とにかく飛んでみよう!

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とにかく飛んでみよう!

とある土曜日、朝6時30分。地平線が白みかかっているけれど、まだ寒い寒い!冬の乾燥しきった高原は、フライトジャケットでも寒い9℃。でもエンジンにとっては優しい気温だったりします。

ハンガー(格納庫)の戸をあけ放ち、まずはドレン(機体の安全弁からガソリンをちょっと抜いて水や不純物を調べる)。そして飛行機を回ってざっと機体点検。プロペラ、足回り、主翼と支柱、補助翼とフラップ、胴体全般、尾翼、昇降舵、ラダーの確認。張線含め問題なし、ということでOFF-BLOCK(車輪止め外し)、操縦室に乗り込み、ドア閉め・ロックOK、ガソリンタンクOK,燃料コックメインON,サブ確認OK。これでエンジン始動までのチェック完了。

スロットル全閉、チョーク全開。タクシーウエイに侵入者ないか確認(田舎の飛行場なので子牛とかが歩いていることあり)。スターターON。きゅきゅきゅ、ばさばさ、ゔおん。。。とエンジンがかかり、チョークOFF,スロットル2500回転に調整。

GPSオン、トランスポンダー(管制と機位を通信する発信機)ON、ラジオ通信機ON。航空計器(写真左側、ぼくが座っている機長席正面)OK。エンジン計器(副操縦士席正面)OK。舵面(補助翼、フラップ、昇降舵)操作異常なし。タクシーウエイに進出と同時に方向陀の操作を確認。エンジン暖気運転完了。航法灯点灯。着陸灯点灯。緊急時プロシージャ―復唱(一人で唱えてます、ははは)。

ここでエンジンチェック(マグネト―、最小回転、最大回転)。いよいよタクシーウエイから滑走路エンドへ進出。ここで風向・風速と機首(機軸)の滑走路とのアライン確認。

今日はちょっと雲がおおいな。。。

補助燃料ポンプON。いよいよエンジン全開、離陸します

離陸したらすぐスロットルをちょっと戻します(しないとエンジンが焼き付くぞ!)。そしてフラップ格納します。

翼に風をいっぱいうけて、ぐんぐん上昇します。高度4500Ftに達したところで、ブラジリアアプロ―チ(航空管制施設)を呼び出します。

「ブラジリアアプローチ、こちらAlfa Charlie(ぼくの飛行機の識別コード)。おはよう、応答願う」

だいたいすぐ応答あり。旅客機が多く忙しいときは忘れられちゃうことあり。

以下、管制官のおねえちゃん(ね)とぼく(ぼ)の会話。

(ね)「Alfa Charlie(以後AC)、ブラジリアアプローチ管制局(以後APP)、レーダーコンタクト(OK)、トランスポンダ3404(毎回変わる)、飛行計画復唱せよ」

(ぼ)「APP,トランスポンダ3404、ローカルフライト、SDCB飛行場離陸し、有視界航路A及びB,Sobradinho2, Santa Maria, Laoa2ポイント経由しSDCBへ着陸。フライトレベル055、乗員1名、フライトプランどうり。以上AC」

(ね)「AC計画どうり飛行許可します。SDCB帰着時滑走路が視界に入り次第連絡せよ」

(ぼ)「帰着時滑走路発見次第報告。AC」

これで一応管制との連絡から解放され、のこのこ空の散歩に入ります。ちなみに、どの飛行機が連絡しているかわかるように、飛行機からの交信ではどこかで必ず自機のコードを言い添えます(ぼくの場合はAC)。これを「署名」と呼んでいます。

上ででてきたそれぞれのポイントで旋回して、赤い線を矢印のとおり飛び、最後は一番右端の点で着陸(今回は離陸したと同じSDCB飛行場)します。

航空地図。有視界飛行の航空路を飛びます

SantaMariaポイントの上空に達したところ

ブラジリア人工都市の上を飛ぶ

大体50分くらい、距離で100キロくらいでしょうか、早朝の気流が穏やかな時に飛んでいます。

で、いよいよ着陸。

一応APPに連絡

(ぼ)「APP,AC最終目的地滑走路目視。自由周波数への変更許可願う」

(ね)「AC,SDCB滑走路付近にトラッフィクなし、周波数変更許可します」

(ぼ)「AC周波数変更します。じゃあね。。。」

ちなみに、管制との交信には指定の周波数が複数あり、自由周波数というのは、管制が干渉せず有視界飛行の飛行機同士で連絡しあう周波数のことで、自由周波数に変更をもって管制飛行終了となります。(ちゃんと終了させておかないと「行方不明」にされてしまい後が怖いですが、別記事(B8)にします)。

滑走路に対しアプローチしていきます

滑走路に対して一定の進路・角度でブレずに降りるよう、滑走路番号「22」が視界の一点で静止したまま大きくなってくるようにします。気流で上昇・下降しようとする機体を「スロットルON・OFF」で一定に降下させながら時速65マイルでフラップワン、60でフラップツー、もうちょい落ちるか?でフラップ全開して、低い速度でも揚力が落ちないように降りていきます。最終的に滑走路前の芝生でエンジン全閉、機首下げですいと滑り込み機首上げ、接地します。

着陸は操縦のなかで一番難しく、でも一番楽しい瞬間でもあります。

ぶじ着陸したら、のんびりハンガーまでタクシーしてゆき、エンジンカット、燃料系チェック、車輪止め装着、でフライト終了です。

最後までありがとうございました。今回はローカル遊覧飛行ですが、遠出したときの飛行途中の経過とか、それぞれの滑走路や町の状況など、追って記事にしていきますので、ちょくちょくこのサイトにお立ちよりいただきますと幸いです。

ではでは。。。。

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