本当の意味での分散投資 その3

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本当の意味での分散投資 その3

前回までで、「卵を盛るバスケットは、落としたり底が抜けるようなことのない信頼できるのを2つないしは3つくらいでよい」ということを説明しました。

おさらいですが、ここでのバスケットは

〇お金をあずけて置く場所:銀行や証券会社などの金融機関

〇投資の種目(金融投資:株、債券、リート等)、実物資産(不動産)

があります。銀行2つに債券や投資信託を分割し、さらに投資用不動産など、となると、5つくらいまでは増えるかもしれません。ただ増やしすぎて管理がおろそかになるのは避けましょう(技のデパート、みたいに多元的管理ができる人は別です、ははは)。

で、いよいよこの記事の核心である「たまご」に到着しました。

ここでの卵は、特定投資科目(バスケット)に入れているお金のことです。

個人的な話ですみませんが(参考にはなるとはおもいますははは)、ぼくの場合、「リート」というバスケットが主力になっています。この種目のバスケットには、いろいろな銘柄のたまご、つまりリートが入っています。

〇SHPH(ショッピングセンター)

〇HGBS(ショッピングセンター)

〇KNRI(商業ビル賃貸)

〇FLMA(ホテルと商業ビル)

〇BBPO(銀行支店)

〇GGRC(商業施設リースバック)

〇VRTA(不動産債券投資)

〇MFII(不動産建設、購入、売却)

みんなリートという意味では同じ卵です。でもそれぞれ特徴があります。

A. ショッピングセンター:唯一の物件に出資しているもの(SHPH)、多数の物件に出資しているもの(HGBS)があり。利点は一つのショッピングセンターでも書店あり、アパレルあり、レストランあり、映画館あり、駐車場ありで、これらのテナントの家賃が配当として得られるので、おのずからものすごく分散された投資になっています。ちなみにSHPHはリート界のP517aで、幾多の経済危機も乗り越えこれからも乗り越えていくことが確実視される「リートの皇帝」です。でもそのため一口当たりの価格が異常に高騰しており、配当利回りは月当たり0.4%程度です。こういう確実な物件に出資できない場合、中低所得者層のショッピング複数に投資するケースがあり、HGBSがこれに該当します。HGBSも案の定それらの低所得層物件の一つが前所有者の債務抵当になりかかる事態が発生し、額面25%急落などあり。でも残りのショッピングたちが防衛する形で現在はぼくが購入した時の価格を超えています。いずれにしても一番重要な配当は横ばいから増加し、0.6%くらいの傾向です。

B. 商業ビル賃貸,ホテル賃貸(KNRI、FLMA):リートというと皆さん思い浮かべる基本的な形態です。KNRIはITAU銀行というブラジル屈指の大銀行がバックについたブルーチップ(優良銘柄)。FLMAも屈指の高級商業地区にある世界屈指のフラッグホテルに賃貸しているが、FLMAのほうはテナント数が少ないのが玉にきずで毎月の家賃(ホテル宿泊費が主力)収入が著しく上下し、配当もジェットコースターです。でも「たこ足配当」(1.5)をしていない証明なので〇。

C. リースバック(GGRC)や銀行支店(BBPO):インフレの国ブラジルでは、毎年1回契約見直しで家賃が上昇します。上昇額は、その年その年の交渉次第。一方、この卵の仲間に相当するリートたちは、契約当初から「毎年特定の金額(または特定指標の分)」上昇することを義務付けるなど、なんらかの非典型的な契約を 結んでいます。BBPOの場合、必ず毎年インフレ指標IGPMに従って家賃上昇していますが、20年近いBBPOの稼働の歴史で、実はリーマンショックなど一般の家賃調整では上昇見合わせをしていた年も多く。BBPOの配当はその分得した金額になっています。ただ、2022年に契約終了し、再契約となったときに家賃は大幅に下方修正され、配当もダウンという懸念はある。

D. 不動産債券投資(VRTA):これは実物の不動産そのものを運営するのではなく、不動産がらみの債権を購入しこの利益を配当とするもの。金利上昇の時代は配当が高くなり。デフレの時は苦しくなる。実物の不動産を運営する在来型のリートとは違う動きをして、高金利局面のリスクヘッジになります。

E. 不動産投資全般(MFII):これは更地を買い、建物をぶっ建て、売りさばくというリスクオンそのもの、土地ころがしの土建屋やくざかお前は!ですが、でもうまくいけば利益も半端にならないというすごい可能性があり。本来ちまちま賃貸料で安全にというリート界のパラダイムシフトを呼ぶ風雲児です。リスクに対応して配当利回りも月1%というバケモノ(SHPHと比較ください)です。

 

というわけで、やっと結論です。

分散投資の要諦は、まずは「ハリケーンとスピットファイア」1.7aみたいな相互に利点を引き出し、弱さをカバーする分散にする。高金利に備えた債券と、低金利で活躍するリートを併せ持つなど。

そして、長期経済トレンドに乗った「壊れないバスケット(上の例ではリート)」を確保したら、短期的な変動(リーマンショック、将軍様のミサイル、石油価格、大統領罷免等無数にある)に耐えうる卵たちのポートフォリオ(構成)を組む。

後は元本価格なんて忘れて、毎月の配当をどんどん再投資につぎ込み、卵たちを大きくしてゆきましょう。

 

ううむ今回はながかった、でもこの記事は「配当の川」や「十牛図第1図」と並んでこのHPのコアとなる記事なのでご理解を。お読みいただきありがとうございました。。。

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