新型コロナがもたらすホロコーストと21世紀の戦国時代

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新型コロナがもたらすホロコーストと21世紀の戦国時代

西暦1582年、強者だけが生きる権利を与えられていた戦国時代もようやく終わりに近づき。織田信長は全国統一を成し遂げつつあり、中原つまり近畿地方は平定し、九州や四国、北陸といった遠隔地に進撃しつつありました。

そのために、信長は主要な部下である羽柴秀吉などに大軍を指揮させてこれら遠隔地に送っていましたが、気が付かないうちに信長自身は京都の本能寺という場所でほとんど護衛もない丸腰になっていました。

信長の部下であった明智光秀は、この「軍事力の空白」を突いて裏切りの軍勢を組織し、信長を打ち取ってしまい。統一しかかった日本を大混乱に陥れかねない状況に。

遠隔地に散らばって、強敵とがっぷり四つの戦いになっていた秀吉や柴田勝家はじめ信長軍の大軍勢は、光秀の軍による信長殺害と中原の蹂躙をなすすべもなく見守っているだけでしたが、秀吉のみは策謀を働かせて大軍の急遽引き上げに成功。「そんなにはやく誰も戻れないぜー」と安心していた光秀を天王山でやぶり「日本の新秩序」を打ち立てました。


本能寺(京都府京都市中京区)

さて、それから500年たち、人為で発生する災厄、つまり戦国時代のような大戦争の時代は終息しています(地域紛争はまだいくらでもある)が、今度は新型コロナウイルスが襲撃してきました。

アメリカの「11年来の上昇相場」で安心しきっていた世界各国に、突如コロナが襲来。たまらず各国はロックダウン、自宅待機など、人の移動や集団行動を強制的に抑制することで対応しています。

でも、このため、今度は世界経済をけん引する主要産業諸国で「経済力の空白」ができてしまいました。

人間自身の判断で生産・経済活動が止められてしまった。そのインパクトとしてキャッシュのない自転車操業の小規模事業主などの倒産から始まって、大企業でも収益ストップによるレイオフなど人員整理が必要となり、失業した人々は購買力を失ってしまうなど、経済は冷却し1929年の大恐慌にもまさる経済危機が訪れることが懸念されています。

ただし、繰り返しますが、この「空白」は人間自身の判断が原因で生まれているという特色があります。

世界各国はいま新型コロナとがっぷり四つで、ロックダウン状態ですが、ここで秀吉みたいにロックダウンをいち早く抜け出した国が真っ先に生産・経済回復を成し遂げることとなります。

言い換えれば、ロックダウンなんてやあめた、といつでも人間が判断・実行できる状況でもあるのです。

ここで、表題のホロコーストが懸念され始めます。

国家が躍進を遂げる過程(言い換えれば、植民地、属国、後進国の悲惨な境遇から抜け出す過程)では、「きれいごとでは済まない時期」が必ずあります。

そして、その時期は「余剰人口の調整」と重なっているのです。

第1次世界大戦で産業壊滅し、払いきれない戦時賠償を背負ったドイツが、なぜナチス時代に産業大躍進し世界を相手に5年間も戦い抜く戦力を作り上げたのか。それは、人種差別政策で、ユダヤ人富豪から財産を没収し、一般のユダヤ人は強制労働でタダ働きさせて富と労働を搾取したからなのです。

共産主義革命でボロボロになったロシア(当時ソ連)が、なぜアメリカと並ぶ超大国になったのか?それは、「収容所群島」に誰かれの別なく送り込み(共産主義の敵対者というレッテルは後付けで貼っつけた)、ナチスドイツも真っ青の強制労働や「ブルジョアからの富の剥奪」を行ったからです。


ホロコースト

もっと緩やかなのでは、アメリカの奴隷制度(南北戦争で大勢は終了した)や、日本では移民や満蒙開拓などがあります。

要するに、大動乱期に「弱者切り捨てを行った国」が生き残って繁栄しているのです。

現在では、至極まっとうに、各国は「水平的封鎖」つまり老若男女全員が巣ごもりしましょう、という状況で、医療的には実はそれしかないのですが、しかし産業面では壊滅的な打撃を意味するかもしれない。

そこで、悪智慧の働く一部の指導者は「垂直的封鎖」つまり、老人や既往症のある人を除いて健康な人は勤務に戻りましょう、という提案を始めています。ブラジルのボルソナロ大統領が好例。

問題は、「垂直的封鎖」では老人など弱者への感染は防げないところにあります。いくら老人が巣ごもりしていても、息子や隣人の若者が職場で感染して帰ってくればそれで終わりです。

つまり、感染しても軽症で死なないやつは生きろ、でなければ死ね、と言っていることになります。

まさにシベリア抑留された日本軍捕虜がこれに当てはまり、シベリアの極寒で最初の冬は多量に死ぬが、いったん生き残った人たちで、その後何年も復員まで生きのびた人の率はぐっと上がったそうです。


シベリア抑留。同じ時期、日本では未曽有の食糧難だった

(旧ソ連抑留画集・外部リンクより)

しかし、シベリアに多数の日本人が抑留され「死んでくれた」ことで、戦後の人余りであえいでいた日本は実は助かり。ソ連も労働者不足を補えて、世界経済の復興には「弱者が死んだことが貢献」したという恐ろしい事実があるのです。

今回の新型コロナによる「産業の空白」からいち早く立ち直る秀吉のような策謀を働かせる国はどこでしょうか。

特に老人など生産せず社会保障費用を膨らませている「オーナス人口」をこの機会に抜本的に減少できるぞ!なんて考える指導者やそのシンパがいたら。。。。。

そういう国が1国でも出てくれば、われもわれもと「垂直的封鎖」に切り替える懸念があるのです。

それまでにワクチンや対症療法が確立するだろうか?が希望の灯ですね。権力無き一般市民の我々は普段からの健康維持に努めて、感染回避、感染しても軽症でしのぐという算段で臨むしかないのでしょうねー垂直的封鎖になったら、おじいさん、おばあさんのいるお家はご老人だけでも隔離(おじいさんおばあさんは1室にこもってもらい家族とのコンタクトを絶つ。食事も家族とは別にするなど。悲しいな)徹底して、みんなでのりきろう!

 

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