パイロットと雲、そしてギョウザ

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大陸の高原で小さな飛行機に乗っています。


2人乗りのExperimental機です

 

小さな飛行機なので、レーダーとか上等なものはついておらず。有視界飛行といって、目に見える地形などを指標にしながら飛んでいます。

きょうびグーグルアースとかもあり、目的地までにどんな山や川、町や建物、農場や道路、湖があるかなど事前に調べておき、空に上がれば、おっとこの道路はもっと左寄りになるはずだから、横風で機体が右に流されちゃってるね、と機首を左に向けて修正したりなど、要は地面が見えてさえいればレーダーなしに(GPSは便利)なにげに飛んでゆくことができます。

問題は、雲が出てきて、視界が遮られちゃうとき。

雲というのは水蒸気とダストが目に見える密度に凝縮したものですから、あらかじめ地図上でここにあるよ、と書いておくことはできません。霧雨、雨、雷雨、降らなくても雲が空一面を覆っちゃうなど、雨季の雲は小型機パイロット泣かせです。

離陸時に、滑走路周辺は青空でも、いったん空に上がって50キロくらい先まで視界が効くようになると、50キロどころか、意外に近くで層雲がにょごにょご横に伸びているのが見えたりします。こういうときは、時々360度旋回などして、後方のかなたに離れていった滑走路周辺にこうした雲が伸びていっていないか確認しながら飛ぶ必要があります。

もちろん、こうした雲が滑走路上へ伸びていきそうだったら、管制官へ「出発空港へ進路変更(Alterna Origem)、プラン変更で帰路につく」と要請して「了解」をもらったらすぐに引き返す必要ありです。


離陸時は青空だったのに、着陸時には層雲が発達してきた例

 

ちなみに、雲にはいろいろなタイプがあり。

平べったくて薄く伸びていくのが層雲。この雲が出るときは気流は穏やかで、中層から上に出ていれば飛行にはとても良い天気になります。これが地表にへばりつくように出ている場合は要注意で、フライトプランで翌朝8時離陸、としていたのに、飛行場に行ったら一面の霧だった、泣く泣くフライトキャンセルなんてこともあります。上下ににょきにょき発達するのは積雲。雲の間の視界はよくなるが気流が荒れていることも示しており、要注意の雲です。

*このへんは別記事「いろいろな雲」に書いているので、ぜひ読んでね!


左が下層の積雲(Cumulus)、右が高層の巻雲(Cirrus)

 

最初から入道雲がにょきにょきとか、滑走路直上が真っ暗で今にも豪雨が、というときは判断も簡単ですが、判断がつかないときは、しょうがないので一点飛行(ホームベースから離陸して、ホームベースに着陸する飛行)のフライトプランを提示して、飛行場の周回とかでうさを晴らしたりすることもあります。

そこかしこで強烈な積乱雲(CB)が発生するケースでは、無線機に飛び込んでくる旅客機と管制官の交信も、旅客機が次々に(雲を避けるための)進路変更を要求してくるので、管制官もこれをさばくのに「はっちゃき」になり。そんな時は、管制の邪魔にならないよう、交信に余裕が生じた合間を見計って早めに「最終着陸に入る。フライトプラン終了願う」として、さっさと管制終了(着陸)しちゃうこともあります。

といって、地面にいてばかりじゃ操縦技能も鈍るし、飛行機のメンテにもよくないし。

たとえば、下の写真では、離陸できるかできないか?


答えは、離陸可能です

 

なぜかというと、写真の赤丸に注目


拡大します


赤丸の中に、セルタワー(通信塔)があり。このてっぺんちょっと上くらいが、だいたい海抜3,700フィートつまり滑走路の着陸旋回を行う高度なので、このタワーが雲で隠れていなければ離陸差支えなし、となります。

 

こんな感じで、滑走路近辺の目印を「ものさし」にして判断しています。生活の知恵ですねー

こういうのっぺりした雲が、上記のようなトラフィック高度ぎりぎりではなく、7千フィート以上に出ていてくれれば、太陽の直射熱によるサーマルが発生せず、とても穏やかな空になるので、実はこういった層雲はパイロット好みの雲だったりします。

層雲の高さ、というのはなかなか重要で、雨季になると、よりによって5,000フィートくらいに出てしまうことも多く。これは、Experimental機の巡航高度なんですよね。。。



まあ、薄切り肉みたいに薄っぺらい雲なので、ちょっと降下して雲の下に出れば、大体は穏やかな気流の中、地上の指標をゆうゆう確認して飛ぶことができます。

これが、シュウマイみたいなまるっこいのや、ギョウザみたいなのがいっぱい、という時があります。

大きさにもよりますが、白くて小さいのが多数ふわふわ、むしろ、わたあめみたい!という場合は、気流も穏やかで視界も十分開けているので、こうした雲の間にまぎれこんでいって遊んだりします。

(でも、雲の中に入っちゃうのは厳禁!です)



わたあめみたいな雲

 


ギョウザみたいなのもあり

 


雲の間から、道路や畑、集落などが見え。軽飛行機は地文航法です。

 

パイロットというのは、なかなかあまのじゃくで、空を飛んでいるときは、地面ばっかり見ています。そして、地面にいるときは、空ばかり見ています。。。。


飛行機乗りになって、空を見上げるようになりました

 

まだ記事スペースがあるので、ギョウザのお話を。。。

①蒸しギョウザ

ステンレス蒸し器を購入し、さっそくギョウザ作戦を開始。

日本食品店で、できあいの冷凍餃子を売っているので、冷凍したまま蒸し器に並べて、沸騰している鍋の中に入れます。



蓋をして蒸すこと30分。。。。

 


ぱっと見はとてもいい感じになり。

 


そして、ぜんぜん蒸し器にくっつかなかった!すごいぞ!

 


いい感じに焼けました。すくなくとも、凍ったまま残ってしまい、シャリシャリ。。。というのはなく。

皮は、すごくもちもちになりました。よかったね。。。

 

②焼きギョウザ

ギョウザといえば焼きギョウザ。


まずは、冷凍状態ではこんな感じです、というところから。。。

 


ギョウザたちが3分の2くらい沈む深さに水を入れて、沸騰させ、蓋をして蒸し焼きに。

 

5分間待つのだぞ。。。。

そこで水を切ったまではよかったのですが。。。


やばいぜ、くっつきはじめてるじゃん

 

というわけで、あわてて油で焼いたのですが。。。。


こんな感じになりました。

 

ぜんぜん焦げあとが。。。。

そして、裏返っていないやつの底が、どうなっているかは、お察しください。かなしいな。。。

でも、おいしかったので〇

失敗以前に、もともとがあまりギョウザちっくじゃないじゃん?という人に、少なくとも包装の写真ではかっこいいギョウザでした


こんなふうにうまく焼きたいな。

 

ではでは。

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