエンストしたが最後全然再始動できない、要すれば「がぶり」とべーパーロックとパーコレーションが一緒に襲ってきたような状況になってしまい。
最初は、ついにかぶと虫エンジンも成仏か。。。と悲しかったのですが、エンジンじゃなくて燃料が問題なんじゃね?と気づき。
そこで気液分離機を付けたら、信号待ちでも全然アイドリング崩れず。ベーパ―ロック解消等著しい効果が得られたのだった。
クズな燃料がどこまで害悪を及ぶかということですよねー
ちなみに、ブラジルでは「フレックス車」といって、どんな混合率でも問題なくエンジンのほうで制御するようになっており、新車族は問題ないらしい。
なんか旧車を差別する気なのだろうか。いじいじ

Antigos Verde Amarelo: Trânsito de Brasília nos anos 60 …
さて、べーパーロックは解消し、登りもアクセル全開!がんがんといけるか?実はなんか力がたりなくなってしまい。
ファーストからセカンド、サードとシフトアップするとき、一瞬ガソリンが足りない、みたいになってから徐々にパワーアップという感じになってしまった。
さらには信号待ちでもなんかアイドリングが頼りなくなる時があることに気づき。
ここまで書けばみなさんお気づきですよねー要すれば、リターンを付けたために、気泡だけではなく、液体のほうもタンクにリターンしてしまっていたのでした。ははは
いらない気泡だけタンクに戻し、液体はどんどんエンジン(キャブ)に注入するにはどうしたらよいか。
リターンの配管にリミッターをつければよいのであった。
というわけでジェミニくんと対話したら、どうやら空冷VWコミュニティでは、キャブレターの「パイロットジェット」を流用すればよいというのが最大公約数的答えとなっているらしい。

パイロットジェット
このジェットというのは「スーパージェッター」のことではなくて、キャブレターの中に仕組まれ、ガソリン流量を調節するバルブというようなものだと思っていただければいいです。
パイロットジェットにもいろいろな口径のものがあるのですが、今回使用したのは0.8ミリのもの。
VWコミュニティでは、だいたい0.6ミリから0.8ミリが「黄金の選択」となっているらしい。
さてこのジェットだが、六角形の部分に「へそ」があり。この「へそ」がガソリンの流量を調節する機構とのことだが、どうもジェミニの野郎の大ウソの気がしてならず。のこぎりでぶちぎったら、ちゃんと気道というか穴が開通しました。

六角の部分とへそ。

六角をぶちぎって気道というか液体の通り道を開けた状態。
さて、この「ジェットの死骸」というか以後「リミッター本体」にしよう、を今度はガソリンホースのコネクターの中に仕込みます。
このコネクターですが、オスねじ、メスねじで締め合わせるようになっており

コネクター
リミッター本体を仕込んだらこうなった

これはメスねじに入れた時の写真。オスねじに仕込んだほうがしっかり固定できたのですが、写真を撮り忘れました。
ただこれだと、オスねじメスねじの空間の中で動き回ってしまい、リミッターの意味をなさなくなるので、もう一つ「エアコレクター」を仕組みます。こちらもキャブの中の主要部品の一つで、その形状から「フルート」とよばれているのであった。

フルート。口径1.25ミリ
このフルートの細いほうを、リミッター本体に差し込み。メスねじオスねじの隔壁を押し込んで固定させることに。
フルートはそのままでは長すぎたので、1センチくらいですかねーぶちぎってリミッター本体の奥深くに差し込んだのだった。

ぶちぎったフルートの断面。のこぎりの作用でゆがんでいますが作動上は問題なし。


上が差し込む前、下が
両者差し込んだ状態
この結合部品をオスねじメスねじで締めこんで自家製リミッターが完成したのだった。

これはまだ仮組み。このあとオスねじのほうにテフロンテープをまいて再度〆なおしましたが、写真を取り忘れ。
この結果、リミッターの入り口で1.25ミリ、出口では0.80ミリに直径というか流量というかが限定(リミット)されるようになり。

入り口。1.25ミリ

出口。0.80ミリ
もともとのホースの直径(内径)が5ミリ程度ですから、ほとんど5分の1というか、針の穴程度まで限定したことになります。
容積で見ればほとんど通らなくなっちゃうんじゃね?
いやいや、これが蒸気にとっては、つつ抜け、だだもれ、大穴に該当するらしい。
ついにエンジンに設置することになり。
ガソリンホースのカーブが終わり、まあまあ直線の部分で、なるべくコイルだの何だの熱源かつ火事のもととなる部分から離し、かつぶらぶら揺れて亀裂だの何だのの原因にならない、という場所を探したらこうなりました。

エンジン全景はこちら

結論としては、幸いべーパーロックは防止されており、針の穴でも気泡は無事通過していっているらしい。
アイドルはエンジンが暖気完了次第安定し、今のところいい感じ。
登坂だのなんだのでアクセルを踏み込むときも、自然な反応になりました。
ところで、一番恐怖だったのが「いかにガソリン漏れを防ぐか」。
上記でテフロンテープとかを巻き、リミッター自体は別に問題なくなったのですが、もともとのガソリンホースが0.7センチのものであり、気液分離機のほうの0.6センチより大きすぎ。ホースクランプを締めまくって密閉していたのですが、今回は気液分離機からリミッターまでは0.6センチのホースに取り換えました。ただ、これで気液分離機はホースとぴったりになったのですが、リミッターのほうが0.665センチなので、ふんぬおー!と押し込み。
いずれにしろクランプが必須であり、しっかりゴムを抑えるように締めました。
なお、ガソリンタンクからのホースは0.7センチのままなので、リミッターがすぽんと入ってしまい。これもクランプで固定しました。

ガス漏れ対策。リミッター内蔵のケースつまりオスねじメスねじはテフロンテープで密閉。上下をクランプで締めています。
設置から3か月たちましたが、幸い目視と指で触った状態ではぜんぜん湿り気なくOK。一方、その日の気温や湿気などによってなんかガソリンの匂いが漂ってくることもありますが、これは今回の工作が原因ではなく、もともとの空冷キャブエンジンのマイクロ的な接合部の隙間から蒸発というか漂ってくるものであり、かぶと虫乗りならみんな知っているにおいと思います。
ついにアルコール30%対策成功か?空冷VW乗りのみなさんへの情報提供や、そのほか素敵女子はじめ読者の皆様への面白情報になることをねがっています。
ではでは
