これまで何回か「小説もの」を書いており、いずれもギャグ満載、かつハッピーエンドとなった「よいこの創作童話」ですが、今回に限っては、とてもシリアスで暗澹たる内容となっています。
小説であり、フィクションであること、明記しておきます。
さて、
とある吉日。
「そうだロサンゼルスに行こう」
と言い出したのは、とある台湾のおばさん。
ただのおばさんではなく、台湾の大総統だったのでした
ロサンゼルスで買い出しでもしたのか?
ではなく、アメリカの下院議長と会談をしたのでした。
https://www.chunichi.co.jp/article_photo/list?article_id=667374&pid=3312947
お話の内容は世界に発表され。
「アメリカと台湾はなかよしの独立国。アメリカは今後も台湾への支援を継続していく」
これを聞いた中国は、烈火のごとく怒り、
「1つの中国という原則を根底から覆す発言だ。許さん」
と大爆発したのでした。
当たり前と言えば当たり前の反応である(正しい反応かどうか、はまた別)。
なぜ、蔡総統とマッカーシー議員は、わざわざ世界中にこんな「茶番」を演出したのか?
もともとは、中国側の「進出」があった。
共産中国は、国府政府を打倒した後、共産中国のみがデファクトの政権であると世界(国連他)に認めさせ。
一方、台湾という「もう一つの中国」がこれもデファクトで存在していることは容認してきた。
これで、自由世界も共産世界も、なんとかバランスを保つことに成功。
台湾をめぐる米中の微妙な関係によって引かれてきた、様々な「境界」
https://blog.goo.ne.jp/o2009kay/e/d4874b8ee5574a7a8ec1b485e1bd600b
しかし、ウクライナ戦争が始まってしまい。
暴力による現状変更が、開戦より1年以上も継続してしまっている状況に。
もちろん、自由世界は大反発し、ウクライナ支援を継続しています。
こうした状況で、自由ではない世界の住人である中国も、「暴力による現状変更」に目覚めてしまったら?
自由世界は危惧していました。
そして、中国の共産主義者たちは、策動を開始し。
「中国軍機が台湾との中間線を越えて飛行することが常態化するなど、「現状変更」を常態化するようになった(台湾 蔡総統 米下院議長と会談 連携強化で一致 中国側は反発 | NHK | 台湾)」
台湾そして米国は、戦慄しました。
「これでは、リトルグリーンメン以降のウクライナの二の舞だ!」
リトルグリーンメンというのは、2014年当時、クリミアなどに不法上陸した、「緑の軍服を着た人たち」のことです。
軍服を着たプロの軍人ですが、どこの国の軍隊かを明示する標識をいっさい装着していなかったので、どこの誰なのかわからず。
誰か分からずとも、現地の治安当局をはるかに凌駕する武器を装備していたので、あっというまにクリミアなどを実効支配してしまい。
その後、「国民投票」でなぜかロシア領ということにされてしまっているのは皆さんご存じの通りです。
「緑の人たち」。日本には自衛隊がおり、こうした卑怯な行いを防いでいます。
パブリックドメイン
中国の場合、謎の漁船が近隣諸国の領海に押し寄せるのは昔からありましたが、これは、漁船のふりをしているが実は中国海警ですよ、というのはみなわかっていて、ようするに、おおむねデモンストレーションのレベルで、なんとか食い止められていた。
しかし、今や、堂々と軍用機で「中間線の侵犯」を常態化させている。
要すれば、「リトルグリーンメン」を超えた一線に踏み込んでしまっており、このままでは本当に軍事力占拠に出てきてしまうぞ!
絶対にそんなことはさせない、という意思表示が、蔡総統とマッカーシー議員の会合と、その声明として世界に発信されたのでした。
さて、
中国による「中間線」を侵犯するという行動と
米国による「侵犯はするな」という声明で
双方の主張が危うくバランスを保ち、それ以上にエスカレートしないというエクスキューズが会談により生み出されることになりました。
つまり、中国も、蔡総統とマッカーシー議員の会談と声明(あるいは類似の行動)がいつかはなされることはわかっており。
同会談のメッセージを受け、表面上は大反発しても、少なくとも当面は台湾侵略を控えるということは、米中の暗黙の了解だった。
もちろん、中国もはいどうぞと受け入れるわけはなく、中国側のメンツが保たれる形をちゃんと米国が用意しておくことが前提条件であり。
これは、米国と中国が了解しておけばよいので、声明みたいに世界中に発信しないが、米国も相応の損をしましたよ、ということを中国に納得させればよいということになり。
中国が被った損とは「共産中国の舎弟である台湾に、米国が手出しをするのを許した」であり。中国のメンツは丸つぶれとなった。
であれば、米国の舎弟を中国がシバクことを、米国が黙認することで帳消しにする必要が出てきた。
本当にシバクと武力行使になるので、そこは米国とその舎弟側のほうで、うまく「指」をつめてもらおう。いいよな、ということになっていったのでした。
‐〇‐
会見の翌日。沖縄海域。
自衛隊師団長以下、8人の高官を乗せたヘリコプターが、日中共に領土と主張する地域に至近の空域を飛行していた。
エンジン快調ななか、師団長が訓示。
「われわれは、日本の平和を守るために必須の作戦行動を開始する。皆事情は分かっていると思うが、要するに我々は海の藻屑と消えなければならなくなった。眼下の海面を、敵艦の甲板と思え。直ちに急降下し、全速で突撃せよ」
そして、ヘリコプターは真っ逆さまに海面に激突したのでした。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1690964.html
‐〇‐
中国人的なアプローチから言えば「ヘリコプターの1機と、将軍数人程度で、何が指つめだ!」
となるかもしれませんが、日本人から見れば、不可解なことだらけであり。米中の緊張に巻き込まれた、という考えも出てくると思います。
中国電磁波による撃墜というのをはじめ、証明する根拠が不足していますが。
言いたいのは、中国も日本も、知らないうちに戦前の悪夢のような世界に戻ろうとしていませんか、ということです。
最近、日本側で「日本は強い正義の味方だ」という論調が、少しづつ増えていっています。
中国側も同様で、「愛国無罪」はいうに及ばず。
以後、わざわざ中国については言う必要はないですよね。日本に言えることは中国に対しても同じです。
さて、悪い共産主義者の軍隊が沖縄に上陸して、小学校を拠点にし、子供たちを盾にして攻勢をかけてきたとします。
自衛隊は、こどもたちを避けながら、ピンポイントに中国兵を倒せるでしょうか。
国防においては、実は民間人の安全は考慮されません。
小学校を叩き潰すことで、敵の拠点を消し去って、勝てるのであれば、中国軍だろうが自衛隊だろうが、任務遂行のために、児童たちもろとも、小学校を爆破しなければならないのです。
「犠牲になれというのが命令であれば、その命令に従うのが軍人だ」という言葉があります。
太平洋戦争初頭、日本海軍の進撃を止めるために圧倒的不利な反抗を試みた米軍魚雷艇部隊のことばと言われます
*犠牲になれというのは、極限まで抵抗したら捕虜になれ、援軍は来ない、という意味であり、特攻で死ね、というのとは180度違うので念のため。
戦争というのは、プロの軍人だろうが、小学校の児童だろうが、すべての人間を犠牲にしてぶち56します。
そこには、正義も強いもありません。
ウクライナ戦争。https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220405-OYT1I50116-1.jpg?type=large
自由主義陣営は、先制攻撃は行いません。経済が豊かで、戦争に訴える必要がないからです。
独裁主義の国は、この逆です。
戦争になると、侵略者の先制攻撃によって自衛隊が大打撃を受け、民間の人々が虫けらのように56される事態になってはじめて、世界から「侵略された」と認知される、そんな状況になるということです。やっと米軍が出てくるころには、日本は破壊しつくされているでしょう。
前回の戦争で最大の被害者となった日中の民衆が、新たな戦争は生み出さないことを願っています。
ではでは。
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