以前「不条理演劇」をお題に、現実世界から遊離した、全然脈絡のない小説を掲載してしまい。「猫機長、らりっているの?グレてるの?」なんて声が聞こえてきたので、今回は思い切り現代社会における生活がにじみでた、俗世そのもの、の内容でいってみます。
というわけで、サラリーマンと味の素、そして「命を救う薬用コカ・コーラ」のお話です。
さて、水が基調で、野菜や魚など新鮮な素材を多くつかっている和食は、動物性脂肪ギトギトで、新鮮とは言えない食材をソースや調味料でごまかす洋食に比べて健康的だ!というまあ常識的な主張から、へへんそんなことないよ、日本食なんて砂糖をめちゃくちゃ使うから生活習慣病まっしぐらだよ、なんてうがった意見まで千差万別ですが、実際のところ日本人の食生活に根差した2つの物品を抜きにして語ることはできないと思います。つまり「味の素(うま味調味料)とコカ・コーラ(関連飲料含む)」。
味の素。ひところは「石油製品だ、食べたら死ぬで」というような風評がたってしまい。分離精製法などについて大議論が起きたのち、結局は問題なしに落ち着いたようです。
ラーメンの守護神、味の素。
出展はhttps://www.ajinomoto.co.jp/aji/umami/
味の素の偉大なところは、本来多量のだしを何時間も煮込んだりとかしなければ取れなかった「うまみ」を「さっとひとふり」で実現できるところ。原料節約で地球環境の健康にはとてもいいとおもいます。ただし人造ダイヤと天然ダイヤが違うように、わかる人にはわかってしまうし、東南アジアのレストランのようにコップ山盛りの味の素を鍋にどばどば、とやってはさすがに健康にはよくないと思います。つまり、消費者側でもスマートな使い方が要求されるということですねーどうしても使っているうちに同じ量ではうまみを感じられなくなっていく傾向あり、気が付いたら大もりでドバドバ、とならないように「NOうまみ調味料デー」を設けるとか、あと緑茶のパッケージに「茶調味料(アミノ酸)=うま味調味料がはいっています」なんて書いていないやつを探しましょう。別に「茶調味料」が入っていてもそれでお茶の価値が落ちるというわけでもないですけど。ははは。。。
さてコカ・コーラ。こちらはコップ一杯に角砂糖何個分の砂糖が入っている、などと言われ、そういったことを理解したうえで賢く消費する必要あり。夏だ山だ海岸だ、というときに暑さに任せて浴びるように飲んでしまう、というのではダイエットもへったくれもないよねーという結果になってしまいます。
出展はhttp://www.sugarstacks.com/
では、コカ・コーラはやめた方がいいのか?実はそうとも言えない部分もあるのです。
以下とある在外日本企業のかわいそうな勤め人「Aさん」のお話し。
海外にいても日本企業に勤めていると、深夜までの飲み会など多く。
とある吉日、「業務外連絡」という形で飲み会の招待状つまり「業務命令としての強要のメール」を着信。これを書かされた人も命令されたことだし、書かせた人は定年退職しているので時効ということであまり加工せず転載します(オリジナルはAさんがどこかに保存しているらしい)。
「皆さま
おはようございます。
あと、二週間弱でブラジル主催のワールドカップが始まります。56年ぶりのブラジルワールドカップを祝うため、6月11日に前夜祭として、オフィス全員で飲み会を計画したいと思います。社長のご提案です。
場所は後日決定しますので、参加の可否ご連絡願います。否の回答は受け付けないので、悪しからず。」
さて、こういう飲み会がある日に限って、外部の来客アテンドなどで昼食時間を仕事で使ってしまうことがおおく。もちろん「Aさんは昼食時間外にのんびりご飯食べるの?」という別の「業務外指示」が来るので、自然と飯抜きになります。そんな日に飲み会で食う方はあまり入らないままに今度は夜遅くまでビールにだれだれが持ってきた焼酎に、さらにウイスキーだとちゃんぽんで飲んでゆくと、午前2時ごろ解散したときにはフラフラになり。冬になると深夜の気温6度なんてざらにあるので、おやおやというまに体がぶるぶると震えて止まらなくなってしまい、近くのアパートの軒下でうずくまっていたら、管理人さんが慌てて救急車を呼ぼうと電話したのですが、消防隊のほうはあっさり「それは寒さじゃなくて低血糖症だ、砂糖をたべなさい。別に救急車はいらないよ」とのこと。そこで登場したのがコカ・コーラで、たしかに震えが止まり。動けるようになった!それまで、生まれてからこのかたの思い出がぐるぐるめぐり、その中でさまよっていた意識も、はっきりと「お、アパートの庭のベンチにすわってるな」と現住所に戻され。管理人のおじさんありがとね、と元気が戻っているうちにすかさずおうちに帰りました、めでたしめでたし、とのこと。
つまり、コカ・コーラは砂糖いっぱいということが分かっていれば、それなりの飲みようがあるということである。薬用コカ・コーラなんちって。
Aさん談「死ぬかと思った」
ちなみに、Aさんの会社はわりかしホワイトで、ハラ踊りだの、ネクタイを頭に巻いてとか箸を鼻にさしてとかいうのは無しですんでおり、本気でほっとしているとのことでした。ぼくもそれを聞いてほっとしている一人です。
これが、大企業ほど?社員に「疑似家族」としてのつながりを求め、家族になるための通過儀礼だ!と伝統化しているらしい。
なぜこの通過儀礼が必要になるのかというと「人を楽しませるためにどれだけ努力したか」「どれだけ人前で普段は恥ずかしいという格好をさらすことができるか」という、「滅私奉公の視覚化」を進んでおこなうことができるかどうかがテストされているということである。
もちろん「人と楽しくコミュニケーションできる能力」は大切ですが、なぜ宴会の裸踊りでその能力を証明しなければならないのか?そして、「業務外連絡」「希望者はどうぞ」なんて言いながら、参加しないとどうなるか。
これって、戦時中の「特攻隊員選抜」とまったくおなじですよね。。。
「特攻希望者は一歩前へ」と言われて「みんな一緒に踏み出した」というか、踏み出すしかない状況に追い込まれていた、そんな戦争中の悪夢の雰囲気がいまだに残っていないでしょうか。
真面目に、死ぬことを躊躇して、つい一歩踏み出すのが遅れちゃった、という人が真っ先に特攻に送られたらしい。一方「すべて覚悟したうえで特攻を熱望した」人もいますが、「回天」というお題で別途記事にします。
https://www.youtube.com/watch?v=xhaaFUUuVYA
https://www.youtube.com/watch?v=4i_X0-oUpYA
一歩踏み出せた人もすぐには踏み出せなかった人も、戦闘機のりとしての技量は変わらず。特攻機も特攻援護の戦闘機も、レーダーで誘導されて雲の中(境目)から襲ってくるグラマンの大群に、目標の敵空母なんて見えないはるか遠くで、敢えなく撃墜されてしまうのでした。
ろくな訓練もさせずに、「希望する」「しない」という「業務外連絡」で上司に示す「恭順・協調性」などを基準として出撃させていたため、物量の差以前に、操縦者としての技量をクレバーに追求してきたアメリカ搭乗員に、簡単にやられてしまった。
付記:坂井三郎みたいな、本当に訓練された(訓練を受ける余裕のあった)老練な搭乗員は、特攻出撃してもなにげに戻ってきたりしています。こういう記録をみて、ぼくはほっとしている一人です。
脱線しました。本記事のお題に戻って、「日本食は健康的だが洋食はだめ」みたいなステレオタイプのおしきせはあまり意味がなく、各個人がいろいろな食べ物の特色や成分を自ら見極めるのが重要と理解します。
産業革命後の地球では化学調味料とか人造の食品も必然であり、毛嫌いせずに上手に利用することが健康の秘訣と考えます。
(林 雄司・Webヤギの目編)
ではでは。。。
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