ディズニーの「将軍」が大人気です。
最初に断っておきますが、ぼくはこの映画を「ラスト・サムライ」に次ぐ名作と思っています。
「ラスト・サムライ」が1番なのは、トム・クルーズというアメリカのエース級俳優が「サムライの文化を学び、サムライの同胞として戦う」という、日本文化(ここでは新渡戸稲造的な武士道)を理解し共感している内容だからです。
ちなみに、「新渡戸稲造的な武士道」についてはこちら→「精神と知能」
「将軍」が2番なのは、「武士道」が基調にはなっているけれど、結局は虎長対4大老のケンカとか、変なセックスシーンとか、美人をうじゃうじゃ面白おかしく見せびらかしているためです。
なお、真田浩之は「ラスト・サムライ」から「将軍」まで、アメリカ人も尊敬する日本文化の担い手を演じきっており、これは文句なく神演技と思います。
と、まずはほめちぎっておいて。。。。
ぼくのブログをいつも読んでいただいている皆さんは、ここからどのようにこの記事がくだらなくなっていくかご承知と思いますが、念のため、だれもディスったり、誹謗中傷するものではないことを、明記しておきます。
さて、「ディズニー映画将軍」です。
「真相はこうだ」
アメリカから見た日本です。
その1 切腹。
10回のシリーズで、僕の記憶に残ったのが未遂を含め5人切腹。多いか少ないか?
最初の奴は、穂志もえかさんのご主人。主君の虎長が石堂にいひひひ!といじめられているのを見るにみかねて、「おどりゃーどたまかちわったる」とやってしまった。
でも、別に自分の意見を言っただけじゃね?
そうなんですよ。でも、そのせいで自殺に追い込まれることにアメリカ人たちは驚愕。
「クレイジーだ!」
この人の切腹はちゃんと白装束で、現代の日本人が見てもまあまあフツーの切腹でした。
https://www.fxnetworks.com/shows/shogun/viewers-guide/episode-guide/episode-1
もう一人は、口論の結果激高してことに及ぶが、けんかしているようで二人とも実はわかりあっていたのさ、という、日本の少年漫画でよくあるシーンでした。
口げんかしていたのは虎長とその腹心のじっさま。
じっさまは、年甲斐もなく、「ぐおおおー意見が通らないなら切腹してやるー」と、並みいる家臣がいる前でみっともなく着物をぬぎ、刀を腹に突き立て。
Kaisyakuninとして、愛するパパを首ちょんばしなければならくなった息子は、それでもダディの命令に忠実に、さくっと、でもないけど、やったのでした。
「クレイジーだ!」
あまり機転の利かない視聴者がいたとしても、この後虎長がとあるレディに漏らす一言で、これはすべて虎長とじっさまが、並みいる家臣を戦争に総動員するために打った芝居だったということがわかるようになっています。
「そんな命を懸けた芝居を打つのか?ジャップもとい日本人はいよいよクレイジーだ!」
ちなみに、ぼくはこのシーンを素敵女子と一緒に見ていましたが、彼女はハムスターのようにフリーズしていました(もちろんいい意味で感動していました)。
どうやらブラジルの女性には日本の少年漫画の感動が通じるらしい。
このシーンは全世界の善男善女を感動させたそうです。
でも、「腹切って忠誠お見せいたす」みたいな、やくざなシーンでいいのかディズニー?
https://www.youtube.com/watch?v=m6EgDP61sQQ
いつもフツーに使っている大広間のど真ん中での腹切り。転がった首がそこら中に血をぶちまけて、「京都の血天井」じゃないけど洗っても取れなくなっちゃうんじゃね?
一週間もすれば、この大広間で、みんなで何事もなかったように芸者遊びとかしたりするのだろうか?なんて感想を持ったのはぼくだけでしょうか。。。。
でも、このくらいならまだまだ。
問題は、女性にまで切腹させようとすることにあります。
史実として、女性の切腹はたしかにあるのですが、家族みんなが鑑賞するお茶の間のテレビシリーズで、そういうシーンを放映するのか?
幸い、直前になって取りやめ、という展開だったので安堵したけれど。。。
でも、その女性はその後、松永秀久もびっくりの最後を迎えるという、やはりやばいストーリーになってしまっています。
アメリカ映画らしく、女性が男性顔負けの大活躍することはジェンダー同権の面からもいいことと思いますが、もっと生々しくない、穂志もえかさんがショットガンで悪者を追い立てるシーンだけにとどめていた方がよかったと思います。戦国アクションであり、大人の男が血まみれになって首ちょんば、手足が飛散、というのはしょうがないとしても、女子供がそういうことになるシーンは作るな!といいたいのです。
なんか真面目になってしまいました。
アメリカ映画「将軍」の解説続きます。
*人数にこだわる人へ。上の3名のほか、明智光秀役の人が実行、あとみんな大好きおどけ役の人が、断崖絶壁下の荒波で未遂を遂げています。
その2 「類似ストーリーの反復」
ディズニーのマンガを見ていると、同じようなストーリーを繰り返して人気を得る、というのがあり。手を変え品を変え、ある物語では「ミッキーがバナナの皮に滑ってすってんころりん」だったのが、別の物語では「ドナルドダックがバナナの皮に。。。。」みたいな感じ。
ディスニーの子供向けマンガ
http://blogmaniadegibi.com/wp-content/uploads/2018/06/disney-abril.jpg
「将軍」では「我が家の庭に侵入してきた悪者を追っ払う」というのが繰り返されます。
領内のそのへんで大砲の練習をしていた長門(虎長の息子)や藪重(浅野忠信さん)、その軍勢のもとに、悪者石堂からの使いが現れ。長門がブチ切れ、大砲で悪者たちをひき肉、木っ端みじんにぶち56してしまう場面があります。
https://www.youtube.com/watch?v=pL5TWUpPSG4
ディズニーは、このシーンが全世界でウケるぜ!と確信しており。
上でも書いたように、穂志もえかさんのお家にやっぱり石堂一家の悪者たちが侵入し。もえかさんがこれを火縄銃で追い返す、という、もっと日本的な奥ゆかしいシーン。
「お引き取りくださりませ」
https://www.youtube.com/watch?v=T_4cK1L89E8
これらのシーンは、ディズニーの狙い通り大ヒットしたのでした。
なぜヒットすることが分かっていたのか。
まず、ディズニーはアメリカの会社です。
そして、アメリカ人は、アメリカでウケることは世界でウケると思っています。
これは思い上がりではなくて、天真爛漫なのです。
さて、アメリカ人にウケる鉄板のネタというと、「く●ばばあが、庭に侵入してきた悪者をショットガンでぶち56す」があり。
https://m.imdb.com/name/nm0282630/mediaviewer/rm3708582400
ネタどころではなく、実際に起きたりしています。
https://unkasuya.livedoor.blog/archives/17378468.html
上のキャプションのリンクでは、家ではなくコンビニ、上品なおばあちゃん(く●ばばあではない)かつぶち56さず単に撃退しているだけですが、要すればそういうことです。
*追記→その後おばあちゃんではなくおじいちゃんだったことが判明。ははは
映画の世界では、クリント・イーストウッド演じるく●じじいが、やっぱりショットガンで悪者をやっつけています。
グラン・トリノ https://note.com/knowledgesharing/n/n4187ef4cbf32
https://www.youtube.com/watch?v=Dag90o2NRWc
つまり、アメリカ人にとって、自宅の庭というのは、ドナー隊の時代から共食いまでして開拓してきた、自分自身の血肉である、アメリカ合衆国の領土そのものであり、そこに侵入する奴はハチの巣にしてやれ!というコンセンサスがあるばかりか、うかつに侵入してきやかったら、ここぞとばかりにダーン!ダダダーン!とハチの巣、バラバラ死体にして、ぎゃはははは!と喜ぶという恐ろしいカタルシスを持った民族なのです。
こういう本性を知らずに、真珠湾の古い戦艦を5,6隻沈めた程度で「勝ったー!」と喜んでいるから、待ってましたと原爆を落とされてしまうのです。
もう一つのアメリカ人の心の故郷に、ギャングの市街戦があり。
「ラスト・サムライ」で、渡辺謙とトム・クルーズが率いる騎馬隊を、ガトリンク銃でせん滅、というのがありますが、アメリカ人は銃を乱射するシーンがないと気が済まないらしい。
心配なのは、これらシーンが世界中でウケていること。知らないうちに、世界中の人々が、アメリカのギャング映画をサブリミナルに刷り込まれているのかもしれません。
ヨーロッパでの戦争もギャング映画にしてしまうアメリカ人
https://www.youtube.com/watch?v=cWuY8ot3PBI
この原稿を書いている今、最終話は見ていませんが、おおかた虎長が悪者たちを武力でぶちのめすという結末になっているのでしょうねえ。史実でも、関ヶ原だの大坂の陣だのありましたから。
でも、そんな残虐非道な終わり方ではなくて、結局石堂も虎長もみんななかよし、大人げないケンカはやめましょう、みたいになり(大政奉還みたいなかんじ)。浅野忠信さんや穂志もえかさん、さらにはレディMARIKOさんも実は生きていたということにして、みんなで楽しくサンバパーティーだ!というラストになればいいのにな、と願って、結びとします。
サンバパーティー https://www.youtube.com/watch?v=YyPK9m2CoIk
ではでは
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