ニッケルの里ニケランジア
ブラジル中央高原の気候は大ざっばに雨季と乾季に分かれます。10月から4月が雨季、5月から9月が乾季。雨季には空中に雨雲が立ち込め、さっきまでお天気だった飛行場上空も気がついたら雨になっていたりして、有視界飛行は要注意の季節になります。カエルは雨季になると喜んで出てきますが、軽飛行機は雨季はじっとしていて、乾季になったら喜んで遠出します。
さて、青空いっぱいの乾季のある日、どこか遠くへ行きたいな、ということでNiquelandia空港(SWNQ)へ行ってきました。ブラジリアから直線で157キロ、陸路だと257キロ北西にある町です。タワーもない非管制空港なので、フライトプランをブラジリアAIS(フライトプラン)に提出したら、後はGPS(C2)にSWNQの位置情報を打ち込んで気楽に離陸。ブラジリア近辺の管制空域(CTR)(C5)を抜ける間際に管制官のおねえさんから管制サービス終了の連絡をもらい、後は自由そのものの非管制空域での旅を楽しみました。
ブラジリアの北西なんて未開の土地なので、寂莫とした山脈の上を、ここで落ちたら行方不明になって発見できないだろうな、なんて思わずエンジン計器を眺めたりします。
幸いエンジン快調、空も360度真っ青な穏やかななかを、のこのこと1時間飛んで、ニケランジアの空港に到着。
例によって1500m級のアスファルト舗装による広大な滑走路で、のんびり着陸できました。ちょっとトイレに。。。ということで空港施設までタキシングしてエンジンカット。
ところが、施設といっても小屋が一棟立っているだけで、ドアもカギがかかっており。そういう時に限って大のほうも催してしまうもので、まあだれもいないしいいや、ということで小屋のわきの木陰にしゃがんで野〇そしました。さわやかな乾季の朝、解放感がとてもよかったです。。。
う〇ちをしてすっきりしたら、木陰の後ろに単発パイパー低翼機が駐機していることに気づきました。そのうちパイパーのパイロットも出てきて、おおおお!人だ!人がいるぞおおお!と楽しく雑談しました。こんな辺鄙なところに大きなパイパーで何しに来たの?もしかして「粉」でもはこんでいるの?とうっかり言ったとたん、パイロットのお兄ちゃんの目が一瞬で険しくなり、腰からピストルを、というのは嘘で、どこかからどこかへ機体をフェリーしている途中だったらしい。
町でも散歩に行こうかな、と思ったのですが、空港は町から離れており。結局風が荒くならないうちに、とそのまま帰途につきました。離陸際、パイパーのお兄ちゃんからの通信が。「よきフライトを」「げんきでね。。。」と無人島みたいな空港で人懐こくなったおにいちゃんと別れ、1時間ちょっとで無事にブラジリアまで戻ってきたのでした。
ニケランジアは1735年ポルトガルの探検隊により設立され、この辺でよくある砂金の採取で一時期はかなり繁栄したらしい。1900年ころから他の鉱物資源の探査が始められ、1932年になってニッケルの本格採掘が開始。現在は世界で有数のニッケル採取地域になっているそうです。町はちゃんと100%電化されているとのことですが、下水道は10%しか設備が届いていないらしい。もうちょっと空港と町が近ければちょくちょくきて町のスーパーにお買い物とかもできたのになーとかおもいます。ではでは。。。
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