*VWかぶと虫ベースのレプリカ356Aのお話です。
さて、とある日曜、田舎の飛行場から自家用機で飛び立ち。いい感じで空をお散歩したあと、飛行場から30キロの先にある自宅アパートに帰ってきました。
12mX12mのハンガーに飛行機を格納しています
いつものとおりレプリカ356Aをフツーに運転してアパートにつき。敷地内で旋回したとき「ぎりぎりぎり、ぐににに」と前輪サスからへんな音がしたな、グリースアップしなきゃ、なんて思いながら、駐車場前の誘導路の坂道を登り切ったとたん。
「べきん、ぎぎぎぎ」と、車体が斜め前のめりになってしまい。
あれ、パンクかめんどいな、といったんストップして前輪を確認したら、タイヤは全然OKなのに、車体が傾いてしまっています。
やばいぜ、サスが折れちゃったか?
さらにまずいのは、アパートに住む多数の善男善女が通過する駐車場通路でエンコした形になってしまい。
赤丸の場所でエンコしてしまい、焦りました
さすがに気が動転していて、エンコ中の写真は撮影を忘れちゃいました。
それでも、恐る恐る356くんを動かすことができ。障碍者専用駐車スペースに避難させることができました。
VWベースの356だけあって、何とか故障したなりに、下の写真のように車輪がひしゃげたまま、それ以上悪化させずに避難場所まで走ってくれました。せいぜい20メートルちょっとだったけれど、旋回もすればバックもしなきゃで、普通の車だったら、サス全体が壊れちゃっていると思います。
前車輪がひしゃげちゃったポルシェくん
とりあえず人様のご迷惑にならない場所に避難できたので、あらためてゆっくり故障個所を確認してみました。
ふむふむ、サスペンションアーム(緑の〇)とハブベアリングを結合するピボット(赤の〇)が破損して、ハブベアリングがサスペンションからはずれちゃったのでつね。。。
その日は日曜だったので、356くんはそのまま避難させておくしかなく。アパートの管理人さんに、動かせるようになるまで数日かかるから置かせてね、と許可を取っただけでそれ以上の対応はできず。
月曜日に、アパートの目の前にある修理工場のおっさんに上記の写真を見せながら説明したら「これならピボットだけで済みそう。サスペンションアームとその中にある板ばね(サスペンション本体)には影響はないが、即日解決というものでもなく、超多忙なので修理開始は水曜までまってほしい」とのことでした。
ちなみに、VW(レプリカポルシェも)の前部サスペンションはこんな感じ↓
故障部分をアップしたらこんな感じ↓
赤丸の部分がサスとハブベアリングの結合部。結合のための接続ピンとでもいうのがPIVOT(ピボット)です。
上図のとおり、ピボットは上下2個、左右のハブベアリングで合計4個あり。このうちのひとつが破損したということですね。。。
で水曜日。修理工場からベテランのお兄ちゃんが推参。
きょうびVWや昔のポルシェをいじれるメカニックは絶滅種となりながも、いまだにどこの工場にも一人はいるらしく、今回「出張修理」で来てくれたおにいちゃんも、仕事というより、かぶと虫が壊れていたらほっておけない!といういかにもVWメカニック的なお兄ちゃんでした。
お兄ちゃんと一緒に356くんをジャッキアップしたり、タイヤ(ホイール)を外したりしましたが、VW系統だと、やっぱり「しかたなく修理している」のではなくて「修理をして遊んでいる」という雰囲気になるから不思議です。
まずはタイヤをはずして。。。
ダンパーとサスペンションアームを外します。
このあと、修理工のお兄ちゃんはサスペンションアームを工場へ持って行き、古いピボットを抜き取ったうえで、新しいピボットを仕込んで持って帰ってきました。工場へ持っていくのは、ピボットの取り外しはなかなか繊細な作業で、相応の設備が必要だからです。
サスペンションアーム。ピボットが仕込まれた状態の写真。
出展:https://produto.mercadolivre.com.br
このあと、サスペンションアームを元に戻し、無事ハブベアリング(ブレーキディスクのついている円盤状の部品)との結合に成功。
なんとか走れる状態になったので、修理工場まで移送しました。
ここでお兄ちゃんといったん分かれて、ポルシェくんは工場でもう一度サスをばらして再点検することに。
週末までには修理完了できるよ、ということでしたが、左右の前輪をとっぱずし、上のようなサスペンションアームの取り外し、ピボットの交換をそれぞれあと3回、さらには元通り組み上げなければならないし、それ以前にステアリングアームや、ステアリングのピボットに影響が出なかったかとかも調べなければならないので、水曜に工場へ置いて、本当に金曜までにできるのか?
ステアリングアームとピボット
やむなくとはいえ、車輪がひしゃげたままカーブやバックまでせざるを得なかったため、ステアリング機構がゆがんじゃってたらいやだな。。。
というわけで、進捗状況確認のため、木曜日に工場まで見に行きました。どのくらいまで修理すすんでいるのだろう。全然修理されずに放置されていたらどうしよう。。。
なんと、修理完成していました。
修理工のお兄ちゃんと、その辺をテスト走行。確かにステアリング機構もやられておらず、ついでにお願いしていたハンドブレーキ調整とキャブの洗浄も終わっていました。
修理代200ドル。ううむ高いか安いかわからん
というわけで、修理工場から出発。フランスパンを買って帰りました。
フランス大使館員も御用達のお店。
「ブティック」https://www.facebook.com/LaBoutiquePadariaFrancesa/
くるみとゴルゴンゾーラチーズのパン。中毒になりました
修理後。何事もなかったかのように、パン屋さん前の駐車場に鎮座する356。えらいね!
このレプリカは、1982年製の旧車ですが、壊れてもなにげになお ってくれるので重宝しています。フロントガラス破損の時は半年以上稼働不能になったけれど。。。
今回のタイトルは、Amebroのブロ友さんの「パンは生き物である。そして生きることを選んだのである」からぱくらせていただきました。なかなか鋭い観察でお勧めです。でも今日では「You ( 人間 ) @ 情報」にタイトル改称してます。ははは(リンクはhttps://ameblo.jp/taiyou-pan/entry-12706266375.htmlです)
ではでは。。。
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