いろいろな雲

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飛行機と切っては切れない縁でつながっているのが雲。視界をふさぐとかいう他にも、この雲が出ていれば空は穏やかだな、とか、そもそも近寄ってはいけない暴風を示す雲(Blog2)とかいろいろあり。パイロット目線でいろいろな雲を分類してみます。


  1. 雲の高さ。基本的に3つのグループに分かれており、地上から2000mまでが下層雲。2000~7000mまでが中層雲。それから上は高層雲になります。軽飛行機の場合は下層雲、中層雲が重要になります。
  2. 雲の形。平べったくて薄く伸びていくのが層雲。この雲が出るときは気流は穏やかで、中層から上に出ていれば飛行にはとても良い天気になります。これが地表にへばりつくように出ている場合は要注意で、フライトプランで翌朝8時離陸、としていたのに、飛行場に行ったら一面の霧だった、泣く泣くフライトキャンセルなんてこともあります。上下ににょきにょき発達するのは積雲。雲の間の視界はよくなるが気流が荒れていることも示しており、要注意の雲です。


    左が下層の積雲(Cumulus)、右が高層の巻雲(Cirrus)

  3. 雨や嵐を示す雲:まず積乱雲(入道雲)があり。これは地表近くから10.000mを超える高さまで発達するものあり、巻き込まれたら猛烈な乱流で空中分解の恐れもあるので、教科書では「40海里以上離れて飛ぶように」なんて書かれていたりします。旅客機のレーダーはこうした雲をはるか遠くからキャッチしてパイロットの回避操作を可能にしています。あとニンバスつまり雨雲があり。形はいろいろですが黒い雲です。雨雲に遭遇した時、雷雨の場合は避けたほうが良いが、薄い雨?で地平線が見える(地上が見える)ような場合は雨の中に入ったほうがかえって気流が安定していたりします。

操縦席から見える雲はこんな感じです。


太陽をさえぎる形の層雲。太陽熱による気流の乱れがなく、とても飛びやすい例。


層雲で気流は穏やか。でもちょうど飛行高度に発達しており、下に潜り込んで飛ぶ。


滑走路に接近する雨雲(Nimbus)



雲底高度が低すぎ、雲上飛行を余儀なくされた例。雲間からなんとか地表を確認します。


飛んでいるうちに雲底が低くなってしまい、なんとか目的地滑走路に滑りこんだ例。


雨の中を飛ぶとこんな感じ


左右に雨、その間を通り抜けるというふしぎな体験をしました

重要なのは、今見えている雲よりも「30分後にどうなる」という予測で、離陸直前に、滑走路上はクリアーだが後ろから雨雲が発達してきた、というケースもあるし、逆に滑走路の周り一面霧だが、30分すれば晴れそう、という場合はフライトプランで例えば45分後(C1に離陸、とすれば、エンジンスタートし滑走路に進出というときには見事に晴れ上がった穏やかな空がひろがっている、ということもあります。


霧の晴れた瞬間に離陸の例。画面右側はまだ霧に隠れています


わーい360度快晴のケース。

ではでは。。。

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