とある吉日、出張先でのできごと。
夜も夜中の11時すぎですかねー仕事先からタクシーで20分くらいか?ホテルに帰りつき。
ううむやっと寝ることができるぞ。
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往時のタクシーメーター
とりあえずは、ほとんど電池の切れかかった携帯に充電だ!
でも、充電のケーブルがないじゃね?そうかカバンにいれていたな。
そこで、そのカバンがないことに気が付き。
出張先から、おみやげの「あんぱん」を入れた袋と、重要な物品を入れたカバン(内容はお察しください)を持ってタクシーに乗ったはいいが、カバンの方をタクシーに忘れちゃった!とそこでやっと思い至り。
なんか、起きてはいるけれど起きていることが信じられない、とハムスターみたいに固まってしまい。
どうする?
なんとか気を取り直し。
知り合いの車とか、ハイヤーではなく、その辺のタクシー乗り場で拾った、今日まで会うこともなければ、明日以降も会うことはなかろう、どこの誰かも知らないあんちゃんの運転していたタクシー。
どうやって取り戻すのか。
しかし、あることを思い出し。
ホテルに到着して、支払いだ!というとき、運ちゃんがカード読み取り機を変な小さい箱に接続したら、その箱から、これまたみみっちい、ひねた領収書が出てきたのです。
そのレシートはどこだ!ズボンのポケットで発見。
なんと、タクシーのナンバープレートと、コンタクト先の電話番号が明記されているではないか?
絶望から逆転勝利か?早速電話。
でも留守電になってしまい。いじいじしていたら、なんと向こうからかけなおしてきたぞ!
以下、運ちゃん(う)とぼく(ぼ)の会話です。
(う)「ドアホが夜の夜中に電話かけやがってボコすぞごるあ!」
(ぼ)「だまれ!客のカバン入れたまま消えやがるくそタクシーがあるかごるああ!」
(う)「ざけんな!もう何年もタクシー家業なんてやっておらんわ!間違い電話で人を起こすなごるあああ!」
(ぼ)「何が間違い電話じゃ!つい10分前まで、てめえのQNQ27◎8、この電話のタクシーでホテルまで乗ってきたじゃねえか!脳みそ腐ってんのかごるああああ!」
(う)一瞬うっとなり。「ううう?どこからナンパ―プレートの情報を引っ張ってきやがった?確かにそのタクシーには乗っていたが、もう廃業しているぞ?おまえはいったいだれだ?」
(ぼ)「ただの客じゃい!ついさっきお前が変な箱から領収書印刷しただろう!そこにお前の個人データがすべてばっちり記載されとるわい!まいったか!」
(う)「あっ!そうゆうことだったのか!それはね、ぼくじゃないよ」
(ぼ)「狂ったか!とっとと説明しやがれ!」
(う)「それはね、ぼくが持っていたタクシー車両と営業権なんだ。Bという野郎に車ごと売ったんだけと、まだ名義変更していないんだね。Bの野郎の電話を教えるから、そっちにかけてね」
(ぼ)「ごめんごめんそうゆうことだったんだね、夜中にたたき起こしてごめんね」
さて、「Bの野郎」に電話かけました
(B)「ドアホが夜の夜中に電話かけやがってボコすぞごるあ!」
(ぼ)「だまれ!客のカバン入れたまま消えやがるくそタクシーがあるかごるああ!」
(B)「ええええ?それって、いつなの?きのうぐらい?」
(ぼ)「ざけんな!ついさっきホテルまで乗ってきたろうが!カバンかえせごるああ!」
(B)「それなら今日の運転手の電話をあげるから、そっちに電話してね。そいつはEの野郎っていうんだ」
(ぼ)「あああそうだったの?怒ってごめんね?」
要すれば「Bの野郎」は、タクシーの名義を何台分も持っているビジネスオーナーで、複数のタクシーに複数の運転手を割り当てていた、ということです。
たまたま、今日のQNQ27◎8の運ちゃんが「Eの野郎」だったのである。
上でも書いたように、携帯の充電器はカバンの中だし、携帯はいよいよ電池がなくなってきちゃった!かなりあせりながらも、「Eの野郎」に連絡しました。
(ぼ)「ようにいちゃん、ぼくのことを覚えているかい」
(E)「あああいまそっちに向かっているからね!待っててね!」
(ぼ)「ふふふ、今日は満月の夜だねえ。お兄ちゃんの顔もしっかり覚えているからね?」
どうやら「Eの野郎」の雇い主である「Bの野郎」から連絡が行っていたようです。
こうしてカバンを回収することに成功。「Eの野郎もといEくん」もとても礼儀正しいナイスガイで、もちろんぼくのほうでも「Eくん」が引き返してきた分のお代はちゃんと追加して払いました。
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おもしろおかしく書きましたが、実はもっとなごやかにコミュニケーションでき。おどろきは、「Eくん」はともかく、そのほかの事業主2名共に、突然の真夜中の電話ながら、的確に事態を把握し、適切な連絡先を教えてくれたことで、たらいまわしにはされたけれど、役場における、出口のない、不毛なたらいまわしとは違って、ステップごとに解決に近づいていることが実感できました。
やっぱり、この辺が「キャッシュフロークワドラント」の「右」と「左」にいる人たちの違いですねー。
「金持ち父さん貧乏父さん」で有名なロバート・キヨサキという人の提唱で、世の善男善女は、E=Employee(従業員)、S=Self-employed(自営業者)、B=Business owner(ビジネスオーナー)及びI=Investor(投資家)のどれかに分けられる、としています。
そして、それぞれが以下のクワドラント(4隅)に振り分けられるとしています。
ここで注目なのは、E(従業員)とS(自営業)は、図の左側、B(ビジネスオーナー)とI(投資家)は右側になることです。
左側は、人に使われるか、自分が店を切り盛りする立場の人。Eは会社の社員だし、Sはその辺のパン屋さんとか。
これが、右側になると、人を使う側になります。Bは、例えばパン屋さんのチェーン店を統括する親玉であり、配下に一軒づつのパン屋さんすなわちSがおり。
さらに補足すれば、そのSに雇われてパンをこねたりしている従業員もE。SはBへの過渡的形態と言えないこともないが、実態はパンをこねているEと変わりなしです。
さてIですが、B以下が必死になって労働して得た収入の一部を、配当とかで何も労働しないでもらっちゃうのでした。ははは
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というわけで、タクシーと役場の例でいえば。。。
役場の役人は、上役から命じられたままに作業を行う、人に使われる立場なので、行政サービスを求める市民が目的を達することができず役場の中をたらいまわしにされても全く我存ぜずであり。役人自体が、日々不毛な業務のたらいまわしで、そもそも「解決」とかいうメンタリティが生まれないのです。
こわいな
これがタクシー会社のオーナーになると、突然夜の11時に電話がかかってきた時点で異変を察知し、グーグー寝ていても飛び起きて返信する。
一瞬で、とんまな客がタクシーにカバンを忘れたこと、そして、名義変更したはずの仲間の企業家がまだ変更していないという事実に目ざとく気づいて、そいつの連絡先を教える。
そして、連絡を受けたほうの企業家は、とっとと配下のタクシーに連絡して、お客にカバンを返却するよう指示する。
たらいまわしではあるが、関係者の企業家一人一人が一瞬のうちに課題と達成すべき成果、そしてタスクを把握(なんて今回は電話番号を知らせるだけですが)し。躊躇なく実行しています。
これは、決して、とんまなお客に同情したというわけではなく。
お客にも色々いますからねえ。
逆上して、ホテルのロビーでピストルを乱射なんて狂った客だったら?
新聞で「カバンをXX企業のタクシーに取られ、企業のオーナーに非人道的な対応をされたから、腹いせにやった」なんて大々的に報道されたりしたらどうなるか。
とっとと客にカバンを返すのが最もコストの低い解決だ、と、関係者すべてか解決に向けて最短距離で動いたのでした。
ブラジルのあんぱん。
https://www.marukai.com.br/produto/an-pan-azuki-6-unidades/
一方、お客の方でも、ただのとんまで終わるわけにはいかず。
なんとかレシートの電話番号からビジネスオーナーを引っ張り出し。
自分はホテルのロビーでなにもせずにのへーとしていながら、上はビジネスオーナーから下は運転手まで大騒ぎをさせたうえで、目指す成果であるカバンを取り返すことに成功したのでした。
というわけで、今回は我ながら資本家ちっくな立ち回りができたぜ、なんて自己満足しています。ははは
「投資すべき銘柄を選ぶは、タクシーのレシートを見るがごとし」なあんて。
ではでは
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