まず、アメブロランキング1位に感謝。今回は「刀」というタグでした。皆様のご訪問に、改めて感謝させていただきます。
あれこんな記事あったっけ?すみません、時事ネタ(安倍首相銃撃と、超円安)が2回続いたので、その前の記事のランキングでした。
ちな先週の記事(超円安)はこんな感じ。
さて、本題です。。。。
一流のラーメン屋さんを見つける一つの指標として「自家製麺」つまり店主自らが文字通り麺を作っているか、があります。
もちろん製麺機を使って作るのですが、外部の製麺会社から買ってくる「仕入れ麺」と一線を画した、その店だけの麺を作れるという利点があり。でも一方でコストはうなぎのぼりなので、出来合いのものより上等な麺を作れなければ元も子もない、というのもあるし、仕入れ麺でも、げきうま!のラーメン屋さんもいっぱいある。
自家製麺で有名になったラーメン屋さんに「ラーメンの鬼」佐野実さんの「志那そばや」があり。かん水だの以前に、小麦粉まで厳選して、「スープとの微妙なバランスを調整できる麺」を作り出して、他の追随を許さない独自のラーメンを生み出し。一説によれば、フランス料理みたいな繊細なラーメンらしい。ぼくは結局「志那そばや」へは行けずじまいでしたけど。
「ラーメンの鬼」を大迫力で表現したのが「―ラーメン人物伝―一杯の魂1」
電子書籍じゃなくて、印刷版を持っています。えっへん
マイホーム費用まで手を付けて製麺機一式を買ったおっちゃん
試行錯誤。奥さんに愛想をつかされ始めています。ははは
しかし、ついに開眼
「自家製麺をやらなかったら絶対わからなかった。ラーメンは奥が深い」
この言葉が本稿のエッセンスです。
というわけで、記事スタート。
とある吉日。るんるんエンジン始動、暖機運転を始めたその時。
ばすん、とエンジンが止まっちゃいました。
これって燃料系じゃね?というわけで、チョークをいじったり、電気燃料ポンプを作動させたりといろいろやってみたのですが、一向に始動する気配がなく。
通りすがりの飛行機仲間もひやかし応援に加わり。「エンジンがストップした時の音は聞いていた。明らかに燃料系だ」などとまたしても始動しようとしたのですが、やはりうまくゆかず。
僕が飛行練習生のころにいろいろいじめられた教えてもらった鬼教官を呼んできて、見てもらいました
鬼教官(半ズボンのおっさん)が校長かつ事務員の飛行学校。僕のハンガーの3軒裏手にあります
鬼教官いわく「プラグに火花が飛んでおらん」
ガソリン流量以前の話なので、その日はギブアップ。エンジン職人のおっちゃんに見てもらうことになりました。
エンジン覆いを外したところ
その結果「マグネトーのフライホイールステーターコイルが焼き付いたため、点火系に配電されなくなった」ことが判明。
カタカナばかりですみません、以下説明します。
軽飛行機の点火系はバッテリーではなく、マグネトーという一種の発電機から供給される電気で作動しています。
そのマグネトーは、永久磁石の仕組まれたフライホイールと、その内側のステーターコイルによって構成されており。
フライホイールはエンジンのシャフトと一緒に回転しますが、ステーターはエンジン本体に固定されているので、磁力が発生し、これを電力に転換するのが基本的な仕組みです。
エンジンを裏側から撮影。エンジンシャフト(クランク軸)が見えています。
フライホイール
分解図はこんな感じ:https://www.cps-parts.com/catalog/rtxpages/912914magneto.php
マグネトーは、バッテリーなしでもプラグに電気を供給できる「発電機」なので、バッテリーが上がっちゃってもOkみたいに安心していました。
でも、「発電機」ということは、発電するためのコイルが焼けちゃったら、電気が通らなくなり、今回みたいな故障が起こるということに気がまわらず。
地上試運転で起きてよかったです。というか、上空で起こらないように試運転するのですけど。。。。
これで修理完了か?と思ったら、悲劇は再び。
今度は点火系(点火プラグ)の半分はうまく発火するけれど、残り半分が死んじゃってるぞ?
というわけで、CDI(点火ボックス)を確認したら、2つあるボックスの一つでアース配線が外れちゃっていました。
赤丸の中に見える青い箱がCDI点火ボックス
アース配線が外れてました
そんな、最近総点検したばっかりで、ありえねーんじゃね?しかしこのせいでCDIボックスも焼けちゃったのでした。
責任を感じたか?おっちゃんはDucati製のオリジナルを提供してくれました。
色が黒いのがイタリア製純正品。青いのはブラジル製。規格・性能は同じです。
点火系のトラブルはピストン機の泣きどころで、近年では電子インジェクションだの工夫はあるのですが、自動車と違ってものの数分でなん百メートルと上昇下降する飛行機のエンジンでは、温度、湿度、密度などが激変するため、下手にコンピュータ化されたシステムだと、変化に追随するのが過剰なストレスになり、厳正な整備をしないと故障の原因になったりするらしい。
今日でも軽飛行機のエンジンが「コンチネンタルザウルス」つまり第二次大戦前からあまり変わらないライカミング社やコンチネンタル社製のエンジンが主流だったりするのは、ローテクのほうがかえって故障しないということがあったりするのです。
これがディーゼルエンジンだと、燃料そのものの圧縮と高温化で爆発するので、点火系は不要なところから、これを航空エンジン化する試みもあったのですが、いまいちメジャー化できていないらしい。
ちなみに、ブラジルではアルコールエンジンというのもありますが、これはちょっと高い高度へ上がると、大気密度と温度の変化に敏感なアルコールがたちまち揮発してエンストになっちゃう(ガソリンに比べてアルコールは化学変化が著しい)ので、基本地上十数メートルで肥料や農薬を散布する農業機に使われています。ブラジルは世界有数のサトウキビ生産国であり、広大なサトウキビ農場で使う分には、いくらでも安くサトウキビからアルコールが生成できるので、その意味ではなかなか便利らしい。(*追記。別に高度変ってもどうってことないよ?という情報あり。でも。その情報源もやっぱり農業機パイロットだったりして。。。)
電気モーターは。。。。あまり故障の予兆も見せず、突然壊れたり、なおしたつもりなのに思わぬ再発が起きる電気機器の残念な特性と、雨の中に入ればモーターは冷水のシャワーを浴びる感じになるし。。。。なので、ぼくとしてはあまり信用できないで、います。
やっぱり軽飛行機のエンジンは、空冷の水平対向、キャブレターじゃなきゃ。。。むかしのスバルみたいなエンジンが最良ですね
元祖空冷。かぶと虫のエンジン
これまでの一連の飛行機整備で実感するのは、教習所で習う知識がいかに表面的か、ということ。パイロット練習生は、みなひととおりエンジン整備についても習うのですが、教室で教科書をめくるだけだと、本当に重要な情報は覚えられない。
パイロット用の飛行機整備教本。でも「畳の上の水練」ということに
後になって気づくのでした。
例えば
◎「飛行機はマグネトー発電だから、点火系はメンテフリー」みたいな早とちりとか
など、レンタルではない自分の飛行機をいじらないとわからないということを痛感。
結論は。。。
ううむなんかくだらないオチだな。。。
というわけで、ちゃんちゃん。ご拝読ありがとうございました。
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