お湯の中のカエル

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お湯の中のカエル

大きなフライパンのなかに、カエルを入れます。小さなやつを10匹くらい。そしてカエルたちの目だけが水面の上に出るくらいに水を入れます。

カエルたちは、喜んで水のなかでなごんでいます。

レンジに点火して、フライパンをのせます。あくまでとろ火です。

カエルたちは、水が熱くなってきたことに気づきます。

ちょっと居心地がわるいな。でも安全なフライパンを飛び出したら、ひからびちゃうかもしれないし、まあいいや。

そのうち、水からお湯になっていきます。

ちょっと熱くてやけどしそうだな、でもみんなもがまんしているし、苦しいけど働くのが人生だから、文句を言わずがんばろう。

お湯は熱湯になり、沸騰を始めます。

かえるたちはすでにみんな茹であがって、死んでいます。

 

真綿で首を締めるという言葉がありますが、従業員の人たちは「終電まで残業」「土日の懇親会」「社員旅行」「夜の飲み会」「自宅への仕事の持ち帰り」など、「24時間たたかえますか」ではないけれど、仕事だけしかできないように時間的にも仕向けられており。でもよく考えると、ほんとうは仕事の内容や量は十分既就業時間内にできるはずなのに、じゃあなぜ終電になるのかというと、複数の上司のバラバラな意見の調整とか、わざといろいろなチェックポイントを見つけ出して入念に何回も確認するとか、はなはだしくなると回りも残業しているので新聞でも読みながらつきあう。そして最後は会社に据え付けのカラオケセットを持ち出し、カラオケ大好きの社長とみんなで飲ミニケーションをしました、という事態になり、要するに会社以外に世界が存在しない状態に誘導されてしまいます。

巧妙なのは「水を張ったフライパン」にいればなんとか生活できる量の「水」つまり給料が得られるため、カラオケだろうと何だろうとよろこんで。。。。という所からスタートし、会社側は少しづつノルマやコンディションを締め付けていきます。会社にこれなくなり公園で一日をすごすカエルが出てきますが、フライパンの中のカエルたちは「弱いカエルは生きられないんだ」と嘲笑するばかりで、熱くなる水の中を苦しみながらもフライパンを出ようとしません。出るのは恥ずかしいことだからです。

締め付けは本当にわかるかわからないか?のレベルで徐々に強化されていきます。急に水を沸騰させるとカエルたちは反射的に鍋を飛び出して行ってしまうからです。これが昨日は水だったけれど、今日はぬるま湯?みたいな感じだと苦しくても何とかのこれそうだ、ということで煮殺されちゃうまで残ってしまします。

なぜ煮殺されちゃうのでしょうか。会社のせいにする前に、カエル自身の自己防衛が大切です。まず「ぬるま湯は安全ではない」ことの自覚が必要で、気が付いたらかなりの熱湯になっていた、という前に措置を講ずる必要がある。

とここまで書けば読者の皆さんはもうご理解いただけたと思いますが、要するに「鍋の水」だけに生活を依存しているからこうなるので、「鍋以外にも自分で水たまりを持っていて、いざというときには逃げ込む」ようにすればよいのです。

つまり給料以外に「収入の川(1.10)を持つことです。

ただし、あらゆる妨害があるでしょう。「宇宙人」と言われるくらいならまだしも、「鍋だけが人生だ」と会社も周囲もプレッシャーをかけてくると思います。本当に理解してくれる人以外にはあまり公言せず、一人ぼっちでつらいでしょうが真実を知ってしまった以上は自由に向けて一歩前進!かならず達成される日が来ます。

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