デッドクロスと日本海のお話

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*今回は、毎月1回の「ビットコイン特集」の記事です。これまでの記事と、今後の予定は次の通りです

◎廃墟の中から(7月掲載済)

◎狙って当てるビットコイン(8月掲載済)

◎デッドクロスと日本海(9月・今回の記事)

◎成功法則:逐次投入で勝つということ(10 月に掲載予定)

 

テクニカル分析では、株価変動をチャートで追跡して将来を予測します。近年AI技術で簡単に作成、修正できるようになってぐんと身近になりました。

いってみれば、西洋占星術のホロスコープが、昔は手動で作成しなければならなかったのに、きょうびはAIに生年月日や時間など最小限の数値を入力してやればあっというまに精緻なのがでてくるようになったのと同じ感じです。

テクニカル分析で使うチャートはこんな感じ。


出展はhttps://triaconta.com/news/bitcoin-ta-golden-cross-vs-death-cross/

 

日々の変動だと細かすぎて幻惑されちゃうので、トレンドを見極めるため、「平均線」という一定期間の終値の平均値を繋ぎ合わせたグラフが重要な指標となります。今回は100日平均線と200日平均線で行ってみます。


青い線が200日平均線。黄色が100日平均線。特に、過去一年の平均価格をトレースした200日平均線が、とても重要です。

デッドクロスは、「中期線が長期線を下から上に突き抜けた」その交差(クロス)のことを言います。


デッドクロス

 

これまで順調に上昇してきた株価が一転、どんどん下がってい行くぞ!という恐ろしいサインですが、実はこのデッドクロスこそが最安値をつかんで上昇トレンドに乗る重要な指標でもあるのです。

デッドクロスもいろいろで、名ばかりのフェイクなやつや、奈落の大暴落を示すもの、そして、今回の記事で取り上げる「大好況の予兆となるデッドクロス」などがあります。

なお「大好況の予兆」となるデッドクロスも、「その前には大暴落を逃れられない」という恐ろしい凶兆を秘めています。

言ってみれば、タロットカードの「死」あるいは「神の家」のテクニカル分析版ですね。。。


左が「死」右が「神の家」。

 

デッドクロスは、計算ソフトで容易に表示できますが、さてそのデッドクロスがどのタイプのものなのか?の判別は、投資家各自の判断に頼っているのが現状です。

この判断を的確にできるかどうかで、その後の投資の成績が大きく左右されてしまう。

というわけで、デッドクロスが出たら、とっとと手じまいして、しばらく相場から離れてよっと、という人も多いらしいが、そういうスタンスだと、損もしないが儲かりもしない、そんなだったら最初から定期預金とかのほうがよくね?という結果しか残せなくなり。

では、どうやって「大相場(大好況)のシグナルとなるデッドクロスの時に果敢に参加し、あえて損害を受けつつも、その後の大逆転につなげる」ような投資を実現したらいいのでしょうか。

 

そこでキーワードがあり。

「アルファ―運動」

 

日本海海戦で、日本艦隊が行った「敵前一斉回頭」のことを言います。

突然日露戦争になってしまいますが、なるべく簡単に解説するのでご了承をお願いします。

明治時代、日本は超大国ロシアによる侵略の脅威にさらされ。

当時極東では英国とロシアが2大勢力となって拮抗しており。といって、どちらも直接対決はしたくなかった。

おりこうさんな英国は、ロシアと隣り合わせで、否応なく脅威にさらされている日本と「日英同盟」を組んで、代理でロシアに対決させることに。

 

利用されていることは百も承知で、日本は開戦を決意。日露戦争が始まりました。

日本は何とか僅差で勝利を重ね。しかし、1年間の戦争で国力は枯渇して、これ以上は。。。という状況に。

一方、ロシアでも革命勢力が大暴れをはじめ、こちらも戦争どころではなくなってきた。

結果、とある決戦の勝敗によって、戦争の大勢が決するという状況になり。

 

その決戦の名が「日本海海戦」

対馬沖で日本とロシアの艦隊がぶつかった戦いです。


https://www.youtube.com/watch?v=dEi26b-iz_I

この艦隊決戦で、日本は形の上で勝ったとしても、ロシアの戦艦を一隻でも逃してしまえば、神出鬼没で出現する生き残りのロシア戦艦により、日本の輸送船は次々と撃沈されることとなり。海を隔てた満州で戦っている日本軍はたちまち補給が途絶え、戦争以前に餓死して、自滅してしまいます。後年ガダルカナルなどで起きた悲劇が、満州で起きる一歩手前の状態だった。

防ぐには、ロシア艦隊に勝つ、なんて生易しいものではなく、一艦も残さず海の底に沈めなければならなった。その点ロシア艦隊は気楽で、数隻でもウラジオストックに逃げ込めれば、そこで満州の日本軍は干上がりゲームオーバー。ロシアの勝利確定とすることができた。

 

こうした重圧を負いながら、日本艦隊は対馬沖でロシア艦隊に遭遇。日本海海戦が始まりました。

開始時点での、両艦隊の状況は次の通り


出展:http://blog.livedoor.jp/elt2011/archives/1634930.html

 

両艦隊が反航して通り過ぎる形で遭遇した。

ふつうだったら、このまま砲戦が始まり、それぞれ生き残った艦がそれぞれの方向に走り去る、となります。

しかし、それこそロシアが望み、日本としては絶対に許せないことだった。1艦でも「走り去られて」しまったらどうなるか。この海戦でロシア艦隊を壊滅させるしか日本の生きのこる道はなかった。

そこで日本艦隊が行ったのが「敵前一斉回頭」


https://www.jiji.com/jc/v4?id=20101224battle_of_tsushima0009

 

この時、ロシアの提督は「狂ったか日本人!」と驚喜したそうです。

上記の図で、三笠、敷島、富士、朝日など、日本側の戦艦がぐるりと一塊になって旋回しているのがわかります。

線状に高速移動している目標を射撃するのはなかなか大変ですが、旋回している目標であれば「ほとんど前後移動せずに艦がぐるっと回っている」感じになり、要するに静止した的を撃つのと同じ容易さになってしまい。

敵艦隊の目の前でこんなカーブを切るなんて、まるで自分から的になっているんじゃね?

ロシア側は驚喜し、一斉に砲撃を開始しました。

 

この時の日本艦隊の状況をタロットカードで表したら、やはり絶体絶命の「死」、「神の家」になってしまいます。


言い換えれば、「反航状況で遭遇した」時点で、日本側には死亡フラグならぬ「デッドクロス」に陥っていた、ということになります。

といって、日本側は「すれ違い戦法」は取れないことは明白だった。ということで、やむにやまれず「デッドクロス」承知で旋回開始したのでしょうか。

日本側の記録は、「やむにやまれず」ではなく「リスクを分析しつくしたうえで旋回開始した」ことを伝えています。

つまり、「デッドクロスになっちゃった」のではなくあえて「デッドクロスに飛び込み、そこから大相場に持っていった」のです。

 

戦闘開始時の、日本側の電文が雄弁に説明しています。

「敵艦隊を撃滅せんとす。本日天気晴朗なれども波浪高し」

つまり、

天気晴朗→ロシア艦隊がよく見え、一隻も逃さずに済む。

波浪高し→ロシア艦隊に絶対的に不利。日本艦隊の明確な勝勢。

日本の軍艦は、外洋遠征型の英国製軍艦であり、波が高くてもOK。ロシアは、沿岸向けのフランス製が多く、大揺れに揺れて大砲の照準が定まらなった。


日ロ軍艦の艦形の違い

出展:http://www.jpsn.org/essay/acct_warhist/12328/

 

ロシア側はなん百門の大砲が、それぞれの砲手の思い思いの照準で撃っていたので、どの砲の弾がどこに落ちたかわからず、照準もへったくれもなくなり。日本側は「統一照準射撃」を世界に先駆けて採用し、砲術長の指令どうりの照準ですべての砲が撃っていたため、修正の精度が著しく高かった。

この結果、「動かない的」だった日本艦隊は、回頭がおわり直進開始した時点で、あれだけロシアの猛砲撃を受けたのに、なんと一隻も沈んでおらず。


回頭終了後。ロシア艦隊の封じ込めに成功

 

その後、優秀な射撃によって、文字通りロシア艦隊を全滅させる歴史的な結果になったのでした。

「デッドクロス」になっても致命的な打撃を受けずに、かつ「デッドクロス」だからこそ実現できる態勢に、意識的に計算ずくで持って行ったのが真の勝因です。

ただし日本側も甚大な被害があり。戦艦三笠では総員860名の13%に当たる113名がロシア砲弾の犠牲になり、その多くが敵前回頭中の損害といわれています。

 

投資に戻ります。

投資では「天気晴朗」や「波浪高し」のような指標があるのでしょうか。

ありすぎてかえって混乱するのですが、重要と思われるものを列挙してみます。

「Wickoffもろもろ」

「フィボナッチ・エリオット」

「いちもくの雲」

「プルバック」

「虹」

「ケルトナーチャネル」

「シンプソン形成」

などなど。

3000字を超えちゃったので終わりにします。皆様の「投資判断」の一助になれば大変幸いです。

ではでは。。。

 

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