*今回は、動画も入れました
日本の国土の23倍くらい大きいブラジル。事業で成功した勝ち組の人は(宝くじに当たった!とかも)大規模粗放農場を経営して、牧牛をするのが一つのステータスになっています。
そして、これらの農場で、牛の蹄にけとばされながら、カウボーイごっこで遊んだ後、街に出てきておしゃれなフランスパンを食べよう、というときには自家用機を操縦して飛んできたりします。
つまり、自分の農場に長さ800メートルくらいの立派な滑走路を持っている農場がブラジルじゅうにたくさんあるのです。
まずは、そんな大農場への着陸動画
https://www.youtube.com/watch?v=_v6jWNWwFHI
今回は、小生のホームベース(これは飛行クラブのみんなが、なけなしのお金を出し合い、滑走路とメンバーぶんのハンガーを作った)から、そんな大規模粗放農場の滑走路に遊びに行った時のお話です。
飛行前日のうちにホームベースに行き。ハンガー内の居住施設で一泊します。
ガソリンの補充や、機体の確認とかをやっておきます
翌朝6時には、はやくも明るくなっています。昨夜PCで提出しておいたフライトプランをもとに、管制当局に電話してトランスポンダーコード(飛行識別番号)をもらい、PC手前のニーボード(チェックリスト)に書き込んでおきます。
さて、居住区角からとび出して機体の移動だ!そのまえに、スニーカーを軽く振ってクモとかが隠れていないか確認します。
こういうのがいるかもしれん
そして、毎回くどいけれど、ドレン(ガソリンを検査弁から抜き出して沈殿物を検査)と、ピトー管のカバーを外します。
それぞれ、忘れるとこうなるぞ!という記事を「ピトー管」と「ドレン弁」に書きましたので、寄ってみていってください。ははは
飛行機をハンガーから引っ張り出します。
爽やかな朝を実感する瞬間。
コクピットに乗り込みます。
右ひざにくくりつけたニーボードでチェックリスト(飛行点検リスト)確認。
左のチェックリストで、SIGFの落書きは目的地空港の記号。0307はさっき管制からもらった認識番号です。
ここでかぶと虫のエンジンキーを差しっぱなしにしたことに気が付き。しゃあないな、飛行機からいったん降りて取りにいきました
で、もう一回コクピットへ。
ラジオのダイヤルを管制の周波数に合わせたら、さかんにいろいろな旅客機と交信していました。今日はブラジリア国際空港の11Lと11Rで離着陸していることが聞き取れ、ぼくのホームベース05からの離陸経路とは干渉しないな、と安心。交信の中で管制が本日の気圧1022と言っていたので、高度計のダイヤルをあわせたら、ぴったりホームベースの標高3200フィートになりました
航空計器チェック、エンジンスタート。エンジン計器チェック
エンジン開始直後にしては、ちょっと油圧低めだけどいいかんじ。
いよいよ滑走路エンドに進出。
離陸。動画でどうぞ
https://www.youtube.com/watch?v=sOhUn_cJnTU
ぐんぐん上昇していきます。
ブラジリアの10月は乾季の終わりにあたり。4月から少しづつ舞い上がってきた砂塵が上空を覆って視界がかなりぼやけます。でも雨季に入り一雨降ると、とたんに洗われて地面におち、鮮明な空になるのがふしぎです
やっぱり赤茶けたブラジル高原をのしのし飛んでいきます
翼支柱の三角すぐ右に見えるのがPadre Bernardo市。
ということは農場の滑走路はすぐ近くだぞ!離陸から40分くらい経過していました。
さて、ダスト(塵)が浮遊していて、なかなか見えにくい地表。やばいな、滑走路どこだっけ、と探したのですがなかなか見つからず。
ふつうは目的地到着の8分くらい前には、小さな点ながら滑走路やハンガーなど施設が見えてくるのですが、今日はばっちり直上まで来てるのに?とやむなく機首をあれこれめぐらして探しました
やばいな、管制官のおねえさんに「ちゃんと航空図見てきたの?」なんて怒られそうだ、と思っていたら、ブラジリア国際空港では、そのときちょうどランディングギアが作動不良になった飛行機が出たらしく、それまで11L、11Rの2つの滑走路で同時離発着をやっていたのを、片方は故障機専用、もう一方にその他すべてを誘導し始め。ひっきりなしにお姉さんから多数の旅客機をさばきはじめていました。
よしよし、このあいだに滑走路みつけちゃおっと、ともう一度探したら、ありました
みなさん、この写真のどこに滑走路があるかわかりますか?
ちょうど発見を待っていたかのように、管制のお姉さんから通信あり。 「PU-XXX(僕の飛行機の識別名)、現在位置を連絡せよ」もちろんすかさず「目的地滑走路直上、管制解除願う」と回答したら、すぐ解除となり。お姉さんは再び旅客機をさばきまくり始めたのでした。なんかいかにも滑走路直上にいるけど、お姉さんが大変そうだから、旅客機との通信が一息つくまでぐるぐる回って待っててあげたよーん、みたいな結果になったのでした。ははは
降下開始。
高度が下がり、滑走路が写真からはみだすくらいになってきました
周回経路を回りながら、ぐんぐん地表に向けて降りていきます
ファイナルレグ。前方に滑走路
ベースレグからファイナル、そして着陸までの動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=_v6jWNWwFHI
家畜の群れを左前方に見ながらタキシング
畜舎とかの整備も立派で、これぞザ・農場ですね。。。
滑走路端に到着。降りた側の反対から離陸します。
離陸動画
https://www.youtube.com/watch?v=gyjbpBE4wVA
上昇中
乾季のただなかでも枯れない川があり。農場立地の重要な条件です
かなり急角度で上昇中ですが、気流が穏やかで、操縦かんから手を離したまま飛べました
さらば滑走路。ううむ写真じゃ見えにくいな、左上に小さくなっています
水平飛行になったところで、ガソリン残量チェック。胴体内タンクが3分の2を切ったところ(写真の赤丸)で、翼内タンクからの流入コックを開きます。
左右翼内タンクのゲージでこちらも残量確認。左タンクがいつも右に比べ残量が低くなる傾向あり。これは軽飛行機でよく見られる現象らしい。
ついでに自撮り。今日はこの時点で機内が暑めになり。窓の空気取り入れ口を開いたら涼しくなりました。
空気取り入れ口
大農場地帯の上空を行く。まるく見えるのが「センターピボット式灌漑農地」で、だいたい1年に1~2期作、大豆が主力となっています。赤茶けているのは、収穫後か、あるいはまだ種まきをしていないかな、かもしれん。
山脈地帯、といっても岡程度ですが。
いやしかしダスト(塵)がおおいな。地平線がぼやけちゃっています
航空計器とGPS,トランスポンダー。黄色域ぎりぎりの時速100マイルでいいかんじ。でもGPSによる対地速度は73.2ノット、80マイルくらいで、20マイル(時速30キロくらい)の向かい風になっていました。
そうこうしているうち、青い湖と白い建築物のブラジリアに到着。
ホームベース上空へ到着。
周回路を回って、無事着陸したのでした
ホームベースの周回と着陸の動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=wZP48rfRIr0
ハンガーまでタキシングしてきて駐機。ご拝読ありがとうございました。
*なお、国際空港でギアに課題発生した飛行機のその後については、新聞などで「ブラジリア空港へ胴体着陸」などの報道はなし。どうやら無事着陸できたらしい。
おまけ
いや暑い暑い!まだ朝9時半なのに、地上は30度近い暑さでした。デッキチェアを風当たりのいい場所に持ち出して、寝なおしました
ではでは。。。。
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