ATC-航空交通管制

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ATC-航空交通管制

ひとことで言えば「空の交通整理」です。道路との違いは、交差点にお巡りさん、というのではなく、地上からレーダーで飛行機の動きをモニタリングし、管制官は飛行機たちをラジオ通信による遠隔操作でさばいているということでしょうか。

航空交通管制はざっくり以下の通り区分されます。

  1. 飛行場管制

    滑走路から飛び立つ飛行機と、滑走路上空に達して着陸してくる飛行機をさばくのが任務。要するに空港のタワーにいる管制官の人たちが主役になります。大きな空港だと、タワー以前にグラウンドと言って空港の駐機場から滑走路までの飛行機の動きを交通整理する別の部門が設置されています。

    下記の図ではATZの記号で示される水色の円筒がこの管制区域に該当します。

  2. 侵入・ターミナルレーダー管制

    ATZから離脱し、CTR(コントロールゾーン)に入った飛行機たちの交通整理を行う部門です。水色と青の二つの筒が該当し、アプローチ(APP)が担当します。APPはタワーとは別の建物にあることが多く、レーダーで飛行機をキャッチして管制官(コントローラー)は画面上で機影確認し、ラジオでそれぞれの飛行機に指示を出します。ATZとCTR内の飛行場からの発着にはフライトプラン(C1の提出が義務付けられており、コントローラーは画面上でフライトプランをテロップ表示することができます。

    ブラジル空軍広報サイトより

    CTRからTMA(緑、オレンジ、ピンクの筒)に入ると、今度はACC(コントロール)の管轄となります。TMAが上下に分かれていますが、上の方は計器飛行(IFR)専用でジェット旅客機などが飛んでいるところ、下の方が有視界飛行(VFR)でぼくのような小さな飛行機が飛ぶところです。

    なお、上記ATZ,CTR,TMAや下記のAWYいずれにも属していない空域をFIRと言って、これは「非管制空域」つまり管制官の指示を受けない空域です「なんにもなーいニケランジア空港(D5)」で非管制空域をのんびり飛ぶケースについて書いていますのでご一読を。

  3. AWY:航空路管制CTRとCTRをつなぐ航空路のことで、主にIFR用、ACCの管轄。一方、CTR内に有視界コリドー(1)があり、これはIFRとVFRの仕分けがしやすいようにということでVFRの飛行機が飛ぶことになっている「空の道路」。APPの管轄となります。

航空管制において、飛行機と管制官は定型の語句を使った交信を行います。通信は飛行機の識別、現在地、目的地、目的地までの経由地、高度、乗員数等を管制に報告し、管制はその通りでよいかあるいは飛行経路の変更が必要かなどを支持します。実際の通信については「とにかく飛んでみよう(1)「レディオ空港で管制飛行の練習(D3)」などの記事で記載していますのでご一読ください。

管制が多数の飛行機を間違わないで識別するために、1次レーダー、2次レーダーが大きな威力を発揮しています。1次のほうは地上施設にある巨大なレーダー群で、最近は離陸したしないかの低空にいる軽飛行機でも補足できるようになったようです。要は空中を動いている飛行機をキャッチする元来の意味でのレーダー。同時に、飛行機側にある2次レーダーすなわちトランスポンダーが識別コード、高度などを発信して、1次でキャッチした機影のどれがどの飛行機で、どの高度でどの方向に向かい。。。という情報を管制側に自動で知らせています。

画像右側の箱型のやつで、上がトランスポンダー。下がラジオ。「0303」とあるのがトランスポンダーコードで、離陸までは「2000」にしておき、管制とのコンタクトが取れた時に管制からコード番号を指定してくる(上記の場合は0303)ので、その通り修正して打ち込みます。

最近はどんどん旅客機の交通量も増え、ぼくのようなジェネアビのレジャーパイロットも安全に飛べるよう管制との相互協力はますます重要になっています。

ううむすごいまじめな終わり方になってしまった。ではでは。。。

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