着陸
さて、前回ではトラフィックパターンを無事なぞってファイナルレグに到達し、あとは一直線に着陸だ、というところまで機体を操ってきました。いよいよ接地までの最終経路に入ります。
着陸で大事なのが滑走路に対して一定の進路・角度でブレずに降りること。そのため写真右側の⑥接地点指標が視界の一点で静止したまま大きくなってくるようにします。速度が落ちてゆく状態で下降気流につかまり「わああああスロットル全開じゃー!」とかなりながらも時速60マイルでフラップツー、もうちょい落ちるか?でフラップ全開して、低い速度でも揚力が落ちないように降りていきます。最終的に①あたりでエンジン全閉、機首下げですいと②に滑り込み機首上げ、③で着地すると怒られるのでそのままふわふわ漂ってゆき④か⑤で接地します(チェックフライトの時はちゃんと⑥で接地するようにします)。
同乗者に撮影いただきました
上記はちょっとした乱気流や上昇・下降気流に対応した着陸ですが、昔みたいに飛行場といっても広大な原っぱのどこからでも、というのとは違い、現在はアスファルトの滑走路になっていることが多く、横風だろうが何だろうが細長く伸びたこの一本道に降りるしかなく。横風対策がなかなか重要になっています。方法は大きく分けて2つあります。
その1.クラブ着陸
クラブというのは、英語でカニのことです。つまり、風上に機首を向けて横滑りしながら降りてくることで、水平飛行で風に流されるのを防ぐのとまったく同じ。ただし縦の移動により降下・着陸が加わります。ポイントは接地直前に機首を修正してまっすぐ着地することです。
その2.ウイングロー
こちらは風上側の翼を下に傾けて、風に流される作用を風上側に降下する作用で打ち消す方法です。高翼機がやりやすく、低翼機で翼の下にエンジンが付いている旅客機だと、着地の時にエンジンをこすっちゃうこともあり。それを防ぐため、クラブとウイングローを同時に行う場合もあるようです。ポイントはクラブと同じで、接地直前に水平に立て直すこと。ただ横風がものすごい場合は、風上側の主車輪をわざと最初に接地させることもある。
左がクラブ。右がウイングロー
ぼくの場合は最初はカニで降りてゆき、ショートファイナルというか着地までファイナルの3分の1くらいになったところでウイングローに切り替えるというのが普通ですが、それぞれパイロットによってやり方はさまざまです。
ほかにもスリップ(サイドスリップ、フォワードスリップ)があり、これは風とかは関係なく機首をある方向へ(といっても僕は風上に向けるようにはしています)、バンクはその逆という操作で、急速に揚力を失ない、高すぎるところから手っ取り早く降下する場合に重宝な操作ですが、機首を水平から下向きくらいにしておかないと失速・墜落の危険もあるので、皆さんが操縦するときには覚えておいてくださいね。。。
無事に接地し、必要あればブレーキを使って機速を落とします。下り坂の滑走路ではブレーキ多用しますが、上り坂の場合はブレーキなしでもプロペラアイドルにすればスピードが落ちて停止のためにちょっと踏むくらいですむ場合もあります。
というわけで、お付き合いありがとうございました。メンテ情報や雑学などのコンテンツもありますのでお楽しみ下さい。ではでは、ゆっくりしていってね!
ショートファイナルに入ったところ。SWUZ(D11)
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