分散投資の本当の意味 その1

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分散投資の本当の意味 その1

第二次世界大戦の当時。

「ずるがしこい日本人の卑怯なだまし討ち」で「平和が好きだけと意志に反して世界大戦に引きずり込まれた」アメリカは、なりふり構わず勝って世界に「ボーイングの旅客機とウイリスのジープ」を売りさばき大もうけするために、無数の種類の武器を作り「分散投資」することで安全確実に勝利を達成しようとしました。

意外と真面目に「高空決戦」を見据えた高高度性能の良いもの、ピストンエンジンとジェットエンジンを組み合わせたゲテモノ、パイロットに優しい二重反転プロペラの戦闘機、意外とかっこいいほっそりしたやつ、空飛ぶ円盤にしか見えず、その名も「フライングパンケーキ」という楽しいギャグ、などなど。

分散投資でリスクを削減しよう、という動機はごもっともですが、分散した対象が使い物にならないものばかりだったので、意味なく資産を消耗しただけに終わってしまったのでした。

つまり、バカな分散はやらないほうがよい、ということです。

アメリカの場合P51という成功作があり。オーソドックスな小型単発機ですが、ドイツだろうが日本だろうがこの飛行機があればやっつけることができたので、ほかのはやあめた、とこの機に選択と集中し性能以前に物量で日独を圧倒しました。

結局「必ず勝つ必殺技となる」投資対象を見つけ、これに「選択と集中」することが経済的自由確立の鉄則です。

ジェット戦闘機ともケンカできたP51

要するに、広く浅く適当な勉強で結局何もできない、というのは避けて、これなら自信がある!という分野をみつけ、その分野で勝負する、ということが重要です。分野は株だろうが債券だろうがブロックチェーンだろうが構いません。

じゃあとにかく集中すればいいのかと言えば、そうでもありません。

アメリカよりもうちょっとスマートなイギリスの例で説明します。

「英国の戦い」という存亡ぎりぎりの瀬戸際に立たされたイギリスは、分散投資で見事難局を切り抜けます。

ここでイギリスは2種の戦闘機に投資しました。

そのひとつが「スピットファイア」でこれ以上ない傑作戦闘機。ドイツの傑作メッサーシュミットもやっつけることができました。でも、ドイツとの開戦前は全然未知数で、かなり無理した先進技術をふんだんに使っていたので、いくら頑張っても生産できる数に限りがあるなど、要するにかなりリスキーな投資でした。

そこでもう一つの「ハリケーン」に分散投資します。こちらは鋼管布張りの機体というはっきり言って時代遅れであるが、設備の整った工場もあり経験豊富な職人も多数で、適当な性能ながら確実にその性能は発揮できる、という確信があった。

ドイツ空軍が明日にも押し寄せるという状況で、イギリス人は次のような模範的な(皮肉ではありません)投資を行います。

  1. ドイツと戦うための武器を製造するイギリス国内の工場を守るためには、工場の屋根にドイツの爆弾を降らせないことに尽きる。つまり、ドイツの爆撃機が工場の上空に到達する前に叩き落としてしまえばよい。爆撃機なんて鈍足で小回りが利かないから、適当な性能のハリケーンで十分。誰でも知っているマイナーな技術でとにかく大量生産して爆撃機をやっつけよう。
  2. と言って、爆撃機には世界最強のメッサーシュミット戦闘機が護衛にくっついてくる。でも恐れる必要はなく、メッサーとはいえしょせんはちょび髭おやじが無理やり作らせた弱点だらけの飛行機で、国王陛下の戦闘機スピットファイアならOKです。ただ、スピットは先進技術盛り込みすぎでそう簡単に生産できず。じゃあ何とかメッサーを爆撃機から引き離し、丸腰になった爆撃機はハリケーンにまかせられるような機数だけでも頑張って生産しよう。

この戦略がイギリスを救ったことは歴史が証明しています。ここでのポイントは、イギリスを本当に救ったのは有名なスピットではなく(貢献はしている)、イギリスの工業生産を壊滅させかねない爆撃機をやっつけたハリケーンだったのです。

シャンプーとリンス、じゃなかったハリケーンとスピットファイア

金融投資においても「スピットとハリケーン」みたいに相互補完する投資種目を見つけることは大変重要です。P51みたいな万能選手、必殺技はなかなか得られないし、あったとしても分散投資でリスクを避けることは絶対必要だからです。

これを実際の金融投資に応用してみます(ぼくの経験の話ですみません)。

  1. P51に該当する「必ず勝つ投資」:人口ボーナス8のブラジルでは、不動産に勝る投資はない。ただし、実物は値段が高すぎ、本当にいい物件を判断するには「最後は運」に頼らざるを得ない。人口ボーナスとは言えリーマンショックなど局地的な大ショックは避けえず、これに耐える投資が必要、ということで、これらの条件を兼ね備えたリートがこれに該当します。でもこれは2019年までのブラジルのお話です。皆さんも皆さんなりの必殺技を見つけることを願っています。
  2. 英国的な分散投資:ぼくが投資しているブラジルでは、金利高と金利安が交互に起きておりなんと年利14%-6%というすさまじい変動が起きています。じゃあどうすれば、というと、「金利高で儲ける投資(戦闘機対策)」と「金利が低くなると価値が上がる投資(爆撃機対策)」を同時に行えばいいのです。すなわち債券投資とリートです。このうち1.の人口ボーナスに乗ったリートが主力であり、ハリケーンとなっています。

 

分散投資は、もう一つやり方があります。でも記事が長くなったので次回とします。ではでは。。。。

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