「人間の屑」作戦:人工ゴールドの生成

Tags:

ゴールド、すなわち「金(Au)」。富の象徴として、世界中の人々を魅了してやまない、天の輝きを持った被造物です。


ウイリアム・ダグラス 「錬金術師」

 

 

被造物って何?神様が作った物質という意味です。

もっと詳しく言うと、金というのは、もともと「超新星爆発のさい、爆発でものすごーく高エネルギーになった星のかけらたちが、さらに核融合を起こして金になった」そうです。そして、金や、その他のかけらたちが集まりくっつき、地球ができたため、地球上に金が存在するようになった。

さて、金以外のいろいろなかけらたちは、集まって地球を構成する様々な物質となり。青銅や鉄は、人類の発展に大きな貢献をしました。青銅で作った槍(刃の部分)は、鹿だのなんだのを狩って食料にするのに貢献したし、鉄を自在に扱えるようになって、日本人は日本刀を編み出して大陸の人をいじめ(朝鮮進出)、アメリカに至っては黒船で日本をカツアゲしたりしました。

そんな中で、不思議な特性を持っていたのが金。

腐らない(腐食しない)という、とても金属とは思えない恐るべきクオリティを持っていたのでした。

ステンレス・スチールというものが発明されるくらい、金属にとって「錆」は天敵であり。人間の歴史は、錆との闘いだった、と言ってもいいくらいかもしれません。

腐らないという金の特性は、人間が他の動物と一線を画して、聖書の言うところの、動物界に君臨する神の代行者となることに貢献しました。

もともとは、物々交換で生きていた人々。狩りの得意な人がウサギを持って、着物作りの得意な人と交換すると、どちらも需要が満たせて大喜びになります。こうして物々交換が始まりました。


ヘニッヒ・ブラント 「賢者の石を探求する錬金術師」

しかし、①そもそもウサギを持っていて、着物と交換したい人と、着物を持っていて、ウサギと交換したい人がめぐりあわないと物々交換は成立しない(これを「二重の一致」と言います)、②ウサギ一匹に着物一枚なのか、二枚なのか、③うさぎが腐っちゃわないうちに交換しなければならないし、といろいろあり。交換のたびにあーでもないこーでもないと悩むことになります。

そこで、人々は貨幣を発明しました。ウサギの現物を持ち歩く代わりに、ウサギ1匹分の金のつぶ(露一両金みたいなイメージ)ひとつぶを持ってゆけば、着物が1枚もらえるようにする。ウサギ2匹が着物1枚に該当する場合は、金塊をふたつぶ出せば着物一枚がもらえる。つまり、貨幣の登場で、 モノの交換に必須な(1)価値基準 (価格の基準) 、(2) 交換・流通手段(お金はうさぎだろうが着物だろうがなんにでも交換できます) (3) 価値貯蔵手段、を持つ媒介物が生まれました。


https://www.kosenkaitori.net/wp-content/uploads/2018/03/kousyu-tuyu-252×300.png

露一両金

 

 

つまり、金(ゴールド)は、人間に(1)価値基準、(2) 交換・流通手段、(3) 価値貯蔵手段のみっつを同時に提供する、奇跡の賜物だったのである。

特に(3)価値貯蔵手段は重要であり。金を持つことによって、人類は初めて「永遠不変の資産」を文字通り手にすることが可能になったのでした。

金以外の財産なんて、金に比べたらただの屑です。どんな豪邸でもたちまち老築化しちゃうし、ぼくは大企業のオーナーです、といっても、その企業が不渡りを出せばそれでパーです。

しかし、金は、存在しているだけでその価値を永遠に保ち続けるのです。

こうした「実在の富」つまり仮想・バーチャルではない、かつ未来永劫にわたって存在し続ける価値を持った「真の資産」である金には、ほしいほしい!とみんなが殺到する一方、世界で採掘できる金はオリンピック規格の競泳プール5杯分くらいしかないので、その価格はうなぎのぼりになりました。

つまり、普遍性と共に、希少価値が金を「財産の王」とすることに貢献してきたのである。

ところが、世間には頭のいいやつがおり。

自然に存在する金がプール5杯分しかないんだったら、うまく人工で金を合成できたら大儲けできるんじゃね?

という、人間の屑そのものの発想がうまれ。

「錬金術」として、中世からこのかた世界を風靡したのでした。


ブリューゲル 「錬金術師」

 

 

現在の科学では、金は金すなわちAuであって、鉄(Fe)や胴(Cu)をどうこねくり回そうが、化合物はできてもAuにはならねーよ、という事は明白なのですが、錬金術のはやった当時は、あるものはまじめに、あるものは詐欺で、錬金術というお題により人生をだいなしにしたり、大儲けしたりしました。

その後、やっぱり、錬金術は不可能だよねーとなり、金の希少価値は不動のものになったのでした。

と、いうわけで、世界の国々も金地金を国庫に保管し、フツーの善男善女も金地金で資産の防衛をするようになっています。

いやいや、もし人造で金が作れるんだったら、秘密でじゃんじゃん作って大稼ぎし、製法の特許が切れて金の大量生産すなわち金の価格が大暴落する前に売り抜けてやるぜー、という屑そのものの考えが頭をよぎるのですが、作れないですからねーせいぜい「都市鉱山」とか言って、工業製品のスクラップから、ちまちま金の部品を分離するしかないんじゃね、というのが現代の状況です。

しかし、実は「人工で金を作ることは可能」という事が、科学の進歩で明らかになり。

ええええーどうやったら作れるの?

核融合です。

この記事の初めのほうに、金というのは超新星の核爆発ですさまじいエネルギーをもった「宇宙の屑」が、なんのはずみか、このエネルギ―によって核融合を起こして金に変化したという事を書きました。

つまり、原子爆弾を作れる人類は、金だって作れるという事なのです。ちなみに、広島型原爆は「核分裂」ですが、きょうびは「核融合」を用いた水素爆弾というのが実用化されているのです。

というわけで、核融合させればうまく金に化けちゃうステキな物質を見つけましょう、となり。そんなのあったっけ?

ありました。その名も「水銀」

ところが、水銀なら何でも金になれる、というわけではなく。

水銀にもいろいろあり、Hg-195,Hg-196,Hg-197…..と無数に(正確にはHg-205まで)あり、このうちHg-196のみが、核融合で金に変換可能な、「ヘンタイな水銀」「水銀の屑」であることが明らかになり。

このHg-196は、水銀全体の約15%しか存在していないらしい。


https://academist-cf.com/projects/72?lang=ja

 

 

さて、Hg-196を確保し、いよいよ核融合だ!

でも、そのためには想像を絶する装備が必要となり。

「超新星爆発」と同等のエネルギーを生み出すために、そもそも原子炉が必要である。しかも、「1リットルの水銀(約13kg)を大型商用原子炉に装荷する場合、1年間程度の連続照射で10g程度の金が得られる(https://academist-cf.com/projects/72?lang=ja)」だの、「原子何百個つくるのに何千万円何億円の世界(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1152407686)」だので、結局は、技術的には人工で作れるけれど、自然から採取したほうが全然お得です、という事になっているらしい。

残念でした。

書いていて思うのは、これって、中国が好きそうな話題じゃね?という事です。

お金大好き人間の中国人ですが、悲しいかな中国政府の発行するお金なんて信じないよーん、と、世界でも有数の金保有国になっています。

中国にとって、人工で金を作る技術を開発するのは、法定通貨が強く安定し、それ以前に信任されている先進諸国に比べて、悲願と言っていいくらい強いものと理解します。

でも、正面切って金の人工生産なんて言わないですよね。

上でも書いたようにこっそりと作り。いくらでも作れるぞ!とばれる前に高値で売りさばくためです。

と、ここまで書けば、中国そして北朝鮮が、原爆・水爆の開発に血道をあげる本当の理由が見えてくるかも?

つまり、日本へ向けたテポドンなんて、実は隠れ蓑で、本当は中国と北朝鮮が結託して、安くてクリーンな核融合(起爆に核分裂を使わない核融合)について、いひひひ!と研究しているのかもしれません。


中国の錬金術師。http://www.china.org.cn/english/daodejingforum/207904.htm

 

 

今回は、捏造、陰謀論もいいところの、本当に屑な記事になってしまいました。でも、本物の金(人工かどうかなんて関係ない)を大量生産して大儲けしたやるぞー!なんて「人間の屑」な作戦が、世界のどこかで展開されているかもしれませんね。

ではでは

 

Tags:

コメントを残す

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。