ブラジルで、世界に先駆けてワクチンが実用化されようとしています。
ギャグか?ギャグみたいな事実です。
ブラジルで開発したワクチンではなく、シノバックという、名前からして中国のワクチンが、早ければ12月にも、順当にいけば2月には一般市民に義務付けになるらしい。
えええ?12月?義務付け?
そうなのです、うさんくささ満載ですが、しかし事実として公的に発表されているのです。
この情報が本当にうさんくさいのか、あるいは世界に先駆けてブラジルでワクチン成功という希望の灯がともされるのか?を分析することにより、日本でもいつかは来るワクチン導入時の安全確保などに重要な情報になると思い、この記事書きました。
本題に入る前に、ブラジルはどんな国?ということを簡単に説明しておきます。
いわく「ブラジルは真面目ではない(Brasil não e um pais serio)」
フランス政府の言葉です。
よりによって、フランスです。
おまえは真面目かい!とツッコミを入れたくなりますが、たしかにイタリアよりは真面目かもしれん。
じつは、1961年から1963年まで、ブラジルとフランスは戦争状態にありました。
その名も「ロブスター戦争」
ブラジル沿岸にフランス漁船が押し寄せ、ロブスター(えび)をじゃんじゃん取りまくり始めたため、ブラジル政府は怒り。
「大陸棚資源を乱獲してはいかん」
フランスは反論
「大陸棚資源とは、海底表面から地表下の資源のことである。えびは地表上をジャンプするなど、地表を超えた(その上の)海洋資源、漁獲資源であり、どうこう言われる筋合いはない」
ブラジル
「そんな屁理屈は通用せんぞ。えびが魚だというのであれば、地上をジャンプするカンガルーだって鳥だということになる。受け入れられん」
ここでさっきのフランスの
「ブラジルは真面目な国ではない」
という嘆きにつながったのでした。ははは
そうこうしているうちに、フランスは海域に軍艦を派遣し、ブラジルは爆撃機を飛ばしてけん制しました
いずれもアメリカからのおさがりだったらしい。
この辺はどこかのジエイタイと変わらないなあ
幸い、ブラジルもフランスもラテンなので、主義主張を通すために銃砲をぶっ放し人殺しをするなんてバカなことはやらず。知らないうちにうやむやになったのでした。ははは
これが、大義のためなら、と大戦争に突入してしまうドイツやソ連のような、いやな意味で真面目な国だったらどうなっていたかと思います。
このケースでは、ふまじめであることがプラスに作用し、ラテンな漫才で済んだのですが、ワクチンに関して言えば、こういったふしだらさ、いいかげんさが通用するのでしょうか。
COVIDは、感染の条件が揃えば感染します。ワクチンがあっても、そのワクチンが感染を防げなければ(十分な免疫力を形成できない。人によって免疫の強さが違ってしまう。そもそもCOVIDの方で変異してしまい、画一的な免疫しか作れないワクチンでは使い物にならないなど)、感染は起きます。
当たり前すぎる常識ですが、この当たり前を巧妙にひっくり返そうとする不真面目な政治家とかもいるのです。
さて、ブラジルです。
ブラジル最大の経済地域であるサンパウロ州のドリア州知事は「ちかぢかシノバックを導入して、州民に接種を義務付けるので喜ぶように」という強圧的な発言をしており「COVIDなんてカゼだ!」とこれまた強硬なボルソナロ大統領とけんかになっています。というわけで、ワクチン導入はいまのところサンパウロ州のみとなる予定
(ブラジリア在住のぼくは、ひそかに安堵しています。)
ブラジルの行政区分。①サンパウロ州から②ブラジリア連邦区(赤い小さな四角)は
1000キロ離れているほか、いくら連邦の長である大統領が「やれ!」と指令しても、
州の長である知事が「やらないよ」といえば実行されないのでした。ははは
確かに、シノバックはいろいろと試験など急ピッチで進んでおり、有望なワクチンであることは間違いないのですが、効くどうか?は未知数ですよね。。。。
ドリアさんはじめ推進派は、「効くことがわかったら導入する」と言っていますが、どうやったらわかるのか?本当に有望だったら、世界中で争うように導入されているはずですから、ぼくは、ブラジルが最初なんてありえないよね、と疑っている一人です。
10月25日時点で、ヨーロッパでは恐ろしい第2波が深刻化しており、アメリカも深刻化のためトランプさん再選も混迷を深めている状況なのに、実は小康から回復状況にあるブラジルで、「とにかくワクチン導入だ!接種強制だぞ!」というのがはっきり言ってものすごくうさん臭く感じています。
ともかくヨーロッパ、そしてアメリカではないのか?両者ともにシノバック導入に関し静かなのは、実はワクチンとして物になるまでまだまだ時間がかかるということがわかっていて、医療崩壊を防ぐための緊急対応が先、ということになっているからではないのか?(関連情報(外部リンク)「ヨーロッパの第2波は制御不能になりつつある…各国は厳しい行動制限を復活(10月20日)」)
そんななかで、ドリアはワクチン導入と義務付けにやっきになっています。
「1億総ワクチン」でみんなワクチン打ったから、明日からはワクチン以前の日常にもどって、おしくらまんじゅうの3密で営業再開だー!というのか?
企業家や政治家から見れば、とてもうれしい産業活性化が望めます。
もちろん、一般市民から見ても産業活性化は生命線です。
しかし、ワクチンが効かなかったら?
産業は活性化するでしょう。でも、その活性化の成果を見る前に、多数の人が感染し、哀れこの世からいなくなってしまうでしょう。
ちなみに、とある看護師さんの言葉では「すごい病気」です。
この看護師さんは著名な権威のお医者さんでもないし、はっきりとした声明は出せない中で、しかし日常の医療の最前線に立っている人です。そういう人が、同僚が感染したときに「軽く「お大事に〜!」とは言えないなあ。すごい病気だから(外部リンク)」と表明しているのです。
容易ならざる危険な病気であることは間違いないとの理解です。
政治家は、「ワクチン」というスケープゴートを使って、一般市民を危険な病原体に暴露させようとしているのではないのでしょうか。
今回のお話で、生兵法という言葉を思い出してしまいました。
兵法つながりで、剣道で説明させていただきます。剣道における「兵法」特に技能の核心は「面打ち」つまり竹刀で相手の頭上を打つ、という技のことですが、この基本の技を生半可(生兵法)で繰り出すケースが後を絶ちません。
大会などで、試合相手が基本の面打ちを知らなければ、勝つのは簡単です。体勢を崩しまくって、刃筋の立たない、要は「生兵法の役に立たない面技」を風車のように打ちまくって来ても、こちらの竹刀でいくらでも受け流すことができます。
もちろん相手も負けたくない!と必死になってすさまじい勢いで打ってくるので、防ぐ方もなかなか大変ですが、ここをぐっと我慢してこらえる。
そのうち、相手の方で空振りして防御ががらあきになった、疲れで動きが鈍った、集中力が切れて一瞬動きが止まった、という隙が生じるので、その隙が生まれる「う」の一瞬に、基本通りのまっすぐな面を打てば、びしっと相手に当たり勝利できるのです。
つまり、上記の「役に立たない面」が「役に立たないワクチン」です。
役に立たない、あるいは役立つかどうかわからないワクチンを、なん百本打っても免疫はできません。
しかし、ワクチンを打った、と安心してしまい、隙がうまれたその「う」の瞬間、COVIDはあなたにとり付きます。
「基本通りのまっすぐな面」つまり「使いものになるワクチン」がうまれるまで、ぐっとこらえる必要があるのです。
サンパウロのワクチンが本当に有効なもので、ここに書いたことが単なる取り越し苦労であることを祈っています。いっぽう、うまくいった、とわかるのはいつか?サンパウロ以外の人々は、そのときまで待ってワクチン接種しても決して遅くないと思うのですが(でも、それじゃサンパウロは人体実験になってしまいますね)。。。
サンパウロの市街
最後に、本当にものになる予防法は、実はワクチンではなく「モノクローナル抗体」ではないかい?とか思ったりしていますが、また別の記事にします。
ではでは。
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