抗体と免疫:新型肺炎の重症化を分ける鍵とは

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抗体と免疫:新型肺炎の重症化を分ける鍵とは

さて、前回では「集団免疫」の獲得が新型コロナウイルスの蔓延を防ぐ唯一の手立てであることを書きました。

そして、集団免疫の達成は、ウイルスを撃退できる抗体をいかに人口の大多数(諸説あるが80%くらい)が獲得できるかにかかっています。

というわけで、識者の考察から市井の人々の単なる想像も含んで、多数の議論が交わされています。

◎とにかくどんどん感染して、軽症で直しちゃった方がいい。そうすれば人口の80%にとにかく早く達し、するずると感染動態を長引かせるよりましだ

◎医療崩壊はダメ!絶対!感染者数の爆発をあらゆる手段で防がなければならない。時間はかかっても集団免疫は獲得される。

この両極端の間に無数の選択肢が議論されているのですが、そのすべては、いかに集団免疫を達成するかを目標・根本としています。

では、集団免疫が達成されれば新型肺炎の流行は阻止できるのでしょうか。

実は、できない、というショッキングな事実が明らかになってきました。


すみません、正確に言えば「集団免疫が達成できれば阻止できるが、そもそも集団免疫が達成できるかがあやしい」です。

免疫があれば病気にはかかりません。

免疫の基礎となるのは抗体です。

というわけで、ふつーの感染症であれば、抗体があれば免疫がつくられる、ので、例えば結核への対応(予防)としてBCG注射で抗体を作ります。

問題は、COVID19があまりフツーでない挙動をしていることが明らかになってきたことにあります。

COVID19だけ、ということではなく、SARSなど複数のウイルスにもみられることだそうなのですが、COVID19は「抗体に対する反応がまちまち」という恐ろしい性質が確認されてきました。つまり

◎新型コロナでも抗体が高い人に重症化例の報告が複数でてきた

◎抗体検査で抗体があっても免疫として機能しない可能性がある

など。

つまり、抗体が「中途半端・不完全」あるいは「過剰」に作用して、抗体がない人だったら自覚症状もないままにウイルスが抜けていっちゃうはずが、抗体があったばっかりにウイルスとの過剰反応を引き起こし劇症化してしまった、という実例がすでに発生しているらしい。

抗体よりも、ウイルスの方が変異を重ねて、抗体を凶悪化の引き金とするような変化を遂げてしまっているのかもしれません。

ここまでくると、以前「コロナウイルスの隠れた凶暴性」で引用した感染症の権威であるお医者さんの言葉に今更ながら回帰しているとの印象をぬぐえません。詳しくはこの記事を読んでいただくとして、ポイントは

「変異が怖いから、拡散する前に封じ込めること」

「一旦コロナに感染して、なおった、という人でも再び症状があらわれているケースが最もやばくて、これは単にウイルスが残っていて再び勢いを盛り返しただけか、あるいは人の免疫システムをウイルスが学んで、この免疫システムに耐性のある新たなウイルスに変化しつつあるのか、などが全く分からない」

につきると思います。

でもすでに世界中に拡散していますよね。この文章を読んでいる人、書いているぼくも、感染していないとは言い切れない状況だと思います。

もう一つ、スペイン風邪の例を見る通り、2回目の流行が一番凶悪となることが予期されます。この場合、すでに感染して抗体を持っていた方がよいのか、関係ないのか、抗体がないほうが感染しても軽微で済むのか全く分からない状況です。

ではどうするのか?

1-巣ごもり、手洗い、ドアノブや靴の洗浄で新たな侵入をシャットアウト

2-体調を整え、ワクチン(予防)あるいは特効薬(治療)の出現を待つ

しかないし、実はこれができれば十分だったりします。

パチンコとか飲み会とかに行かなければよいのです。買い物は買い占めにならない範囲で回数をセーブしましょう。

いまだ得体のしれない新型コロナ肺炎のウイルスが蔓延する飲み会や会社の行事に「7-8時間で急に悪化、死んじゃった」という病気になることを覚悟で参加するのか、あるいは参加強要する会社をハラスメントで訴えるか。いずれも苦汁の選択ですね。。。。


さて、新型コロナの場合、集団免疫が「達成されたとしてもそれで解決と言えない症例が多数発生する」ことを見込んだうえで、やはりワクチンには期待すべきと理解します。そして、クロロキン、レムデシビル、血液凝固防止剤など、関係あるのか?民間療法レベルから、本物の特効薬が開発されるまで、感染しようが、何度再発しようが生き抜くぞー!の覚悟が必要ですね。

人類の英知がウイルスの全貌を解明する日はそう遠くないと考えています。それまでウイルスとの攻め合いに負けないよう集中を維持して、みんなでのりきろう!(最後は剣道用語になっちゃいました、おそまつさま)

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