伝説の滑走路を探し求めて
その①伝説はこうでした
50年代の双発爆撃機基地に使われた半舗装の広大な滑走路跡がブラジリア連邦区内に残っているぞ!とパイロット仲間で話題です。そんな滑走路があったら楽しいエンスト不時着ごっこができるのでみんな探し回るのですがついぞ今日まで不明の「伝説の滑走路」となっています。ぼくも情報を集め、もしやここでは?と見当をつけて飛んで行ったら、おおお滑走路が!と近づいていく間に、ううむぜんぜん小さいし、赤土むき出しだぜ?と滑走路わきに農業機がとまり、一面トウモロコシ畑なのが分かった時点で、はははだれか個人農場の滑走路だなーと判明。でも滑走路を見たら降りたくなる飛行機乗りの性でそのまま着陸しちゃいました。
「ここはどこ?あなただれ?」と農場主に聞こうと思いましたが、ハンガーわきに洗濯物が干してあるのが見えるだけで誰もおらず、結局「立◎しょん」して離陸、帰ってきました。伝説の滑走路は見つけられませんでしたが、こうした大農の滑走路がなにげに多数あるブラジルの農業ポテンシャルにあらためてびっくりの一日でした。(まだフライトプラン提出しなくても怒られなかった2015年当時の話。現在はブラジリア国際空港の2滑走路同時離発着などで管制当局はきりきりまいしており、こんなのどかにその辺を散歩することができなくなっちゃいました。しくしく
(ノД`)・゜・。)
その②真相はこうだった
実は秘密でもなんでもなく、ブラジリアからつい10分程度の郊外(こよーて時速160キロでいった場合)に、Estande de Tiro “Gorilão”「ゴリラ射撃訓練場」という名で、1970年代まで使用されており、「B26爆撃機の急降下爆撃訓練時に主翼主桁の破損が起こり、訓練中止した」など記載あり。そのインシデントが1972年だそうで、B26なんて太平洋戦争でゼロ戦と渡り合った爆撃機ですから、急降下なんてしなくても老齢化で空中分解しちゃうと思います。この事例をもってしてもまだ飛んでいて、1975年にやっと全機退役になったらしい。
東京初空襲で有名なB25に隠れて、あまり知られていないB26インベーダー
現在ではSWPV飛行場となっており、あまり使用されていないらしい。こないだ上空を通過しましたが雨水でぬかるんでいて着陸不能でした。
滑走路番号(未舗装で書き込まれていませんが)11/29つまり磁北110度および290度というのはブラジリア国際空港やルジアニア空港(D11)とおなじです。
Lat/Long:-15.67888889 / -47.54416667(Estimated)
15° 40′ 44″ (S) / 47° 32′ 39″ (W)
Elevation:3806’ft MSL (1160 m)
ICAO:SWPV
Runways:1 [11 29] 3590.4 x 66 ft, Gravel
天候不良などで雷雨が過ぎさるまで一時退避、というような場合には使えそうですが、雑草で車輪をとられないようにしなきゃ。。。
ではでは。
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