ポルシェくん。かわいいなあ
とある金曜日。ブラジリア市の北部地区にあるアパートから、30キロ北東の飛行クラブまで、ポルシェくん(356Aレプリカ)に土日の食料など詰め込んで、いよいよ出発だ!駐車場を発車し、アパート敷地の出口まで来たとき、突然エンジンがぷすん、と止まっちゃいました。
いくらセルモータをまわしてもかからず。
アパートに出入りする車が集中する場所だったので、あわてて管理人さんたちといっしょに、業者用の駐車スポットに押してゆき。
アパートから徒歩5分の所にある修理工場へ修理屋のにいちゃんを探しに行ったら、工場長みずから(Biraという名のおっちゃん)が救援にきてくれました。
別に何もへんなところはないよ?ディストリビューターの蓋を開けたら、ローター中心のコンタクトポイントが汚れて真っ黒になっていたので、がしがし!きれいにしたら、一発でエンジンがかかりました。
画面まんなかのまるい容器(ディストリビューター)の中から飛び出しているような四角いのがローター。その回転軸にあるまるい金属の部分が汚れで真っ黒になっていました。
でも、蓋のほうで電極がすり減っちゃってたので、早めに交換したほうがいいね、という事でその日は決着し、事実30キロ先の飛行クラブまで全然問題なく行き。日曜にはなにげに帰ってきました。
ところが、2日たった火曜日。
会社からの帰り道、5キロも走ったところで、今度は、バーン!とバックファイアを起こしてエンスト。
しゃあないなあ、と慣性で走ってゆき。すぐそこに車道を外れてスペースがあったので、避難してストップ。
例の蓋を開けて、電極をがしがし。エンジンケーブルで緩んでたのがあったので、バックファイアはこれだな、と差し込みなおして、エンジンも素直にかかったので、そのまま帰宅しました。
ところが、翌日も、こんどはすとんとエンストしちゃう症状が発生したので、そこかしこでストップ、休憩しながらBiraの修理工場まで逃げ込み。蓋の方は見つけてくれており、さっそく付け替えて、その日はまた問題なく自宅へ。Biraいわく、もしこれでなおらなかったら、CDIユニットかもしれん、とのことでした。
ディストリビューターのふた。右は内側を覗いたところで、中央の電極がすりへっちゃってます。
はたして、翌日またもや同じ症状が再発。そこかしこで止まりながら、その日は何とか逃げ帰り。
ブラジリアには、ちょくちょく「避難スポット」みたいなのがあり。
ふだんから、その辺を飛行しているとき、無意識に万一の不時着点を探しているのが、道路の避難スポットを見つけるのに役に立ったかもしれん。
さらに翌日の早朝、まだエンジンがうまく作動しているすきに、近くの部品屋さんに滑り込んでCDIユニットを購入し、付け替え。
CDIユニット。オリジナルは機械式イグニッションでしたが、メンテがめんどいので、電子式(CDI)に取りかえています。
でも、やっぱり再発したのでした。ははは
Biraに電話。燃料系かもしれんということになり。
その時はもう金曜になっていましたが、Biraの工場はいつも大人気、超満員で余裕がなく。ほかで土曜日もやっているというところをBiraに教えてもらいました。
さて土曜日。
Biraの紹介で行ったところは、朝早かったのでまだ開店しておらず。看板を見たら電気関係となっていて燃料系はできなそうだったし、隣近所も修理工場が多数あったので、とにかく開いているところにとびこんでみたら「かぶと虫の修理を得意としているLuizinhoというのがいるから、そこへ行け」と教えてもらい。
やっと本格的に修理開始ができました。
手始めに燃料のフィルターでも確認しようか、とタンクからの接続をはずして、中に入っていたガソリンを容器に開けたとたん、
どばどばー!と土やらゴミやらで茶色に染まったガソリンが。
下の写真の白いやつがガソリンフィルター
これじゃあガソリンの配線がつまっちゃうよねーということで、フィルター、ガソリンポンプ、そしてこれらをエンジンやガソリンタンクにつなぐホースを付け替えました。
いやいや、ピストンの圧縮抜けとかだったら大手術だぞ!とLuizinhoともども戦々恐々としていたら、「フィルターの詰まり」なんて意外に基本的なトラブルすぎて拍子抜けじゃん?
あとは、エンジンを再始動して、いちおうテスト。
と思ったら、エンジンがかからねえじゃん!というか、かかったはしからすとん、ととまってしまい
うああああー何か重大な故障でもあるのか?
考えていたLuizinhoは、さっき取り換えたばかりのあたらしいガソリンポンプを外し。ごきゅごきゅ、と可動部分をいじっていましたが、
ガソリンポンプ。
https://lista.mercadolivre.com.br/bomba-de-gasolina-fusca
「これは不良品だ。とりかえてこい」
となり。
上記のフィルター他一式を買ってきた部品屋さんに行って、ポンプを交換してもらいました。
そのポンプをつけたら、なんと全然ふつーにエンジンかかりました。ははは
画面中央がポンプ。その左がディストリビューター
これで解決かと思ったら。。。。
2日ぐらい後、再発しちゃいました。
すとんとエンジンが落ちちゃう、まったく同じ症状。泣きました
その後、うだうだ、いろいろあったのですが、結局はHallセンサーだね、ということになり。
HALLセンサー(赤い蓋の下にある黒い四角い箱)付きのディストリビューター。
Luizinhoのところで、新品と取り換えてもらいました。
しかしこのHallセンサーですが、なかなか新品がみつからず。Luizinhoがわぎゃぎゃぎゃー!と大騒ぎして、ブラジリアから西に30キロくらいか?にあるタグアチンガというところまで取りにいくなどあり。
なぜブラジリアという中心都市になくて、得体のしれないタグアチンガなどという暗黒都市にあるのかというと、こちらはポルシェくんや、かぶと虫などの怪車で使っている時代遅れの部品をいっぱい売っている、ディープなまちだからです。
タグアチンガなどの暗黒都市でときたま見かけるディープな怪車たち
ポルシェくんのエンジンは1982年製ですからねー新品が即日見つかるほうがおかしかったりして。見つかったけど
いつまでも部品供給のとぎれないVWエンジン恐るべし。
ポルシェくんやかぶと虫のエンジン。基本設計は1930年代の「恐竜エンジン」です。
というわけで、Luizinhoはディストリビューターをばらして、Hallセンサーを付けかえ。
赤丸がHALLセンサー。
それにしても、治癒じゃなかった修理完了まで2週間もかかり。
電気系の故障は、不具合の兆候も見せず突然発生し、作動しなくなったと思ったら復活したりとか、どこが悪いのか特定も困難(今回は、CDIユニットやガソリンポンプは無駄な交換になっちゃいました。寿命が迫っていたからいいけど)で、HALLセンサーだな!と交換しても、数日はやっぱり安心できず。これが機械系なら、ステアリングボックスの時みたいに、すぐ特定でき、その部品を取りかえればスパッと治るんですけどねー
というわけで、最近電気モーターの飛行機や空飛ぶクルマなどが話題になっていますが、ぼくは電気飛行機は怖くて操縦できないです。乗客ならいいけど。
乗客だったら、落ちてもぼくのせいじゃないもーん。
あれ?
ちなみに、今回の故障特定するまでにチェックした部位は次の通り
◎エンジンコイル
◎CDIユニット
◎イグニッションケーブルなど、ケーブル類
◎ウインカーリレー等と共有しているアース配線
◎燃料タンクからエンジンまでの燃料ホース(フィルタ含む)
◎ガソリンポンプと作動用ロッド
◎キャブレター吸気フィルター
よりによっていちばん後回しにしていたディストリビューター(HALLセンサー)が故障していました。
確認途上で取り換えたりした部品たちなどなど
その後は週末まで再発せず。
金曜のうちにアパートから飛行クラブへ無事行きつき。翌朝その辺をひとっ飛びした後、この記事を書いています。
ではでは
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