代替医療
以前の記事(Blog17)で、現在の医療システムはシステム自体の存続には都合がいいが、患者の立場からすると、なんの因果でこんな目に。。。。という状況であることを書きました。
診察を予約するにも3週間待たされる。予約手続きでは「そもそもアテンドしない、アテンドしても名前を間違られて全然違う患者の話をされる」など「こちらの意思を伝えるのに大変な労力が必要」で、お医者さんに到達するまでにはてしないハードルを越える必要があり。やっとお医者さん、といっても「この症状はぼくの専門じゃないから知らないよ、勝手にどこかほかのところに行きな」という対応。そして全然別の病院をやっとこさ探して上記予約手続きにループ。再発進になってしまう。
以前ののんびりした時代では、一つ一つの段階を踏んでいくのが普通だったのでしょうが、現在の全て迅速に解決せよ(Finanial3.1)、という状況では患者のほうもそうそう仕事を抜けて病院巡りなんてできず、病気をこじらせて落命、という人も多いと思います。
といって落命しました、では済まないので、忙しくお金のない現代人でも迅速的確な診察を受けることができるシステムが生まれ始めています。正式な名前は無いようですが、いわば「医療チェーン店」が出現しているのです。「医療のラーメン二郎(Financial3.12)」なんちって。
「医療チェーン店」では、患者の自腹ですが、在来型の医院で支払う金額より3分の1程度で済み、なにより電話1本で多数の医療分野の診察が数日の期間で予約でき、検査や科目の転換(耳鼻科→消火器外科)など、すべて同じ店でアテンドして、もろもろの専門医のお医者さんのほうで店のほうに出向いてくるシステムです。
在来の医院では、病院という立派な建物があり。でもじつは賃貸料その他メンテナンスで患者がはらう診察費のかなりの部分が食われちゃってたりして?
在来型の大型病院。
一方、チェーン店のほうは、サラリーマンがいつもいる商業地区の中心に、銀行、旅行社、印刷屋さんやいかがわしい商業組合と一緒にオフィスを間借りしたりしています。
商業ビルの2階部分、赤い横長の看板の裏がチェーン店。その上はオフィス。
そして、うらびれた商業ビルに入り、いつ行っても動いていないエスカレーター、いかがわしい印刷屋さんなどが交じった一角にあるチェーン店に到着。
意外に衛生的でさっぱりした「医療チェーン店」
迅速・シンプルをうたったパネル。ほんとうにそうでした。
受付のすぐ横に1,2と書いてあるのが診察室の扉。予約状況に応じてオンデマンドで医師が来訪。壁には、どんな科目がありどんな診察料かが一目でわかる表あり。
診察室とは別に検査室もあり、たいていの検査はここで実施しちゃいます。
ポイントは、これまで著しく高額の民間保険に頼らざるを得ず、いざその保険を使う段階で今度は遠く離れた医院・検査施設をたらいまわしに、ということがなくなり、「ここへ行けば払える金額で何とか解決できるぞ!」という安心かつ安全(Financial3.8)が得られた、ということでブラジル全国で拡大しています。
はっきり言って、検査やお医者さんの質は在来型と全く変わらず。いらん豪華な設備や単に手続きだけ行っている事務員などを除いた分だけ安くなり、お客さんつまり患者が殺到しじゃんじゃん稼ぐ、といういかにも資本主義がプラスにでたハッピーな商売だと思います。(アンゴラやモサンビークなどに行ったこともありますが、こうした共産主義系の国家ではなかなかできない自由営業システム、という意味です)。言ってみれば、医療界のLCC(格安航空会社)ですね。。。
唯一のウイークポイントは入院できないこと。したがって、入院が必要になったときのための保険をなるべく低額で契約し、普段の診察はチェーン店で、としています。
非効率な在来型システムは将来IAにとって代わられちゃうぞ(Financial3.7a)!という記事を以前書きましたが、こういう草の根のニーズに対応したシステムであれば、まだまだ生身のお医者さんが頑張り、しぶとく生き残るかも知れません。そうあってほしいと願っています。
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