24時間戦えますか?死ぬまで現役やれますか?

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「リゲインのテーマ」のお話ではなくて(関係はある)、この記事を読んでいるあなたの収入が、「今後こうなってしまうぞ!」というお話です。

ひょんなことから、2045年の未来よりタイムスリップして2020年の日本にやってきたロボットの「AIくん」。

とある開業医「猫医院」の一室で、院長さんとお話になりました。


AIくん「初めまして。2020年の日本はコロナ禍でたいへんですね」

院長さん「初めまして。いやいや24時間働けますか、ですよ。でも有給休暇も昇給もありゃしないけどね」

A「有給休暇?昇給?それってなんですか?」

院「AIくんは機械だからわからないんだね。人間の社会では定期昇給があって、誰が何年務めたか、どれだけ成果を上げたか、による給与の修正をおこなっているんだよ」

A「院長さんは、お医者さんなのによくご存じですね」

院「病院経営していると、院長の他に社長もしなきゃならなくてね。部下の査定がなかなかたいへんなんだよ」

A「部下のお医者さんの給与計算とか、残業管理とかそうゆうことが患者さんを診察するほかに生まれるということなんですね」

院「その通り。ぼくは人事管理、査定とかで、毎晩遅くまで大変なんだ。。。2045年ではどんな感じ?」

A「残業とかはありません。だって最初から24時間体制なんだもん」

院「えつ?お医者さんが過労死しちゃう?」

A「実は。。。。2045年には、人間のお医者さんはほとんどいないんです」

院「えつ?」

A「ぼくたちの仲間に「治療くん」というのがいて、病気になったか不安だ、診断してほしい、という人のお家のコンピュータを通じて、コンピュータのカメラやマイク、さらにはキーボードから打ち込んでもらう情報でたいてい診断できちゃうから、その場で治療法を伝えてはいOK、おしまいです。場合によっては「治療くん診断デパイス」をUAVで運んで出張診察もあります。」


院「ううう、では、いつも悩む人事考課もないし、そもそも人事部門や経理部門の存在が必要なくなる、ということなのか?」

A「院長さんのケースでは、人事部門はいらなくなりますね。院長さんの下で働いているお医者さんたちはみんな「治療くん」で代替できるので、給料も有給もなくなります。ぼくたちAIが24時間体制でアテンドするので、残業もありません」

院「人事コスト0で24時間営業ということだね!すごいコスト削減かつ利益倍増だ!」

A「病院は、入院施設のある大学病院みたいなのだけが残って、院長さんみたいな小さな開業医は、わざわざ物理的に病院を作る必要はなくなりますよ」

院「というと?」

A「院長さんは、自宅で「治療くん」の管理者になって、「治療くんクラウド」を通じた患者さんの診察状況をモニタリングする。そして、「治療くん」だけでは対応できない難病の人などを、大学病院とかにレコメンドするみたいなかんじになると思います」

院「ううーむすべて自宅のコンピュータにより、クラウドなどのITを通じたリモート操作になるということか。でも大学病院には医者がいるんだよね」

A「その数はすごく少なくなります。「移動型治療くんロボット」が病棟を巡回して看護師さんに指示をだして、患者さんの対応をしますから、人間のお医者さんは、「治療くん」のモニター役になります。でも、看護師さんや、介護の人たちなどはまだまだたくさんいますよー」


院「つまり、人の体を手に取って、物理的に手をたずさえて行う活動には、AIは介入できないということなの?」

A「おしめ取り換え、う◎ち清掃の「身体介護ロボット」とか、外骨格スーツみたいな補助具はできてます。でも患者さん、ご老人との触れ合いは人間の介護士ですねー」

院「ううむ、看護師の方が医者より上だ!と言われている気がしてきた。職にあぶれた医師が、大量にタクシー運転手になっちゃった、とか起きているのだろうか?」

A「全然大丈夫ですよーリストラだの、乞食だのそういうのは存在しない世界になっています。国民は、誰でも経済的な不足がなく生活できるよう、一律にベーシックインカムをもらいますから、ふつーの生活には全然問題ないですよー」

院「ううむついにベーシックインカムがきたか!要するに、上記で出てきたコスト0化と収益激増によって発生した余裕・余剰分が、税金になってベーシックインカムの財源になるということだな!」

A「その通りです。ぼくたちのお客さんとなる人間がお金を持っていないと、ぼくたちも困りますから。。。」

院「うううーむ、家内への給料配達人から逃れられると思ったら、今度はロボットのえさやりおじさんか。かなしいな」

A「鋭利な推理ですね。看護師さんにはない発想だと思いますよ」

院「そんなみえすいたお世辞で喜ぶ医者はいないだろうけれど、好意的に受け取っておくよ」

A「院長さんにお聞きしたいことがあるんです。むかし飲み会っていう儀式があったそうなんですけれど、どんなものだったんですか?」


オンライン飲み会でさえ、ハラスメント(ズムハラ)があるらしい

院「まさにいま君が言ったような心にもないお世辞を言いまくって、会社の中での自分の立場をよくするための課外活動だ」

A「ふむふむ課外活動ですか?」

院「話の初めに出てきた昇給にしろ、若い医者は「仕事しないおじさんが年功で高い金を貰っている」と憤るし、年寄りは「若いころにはもらえなかった賞与を、成果だのなんだのでどんどんもらいやがって」と妬む。そもそも何が成果で、なんでAさんがもらえてCさんがもらえないないんだ?とすさまじい闘争があるのだよ」

A「人間て大変ですね。AIだったら電源を入れて作動させれば故障しないかぎり1年365日24時間作動してます。AI同士で妬みそねみもないですよー」

院「というわけで、うわべはみんな「おはようございまーす」なんてさわやかにご挨拶しているが、裏ではすさまじいルサンチマンのいがみ合いがあるのだよ」

A「ガス抜き、説得等のために飲み会が必要ということなのでしょうか」

院「そうだ。さらには、本来ありえないゆがんだ事業を闇のうちに合意してしまうツールでもある」

A「国民が望んでいないオリンピックが、知らないうちに実施になってたとか。政治は料亭で決するということでしょうか」

院「まさにその通りだ。オリンピックは重要だが、何が何でもやりさえすればいいなんてものではないのに、政界・財界がトクをして一般市民は世界中からのコロナウイルスに晒され、我々医者は過労死か、患者からコロナを貰って死んじまうかという、そういうゆがんだ形での開催が我々の頭越しに決まってしまうのだ」

A「世界中の選手とかが得体のしれない変異株をもってくるわけですからねえ。世界同時開催の巣ごもりオリンピックとかにすればいいのにね。でもそれじゃビジネスとしておいしくなくなっちゃう」


世界各国で同時開催し、実況を世界中に配信する「在宅オリンピック」

院「脱線したが、同じ会社の仲間なのに背中から刺しあうような暗闘が起きるのも、結局いくら働いても給与が足りないからだ」

A「働かないと生きていけない、という体制だから、給料をもらうためなら、人は何をしても許される、となるのですね」

院「そこでだAIくん。2045年ではみんな給与はたくさんもらえているのかね?」

A「そこポイントですね。実は給与額は現在と変わらないですが、給与を貰っている人間の数がものすごく少なくなっています」

院「ベーシックインカムで生きていけることと、そもそも人間が入っていける職場が激減しているということだね」

A「そのとおり。お医者さんにしても、生活費はベーシックインカムで保障されているので、飲み会で暗闘してまで組織にしがみつくなんて人はいなくなります。でも、ただのお医者さんではだめで、「治療くん」すなわちAI機構をモニタリング、使いこなし、その不備を補い向上していく、そんなお医者さんでないと職にありつけないでしょう」

院「要は、人間が「考える葦」として「我あるために、思うことを忘れない」ことが大切だと言いたいんだね。さて3000字越えなので、今日はこの辺にしよう。AIくん、どうもありがとう」

A「こちらこそ、どうもありがとうございました」

AIくんの言うことが、どこまで実現するか?ではでは。。。


映画「本日休診」1952年松竹

https://www.youtube.com/watch?v=BVOXFKrbmVg

 

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