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サクリファイスの話

来るなら来てみろむらすずめー

 

 

チェスの世界に「サクリファイス」という言葉があります。

一見重要な駒を、ドーン!と捨て去り。対戦相手がぬか喜びをした隙に、ぶぎゃああー!とチェックメイトに持って行ってしまう戦術(ハメ手という人もいる)のエッセンスをなすものです。

典型的なのに「フライドリバーアタック」というのがあり。

序盤はフツーにポーンで中央の支配。ビショップをなにげにふつーの地点に配置した時点で、実はおそろしいタクティクスが発動するのだった。

ビショップ展開。
以下、盤面画像の出典はhttps://chess-beginner.com/fried-liver-attack/
 

 

このあと、いきなりナイトを敵陣近くにはね。クイーンとルークの両取りを狙うぞ!と隙をうかがい。

赤丸にナイトが侵入したら、黒陣営に致命的なフォーク(両取り)となる。
 

 

ここで黒は、へへんそんなのわかってるよーん、とポーンでビショップの道をふさぐのだった。

 

 

この後、白ポーンが黒ポーンを取り除き、それを黒ナイトがさらに奪取。

こうすれば、白のナイトはビショップの支援を受けられなくなり、赤丸にはねてもキングにただで食われるだけになってしまうのである。

どうしよう?

素直に赤丸にはねるのだった。

ははは

 

 

大喜びで馬肉を食らう黒のキング

 

しかし、次の瞬間、白のクイーンにボコられるのだった。王手だ!

 

 

ぎゃあああー!必死に逃げるキング。

 

 

しかし、クイーンは、中央のナイトを取り除き執拗にチェック。

 

 

結局、クイーン交換強要、そして白のビショップによって黒のキングはぶち56されてしまうのだった。

チェックメイト
 

 

ナイトを捨てて攻撃するという、常識を覆すストラテジーを見通すことができなった黒のキングは、ろくにゲームも始まっていないうちに頓死。ナイトを取るということをプライオリティにしてしまったために、もっと優先すべきキングの安全がほにゃららになってしまったのだった。

ははは

 

 

B17と97重爆の性能比較をしていて、サクリファイスという言葉が脳裏に浮かび。

唐突かもしれませんが、本題に入るのでした。

両者ともに、日米の国運をかけて製造した爆撃機です。

B17は四発。97重爆は双発。

パブリックドメイン
 

https://www.yaplakal.com/forum7/topic1784616.html
 

日本は四発爆撃機を実用化できなかったので、非対象に見えるがこうしないと比較できないのです。

この時点で日本側が不利にみえますが、マニアの間で流通している情報は

◎日本は装甲(他重量物)を外して、双発でも4発とかわらない性能を実現した。

要するに、B17は四発の内二発が防禦装置(機銃と装甲)を運ぶために割かれてしまっており、爆撃機としての飛行性能は残りの二発が担っているので、言い換えれば、二発だけでも爆弾搭載量とかの攻撃力だけなら何とかなるという考え。

97重爆のエンジン。1500馬力 https://harley-shovelhead.com/blog/?p=9184
 

 

その結果防御力の全くない「ワンショットライター」になってしまった、という意見です。ライターで有名なのは一式陸攻ですが、B17に比べたら97重爆も似たようなものである。

そもそも、どのくらいの爆弾を積めたのか?

97重爆:1000キロ。重爆だけあって、飛行機に1トンの重量物を乗せるというのは、確かに離れ業である。

B17:5800キロ。

えつ。。。。

やっぱり四発は双発に比べて飛行性能(爆弾積載量)も格段に向上するのだった。

というわけで、二発でも防禦を犠牲にすれば。。。という説は成り立たないことが明らかに。

B17が1機あれば、97重爆の5機分ですからねー

資源がたりない!効率化だー!と言っていた日本こそ、四発爆撃機を量産すべきではなかったのか?

滑走路が整備できないとか、一機の飛行機に四発もエンジンをのせる工業力がないとか、それなりに事実ではあるのですが、単純に積載量1000キロの双発爆撃機2機より、積載量5800キロの四発機1機の方が同じエンジン4発で3倍近くの爆弾を運べるわけですからねー

B17のエンジン。1200馬力。https://mx.pinterest.com/pin/4925880837368057/
 

 

こんがらかったか?

97重爆はエンジン1基あたり爆弾500キロ

B17はエンジン1基あたり爆弾1,450キロ

パイロットや航法通信士、銃手、機銃の数も、実は同じように、双発機2機を作るより四発機1機の方がエンジン当たりの数が重要な節約になるのだった(上の例では実質半分)。

航続距離もB17の方が上です。スピードはどっこいどっこいだが、防御力は言うまでもありませんよね?

結局、日本は、上の黒キングのように、プライオリティを間違えて、みごとにやられてしまったのである。

では、アメリカは何をサクリファイスしたのか?

それが「巴戦」

と書くとちょっと強引ですが、要すれば日本が格闘戦のできる戦闘機を雲霞のごとく作ることに血道をあげていた時に、アメリカはちゃっかり、いかに最短コースで爆弾を日本のライフラインの頭上に降らせるかという方向でプライオリティを設定した。

たしかに、護衛戦闘機を一時的ではあれサクリファイスした。でも、爆撃機自体が不死身なので、戦争遂行という点では見事に大当たりし、日本(ドイツも)の主要都市は灰燼に帰してしまった。

日本が世界に誇る零戦ですが、いくら格闘戦に強くても、それ自体では戦争には勝てないのである。

B17はまっすぐに飛ぶことしかできない、というか爆撃機なのでまっすぐに飛んで爆弾を正確に落とす必要があるのですが、そうゆう爆撃機を迎撃するためだったら、はっきり言って格闘性能なんて全く必要ないのだった。

零戦はP35,36,37,38,40, 47,400,51,F4F,F4U,F6Fとバタバタ落としました。でも、繰り返しますが、落としたこと自体が敵のライフラインを爆砕して機能マヒさせたかというとぜんぜんそうはならないのである。

日本は対戦闘機戦闘で制空権を取って、それから。。。というなんかまだるっこしいほうに血道をあげてしまったため、B17が雲霞のようにやってきて、戦闘機用の7.7ミリでは当たっても落ちないし、20ミリが当たる至近距離まで行く前にB17のブローニング防火機銃でやられてしまうという悲惨なことになってしまった。

これが格闘戦至上の軽戦闘機ではなく、ブローニングを跳ね返す装甲と、13ミリ以上か?B17に通用する武装を持った重戦闘機だったら。。。

重戦闘機の例。P61(パブリックドメイン)
 

 

結局1万機以上零戦を生産する意味はあったのか?ということです。

それだけ栄発動機(火星発動機)を作れるんだったら、B17みたいな「殺しても死なない」四発の重爆をもっと作れていたのでは?

広大な太平洋をまたいでアメリカに戦略爆撃できるか?という、いつもの反論はありますが、それこそ、行くぞロンドンワシントン!と、デトロイトやロスアラモスを火の海にしてやるぞ!というふうにプライオリティを置くことができなかったのか?と考えるのです。

P51にしても、実は格闘性能はそれほど。。。でも、爆撃機に降ってくる零戦にくらいついて、爆撃機から引っぺがしたら任務完了。あとは急降下でさようならーという感じで、アメリカは戦闘機なんてあくまで補助、脇役と割り切った。

結局、日本は見かけのフライオリティすなわち「格闘戦で制空権を獲得」で自らをだましてしまい。開戦初頭に米英の戦闘機勢力を一掃したが、そこで軍部も責任を果たしたと安心し、思考停止してしまった。

アメリカは、そんなことより日独のライフラインを破壊だ!と、戦略爆撃に血道をあげ、戦闘機がまだ工場で生産中のところをせん滅してしまった。

日米比較の記事だと、いつもこの結論になってしまうのですが、結局日本はまず「何を成果とするのか」を決める能力をつちかうことが必要である。

だれも何も決めない、決められないままにずるずると日中事変から太平洋戦争にずれ込み。バッファローを何機落としたとか、戦争の帰結に直結しないポイント的な成果の羅列をして自らだましているうちに、アメリカは零戦の飛べない超高空から日本の主要都市に侵入し、最後は原爆二発で戦争に決着をつけてしまいました。

山本元帥が、あともうちょっとだけ日本人離れしていて、近衛文麿さんに「勝てるの?」と聞かれたときに「狂ったかクズ野郎?勝てるわけないだろう!」と明確にエッセンスを直答していたら。。。。あたら「私は軍人です。やれと言われれば1年や2年は大暴れして見せますが、その後は全く自信を持てません」なんて、いかにも日本人的な「勝てないと言いたいが直答しないので聞いているオマエの方で忖度してわかってくれ」みたいな回答をしたため、近衛さんのほうでも自分に都合よく解釈し。。。。その後は原爆に至る地獄に落ちてしまった。

3000字を超えました。脈絡のない投稿ですみません

行くぞロンドンワシントン http://www.warbirds.jp/heiki/50000.htm
 

 

ではでは

 

Posted by 猫機長
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「ふて猫」F6Fのお話

こないだ、だれからもちやほやされるP47に比べて、いかにF6Fがディスられているかについて書きました→過給機

F6F(左)とP47(右)https://www.youtube.com/watch?v=Ydf0-QadMlY
 

 

かわいそうなF6F。

F6Fをクズ呼ばわりしてしまうと、零戦なんてそれこそ救いようのないクズになってしまうので、なんとかF6Fをほめたたえるという困難なミッションですが挑んでみます。

さて。

グラマン社は、F6F以前に、FF、F2F、F3F、F4F。後継機としてF8Fを生み出しています。

特にF4Fワイルドキャット、F6Fヘルキャット、F8Fベアキャットの「猫シリーズ」は有名。

グラマンの方向性を決定づけたのにF3Fがあります。

その名も「フライングバレル」。空飛ぶ樽なのでした。ははは

F3F https://www.simpleplanes.com/a/yO55lo/Grumman-F3F-2
 

 

でかいタイヤが機体に埋め込まれてるじゃん?

はい。このタイヤがにゅーんと伸びてメインギアになるのでした。

競合機のシーグラジエーターとCR42は、いずれも固定脚のままです。

グラジエーター https://www.eduard.com/jp
 

 

CR42   https://www.gaetanmarie.com/fiat-cr-42-falco-2/
 

 

CR42 に至っては、キャノピーも開放型で、主脚はスパッツでかっこつけていますが、実態は第1次大戦の複葉機と変わらなかったのでした。ははは

密閉式風防と引っ込み脚はともかくスピードを出したい陸上戦闘機の必須アイテムだが、それらを着艦の衝撃とか、視界の問題で本来は敬遠されるはずの艦上戦闘機にいち早く装備してしまうアメリカ恐るべし。

さらに、グラマンはFF戦闘機の代から全金属製の胴体を導入しており。グラジエーターの布張に比べやはり先進的だった。

といって、性能はどっこいどっこい。F3Fの方がグラジエーターの上位転換ちっくであるが、せいぜい「ちっく」であった。グラジエーターとCR42はいい勝負だったらしい。

当時の戦闘機は、固定脚の開放型風防、布張りの胴体でも十分使用に耐えるレベルだったのである。

なのに、わざわざ完全引っ込み脚、密閉風防に全金属という道楽を実現させてしまったのがアメリカなのであった。

道楽とは無縁なアプローチで頂点に達したのに、日本の95式艦上戦闘機(後の練習機赤とんぼ)があります。

九五式艦上戦闘機
 

 

この辺で、後の日米の明暗を予見することができます。

日本は、当時認知されている範囲で最新の技術をこれ以上ない緻密さで追及し。最高の飛行機を作りました。

アメリカは、緻密なんてどうでもよくて、なんか楽しいイノベーションがあるじゃん!どんどんつぎ込んで面白いの作ってみようよ!というユーモアを持っていたのである。

ただし、将来の大戦争を見据えた恐るべきユーモアだった。

F3Fの初飛行が1935年3月。ご存じ「56しても4なない」重爆撃機B17の初飛行が1935年7月なのです。

これが何を意味しているのか。

布張りに、吹きさらしの風防なんて、超アウエイの果てにいる敵の心臓をヒットする武器には到底ならないということを、この時点ですでに予知していたのである。

B17。現在の旅客機とまがう先進的なスタイルを、複葉戦闘機と同じ時代に実現させていた。https://www.reddit.com/r/Warthunder/comments/q0jprb/boeing_b17cd_variants_could_be_quite_a_good_rank/?tl=pt-br&rdt=37383
 

 

 

飛行機なんて、せいぜい前線のすぐ後ろから飛び立って、前線の塹壕を掃射するとか、その程度の使い方しか見通せなかった時代にあって、後にサイパン島に巨大な滑走路を造成して、直接東京を空襲するという狂った技術発展の素地をF3Fに見ることができます。

日本が、陳腐化していく技術の詳細化に血道をあげている間に、アメリカは将来を決するイノベーション技術を着実に実現させていたのであった。ははは

「フライングバレル」というふざけた胴体形状が、日本では持ちえなかったアメリカの余裕を明示しています。

ふざけたわけではなく、紡錘型胴体といって、先端・後端を絞った、樽で悪ければ葉巻みたいな胴体が空気抵抗低減に役立つと言われていた時代であり、日本でも雷電とかがこうした形状を試みています。

でも実は紡錘型は、単発プロペラ機にはあまり効果がなかったらしい。

余裕の全くない日本の飛行機はどうなったか。その集大成が「彩雲」に凝縮されています。

彩雲 https://lapd.exblog.jp/26827190/
 

 

エンジン直径ぎりぎりに直線を描き、ソフトに絞り込まれていく胴体。

逆の言い方をすれば、ちょっとでもエンジン直径よりはみ出す胴体だと、たちまち空気抵抗になり性能低下してしまうという悲しい現実があったのだった。

F6Fの胴体はこんなかんじ。ぼっこりもっこり、エンジン直径から上下左右にはみ出しまくりなのだった。

https://jacksonvjunsan.com/wp-content/uploads/2018/11/image5-18-e1542676924555.jpeg
 

 

やっぱりふざけているとしか見えないですよね。。。

でも、アメリカはおおまじめだったのです。「まるく下に突き出した胴体にすれば、不時着水の場合でもボートのように作用してパイロットを守ることができる」

この思想はグラマン戦闘機の姿を特徴づける「ビヤ樽体形」の裏付けとなったのでした。

人道的配慮もないとは言わないが、実は、製造が機体よりはるかに時間がかかる人間という部品をなるべく温存したかったらしい。

アメリカは、空気抵抗でまくりの胴体もユウユウとカバーできる大馬力エンジンを、F3Fの時代からすでに生産していた。

さらに馬力強化して、単葉にしたのがF4F。これは世界でも最高傑作と言える出来栄えになりました。

傑作機F4F  http://www.hasegawa-model.co.jp/product/02240/
 

 

世界最高の出来栄えってなに?についてはこちら→かわいそうな零戦

そのうち、首尾よく日本が真珠湾を攻撃してくれ。

アメリカ悲願の「被害者としての参戦」が実現し、F4Fと零戦の空戦が起きるようになりました。

零戦の運動性能に驚くアメリカ。

まるで防弾装置を捨て去さったかのような身軽さがある、ナイスな飛行機じゃないか!

驚きはしたが、別に慌てるでもなく。

とりあえず巴戦は避け、急降下、急上昇で避難しましょう、と前線のパイロットに通達しておいて、F6Fへの転換を始めました。

零戦がP39 だのP40だのといった陸上戦闘機をやっつけたのは驚きながら、やっつけ方は艦上戦闘機得意の格闘戦であり。

中低高度の巴戦なら、F4Fの本分である。

イタリア戦闘機よりも馬力がある日本の戦闘機は、F4Fよりも機動力は高かった一方、F4Fは後ろを取られてハチの巣、になってもなかなか落ちないといううれしいサプライズもあり。

たまにF4Fが零戦の後ろを取ったときは、なんとか当たった!とたんにオレンジ色の火を噴いて墜落していくというさらにうれしいサプライズもあり。

F4Fの防御力は維持したまま、もうちっと機動力があればユウユウ勝てるぞ、ということが見えてきたのである。

開戦この方、日本人の飛行機はなんか違うぞ?ということにアメリカは気づいた。

米英やドイツが「より早く、より高く」を指向して、高度優位から下方の敵を叩き落す、というのを目指していたのに比べ、日本人はくるくる回る格闘性能にばかり気を取られており。

考えてみてください。

みなさんが小学生だった頃、通学路に恐ろしい野良犬がおり。パチンコで撃退しようとしたことがなかったでしょうか。

その犬は、実は小高い丘の金持ちの家の飼い犬で、鎖を食い破って野良化しているしょうがないやつだった。

有害鳥獣を追い払う おどしパチンコ
https://www.technet-pro.com/search/item.html?n=001116

 

 

あなたは、丘の下から懸命にパチンコを打ちかけるのですが、下から上に打ちかけても、しょんべん玉で、犬のはるか前に落ちてしまうのだった。

これが逆だったら。。。

上から下への重力エネルギーで、パチンコ玉は見事犬の足元の地面ににびしっ!と当たり。「ぎゃぎゃぎゃ、きゃいーん!」と「野良犬」が驚いて逃げ去った通学路を、ユウユウと歩いていけるでしょう。

日本人は、こうした高低差のエネルギーなんて構わず、中低高度の格闘戦にばかりこだわっていたのである。

航空戦の基本のキを知らないクズどもなのだろうか?

といって、ショーカクだのヤマトだのを沈めるためには、水面近くのゼロファイターをやっつける必要がある。

そのためにP51というのでは、にがてな低空度での格闘でよろしくない。

といって、ジャップのお相手をするためにしかならない、基本を外れた外道の戦闘機なんてわざわざ作る意味があるのか?クズの証明みたいな飛行機になっちゃうじゃん。

戦争に勝つため、クズでいいから作ることになった。

そのクズがF6Fだったということである。

高空にも上がれないし、スピードも出ない。お前本当に戦闘機か?クズ野郎!

クズ野郎F6F  https://www.aereo.jor.br/2022/07/06/o-lendario-caca-grumman-f6f-hellcat/
 

 

でも、F4Fの倍ある2000馬力のエンジンで、F4Fも驚くタフさを備えながらも、日本機と同じくらいくるくる回るようになり。

日本機を圧倒しました。

いわく「F6Fが参戦した日からアメリカの勝利が始まった」

でも、日本が滅亡した時点でF6Fも用なしになってしまい。

大量廃棄(と言わなければ配備を外れた)という悲しい結末になってしまったのでした。

結局最後までF6Fをほめることができませんでした。ちーん

ウルグアイ海軍のF6F https://web.facebook.com/399877246768865/photos/los-grumman-f6f-5-y-su-historia-en-la-aviaci%C3%B3n-naval-uruguayalos-gatos-infernale/1827848430638399/?_rdc=1&_rdr#
 

 

ではでは

Posted by 猫機長
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こんな飛行機に乗っています

どんな飛行機に乗っているの?とよく聞かれます。

小さなLSAに乗っています。と答えるのですが、みなさんそこで一瞬フリーズします。

LSAってなに?

軽い軽飛行機のことです、と小学生みたいな、でも真実そのものの説明をするのですが、みなさんはいよいよ、(・◇・)????となるのでした。

というわけで、軽い軽飛行機ってなに?ということの説明を試みます。

例えば零戦はこんな飛行機です、と説明するのにグラマンと比べると説明しやすいように、なんか僕の乗っている「RANS COYOTE(以下こよーて)」と比較するいい飛行機がないかなーと思ったら、ちゃんとありました。

その名も「パイパースーパーカブ」

ともかく、外見だけでもまずは「こよーて」と「スーパーカブ」を比べてみましょう

こよーて(上)とスーパーカブ(下)https://www.airliners.net/photo/Untitled/Piper-PA-18-150-Super-Cub/1112500
 

 

なあんだ、両方ともセスナじゃん。

いやいや、セスナに似ていますが、セスナじゃないんですよ。

こんがらかるので、とりあえずセスナは忘れて、両方ともセスナみたいな高翼のチープな単発プロペラ機、と理解いただければよいと思います。

 

なぜスーパーカブを引き合いに出したか。

ひとこと「世界のだれもが認めるこれ以上ない名機」だからです。レファレンスとなる名機に比べられれば「こよーて」も光栄なり、という意味で、お手本としました。

ちなみに、「名機」の定義は人により異なり。零戦は駄作だがF6Fは最高の名機だ、という人はまさかいないでしょうが、いたとしてもそれはその人の勝手です。

でも、スーパーカブについては、飛行機乗りならだれでも「世界の名機」と称賛を惜しまない飛行機なのです。

飛行機乗りでスーパーカブを名機だといわない人は、はっきり言って自分で何らかの飛行機を操縦して空を飛んだことのない人でしょう。

 

というわけで、比較いってみます

実は、「スーパーカブとこよーてを比べてみい」とGoogleジェミニに聞いた内容ですが、なるほどこよーてについてはなかなかうなづける内容であり、スーパーカブについてもみなさん知らなかった!なんて発見もあるとおもうので、面白おかしく編集しますが以下の通りです。

                                      

 

質問:スーパーカブの飛行特性とRANS Supercoyote(ES Wing)の飛行特性はどの程度違うでしょうか

 

回答(下線部分が回答そのもの。その下におもしろ解説です):

「スーパーカブ(Piper PA-18)とRANS S-6スーパーコヨーテ(ES Wing)の飛行特性は、外見上のカテゴリー(高翼式)は同じですが、機体重量、制御応答性において大きく異なります。

S-6スーパーコヨーテは、PA-18よりも軽量で軽快であり、特に操縦の応答性(ロールレート)が速いのが特徴です。」

へえええー!こよーてのほうが敏捷だった?

 

 

 

機体重量(空虚重量)

スーパーカブ:450キロ

こよーて:270キロ

重量差:1.66倍

 

あれ、どこかで見たぞ?この数字をだいたい10倍にすると。。。。(全備重量)

グラマンF6F:5,704キロ

零戦:2,733キロ

重量差:2.08倍

 

ええええー?、カブってそんなに重かったっけ?零戦とグラマン、まではいかないにしても、それにちかいじゃん?

いかにこよーてが「ひ弱なひょろっ傑」かということが浮き彫りになってしまった。だって、スーパーカブだって「軽い飛行機の代表選手」ですからねえ。。。

コヨーテに乗るのが怖くなってしまいました

 

気を取り直して、制御応答性です。

「スーパーカブ: 構造が頑丈で重く、制御系統が伝統的なため、操縦感覚は重く、ロール(横転)の応答は比較的穏やかです。乱気流の中でも安定しやすく、パイロットの操作に対する許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)です。

RANS S-6 (Rotax機): 複合材や軽量な構造材を使用し、エンジンも軽いため、非常に軽快で応答性がクイックです。特にエルロンによるロールレートが速く、空のスポーツカーのような感覚です。しかし、機体が軽いため、乱気流や突風に対してPA-18より敏感に反応し、常に積極的な操縦(”Fly the plane”)が求められます。」

 

「頑丈で重く、制御系統が伝統的」ってなにを言いたいんだジェミニ?

いろいろ更問したら、だいたい以下の通りになった。

◎スーパーカブのほうは、グライダーを引っ張ったりとか力仕事も多いので、こよーてと同じ鋼管布張りでも、鋼管の肉厚が違った。

◎制御系統もケーブル主体で、こよーてがコンロッドを多用しているのに比べ昔ながらの仕様です

ということらしい。

ふむふむ興味深いですねえ。

コヨーテのコンロッド
 

 

いきおい「操縦感覚は重く、ロール(横転)の応答は比較的穏やか」というのは理解でき。

一方「乱気流の中でも安定しやすく、パイロットの操作に対する許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)です。」というのはちょっと?

あくまで、こよーてに比べて、ということなんでしょうねえ。だって、確かにコヨーテの倍近い重さがあるにしても、カブみたいな小さな飛行機が「乱気流の中でも安定」なんてありえないですよねー

さらには「許容度が高い(少々「雑」な操作でも破綻しにくい)」に至っては、取りようによってはスーパーカブへの侮辱になりかねないので、ちょっと補足します。

そもそも、カブというのは「決して操縦の優しい飛行機ではない。しかし、三舵のバランスがよくて、ちゃんと操縦ができる奴なら、自分の手足のように動いてくれる。カブで学んだ飛行機乗りは基本がしっかりしている」(高橋淳さんというジェネアビの神によるご意見の受け売り)ことから、許容度とか破綻しにくいとかだとセスナになるとおもいます。

 

おっとまたセスナだ。今回の記事ではセスナは忘れて、ずんずんカブとの比較いきます

「RANS S-6 (Rotax機): 複合材や軽量な構造材を使用し、エンジンも軽いため、非常に軽快で応答性がクイックです。特にエルロンによるロールレートが速く、空のスポーツカーのような感覚です。しかし、機体が軽いため、乱気流や突風に対してPA-18より敏感に反応し、常に積極的な操縦(”Fly the plane”)が求められます。」

どん亀のこよーてを「空のスポーツカー」と言ってくれてありがとうジェミニ!

感動しました。うるうる。。。。

確かに、スーパーカブに比べてもコヨーテは乱気流に弱い、まっすぐ飛んでくれん、というのはわかった。でも、エルロンによるロールレートがいいというのはやっぱりうれしいでつねー一方で、スーパーカブがフォワードスリップで着陸してくるのをみると、戦闘機みたいなキレがあり。やっぱりカブ乗りは神だなーと感心するのでした。

カブのフォワードスリップ

こちらも神着陸→https://www.youtube.com/shorts/0bz7Wt2EfPE

 

 

あと、両者の大きな違いがエンジン。

エンジン以前に、こよーてはエンジンフードが複合材「ガラス繊維」でずるっこ成型しています。スーパーカブのほうはアルミニウム合金。

「スーパーカブ: Lycomingエンジンは低速・高トルクが特徴で、固定ピッチプロペラ(または改造可変ピッチ)と相まって、低速でのパワフルな引きを提供し、STOL時の力強さにつながります。巡航速度は控えめです。

RANS S-6: Rotax 912エンジンは、その軽さから機体のSTOL性能向上に貢献しつつ、スーパーカブに比べて高回転型です。これにより、スーパーカブとほぼ同じか少し速い程度の巡航速度を発揮でき、移動性が向上しています。」

 

このへんはこよーてのほうがメンテがしやすいとの理解。一方、高回転型でエンジンの作動はなめらかですが、プロペラ回転に合わせるために減速歯車を噛ませる必要があり。この歯車がほにゃららになったときに何が起こるかはこちらをご参照→頓死するところでした

 

この記事に書いていなかったところで、カブとこよーての最大の相違点は、カブが尾輪式であること。こよーてのほうは前輪式、尾輪式とあり、ぼくの乗っているのは前輪式ですが、尾輪式に改造しようかな、なんてたくらみも持っています。

 

 

飛行機ごっこから本物のスポーツとしてのフライトへ進化する関門の一つに、尾輪式を乗りこなせるかどうかがあり。でも、カブに比べても安定性がないといわれてしまったこよーて。おとなしく前輪式のままにしといたほうがいいかも。。。

 

ではでは

 

Posted by 猫機長
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大ウソつきジェミニ

最近、いつでもどこでもお手軽にジェミニ。でも、ものすごく信頼できるような回答に見えて、実は。。。というのも散見するので、今回そういう珍回答について特集してみました。

どきどき https://course-net.com/blog/apa-itu-gemini-ai/
 

 

◎宿命の天中殺

50年も生きていると、あの時この時、気が付けばいろいろな無料サイトで天中殺をしらべたりしており。昔は手計算なので間違いとかもあったのですが、近年ではサイトのアルゴリズムもしっかりしてきて、ぼくの天中殺は以下で一致しています。

「午未天中殺の生年天中殺」

サイトによっては、ほかにも「互換中殺」「生日中殺」がでてるよ!と親切に掘り下げて教えてくれるところもあり。

よしよし、ジェミニでこうした生年だの互換だのについてどんな事を言うか調べてみよう。

そこで以下質問しました。

「西暦XXXX年X月XX日午前4時、埼玉県朝霞市生まれの男性です。どの天中殺になるのか、宿命天中殺があるかを教えてください。」

あれ午前4時はいらなかったっけ、まあいいや。

ジェミニの答えは

◎「あなたの天中殺: 戌亥(いぬい)天中殺」

◎宿命天中殺の有無: 宿命天中殺はありません。

 

えつ、あつ、あれ?

これって、新暦(太陽暦)と旧暦(大陰暦)を間違えているんじゃね?

どきどき占い師さん。算命学は水晶占いじゃないけど(IllustAC)
 

 

 

質問を追加

「旧暦をもとに、どの天中殺になるのか、宿命天中殺があるかを教えてください。」

ジェミニの答えは、再び

◎「あなたの天中殺: 戌亥(いぬい)天中殺」

◎宿命天中殺の有無: 宿命天中殺はありません。

 

なぜこの結果になったか?ジェミニいわく

◎「旧暦(太陰太陽暦)は、「月(太陰)」の満ち欠けを基準に日を数える暦法ですが、四柱推命や算命術などの占術で用いる「天中殺」は、「太陽」の運行に基づく干支暦(節月)で算出するため、旧暦(太陰太陽暦)の日付で占うことはありません。」

 

という、なんか断定的で納得できないですよねー。

そうだ高尾学とか学派の基準で計算せい、とすればちゃんとした結果が出てくるじゃね?

新たに質問

「高尾学あるいは朱子学による計算ではどの天中殺になるでしょうか。宿命天中殺はあるでしょうか。」

ジェミニの回答は。。。

◎「天中殺の基本的な計算方法(どの天中殺になるか)は、高尾学でも朱子学でも共通です。」

これは御意。でも次の回答が。。。。

◎「お客様の属する天中殺は、辰巳天中殺 となります。宿命天中殺(生年・生月天中殺)の条件は揃っていません。」

 

わあああ?また別の天中殺がでできたあああ?

この時点で何が正しいのか全く分からなくなり。

しゃあねえ別の無料サイト複数で計算してみよう、となり。

その結果はこちら

https://sanmei-stock.com/category/basic/tenchusatsu/fate/#google_vignette
 

 

やっぱり、「午未天中殺の生年天中殺、互換中殺、生日中殺」

でした。生日とか互換とかはサイトによってあったりなかったりですが、午未であることは間違いないのだった。

ははは。あーよかった

 

戌亥だの辰巳だのという結果を出すにあたって、ジェミニは「日干、新暦」にこだわっているらしい。

占い好き、プロ占い師の素敵女子読者の皆さん、この辺についてなにか補足情報、おもしろ情報ありましたらぜひコメントとかメールください。

 

 

◎B-29

上記は占いというかなりな専門知識がないと。。。というお話ですが、ぼくでもわかるよ~ん、という実例を提示します。というか、飛行機オタクだったら有名な事実についてです。

Pixabay無料
 

 

質問「アメリカがソ連にレンドリースした飛行機は、戦後どうなったのでしょうか」

回答として、ソ連が約束を踏み倒してアメリカに返さなかった。勝手にスクラップにしてアルミ材として使った、またはソ連の技術革新のための教材として使った、というような答え(念のため、一字一句同じではない)から続いて、問題の一文が。

◎「2. 技術研究と複製

最も重要な例外は、ソ連が自国の兵器開発のために供与機体を技術研究に使用したことです。

B-29の複製: 特に有名な事例は、米国から供与されたB-29爆撃機です。故障などでソ連領内に不時着した4機が分解・徹底的に研究され、その技術がソ連初の戦略爆撃機であるTu-4(「ブル」というNATOコードネーム)の完全なコピー生産に繋がりました。」

あたかも当然な事実みたいで、ああそうだよね、と思わず読み飛ばしそうになるのですが。ちょっと待った!

「米国から供与されたB-29爆撃機」

あれれ?B29なんて秘密兵器中の秘密兵器で、特にソ連なんて「明日の敵確定」の相手に供与なんてしていないよね?

だからこそ、ソ連領内にB29が不時着したとき、ソ連は大喜びで「日ソ不可侵条約」を口実にアメリカのクルーをひっとらえて拘束し、もちろん金づるの大事なお客さんなので丁重に扱ってアメリカに返したが、機体自体はちゃっかりくすねてリバースエンジニアリングし、ジェミニの回答にもあるとおりTU4という、本物かとまがうレプリカを作りだしてしていたのだった。

なお、こいつはソ連製のエンジがなかなか優秀で、本家のB29よりも高性能だったかも?だそうです。

あとでジェミニに聞いてみよう。

そうだジェミニでした

問題の一言は「米国から供与されたB-29爆撃機」、ということで更問:

「上記で「米国から供与された」とありますが、事実でしょうか」

するとあっさり以下の答えが来ました。

◎「いいえ、「米国から供与されたB-29爆撃機です」という記載は事実ではありません。

正確には、レンドリース法に基づき供与されたわけではなく、日本への爆撃任務中にソ連領内に不時着または緊急着陸した4機のB-29を、ソ連が無許可で押収し、研究・複製したものです。これは以前のご回答で述べた通り、私が前の応答で「供与された」と誤って述べてしまった箇所があり、誤解を生んでしまいました。大変申し訳ありません。」

TU4 パブリックドメイン
 

 

いやいや別に謝る必要はないんですよ、重要なのは事実の確認ですから。。。。

処罰だのなんだのの方向に血道をあげるのではなく、大事なのは無数の情報のなかから有用なものを見つけ出すことであって、その過程で必然的に生じる、こうした「勘違い情報」が発生することをゼロにしようとしたら、前向きな探求はそこで止まってしまいます。

というわけで、どんどん間違えろジェミニ!でも、間違えたら、すぐ修正してね。

 

B29についてはすっきりしました。

問題は天中殺計算のほうで、こうした、計算式のクラィテリアによって結果が大きく変わってしまうものを、ジェミニなりの計算方法に固執して修正に応じない、あるいはさらに迷走するというのはゆくゆく重大な結果を招く可能性があり。

でも、これにしても問題はジェミニではなくて、ジェミニと対話する人間が、ちゃんとジェミニをリードしなければならない話なんですよね。

幸い、人間はまだ「AIを飼いならす知見」を持っているようですね。といって、シンギュラリティだの、遠からず人間のほうが機械に飼われる時代がやってくるでしょうが。

そんな恐ろしい時代が来ても、経済的自由を達成した人は機械に支配されないで済むそうです。

要するに、世の中すべて金ですねえ。

というわけで、経済的自由を達成するために、みんなで、楽しくてためになるホームページ「アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ」を精読しよう!

はいすみません

ではでは

 

 

 

Posted by 猫機長
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ジェミニくんと対話。乱気流下の着陸について

 

 

Google Geminiに以下の質問をしてみました。下線部分がじぇみにくんの回答。その他がぼくの質問やコメントです。

質問

軽飛行機の操縦について、乱気流下での着陸は、通常の着陸速度の10%を上乗せした速度でとされていますが、現実的には、20ノットのガストを正面と言わず斜め前などから食らった場合、10%も上乗せした速度ではガストの瞬間風速も加わり大きくバルーニングしてしまいます。容易に対気速度が上がってしまうため、接地しても高い速度となり、かえってポーポイズを誘発するのではないでしょうか。むしろ、通常の速度ぎりぎりまで低下させ、なるべく地表近くまで機体を持って行き、機首上げでガストがきても機体速度が失速状態のためこれ以上持ち上げられず、ガストが止まるあるいは瞬間的に風速が落ちても、地表近くであるため落着ではあってもメインギアから降りてポーポイズは防げると考えるのですがいかがでしょうか。

*ごさんこうまで、穏やかな気流での実際の着陸を録画しました。

ほんとうは上の写真の通り左側の座席にいますが、自撮りなので、動画では反転して右側になっちゃってます。ご了承おねがいします。

 

 

Geminiの回答

軽飛行機の乱気流下での着陸に関するご質問、非常に興味深い実践的な視点ですね。

興味深いとか実践的とか、なぜもちあげるのか?じぇみに。

ご指摘の通り、乱気流、特に強いガスト下での着陸は非常に難易度が高く、一般的に言われる「通常速度+10%」という侵入速度のルールは、ガイドラインであり、状況によっては必ずしも最適解とは言えません。

速度上乗せの目的と問題点

目的::失速防止です。強い下降気流やガストによる速度変動で、対気速度が急激に低下し、失速に至るリスクを軽減するためです。
問題点:強いガストを受けた際に、速度が急激に増加し、バルーニング(機体が浮き上がること)や、着陸後の速度過多によるポーポイズ(前後のバウンド)を誘発するリスクがあります。地面効果が効き始める高度では、この傾向が顕著になります。

「地面効果が効き始める高度」というのは新鮮な回答。

提案されたアプローチの考察

このアプローチは、非常に理にかなっており、特に強いガストが予想される場合の高度なテクニックとして有効な場合があります。

「理にかなっている」は正直安堵。問題は「高度な」に「場合があります」だと、困難な操作で、いつでもできる対応策ではなくなってしまうんですよね。。。。

利点:

バルーニングの抑制: 速度を抑えているため、ガストを受けても速度の増加幅が小さく、バルーニングしにくい。
ポーポイズの回避: 低速で接地するため、着陸後の速度過多によるポーポイズのリスクを低減できる。
メインギアからの接地:これは、ポーポイズを誘発しにくい理想的な着陸姿勢です。

欠点とリスク:

失速リスク: 速度をぎりぎりまで下げるため、ガストや風の変動によって、失速に陥るリスクが高まります。特に、ガストが弱まった瞬間に速度が急減し、コントロールを失う可能性があります。
急激な降下: ガストが弱まった際に、機体が急激に沈下し、ハードランディング(強い衝撃を伴う着陸)になる可能性があります。
高度な操縦技術:機体の特性を熟知し、風の状況を的確に読み取る高度な操縦技術が必要です。通常のパイロットが安易に試すべきではありません。

「高度な」の一言がうざい。フツーの降り方ではなく、ひねくれたやりかただぞ、といいたいのかジェミニ?

 

*これも穏やかな気流で、コクピット目線から1分の動画を作っています。着陸って、一回一回がアートですよね。。。。

こちらからご視聴ください→ https://www.youtube.com/watch?v=yZcao-SFzXY
 

 

総合的な着陸テクニック

現実的な乱気流下での着陸では、状況に応じて使い分けることが重要です。

通常ルール(+10%)の適用: 比較的穏やかな乱気流で、ガストの変動が予測可能な場合。速度に余裕を持たせることで、安全性を確保します。
ご質問者様のアプローチの適用: 20ノット以上の強いガストが不規則に吹くような、非常に困難な状況。特に、着陸直前の高度で強いガストが予想される場合。ただし、このアプローチは失速のリスクを伴うため、高度な判断と技術が求められます。

「穏やかな乱気流」なんてあったっけ?

重要なポイント

最も重要なのは、機体のエネルギー管理です。

侵入速度: 速度の上乗せは、失速防止のための保険です。ただし、速度を上乗せしすぎると、着陸後のコントロールが難しくなります。

「着陸後」というのは初耳。尾輪式はともかく、前輪式なら、とにかく地面をつかんでしまえは後はどうとでもなるはずだが?

 

パワーの調整: 乱気流下では、スロットルによるパワー調整が非常に重要です。ガストを受けて速度が増加したらパワーを絞り、速度が低下したらパワーを足すという、きめ細かなパワーコントロールが必要です。

これは。。。。パイロットではないことが露呈したぞジェミニ!(説明は後ほど)

 

フレアのタイミング: 乱気流下では、地表付近の風の状況が刻々と変わります。フレアは、風が比較的安定しているタイミングで行うか、あるいは、ご質問者様が提案されたように、低速で地面に近づけるアプローチも有効な場合があります。

「低速で地面に近づけるアプローチ」すなわち「フレアを効かせて地上3寸で失速」のつもりだったんですけど。。。

 

着陸のやり直し(ゴーアラウンド): 無理な着陸は最大の危険です。迷わずゴーアラウンド(着陸を中止して再進入)することが、最も安全な選択肢です。

へいへい、そのとおりです

 

結論として、

ご提案は、乱気流下での着陸における非常に高度で実践的なアプローチであり、一般論だけでは語れない現実的な課題を的確に指摘しています。特に強いガスト下では、ご提案のような、より細やかな速度と高度の管理が有効になる場合があります。

しかし、このアプローチは失速のリスクという大きな危険をはらんでいるため、安易に試すべきではなく、豊富な経験と高度な判断力が求められます。乱気流下での着陸は、絶対的な正解があるわけではなく、その時の風の状況、機体の特性、そしてパイロットの技量に応じて、最適なアプローチを選択することが求められます。

結論として、

「オマエ(猫機長)が言っているのは、せいぜい試合テクのクズなアプローチであり、大きな危険をはらんでいる。オマエのようなクズな未熟者がやったら、4ぬぞ」

ということなのだった。

正論の裏をかくような質問をする方が間違っているのであり、本当はジェミニも堂々と「クズ野郎!狂った質問をするな!」と回答すべきなのですが、そうするとクズではあってもお金は持っている多数のお客様が潮を引くように去ってしまうので、やれ「興味深い」だの「実践的」だのともちあげておいて、一方ではちゃあんと「絶対的な正解はなく、パイロットの技量に応じて、最適なアプローチを選択することが求められます。」と責任逃れにも余念がないのだった。ははは

みなさん「毒薬口に甘し」ですよージェミニはじめチャットボットのおだてにのらないようにしましょうね。

なぜジェミニが飛行機乗りではないことが露呈してしまったのか。

「パワーの調整: 乱気流下では、スロットルによるパワー調整が非常に重要です。」

「乱気流下」という余計な一言がすべてを台なしにしてしまった。

滑走路にたたきつけられそうになったり、いきなり3メートルだの滑走路目前で吹き上げられたりしているときには、飛行機の挙動に対し反射的に3舵とスロットルの操作が必要であって、よりによって20ノットのガストを議論しているときに、お役所的にこういう文言を出してくるところで、「畳の上の水練。こいつ飛行機に乗ってねーな」と取られてしまうのでした。ははは

これが「教条的にはスロットル操作が重要ですが、20ノット越えのガストにおいては人間の反射神経は追いついていけないので、ゴーアラウンドして別の滑走路を探してください」だったら別ですけどねー

あと、じぇみにの限界というか、「軽飛行機」で終わってしまっており。ぼくのコヨーテは、こうした場面での着陸を一番苦手とするフェザー級ですが、同じ軽飛行機でもちょっとした気流なんてへでもないRV9みたいな重量級もおり。回答も相当違ったものになるといった点はチャットボットを使いこなすうえで重要と思います。

「空のキャデラック」RV9
 

 

「空の三輪車」コヨーテ
 

3000字レベルに抑えるため、じぇみにくんの回答をかなり削りました。この記事が飛行機好きのみなさんの興味を湧き立たせることができたなら幸いです。

ではでは

 

Posted by 猫機長
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軽飛行機のエンジンについて

軽飛行機といっても、きょうび実機とLSAに大別され。この記事ではLSAすなわち軽量スポーツ航空機のエンジンについてです。

LSAは、大体がライカミング系の「恐竜エンジン」か、ROTAXの「創作料理エンジン」に分かれます。

恐竜系は、第二次大戦のさらに前の30年代からのクラッシックな飛行機たちに装着されたエンジンを、ほとんどそのまま現在も継承しているもの。LSAが生まれる以前の実機はほぼすべてこれで、日本のエアロスバルもライカミングのエンジンを積んでいます。

エアロスバルhttps://trafficnews.jp/post/121378
 

 

エンジンhttps://a15ff11300g.sakura.ne.jp/miniature%20car/nichimo%20fuji%20FA-200%20aerosubaru.html
 

 

航空業界というのは、最先端技術をふんだんに取り入れているようで、実はものすごく保守的でもあり。

その辺を飛行していて、あれエンジンの調子が?、というときに、車と違って路肩に駐車、なんてできない飛行機は、エンジンもともかく壊れないで回ってくれるということが最優先され。

それには、やっぱり実績のあるエンジンが。。。ということで、恐竜エンジンが今日も重宝されています。

いつぞや、ルマン24時間耐久レースでなかなか勝てない日本のメーカーチームが、血眼になってなんとかインジェクションとかかんとかシステムとか、イノベーションを盛り込んだエンジンを送り込み。でも結果は途中で故障してリタイヤとなってしまった。

ポルシェは全然リタイヤしないで最後まで逃げ切るよね?というわけで、こっそりというかポルシェのエンジンを購入してばらしたら「その古めかしさに驚いた」そうです。

要するに、なんとかインジェクションなどの、変な創作を入れないから、シンプルで壊れないエンジンになっていたのですね。。。。

飛行機、特にそれほど性能とか高いものは要求されない軽飛行機で昔ながらのコンチネンタルやライカミングが珍重されるのもこれでお分かりと思います。

一方、いつまでも古い技術のままだと、新たな時代の新たな要請にはなかなかこたえられなくなり。

ライカミングエンジンが生まれた1930年代後半では、「ハイウエイを走ることのできる高速車」としてVWかぶと虫がデビューしています。当時時速80キロというのは夢の超特急だったのですねー

ところが、2024年の今日では、速度制限が120キロ、実際はもっと速く走れるよ、という車がふつーになり。

速度を至上命題とする飛行機が、高速道路の上を飛んでいたら眼下で車がぶんぶん追い抜いていきました、というのでは困る。

というわけで、えいやーとイノベーションに舵を切ったのが「創作料理系」すなわちLSA軽飛行機です。

LSAの場合、エンジン以前に、30年代にはなかったコンポジット素材などで機体の軽量化を達成したりとか、エンジンについても高回転で滑らかに回し、減速機で適度に落としてプロペラにつないだり、半水冷式にして冷却効率を高めたりとか、エンジンの重量自体も「恐竜」に比べ減少となりました。

この結果、軽量のエンジンで軽量の機体を引っ張るので、馬力は少なくしても恐竜エンジンを積んだ実機とそん色ないか、上回る性能を持ったLSAがじゃんじゃん生まれています。

安全面はどうなの?ROTAXは、創作系ですがガソリンと潤滑油さえ切らさなければともかく回ってくれるという「百姓エンジン」で、恐竜もびっくりの耐久性を持っています。

では、なぜ恐竜系が駆逐されないのかというと、LSAは機体が軽すぎて安定性に欠け、特に着陸時にちょっと乱気流が吹くとめちゃくちゃ揺さぶられて着陸が困難であるという残念な特性があるので、ずっしりした古典的な実機(最近は「認証機」という呼び方もある)もまだまだ人気なのです。

ぼくは貧乏人で実機を維持する(要すれば税金を払う)お金がないのでLSAに乗っています。

そんなLSAのエンジンをちょっと覗いてみると。。。

まず、こんな飛行機に乗っています。

 

 

そのエンジンは、こんな感じ

巨大なラジエーター。ぼくの飛行機はアンティークなのでこんなですが、きょうびのLSAはぐんと小さなラジエターになっています。
 

 

エンジンヘッド。プラグの上に、冷却水の取り入れ管がついているのがわかります。オレンジのは潤滑油の配管にまかれた遮熱シートです。
 

 

 

プロペラシャフトに接続した減速機。ライカミングとかは減速機なしで直接プロペラ軸に接続されています。
 

 

減速機と作動原理。赤い色の部品が摩耗してやばいことになった記事についてはこちら→プロペラシャフト
 

 

オイルクーラー。ここから先は恐竜系も創作系も似たような部品になります。
 

燃料系。まずはガスコレイターから

この部品は、飛行機の最も下になる部分に設置され、重力でガソリンと分離されて落ちてくる異物や水をキャッチし、排出弁で機外に放出するもの。排出弁すなわちドレン弁は、毎回飛行の前に開いて異物を吐き出させます。
 

 

ガスコレイターを通過したガソリンは2つのガソリンポンプを経由してエンジンへ。写真の四角いのは電気ポンプであり、離陸上昇時の高負荷の場面でONにして、水平飛行に移ったらOFFにします。
 

機械式ポンプはこちら。電気ポンプと違い、エンジンが回っている限り常に作動します。
 

 

電気ポンプを経由して上がってきたガソリンはT字管で分岐されて、左右のキャブレターや燃圧センサー、余剰燃料のリターンの配管に向かいます。
 

 

点火系のCDIモジュール。恐竜はもっと古典期なコイルかも?
 

 

キャブレター。ROTAXはツインキャブです。恐竜はエンジン下部に一つ装着がスタンダード。
 

 

上の図の➁が左右のキャブレターです
 

 

エンジンとは直接関係ないけれど、ブレーキフルードのタンク。実態は自動車用のパワステオイルを流用しています。ブレーキシューの摩耗とともに液面低下しており、継ぎ足しが必要です。
 

 

軽飛行機購入後数年(実は7年)、ガソリンの配管を交換しました
 

 

ではでは

 

Posted by 猫機長
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軽飛行機のメンテあれこれ

「こよーて」という小さな飛行機に乗っています。

 

エンジンの整備とかは専門のエキスパートにやってもらっていますが、日常の点検整備はオーナーがやる必要があり。そんなちょっとしたメンテについて記載してみます。

◎ラジエターの水位確認

半液冷すなわちエンジンヘッドが液冷で、シリンダーが空冷のROTAXエンジン。液冷の部分がある以上ラジエターもあり、クーラント水の確認が必要です。

エンジンカウル上部にある点検口を開き。。。

 

 

ラジエターキャップを外します。

 

 

写真の給水口右側に、リターン用の穴が開いているのが見えるでしょうか?(下の写真では赤丸の部分)

 

 

普段はキャップからゴムパッキンがコイルばねで押さえつけるようになっているのですが、ラジエター温度が上昇して、危うしラジエタ―!爆発か!のちょっと前に、水蒸気というか、熱くなったクーラントの圧力でばねが押し上げられ、リターン用の穴から蒸気を逃す仕掛けになっています。要すれば圧力鍋の安全弁みたいなものである。

キャップを裏返したところ。

 

 

本当は定期的にチェックすることになっているのですが、飛行するごとにキャップを開け閉めなってしているとパッキンもバネも傷んでしまうので、計器盤の水温計、水圧計を常時チェックし、夏の暑くなってきたときには確認頻度を増やすようにしています。

逆に頻度が低すぎると、今度はリターンから蒸発していくクーラントの量が補充より多くなってしまい、やばい気泡発生などの原因になるので、頻度は多すぎず少なすぎず、計器と外気温度とのにらめっこで、なかなか神経を使います。

アンティークの旧機なので、ラジエターも巨大です
 

◎風防の洗浄

車に比べると、意外に汚れの少ない軽飛行機の風防ですが、やはりちょくちょく洗う必要があり。

しかし、車のようなガラスではなく、アクリル樹脂(プレキシグラス)なので、ちょっとでも雑な洗い方をするとたちまちすりガラス状になってしまい。

鬼教官伝授の洗い方は、

まずは水で流す。でもエンジンとかに入らないよう、静かに少しづつ。。。と神経を使います。
十分に埃が流れたら、自動車用のワックスをかける。
ここが秘伝ですが、水洗いにしろ、ワックスがけにしろ、「手でする」。布などは厳禁。
いったんワックスがけしたら、今度は「脱脂綿」でふき取ります。鬼教官は「これも手でふき取れ」と言っていますが、ぼくは綿をつかっています。ははは

 

 

いやいや飛行機ってセンシブルですねえ。洗うのも水だけで、洗剤は使いません。万一のアクリル樹脂の変色やひび割れを防止するためです。ワックスも「Grand Prix」だけで、他のは使いません。

日本でも売っていれば、広告料を取れたのに。。。。無理か。
 

 

◎タイヤと車輪

ホームセンターで売っている中国製のコンプレッサーを使って空気圧を調整

 

 

あと、ホイールのねじがちゃんと締まっているか確認。

 

 

これを忘れていると、ねじが外れて飛んで行っちゃうことあり。いちおうスペアのねじを複数持っています。

意外と小さなねじ。
 

 

◎ブレーキ関連

軽飛行機のブレーキはペダル操作で作動します。

 

 

このペダルが、なかなか妙味があり。

ペダルの上端を踏み込むとブレーキが利き。下の方を踏むと方向舵と前輪が動くようになっています。

赤丸を踏むとブレーキが作動。緑が方向舵と前輪のステアリング。
ブレーキを踏むと、青丸のアクチュエーターからブレーキオイルが押し出されて、メインギアのブレーキシューをディスクに押し付けるようになっています。

 

 

アクチュエーターがよくわかる一枚。
 

ここでは、ブレーキオイルが漏れたりしていないかを目視します。

ちなみに、左右のペダルでブレーキは別々に作動します。ぼくののっている軽飛行機は前輪で操舵できますが、操舵できないのもあり、そういう場合は左右のブレーキ加減で地上の旋回を行います。

ペダルとつながっておらず、単に向きが変わるようになっている形式の前輪の例。

最新の飛行機はこうした形式にして重量軽減を狙ったものが多いです。

 

 

◎翼内点検

飛行機の翼には点検口があり。

 

 

ここを開けて翼内における骨組みや張線(ワイヤなど)、補助翼のロッドなどなどに問題がないか確認します。

きょうびスマホがあるので、カメラを穴からくぐらせてかしゃかしゃ撮影でき。助かっています。

というわけで、同じような写真が続きますがご参考まで。

 

他にも、以下書こうかと持ったのですが、ここまでで写真が多数でページ数が多すぎになっちゃったので、別記事にします。

◎ガソリン給油

◎羽布の確認

◎オイルレベル

 

ではでは

Posted by 猫機長
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フォワードスリップの妙味

地上を離れて空気の中を飛んでいる飛行機。風のかげんとかで、往々にしてまっすぐには飛べず、横滑りしたりしています。

というか、予定進路に向けてまっすぐ飛ぶためには、横から斜めからの風に対応して機首をセットしなければならず。どうしても事実上横滑り状態で飛ぶというのが多かったりします。

 

 

上の画像は、道路なりにまっすぐ飛んでいきたいが、左から横風がある時の例です。機首を左に向けて、まっすぐですが横滑りして飛んでいきます。あれ?

 

これを着陸経路でやると「クラブ」着陸になります。

着陸の時は、機首を風上にめぐらす代わりに、「ウイングロー」といって、風上の翼を下に傾けて、風の方にスリップという方法もあります。水平飛行の時はカニ歩きというかカニ飛び?「クラブ」がふつうです。

左がクラブ。右がウイングロー
 

 

スリップという言葉が出てきました。

3舵のつり合いを重視する飛行機操縦では、スリップはスキッドと共に本来は避けるべき行為であり。でも、旋回中はついラダーとスティックのつり合いが崩れがちで、ターンコーディネーターを見ながら、おっとっと!とつり合いを取っています。

赤い矢印がTurn Coordinator。操縦かんの左右にある青い矢印がラダーペダル
 

 

要すれば、ターンコーディネーターの黒い玉ころが常に指示窓の真ん中に位置するように操縦しています。

旋回におけるスキッドはラダーを効かせすぎたときにおこり。逆だとスリップを起こします。

https://flying-gift.shop/2023/09/24/%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%97%e5%a4%96%e6%bb%91%e3%82%8a%e3%82%88%e3%82%8a%e3%82%b9%e3%82%ad%e3%83%83%e3%83%89%e5%86%85%e6%bb%91%e3%82%8a%e3%81%ae%e6%96%b9%e3%81%8c%e5%8d%b1%e9%99%ba/
 

 

特にスキッドしながらの旋回では、翼端失速からのきりもみとかに入りやすいらしい。じゃあスリップならいいのというとそうでもなく、皆さんが操縦するときは、かっこよく45度旋回だ!なんてやろうとせずに、低傾斜でも手足の調子がとれたきれいな旋回を目指しましょう。

要すれば、スキッドにしろスリップにしろ、せっかくの揚力を奪い、飛行機を地面に落っことそうとする作用を生むということである。

ところが、場合によっては、早く落っこちなきゃ!という状況も生じ。

本当に落っこちたら大変ですが、落っこちるくらい急に降下する必要が生じることもあるということです。

戦闘機とかではないので、いっさんに急降下だ!なんてのはやらないし、やろうとすると空中分解です。といって、もう目の前が滑走路なのに、ぽけっとしていてすごく高い高度のまま来ちゃった!というときもあり。

ぽけっとしていなくても、初めて来る滑走路などは、事前に航空チャートで勉強し、かつGPSで確認していてもなかなか見つけることができず。目視できた時は真上だった、ということがよくあるのです。

そんなとき、のこのこのんびりの低速度のまま、ぎゅーんと一気に高度を落とす技術があるのです。

その名も「フォワードスリップ」

要すれば前進してスリップすることです。なんて小学生みたいな説明ではなく、横滑りによる降下を活用した高度処理です。

いよいよ小学生か?

パイロットの知能なんてみんな小学生レベルですからねえ。博士号を持つパロットもいますが。

さて、ぽけっと高度5000フィートで飛んでいたあなたは、標高3280フィートのとある滑走路直上まで、気づかずに飛んできてしまいました。

本当だったら4000フィートで降下開始したかったのですが、もう真上ですからねー

しゃあねえな、とまずはスロットルを絞り込んで、ほとんどアイドルくらいに落とし。

それから、ぎゅん、と操縦かんを左に倒し、同時に右ラダーをぐっと踏み込みます。

こうすると、機首がぐっと右に向き、機体はぎゅんと左翼を下にしてかしぎ。

ひゅるひゅるひゅるひゅる、と降下率10から15くらいで落っこちていきます。

昇降計。ふつーは降下率3から5くらいで降りていきます。
 

 

あさってを向いた機首(機体)と翼が作る90度の角度のちょうど真ん中つまり機体(翼)と45度くらいの軸線に滑走路がくるように調整します。

そうすると、いいぐあいに滑走路が迫ってくるので、滑走路端ちょっと前くらいで、ようそろー!と手足を戻します。

あとはフツーに着陸。

フォワードスリップは、わざと手足の調和をくずして、本来やってはいけない操作をあえて行うみたいなところがあり、免許取り立てのうちはなかなか怖くて。。。。ですが、なれると、横滑りしながら落りていくのが楽しくなり、わざと高めの高度で滑走路に接近とかして遊ぶようになります。

ただし、要注意!

この操作は、一種失速の一歩手前であり(なんてどんな飛行状態でもそうですけど)。以下、気をつけましょう

その1:機首は下向きに。機首上げでやると一気に失速するぞ!人工水平儀で、水平線より機首が下がっていることを確認しながら降りていけば安心。

その2:スロットルは閉じましょう。アイドルまでいかないでもいいけれど、つい手足の操作に気が行って、高回転のままでマニューバ開始してしまう傾向あり。こうするとスピードが高くなりすぎて機体に係るストレス(風圧)もやばくなるので、まずはスロットルを抜いて、通常の着陸降下速度からマニューバの速度域に収めるようにしましょう。

パイパーカブのフォワードスリップ


 

 

ところで、横滑り、というと「敵機から逃れるためのマニューバ」と思いつくマニアの人もいると思います。

「ジェネアビの神」高橋淳さんという人がいますが、戦中は爆撃機(一式陸攻)の操縦士で、尾部機銃手と連携して敵機を避けたとのことです。

敵戦闘機が後ろに迫り、機銃掃射だ!くるぞ!というときに機銃手がブザーのボタンを押すと、そのブザーを聞いた高橋さんはすかさず横滑りで機体をスライドさせて避けた、みたいな記載が「淳さんのおおぞら人生、俺流」という本に書いてありました。

似たような記載はいろいろなところで散見されますが、これまで「スライド」という部分に違和感を感じていました。

というのも、確かに「横滑り」ですが、実態上機首が横に旋回するだけで飛行機自体の進行方向は変わらないんじゃなかったっけ?という素朴な疑問があったのです。

敵機側から見れば、気銃弾は機首の軸線上に飛んでいきます。つまり撃たれる側がいくら横滑りしても、敵機と同じ軸線上を横滑りしていくだけなので、かえって被弾面積が大きくなるだけじゃね、と危惧するのです。

単なる横滑りだと、進行方向の変化は生じない。①から➁の時点で横滑りしても、③のとおり同じ軸線上にいるので、同軸線上の射撃を受けた場合避けることができない。
 

 

この疑問を解消するのに重要なようつべ動画を発見しました。みなさんご存じ343空が九州だっけ?でグラマンやコルセアを迎え撃った史実を忠実に再現したものですが、この中で被弾により継戦不能になった紫電改が滑走路に降りていくところを敵機に食いつかれ。あわや撃墜!の一瞬に、紫電改は見事な横滑りで敵弾をかわしたのですが、ここでは敵機と同じ軸線上ながら、横滑りによる一瞬の降下で敵弾を上方にそらしています。

「うまいもんだ」 15:00からご覧ください https://www.youtube.com/watch?v=cmE6ofDaRBM&t=130s
 

 

つまり、横滑りですが、敵機から見たスライドは上下方向だったということなのか?

一方、敵艦からの射撃を横滑りで「スライド」して避けたとかもあり、ほぼ水面近くで高度は下げられないところ。

急激な横滑りをやれば、敵弾を避けられるくらい横方向へ進路そのものの変動も生じたのか?

「零戦の操縦(青山智樹・こがしゅうと、ISBN978-4-7572-1734-8」という本では、下の図みたいに解説されています。

 

マニアのみなさんでこの辺分かる人がいたら教えてください。

 

いずれにしろ、空戦における横滑りは「体がちぎれるような強烈な横Gがかかる、とても危険な操縦法です(出典:永遠のパイロット高橋淳さん | ペダル踏み間違い事故防止)」だそうで、ぼくがやっているフォワードスリップなんて「ネコのあくび」、横滑りにも何もなっていないよ、ということなのかもしれません。

機銃をぶっ放して人殺しをしなくて済む世の中になり、ほっとしています。と書きましたが、ウクライナでは人殺ししまくりなのですよね。ウクライナへの侵略が一日も早く終わることを祈っています。

ではでは

 

Posted by 猫機長
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無尾翼機のお話

以前、主翼と尾翼の間にある、切っても切れない恐ろしい腐れ縁について書きました。

記事はこちら→誰が尾翼をそうさせたか

 

飛行機というものは、主翼で揚力を得て空高く肥ゆるじゃなかった上がっていくことができるのですが、主翼だけではだめで、尾翼があってはじめてきりもみだのなんだのに入らず、フツーに飛ぶことができるのでした。

この場合、主翼が上向きの揚力を生むともに、飛行機をまっすぐ飛ばす安定性を得るために、尾翼では下向きの揚力を発生させて釣り合いを取っています。

https://radizetsu.blog.fc2.com/blog-entry-1261.html?sp
 

でも、尾翼なんて、飛行機が大嫌いな重量物、空気抵抗でまくり、かつ、せっかく主翼が作った揚力の一部を削減させてしまう、飛行機からみれば、パイロットの次に役立たずな、ただのごみじゃん、であり。

尾翼がなくても飛べる飛行機ってないのかなーというのが、意外と関係者間でまじめに研究されてきました。

その結果、ちゃんと無尾翼機とか、その仲間の全翼機とかで実用化されるまでになっていたのです。

一番有名なのがB2爆撃機。

https://www.flugzeuginfo.net/acdata_php/acdata_b2_en.php
 

 

でも、これは機体の安定のために相当コンピュータ制御に保っていると思われ。

そういうずるっこなしに、フツーの飛行機と同じくらい静的・動的安定のある無尾翼機ってないの?

パイロットが細心の注意で操縦すれば。。。というのならあるらしい。

例えば、Me163とかノースロップのN9とか。

Me163  https://forum.finescale.com/t/the-original-egg-plane-messerschmitt-me163-komet-testors-ex-hawk-1-48/257370
 

 

ノースロップN9 https://planesoffame.org/aircraft/plane-N9MB
 

 

無尾翼機がちゃんと存在していることはわかりましたが、どうやって尾翼なしで飛ぶのか?

それは、無尾翼機がへんな主翼を持っているからなのです。

どんなふうにへんなの?

まず、フツーの主翼はこんな感じ

全翼機の世界(全翼機とはなんだ(その2))
 

 

ご覧の通り、空力中心は翼を上に引っ張ろうとするし、重心下に引っ張るので、両者の場所が一致していない以上、翼はくるりとバランスを崩して回転しそうになってしまい。

安定どころではないのであった。

でも、尾翼の代わりに、主翼自体に下向きの揚力を発生するようにしたら?

S字キャンバー翼(反転キャンバー翼、あるいはプランク翼)というのが発明され。

翼型の種類と特徴 ー ライト兄弟の飛行機から現代の旅客機まで | 鳩ぽっぽ
 

 

この画像にある翼型のしっぽというか、とんがった先端あたりに注目ください。一番上のように、ぴゅっと上向いていたり、あるいは翼の下面が先端近くで水平尾翼みたいに下側に膨らんでいるのがわかると思います。

ううむわからん?という人に、S字キャンバーではないフツーの翼型(の一例)派こんな感じ

翼型の種類と特徴 ー ライト兄弟の飛行機から現代の旅客機まで | 鳩ぽっぽ
 

 

つまり、フツーは翼下面は平べったくて、上に膨らませて揚力を発生しているのだが、S字キャンバーは、後端を跳ね上げるか、あるいは下(先っぽ)にも膨らみを持たせるとかして、後端では下向きの揚力が生じるようにしたのであった。

こうすれば、翼前縁から中央とか、要するに大部分は飛行機を空に押し上げる上向きのプ揚力を生み。一方、後端のちょっとした部分で、翼がつんのめらないために必要な下向きの揚力を生み出して、水平飛行を可能としたのである。

へええええー!頭いいねえ。

こうしたプランク翼の典型にファウベル滑空機があります。

ttps://www.flickr.com/photos/125284960@N05/15109484278/in/photostream/lightbox/
 

 

なかなかかっこいいというかかわゆいというか、これを飛ばしていて操縦不能に陥ったという情報はでてこず。いがいと操縦が楽しいグライダーじゃね?

ちなみに、Me163や、無尾翼機じゃないけど「震電」もグライダーでプロトタイプを作り、いずれもとても操縦性がよかったとのことなので、無尾翼というのはグライダーにはむいているのかもしれん?

グライダーの場合は、燃料といった、機体の挙動によって重心が移動してしまったり、消費されるに従って重心点が変わっちゃった、というパーツがないので、無尾翼機みたいに重心移動にものすごくシビアな機体にはうってつけなのだそうである。

震電のグライダー型プロトタイプ 。正式名称は海軍空廠 MXY6 前翼型動力付滑空機 https://kcraft.biz/?pid=136910246
 

 

そのうち、ふつーの矩形翼よりも、後退翼の方がモーメントアームを稼げるんじゃね?ということに気が付き

ttps://www.flickr.com/photos/rkc01/28707741500
 

 

https://fdra.blogspot.com/2014/05/ala-voladora-northrop-n-9m-usa.html
矩形翼つまりまっすぐな翼のFauvel(上)と、後退翼のノースロップ(下)
 

 

モーメントアームというのは、がんらい尾翼のある飛行機の概念であり。要すれば主翼と尾翼の間の距離のことである。この距離が長ければ長いほど小さな尾翼でも安定できるという理屈なのであった。

https://radizetsu.blog.fc2.com/blog-entry-857.html?sp
 

 

つまり、後退翼にして、胴体近くは正の揚力を生むようにし、先端つまり空力中心より極力離れたところでこんどは不の揚力を生むようにすれば、ふつーの飛行機とはいかないまでもそれに近い感じにできるんじゃね?

全翼機の世界(全翼機とはなんだ(その2))
 

リピッシュという機体などで、こちらの発展を見ることができます。

上記の図では、翼の先端に「ねじり下げ」といって、ほとんど尾翼みたいな翼型になっているのであった。

 

その後、エンジンの付いている飛行機でも無尾翼機が生まれ。

NASAの太陽光動力機。エンジンというよりモーターだけど。
https://www.nasa.gov/image-article/page/2794/
 

 

後退翼にすると、方向安定性もよくなるというおまけもあった。

ここまでなら、無尾翼でもちゃんと飛べるじゃん、と思われるでしょうが、実は、ことはそう簡単でもなかったのだった。

なんとかまっすぐ飛ぶというならまだしも、旋回やフォワードスリップとか、要するに操縦性はどうよ?というのがあり。

素直な翼ではない、文字通りねじけた(ねじり下げた)翼です。

水平尾翼がないので、昇降舵もないのだった。ははは

仕方がないので「エレボン」といって、補助翼と昇降舵をむりやり統合してしまった。

垂直尾翼のあるやつ(Fauvel、コメート)とかはまだその程度ですんだが、真正のというか、垂直尾翼のない奴は、方向制御ために、エレボンのさらに先端に「ラダー」をつけ。これがぱかっと開くと空気抵抗になり、機首が抵抗の多いほうに向く、という、なんかアドバースヨーを逆用したような怪しい作動が必要になってしまった。

全翼機の世界(全翼機とは何だ(その4))
垂直尾翼のない真正無尾翼機の操舵舵面。
 

 

ちなみに、上の図ではフラップも示されていますが、ふつーはねじけた翼の全翼機には、フラップはつけられなかったらしい。

結局、無尾翼機といいつつ、垂直尾翼を残したコメートなどはそれなりに「成功」しましたが、真正のやつは実用化までは。。。というのが実情らしい。

単に挙動を制御しきれん、というほかに、着陸時に滑走距離が長くなりすぎとか、離陸も物凄く機首上げしないとうまく浮き上がらないとか、いろいろこまったクセに対応する技術革新が得られなったということなのですねー

きょうびはステルス性能優先でB2爆撃とかも飛んでいますが、この記事の初めに言ったように、コンピュータでむりやりまっすぐ飛ばしているということであり、残念ながらあまり望ましい発展ではないと理解します。唯一順調に行ったのが高速機つまりコンコルドやミラージュ戦闘機などにおける三角翼だと思います。

著しい機首上げ姿勢でないとうまく離着陸できん、というのは無尾翼機の重大な課題であり。コンコルドは、なんと機首が折れ曲がるようにして視界を確保するという荒業に訴え。

離陸時のコンコルド https://www.aeroflap.com.br
 

 

一方、パイロットの鍛錬に頼って、機首上げ上等!という力技により、多数の事故機を出したしまったのにカットラスがあります。

カットラス https://boomsonicprints.com/print-store/f7u-3m-cutlass-side-view/
 

 

カットラスはじめ、無尾翼機は、いったん空高く上がっちゃえば、空中での挙動はそれほど癖のあるものでもなかったらしい。でも、飛行機にとって最重要である、離着陸時の操縦性に難あり、ということで、残念ながら現在は忘れられた存在になってしまいました。

でも、将来は、全翼機なのか?リフティングボディなのか?なぞの旅客機も研究途上だそうで、未来には不思議な形の飛行機がいっぱい飛んでるかも?

3000字越えで打ち止め。

こうなるかも。未来の旅客機 3種の「見た目も中身も近未来すぎる旅客機」エアバスが発表 燃料は水素 2035年実用化へ (2020年9月21日) – エキサイトニュース
 

 

ではでは。。。

 

Posted by 猫機長
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ハンプ越えのお話

今回は、基本以下のリンクからの情報をもとに、いろいろなソースからの情報を加えて記載しています。

http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/200507/zhuanwen40.htm

https://www.szkganz.seesaa.net/article/431864155.html

画像は特に出典の明記していないもの(というかほとんど)はこちらからお借りしました。

https://hk.aboluowang.com/2015/0531/564212.html

 

 

1942年、日本軍はビルマを占領し、援蒋ルートすなわちビルマ公路が封鎖され。米英物資援助の道を文字通り閉ざされた中国は、ついに日本に降伏か?の瀬戸際に。

日本人と中国人が殺しあうことで大儲けしていたアメリカ等は、それじゃおいしくないねえ。何とか戦争を継続させよう、と画策し。

でも、インドやビルマを通じた中国への補給は、ヒマラヤ山脈や砂漠、ジャングルなどありとあらゆる障害の中を何とか通れるよう、ビルマ公路を整備していたのに、ジャップによって封鎖されてしまった以上は、空を飛んで持っていくしかないじゃん、ははは、なんてあきらめかけたところで、あれそういえば輸送機っていうのがあるよね、と思い至り。

2025年の現在こそ、世界中でジェット旅客機が飛び回っていますが、当時はまだまだ馬車や牛車の時代であり(冗談ではなく、零戦は工場での組み立てが終わったら、牛車、あるいはペルシュロン馬車で、もよりの空港まで運んでいた)。航空輸送なんて夢のまた夢、だったのです。

しかし、アメリカではDC3の登場で大量航空輸送の先駆けみたいなのは生まれれ始めており。

東洋人たちの殺し合いを継続させるための物資輸送で、アメリカ人や中国人の若者をモルモットにして、大量航空輸送の実験をしてみようということになった。

こうして「ハンプ越え」が生まれました。ハンプというのはラクダのこぶのことであり、中国では「駝峰航線」と言っています。

 

 

この航空路は全長800キロ余り。当初は「北線」と「南線」がありましたが、日本軍の侵攻にともない北線のみとなりました。ディンジャン―プータオ(ビルマ)―雲竜(雲南省大理)―雲南駅(大理州祥雲県)―昆明と結び、天気によっては、ディンジャンからプータオ、麗江(雲南省)を経て昆明を結ぶときもあった。

フライトの一例としてはこういう記録があり

「ブラマプトラ渓谷の谷底はチャブアで海抜90フィート(27メートル)にある。この標高から、渓谷を囲む山壁は急速に標高10,000フィート(3,000メートル)以上まで上昇する。谷から東へ飛行したパイロットは、まずパトカイ山脈を越え、次に東側を標高14,000フィート(4,300メートル)の尾根、クモン山脈で区切られたチンドウィン川上流域を通過した。その後、西イラワジ川、東イラワジ川、サルウィン川、メコン川の渓谷に隔てられた標高14,000~16,000フィート(4,300~4,900メートル)の尾根を次々と越えた。この雄大な山々全体と、それを横切る航空路にその名を与えた主要な「こぶ」は、サルウィン川とメコン川の間にある標高15,000フィート(4,600メートル)にも及ぶサンツン山脈である。メコン川の東側では地形は明らかに緩やかになり、昆明飛行場(標高6,200フィート(1,900メートル))に近づくにつれて標高差も緩やかになる。」

ハンプ越えに使用された中国航空公司の輸送機と従業員
 

 

第2次大戦後に中華民国から共産政権へ移転され、五星紅旗のあるC47。https://www.jetphotos.com/photo/8787305
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%88%AA%E7%A9%BA%E9%9B%86%E5%9B%A3
 

 

距離的に言えば、東京から京都へ行って帰ってくるくらいで、それほど遠いというわけでもないのですが、「ハンプ」を構成する山脈がそびえたつ壁となって航路を阻み。1943年12月1日から1945年8月31日の間に東行きに156,977回飛行し(つまりに西行きにも同じ回数飛行した)、この間594機の航空機が墜落などで喪失、乗員乗客合わせて1,314人が死亡した。さらに81機の航空機、345人の乗組員が行方不明となった。

1945年7月31日に残存していた飛行機の数が640機とのことですから、ほとんど半減に近い損害じゃね?正確な統計は得られていないそうですが、想像を絶する危険な路線であったことは議論の余地がないと思います。

命からがら昆明に到着したC46
 

 

「らくだのこぶ」なんて一見のどかですが、ヒマラヤ山脈の峰々は、6,000mを超えるものが多数あり、最も高い地点では8,000mに迫るものもあった。このため、輸送機は「山岳地帯を越えるのに十分な高度に到達できず、迷路のようなヒマラヤの峠を通る非常に危険なルートを余儀なくされた」。

気象上も本来輸送機がのこのこ入っていくような場所ではなく。

「ルートは、ヒマラヤ山脈の存在によってかき混ぜられ、混ざり合った3つのユーラシア気団の真ん中に位置していた。南のインド洋からの湿った暖かい空気が高気圧を生み出して北に吹き荒れ、一方でシベリアからの冷たい乾燥した空気は南下した。これらの低気圧と高気圧は極端で、猛烈な風を生み出した。その風が世界最高峰の山脈という動かぬ塊にぶつかると、驚くべきスピードで上昇し、その後冷えてから恐ろしいドラフトとなって下降し、飛行機を驚異的な降下率で地上へと投げ飛ばした。雲塊内の乱気流は激しく、パイロットは突風でひっくり返されたと報告したが、行方不明になったために何も報告できなかったパイロットも多かった。」

夜間飛行に備えるC46
 

 

いろいろな輸送機が投入されましたが、C47(DC3)はもともと貨物機というより旅客機であり、重い貨物を載せたら床が抜けちゃう、みたいなのがあったため、主力として一回り大きなC46(貨物搭載量3.5トン。C47は1.5トン)が使用されました。

といっても、理想とは程遠く。「頻繁に機械的な故障に見舞われた(燃料漏れが翼付け根に溜まって爆発の危険となる傾向があった)。そのため「ダンボ」や「配管工の悪夢」、「空飛ぶ棺桶」といった不名誉なあだ名が付けられた。運用開始から5ヶ月で、C-46の20%が墜落した。1943年秋までスペアパーツが不足し、最初に送られた68機のC-46のうち26機が使用不能になった。」

「作業員たちは、1頭の象が12人以上の作業員が担う石油ドラム缶の運搬に相当することを発見した。」
 

 

とあり。B24 ベースのC87はデイビス翼によって「向かい風や横風の影響を大幅に軽減できる速度、ほとんどの気象前線を乗り越えられる実用上昇限度、そして乗組員が順風を追いかける「圧力前線」パターンで飛行できる航続距離など」はあったものの「4発エンジンにもかかわらず上昇が悪く、悪天候での飛行には不十分で、山岳地帯での軽度の着氷に遭遇しただけでも制御不能に陥る傾向があった。」そしてC54(DC4)は高空性能が足りず、輸送の主力にはなれなかったらしい。

荒れ狂う山岳航路でも、晴れてかつ気流の穏やかな日もあったらしい。

「晴れた日は、墜落した航空機の破片の反射する光に沿って飛行できるほどだったという。パイロットたちは戦友の航空機の残骸が散っている山谷を「アルミの谷」と呼んだ。このように非常に険しい路線だったので「駝峰航線」は「死亡航線」とも称された。」

「死亡航線」を生き延びた中国パイロット。陳文寛氏
 

 

そんな決死の輸送で墜落しても、「1,200人の乗組員が救助されるか、自力で基地まで歩いて帰還」したというからおどろき。専門の救助部隊も結成され、「救助活動のために2機のC-47と数機のL-5連絡機が割り当てられた。墜落現場にパラシュート降下して負傷した乗組員を救助するボランティアの衛生兵を募集」という記載もあり、人命救助にどこまで役立ったかはともかくこうした体制がとられたのは特筆すべきと考えます。

ビルマ公路での輸送量が1か月あたり1万トンとの記録があり。1939年から1942年までの3年で36万トンとなります。ハンプ越えでは1942年から1945年の3年間で65万トンという驚異的な数値を達成しました。

ところで。

この投稿の情報収集をしていた時に、とある国際郵便の写真が出てきました。

出典:「― GANさんの日本郵便史リサーチ ―」
 

なんと1943年、中国からアメリカ(成都-重慶-カルカッタ-カイロ-ラゴス(ナイジェリア)-ブラジル-トリニダード-マイアミ)へあてた手紙なのである。

重慶からカルカッタまではハンプ越えルートを経由したらしい。なんとか墜落せずに宛先に届いたという、奇跡の一枚ですねー

どんな内容の手紙だったのだろう。

「崎陽軒のシュウマイが高くなりました。いつか”でづにーらんど”というところに行ってみたいです」なんて書いてあったのかもしれませんね。

中華民国空軍のC46 https://www.airhistory.net/photo/586048/478627
 

蛇足です。C46は戦後日本でも使用されました


 

 

ではでは

Posted by 猫機長