*今回のお題になるメタバースの基礎知識は「2022年:メタバースの世紀の開幕」に書いてますので、ぜひ見に行ってね!
(1)メタバースでの飲食
VRゴーグルを使った仮想世界では、あまりのリアルさに「VR酔い」が発生してしまい。脳と体が同期できなくなってしまう、というのが原因だそうですが、要するに乗り物酔いに似た状況になり。例えば、メタバース空間であなたというかあなたのアバターが崖からパラグライダーでふわりと飛び降りたとして、ゴーグルから受け取る視覚情報は、崖からその下の地面へむけてびゅーんと移動していくのに、あなた自身の生物学的な体は椅子に座って上昇も下降もしないので、三半規管は下降しているのか?静止しているのか?狂乱していまい、あげく吐き気だのやばい症状が発生してしまうらしい。
超高層ビルからせり出した板きれの上を、平均台みたいに歩く実験。
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実は部屋の中に置いた板切れの上を歩いているだけでした
https://www.youtube.com/watch?v=_Ktd7nvxKpY
*ようつべを「VR Fails」で検索してみましょう。爆笑間違いなしだ!
しかし、これは、メタバース空間という仮想の空間ながら、アバターを通じた参加者の生物的な生理活動(体内活動?)を変化させることが可能という事を示しています。
三半規管 出展:https://keiyu.or.jp/ent/top/sickness/dizzy/
くどいけど、物理的な体はただ座っているだけなのに、脳ではVRゴーグルから送られてくる映像が現実だと錯覚してしまうという事である。
上記は、メタバース空間内における体の運用(運動)についてですが、空間内から自分の体に何かを取り込むような場合、平たく言えば、飲食はどうなる?についても、いろいろ研究がなされおり。VRShakerなどといって、メタバース空間内でカクテルドリンクを飲んでみましょう、みたいな試みもあるようです(詳しくはこちら、外部リンクです:https://cedec.cesa.or.jp/2021/session/detail/s60645c7724553)
さて、VRゴーグルというか、こうした装置が今後いよいよ精巧になり、アバターもへったくれもないふだんの自分自身が、ぽん!とメタバース内に生まれるようになったらどうなるか。
メタバースの世界。アニメちっくなお人形さんの一人一人が、実はこの仮想都市にVRゴーグルなどを通じて参加中の実在の人々のアバター(アイコン)です。
出展:https://www.jiji.com/jc/article?k=000000021.000080034&g=prt
「バーチャル都電」というメタバースがあったとします。そこで都電に乗り。向原駅前だったっけ?で降りて、駅前かどっこの町中華「千葉屋さん」に侵入。
と、ここまでは何の変哲もない「都市連動型メタバース」ですが、ここで、大将に「塩ラーメンちょうだい」と頼み。
本当に塩ラーメンが出てきたぞ!さあ、ここです。
メタバース内で、ラーメンを食べるという生理体験があり得るのか?
もちろん、現実世界での生物学的な体は、椅子に座ってゴーグルをかけているだけですが、はたからみていると、さもどんぶりを抱えるようにして、「おいしいね!」なんて喜んでいたりして?
そして、その本人は「熱さにやけどしそうになりながら、ラーメンを食べている実感つまり、のどごしだの、胃の中に入っていく満足感だのを感じるというようになるのだろうか?
ここまでメタバースがリアルになれば、次の展開が予想されます
1-あくまでメタバース内での体験になる。つまり、ゴーグルを取った段階で、あれ、千葉屋もラーメンも仮想の夢だった。全然食べてないや、腹減った、ということになるのか?
*この場合、ダイエットとかの一つの代替策になったりして?ははは
一目で画像とわかってしまうラーメン画像。
でも、VRゴーグルで、3次元にせり出すリアルそのものラーメンが、湯気をたてていたら?錯覚か、本物かわからなくなった時、どうなるのか?
2-MR(複合現実)ゴーグル、みたいな新技術ゴーグルで、飲み食いの部分では、ラーメンのどんぶりなど現実の物質が写るようになる。
この場合、メタバース内の千葉屋でラーメンを注文したら、瞬時にブロックチェーン技術で現実世界の千葉屋(あるいはアウトソーシングしたラーメン屋)に注文が入り、現実の大将が、はいよと作った本物のラーメンがドローンかなんかで届けられ。お家に届いた、という時点でゴーグルの一角に玄関の画像がポップアップし、戸を開けて受け取り、その瞬間に玄関とかの画像は消え去って手にしたどんぶりだけが残る。あとは、バーチャル千葉屋の机、実は自宅の机に置いた本物のラーメンを、仮想現実内でも本物の現実内でも、おいしいね!なんて食べることになったりして?
*ちなみに、バーチャルでない本物の現実世界では、日本でもブラジルでも「ラーメンの出前」はすでに存在していますが、そんなの違和感が、という人は「ラーメン」を「お寿司」に変えていただければ理解が簡単になるかもしれません。
さて、上記の2-が現実化したら、千葉屋のラーメンだろうが、スターバックスのコーヒーだろうが、飲み食いという現実世界での生物学的な行為がメタバースと完全リンクされることになり。1-の場合でも、あえて、わざとVRゴーグルで人間の五感を100%「酔わせる」ことができれば、「全日本剣道大会」とか、各選手が、実は素手で自宅にいるが、「バーチャル武道館」とかで、もちろん防具に竹刀で試合だ!防具外れに一発くらい、ギエエエー痛たたたた!なんてことが実現するかもしれん。こうしたイベントがどんどんバーチャル化してゆき、いつの日か、「えええー巨人阪神戦を見るのに、わざわざスタジアムに行っていた時代があるの?」なんて日が来るかも?
*ぼくが運営側だったら、スタジアムの現実世界での試合はそのまま残しておいて、メタバース参加もできるようにうまく観客席の画像処理?とかができたら、2重に儲けてうれしいですけどね。
あえて脱線。
とある絵を見ていたら、ふと、静謐そのものの景色に迷い込んだようになってしまい、明るいはずなのに押しつぶされるような空に圧倒されて、わあああー逃げられない、と恐怖にかられた次の一瞬、おっとこの景色は油絵で、ぼくはこの絵を1メートル前からみていただけだった、と気づいた、そんなことがありました。
その絵こそデ・キリコの「ある秋の午後のエニグマ」。
アナログ時代のメタバースか?すごいぞキリコ!
ジョルジョ・デ・キリコ「ある秋の午後の謎」1910年
*アングルの古典主義絵画でも同様の経験あり。でもスぺ―スがないので割愛。
(2)メタバースがもたらす医療革命
いまのところ、メタバースへの参入は
1-パソコン画面やスマホ画面を通じて参加(セカンドライフとか、いわゆる1.0世代)
から
2-VRゴーグルで参加(メタバース2.0。もちろんパソコン画面とかからも参加可能)
への移行を果たし、いつかは
3-何らかの形で脳へ直接アクセスする
これは「攻殻機動隊」の世界ですが、「感覚代行技術」などと言って、1980年代からすでに研究されているらしい(ポール・バキリータ博士の例)。
アニメ版「攻殻機動隊」。首に埋め込まれたプラグを通じて脳に直接アクセス。
出展:https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/CP/CP00000424
この3-は、病気に苦しむ人たちに、革命を起こすかもしれません。
2-の段階で、すでに車いすの人でも、メタバースの中ではガンガン駆けっこができるようになっている。
つまり、3-まで行けば、寝たきりの人でも縦横無尽に飛び跳ねることができるようになる(メタバースの中ですが、アバターの超精密化により、現実世界の自分と全く変わらなくなる。少なくとも脳内では)。
そして、この「感覚代行」が極限まで進めば、脳の(視神経かな?)とメタバースが連動して、メタバース内では視力を回復させることができるようになる、という事である。
そして、「都市連動型メタバース」であれば、いつでも渋谷なりシドニーなりを、「回復した視覚で散歩ができるようになる」。
上記は、基本、ぼくの空想です。
でも、空想にとどまらず、すべて現実化できる技術になっているのではないかな?ぜひお医者さんとかに、こうしたメタバース技術の応用、開発をお願いしたいところですね。
メタバース不動産で大儲け、もいいけれど、視力を失ってしまった人たち、寝たきりで動けない人たちが、生きている限りは健常者と同じ生活ができるようになることを願っています。それが「脳内世界」であったとしても。
ではでは。
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