人類初の飛行はだれが実現したのか
飛行機好きな人は「ライト兄弟」というでしょうが、いえいえ実はそう簡単ではなかったりします。
なぜなら、ライトフライヤーは飛行機だったのか?という 疑問にひっかかってしまうからです。
飛行機ってなに?プロペラを回して(ジェットもある)、滑走路をぐんぐん加速してゆき、エアボーン(離陸・浮揚)。上昇、旋回、前進(バックもある)、下降を飛行機自身の操縦系統でコントロールしながら、無事着陸できる固定翼の航空機、となると思います。これは法律上の定義ではなくて、ふつーにみんなが思いうかべる「飛行機の概念・常識」を要約したものです。
ちなみに、ここでの前進速度は速度計に計測される対気速度のことです。たとえば風速60キロの向かい風で、でも対気速度は55キロの軽飛行機(ほとんど失速ぎりぎりです、ははは)がいたら、地上にいる人はこの軽飛行機が時速5キロでバックしているのを目撃することになります。この辺の対気速度・対地速度の関係については別記事(Aviation.C4)にしましたのでご参照ください。
「いろいろな速度と高度」(Aviation.C4)で詳しく説明しています
さて、ライトフライヤーは風速毎秒12メートルの烈風(時速43キロ)が吹き荒れるキティホークという場所の、この烈風を向かい風に利用し、専用の滑走用レールからカタパルトで空に射出され、59秒間、260メートルを浮揚(対地時速15キロ?)したのち地面に突っ込み前部の昇降舵を壊しちゃった、とあり。確かに、空気より重い機械で空に上がったということでは世界初の記録。
でも、問題は強烈な向かい風がないと離陸速度(対気速度)を稼げず、かつカタパルト射出で初めて離陸できた、となると、これは飛行機というよりエンジンで滑空性能を向上したグライダー、というのが真相だったと理解します。エンジンが飛行機にとっていかに大切かということですね。。。
ちなみに、体重に比べ翼の揚力がすくないゴキブリは(種にもよるが)自力での離陸が苦手で、飛ぶといってもテーブルから床に飛び降りるみたいな「コントロールされた下降」がほとんどとのことで、ライトフライヤーの性能もこんな感じだったらしい。
で、どこでも自分のエンジンで離陸でき、おっとっと、と姿勢をコントロールしながらなんとか墜落ではなく着陸、となると3年後のサントスデュモンによる14Bis号でやっと達成。「ヨーロッパ初の飛行」とされています。
じゃあ、世界で最初に飛行機で空を飛んだのはだれだ?となると、その答えは「人類みんな」です。なんじゃそりゃ?
そもそも人類が空を獲得する過程で、空気より軽くなる気球(熱気球や水素、ヘリウムなど)、翼によって滑空するグライダー、そしてついにエンジンを乗せた飛行機。。。。とすこしづつ飛行についての知識や経験が蓄積されてゆき、目に見える成果が出てきた臨界点がライトフライヤーや14Bisの飛行だったということで。こうしたすべてのステップを一人の人間(Financial3.5)でクリアできるわけないし、ライト兄弟がライトフライヤーを作ったのも、リリエンタールをはじめとした翼の研究の成果、軽いガソリンエンジンの発明など、まさに「人類みんな」が蓄積してきた成果をうまく活用して達成したのです。
というわけで、飛行機を発明したのは誰?という問いになるべく具体的に答えようとすると、
◎少なくともダビンチ、リリエンタール、ラングレー、ライト、サントスデュモンの合作である(本当はもっと無名の人もいっぱいかかわっている)
となります。
コンピュータなんてない時代。リリエンタールは
鳥を研究し現代人もびっくりの翼を考案しました
さて、ではこのうちだれが最初の飛行機乗りか?というとやっぱり「サントスデュモン」になります。
もちろん、ダビンチさんや、このページにたどり着いた飛行機好きのみなさんはみな「ロマンチックな意味での飛行機乗り」です。
一方、飛行機を操って空を飛び、着陸した最初の人、そしてそれを操縦した物理的な意味での飛行機乗り、となるとサントスデュモンですよね。ははは
ライト兄弟の場合、なんか秘密な感じで少数の立会人での記録、そしてたわみ翼とか重要な貢献をしているのに、特許にこだわって人々との共有をしようとしないという事実があり。つまり、ライト兄弟の真意は、空を飛ぶことではなく、飛ぶことで特許などを取得し、事業としてお金をもうけたい、ということだったのではないでしょうか。
要するに、空を飛ぶということが単なる手段(Blog14)になっているので、いつ飛んだということに関係なく、これじゃあ飛行機乗りとは言えないね、となります。
サントスデュモンの場合、成果や情報をどんどん共有し飛行機の発展を促進しようとしています。つまり、空を飛ぶこと自体が重要であり、みんなの力を合わせてより良い飛行機をつくり、さらに自由に飛びたいな、という人だったのだと思います。飛行機大好き人間の典型的な飛行機乗りだと思います。
類似の例で、サンテグジュペリや、自動車ですがアイルトン・セナとかも入るかも?
最後に、飛行機発明の最大の功労者はレオナルド・ダビンチだと思います。成功法則について書いた記事(Financial3.1)において「思ったことが現実として目の前に現れる」という旨を書きましたが、空を飛んだはずのない?ダビンチさんの下記のひとことが決定打となり、人間の顕在意識から神の領域?潜在意識にはたらきかけ(SpiritualS.1.6)、400年の時空を超えて飛行機が生まれることになったのかも?なんて思っています。
その一言は
「空を飛ぶ喜びを一度でも味わったものは、 地上に戻っても、 眼差しを空に向けたままにしてしまう。 かつて自分がいたあの空に、 いずれは戻りたいと願うのだ。」
ではでは。。。
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