「楽して億万長者になることはできない」

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FTX破綻で、創業者サム・バンクマンフリードさんがボロクソにたたかれる事態に。

メディアの典型的な論調に、MSN日本の「資産3兆円が吹っ飛んだ!大谷翔平も孫正義もウクライナも巻き添えにした30歳の男、ついに逮捕 (msn.com)」があるので、ぼくなりにポイントと思うところを抜粋してみます。

引用開始

◎12月12日、暗号資産(仮想通貨)の交換所大手・FTXトレーディングの創業者サム・バンクマンフリード容疑者が、バハマで逮捕された。260億ドル(約3兆6000億円)もの資産を築き、それをわずか数日で失った30歳の男は、現状8つの罪で起訴されている。

◎FTXは、世界最大級の規模を誇る暗号資産の交換所。だが、11月初頭、財務面の問題が指摘されると、投資家たちが一斉に資金を引き上げ、1週間ほどで経営破綻に追い込まれてしまった。債権者は100万人以上、推定負債額は100億ドルから500億ドル、日本円で1兆4000億円から7兆円。

◎元参議院議員で、国際政治学者の浜田和幸さんが、こう語る。

「バンクマンフリード氏は、暗号資産の世界で若くして成功した出世頭として、注目を集めていました。マサチューセッツ工科大学で物理と数学を専攻し、両親はスタンフォード大学の教授という家庭で育ちました。(中略)バハマに大豪邸を建てたのですが、自宅とオフィスの行き来はトヨタのカローラを自分で運転するなど、メディア受けする姿を巧みに売り込んでいきました。

宣伝も上手で、エンゼルスの大谷翔平選手や女子テニスの大坂なおみ選手など著名人をアンバサダーに据えることで、社会的な信用を勝ち取ったんです」

◎浜田氏が、FTXのずさんな経営についてこう説明する。

「専門家がいたわけではなく、資産管理は相当いいかげんだったようです。元ガールフレンドに任せていた運用会社に、彼が集めたお金をどんどんつぎ込んで、自転車操業みたいな形で回していたと言われます。

バンクマンフリード容疑者は、11月におこなわれたアメリカの中間選挙で、民主党におよそ4000万ドル(56億円)も個人献金したと報道されました。

それだけではなく、対抗馬の共和党にも莫大な選挙資金を投じていたと言われます。これはきちんとした収支報告書に出ていないお金でもある」

◎「バンクマンフリード容疑者は、8つの罪で起訴されており、少なくとも50〜60年は刑務所に入ることになるでしょう。世の中、楽して億万長者になれる方法なんてないんですよ」(浜田さん)

以上で引用終わりです。

要すれば、アメリカの超一流大学教授を両親に持つ天才インテリ青年が、トラディショナルな金融市場でのオペレーションの枠にはまらずに、暗号資産という新ジャンルで時代の寵児になり。バハマの大豪邸だの、有名タレントじゃなかった選手を広告塔にして世界中から賞賛を浴びたが、知らないうちにアメリカの2大政党に巨額の献金をしていたなどで暗雲がたちこみ始め、FTXのずさんな経営により「財務面の問題」が指摘されるやいなや、奈落の谷を転げ落ちるかのように逮捕。


https://www.nytimes.com/live/2022/12/13/business/sam-bankman-fried-arrest-news

 

 

つまりは、才覚によって電光のごとく一瞬に3兆円の一攫千金なんてありえない。人生は苦しみぬいて雀の涙のような給料をもらいながら、ボロボロになって定年を迎え。でも年金はもうもらえないので、結局「生涯現役」で寿命を縮め、過労死で文字通り人生最後の日まで働いていました、というものなんだ!死んだその日まで口座はカラなのが人生だから、楽してかどうか以前に、億万長者になる方法なんてないんだ!億万長者になんてなっちゃいけないんだ!なんていうメッセージが聞こえてくるのはぼくだけでしょうか。

まあ、読者が受け取りたいメッセージを書くのが物書きの商売ですけど。その辺はニワトリと卵で、執筆者のほうで「楽して億万長者になることはできない」というように洗脳しようする一方では、読者の方でも「だから僕は億万長者になれないんだ」とこうした記事を読んで安心できるから、両者の利害が一致してこうした記事が飛ぶように売れることになるのだと思います。

ところで、バンクマンフリードさんがブタ箱に入れられれば、あなたの口座にはお金がいっぱいになるのでしょうか。

関係ない、とは言えないですよーむしろあなたの口座からますますお金が引き落とされる布石になっているかも知れないのです。

バンクマンフリードさんは、これまでにはない方法で、億万長者になりました。

つまりは、これまでの方法でトクしていた人たちにとっては、自分たちの知らない、好ましくない方法を示した、嫌な奴ということになります。

そして、その方法は、仮想通貨という、中央銀行を通じた国家による資本の集中に挑戦状をたたきつけるものだった。

要するに、消してしまえ!ということにならなかったか?

その点バンクマンフリードさんもなんとか賢く立ち回り、上記の通り二大政党に貢献していたとか、SEC議長と良好な意思疎通を保ち、仮想通貨の規制促進にも前向きという、いわば体制側ともうまくやっていたように見えたのですが?

一方、今回の件は、実はライバルの仮想通貨交換業者であるBINANCEが裏で糸を引いていた、なんてうわさもあったりして?まあここまで来ると陰謀論なのでやめますけど。

そろそろ結論です。

パラダイムシフトをする人は、たたかれます。

◎写真とまがうかのような具象画のみが絵だと思われていた時代に、ピカソ、マレーヴィチやカンディンスキーは、小学生か?らりっているのか?それとも両方か?という絵を描き。現在の抽象絵画の基礎を築きました。


カジミール・マレーヴィチ「シュプレマティスト作曲No.56、1916」

 

 

◎地上で大砲を撃ち合い、戦車で蹂躙するのが戦争だった時代に、B17爆撃機が空から爆弾をバラまき。当初は出撃機数の3分の1に及ぶ被害を受けながらも、制空権と戦略爆撃が戦争を決するという新たなパラダイムを作りました。


B17(Pixabay無料画像)

◎不動産投資と言えば、現物不動産を、ローンで押しつぶされそうになりながら買い、せっかくの家賃収入はローン支払いと修繕に回されて、利益はほとんど残らない、という常識しかなかった時代に、リート(不動産投資信託)によって、小口の投資で、不動産の維持はリート管理会社にやってもらい、投資額に応じて毎月(ブラジルの場合。国によって2か月おきとか違いますが)配当がもらえるという「夢のような」投資アイテムが生まれ。これも別記事に書いたように、当初はサンドバック状態でしたが、現在は有力な投資種目として定着しています。

などなど。


リート「SHPH11」を構成するショッピングセンターの内部

要すれば、バンクマンフリードさんを「やーいやっぱりただの屑だー」とこき下ろして満足している人は、利権をむさぼる体制派へのおいしい養分になってしまっているのです。

バンクマンフリードさんですが、いろいろな会見などで「あまりにお粗末で幼稚な発言のオンパレード(パウエル氏とFTX社CEO会見を繋ぐ時代の糸|アーカイブ一覧|豊島逸夫の手帖|純金積立なら三菱マテリアル GOLDPARK(ゴールドパーク) 三菱の金 (mmc.co.jp))」だったらしい。

では、バンクマンフリードさんが幼稚なのかと言えばそうではなく、会見だの捜査だの裁判だのという場面で、それこそ海千山千の政治家でもない、天才肌の投資家がフルボッコにされたわけですから、それこそ研究室にこもりっきりの学者を拉致して893の親分の家に引っ立て、「兄ちゃん、ちょいと親分は機嫌が悪いんで、楽しい落語でもやって笑わせてやってくんねえか」なんて要求するのよりやばい話ともおもいます。

さて、お題の記事を書いた記者の資産はいくらなのでしょうか?僕は2022年12月時点でぎりぎり資産1億円ですけど、星飛雄馬みたいな苦労をしたわけではないし、「楽、楽でない」という言い方がちょっとずれていると思います。

じゃあ、1億円という成果を達成するのは、どんな感じだったの?という人に、以下の3つの記事をリンクしておきます。ご訪問時は、ぜひ広告をぽちぽちしていってね!

◎成功の実現は自分でコントロールできるか①

◎成功の実現は自分でコントロールできるか②

◎ノーペイン・ノーゲイン


大リーグボール養成ギプス。

画像はこちらからお借りしました:https://ameblo.jp/uwf-saki2013/entry-12416719907.html

ではでは。。。

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