インカムとキャピタル 夢を買うか現実を確保するか

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インカムとキャピタル 夢を買うか現実を確保するか

不労所得の要となる金融投資。何らかの金融資産にお金を投入し、その資産がお金を生んで返してくれるというサイクルの構築が重要です。

資産がお金を生んでくれるプロセスは、2つの種類に大別できます。ここでは説明しやすいように金融市場で売買できる株とリートで考察してみます。

  1. 株やリートを買って、値上がりしたら今度は売って差額を利益としてうけとる。
  2. 株やリートを買って、毎月(あるいは定期的に)配当をもらう。

1.2.ともお金を投入する対象や、お金を生む資産は同じ「株やリート」です。しかし、重大な差もあり。経済的自由を達成するためにはこの差を知ってどちらを選ぶかが根本的な重要性をもっています。

この恐ろしい差の秘密は「元本」にあります。

1.のケースの例として、1口100円のリートを買ったとします。管理している不動産の経営がうまくいくなど、利益も上がり、目ざとくこのリートを買いに走る人が市場に殺到した場合、100円では買えなくなり、110円、120円。。。。と上がっていきます。すごいぞ!200円になったから売っちゃおう!とその時(売値200円)―(買値100円)で、100円の利益が返ってきました。

一見「倍になった、わああーい!」ですが、いろいろ問題があります。

A.まず、倍になるまでどのくらいの時間がかかったのか

B.次に倍になるのはいつか。どんな頻度で倍になってゆくのか。

を検討する必要があります。

A.についてですが、一年で倍になったとすると、年利100%で確かにすごい利益です。そして株などそういう大化けするのがないとは言えません。ただ問題は、そういうすてきな株を確実に選ぶための指標が存在しないので、これは!と思って買ったとしても、実際は先月10%上がったけど今月は15%下がった。。。とか言って1年たったらマイナス5%になっていたなどというケースがあります。この場合は、投資したのにお金を生むどころか減っちゃった、となります。なお、インフレが壊滅的な打撃を与えることもあります3.3)

B.上記で明らかなとおり、明日は倍になっているかもしれないし、あさっては倒産して0ということもあり得るし、1年たてば必ず倍になり、1年ごとの周期で倍になってゆく。。。という「規則性・反復性」は元本については当てはまらないと思ったほうが良い。つまり、計画的に資産を増やして経済的自由を達するという意味では相当の危険性を伴ってしまいます。
こうした危険は「元本そのもので儲けようとする」から起きてしまうのです。つまり「株やリートを買って、値上がりしたら。。。」というのは、どう転ぶか不明の夢を買っていることになります。もちろん実現することもあるし、ウオールストリートの寵児とか元本が数か月で数百倍にもなって一躍セレブ入りする人もいます。でも最近あまり聞かないな。。。。と思っていたら、一夜で全財産をすりつぶし、ビルから飛び降りていたりします。投資ではなく、投機になってしまっているのです。

投機で得た一獲千金のお金は、失うのも一瞬

元本のことを英語でズバリ「キャピタル」といいます。資本そのもののことであり、「キャピタルゲイン」とは資本そのものの値上がりによる収入のことです。

でも、元本そのものが増えるという以外にお金が増えるってあるの?それがあるのです。

「インカムゲイン」といいます。これは「元本があなたに代わって仕事をし、その報酬(インカム)を元本に代わってあなたが受け取る」というシステムです。

リートの場合、元本とは別に不動産の家賃が入ってきます。これはリート管理者があなたに代わって不動産を管理し、得た家賃ですが、これを配当としてあなたがリート管理者の代わりに受け取ってあげるのです。はははは。。。

もちろん管理費などあり、リート管理者にも報酬は振り分けられます。さらに言えば、家賃を生む資産はあなたを含む投資者から得たお金で買ったのであり、これをまた投資者に還元しているだけなので、リートの管理者は利益にあずかりこそすれ、損をしているわけではありません。

この場合、元本は売買の対象とはならず維持されます。そして、通常の資本主義経済では、長期的には元本(事業)はインフレを上回って価値上昇する(1.5)ので、資産の保全という意味で株を買うのは悪いことではありません。ただし「人口オーナス」の日本ではこの通例が通用しないケースもあり(3.9)、株やリートは銘柄選びには注意(1.7c)が必要ではあります。

もう一つ言うと、インカムゲインはあくまで毎月のインカム(銀行口座に振り込まれる配当)が重要なのであって、元本が減ろうが増えようが、母体事業が悪化して配当が削られちゃった、というのが数か月続くことでもなければ「元本なんて忘れちゃったほうがいい」こともあります。

ただし要注意:*ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)みたいな日本の毎月分配型ファンドで、利益が出ようが出まいが一定の金額を分配するというのがあり、実は利益が出ないことがおおく、実質は投資対象事業の資本を取り崩して配当する「タコ足配当」が生じ、気が付いたら事業は資金ゼロになり消滅、というのもありましたが、ここでのリートは「利益の95%(ブラジルの場合)」なので、利益の出ない月は原則分配する義務はなく、元本は保護されます。

結論です。。。

経済的自由には投機ではなく投資。そのためにはキャピタルゲインではなくインカムゲインを主体として投資を組む必要があります。したがって

2.株やリートを買って、毎月(あるいは定期的に)配当や金利をもらう。

ことを目指しましょう。

といってもピンとこないと思います。500万円相当のリートを買えるぐらい資産がたまってくる頃、毎月の配当が0.5%とすれば(ブラジルのリートでGGRC,VRTAなどこの辺の配当を安定してたたきだしているものあり1.7c)毎月2万5千円が何もしなくても口座に振り込まれるようになります。そのときに「あインカムってこういうことか」となっとくになると思います。。。。

ではでは。

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