「ダメにする文化」:終戦記念日に寄せて

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「統計情報リサーチ」(世界各国の男女の平均身長 (statresearch.jp))によると、東アジアにおいて「男性の平均身長+女性の平均身長を順位付けすると、日本人の平均身長は中国、韓国、北朝鮮、香港、台湾よりも低く、 モンゴルよりやや高い、下から2番目の位置となり。日本人女性は東アジアで最も背が低い」となっています。

 

こうした情報を聞いて、世界の人々から、日本は先進国で衛生事情や食糧事情もいいはずなのに、なんで?という疑問が聞こえてきます。

これには、表向きの理由と、その陰に隠れた「真の理由」があるのです。

まずは表から。

◎衛生・食糧事情:

仏教伝来後、日本人は律義な菜食主義者になり。は食べましたが、やはり韓国、中国とは食い物が違いますねえ、となった。たくさん犬の肉を食べて大きくなろう、という気もありませんが。

多産多死の人口構成は戦後になるまで変わらず。衛生事情も「東京の合唱」に出てくるようなエリート家庭でもなければ、ブラジルのストリートチルドレンとあまり変わらなかったらしい。

東京の合唱  https://www.youtube.com/watch?v=2LbQKUzZqf8

 

 

◎気候上の理由:

「ベルクマンの法則」というのがあり。いわく「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する(Wikipedia)」。

世界地図を見れば歴然ですが、北の最果て北海道の最北端でも、ロンドンより南だったりします。東京はほとんどチュニス(アフリカ)とおなじ。さらに南は、ルイジアナもびっくりの湿地帯。ジャングルである。東京から北海道にかけても対馬暖流や津軽暖流などあり、要すれば日本は「あたたかい」のである。

世界地図 https://www.town.yakumo.lg.jp/blog/uploads/fckeditor/uid000337_2012082320041121ae3c9b.jpg

 

 

これが韓国や中国になると、「南船北馬」つまり淮河の南はとにかく水が多く、雨も降り気候も暖か、を通り過ぎて熱帯となり。ここ以南の住民の身長が平均値を押し下げているが、以北になるとシベリアも真っ青の寒冷な荒野が続き。ここで騎馬民族の侵入を撃退したり、仲良しになったりしながら暮らしていた北方の中国人や朝鮮北部の人たちが、ジンギスカン鍋でじゃんじゃん肉を食って育ったあげく、草ばかり食っていた日本人より背が高くなったものと思われます。何の肉かについては、お察しください。

秦嶺・淮河線(しんれい・わいがせん) https://www.hudong.com/wiki/%E6%B7%AE%E6%B2%B3

 

 

 

さて、上記は表の理由で、それなりに説得力はあるが、決定打でもないことがお分かりと思います。

「真の理由」とは。

すなわち「文化的要因」です。

なんのことかわからないので、もっとえげつなくして

「ダメにする文化」

が、日本人の背を低くした真の原因なのです。

暖かい(イギリスから見れば熱帯)の日本人は、太陽の恵みですくすく育った作物を食べて大増殖し。海賊になってよその食い物を奪いに行くという行いをしないですんだ。

北海だのモンゴル高原だのは、農業ができないか困難であり。どうしても海賊というか狩猟民族的な思考になってしまう。普段は獣を狩っているが、足りなくなれば人間を狩り始めるのである。

人間そのものを狩るのではなく、村落を襲撃して食い物や財宝を奪うタイプの「狩猟」に始まり、長じてアフリカで文字通り人間狩りおこない、奴隷にしてヨーロッパに送り込むという、血の気も凍る行いを平気でするようになりました。

奴隷貿易 https://note.com/the_firstpenguin/n/ndc81a3930808

 

 

だって、人からうばわないと、自分が生きていけないですからねー海賊ドレークなどは、スペインから見れば海賊ですが、イギリスから見れば頼もしいナイト(騎士)だったのでした。

ははは

さて、日本です。

「豊葦原千五百秋水穂国」 (とよあしはらの ちいおあきのみずほのくに)、というくらい、古代から中世くらいには、日本は世界でも有数の自然資源(つまりちゃんとした作物が多量に収穫できる農地)の保有国でした。

この辺が、イギリスやモンゴルの荒野と画期的に違っていた点である。

しかし、江戸時代になって土地も開発しつくされ、天保の飢饉だとかが発生するに従い、雲行きが怪しくなり。

豊潤な日本の田畑が、いかに生産力が高いかと言っても、耕地面積当たりで養える人間の数には限りがあるのである。

江戸、明治から令和に続く日本人の農法というものは、一人一人の人間が、とても機械ではできない精緻な農業を。。。というやりかたで、豊作の年に、村の住人を総動員して24時間働いた結果得られる収穫がすなわち村の標準生産量となった。

これは、人口過密の社会を生み出し。

人口のインフレにより、一人一人の命は価値が激減してしまった。

https://www.newsweekjapan.jp/nippon/rule/2016/10/179279.php

 

 

しかし、豊作の年にはそこにだれも気付かず。モンゴルの荒野では食べられない量の食糧が村の一人一人に供給されるからです。

ところが、ちょっとした飢饉が起こってしまったら。。。。

極論ですが、ブラジルの大規模機械化農業で、3000ヘクタールを3人でトラクターだの農業機だのを使って維持していたとします。

収穫は1ヘクタール当たり0.01人分の食糧、総量で30人分が養えるとします。

なんか冷害になり、100ヘクタール分がダメになっちゃいました、という場合でも、別に3人が生きていくくらいなら何とかなるのでした。輸出が減るけど。

日本の場合、3000ヘクタールで3000人が小さな小さなコンバインとかを駆使して奮闘し。

ブラジル(https://veja.abril.com.br/economia/pib-economia-brasileira-cresce-06-e-ensaia-recuperacao/)と日本(https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/ounourin/tochi/documents/h281007.html)の農業機械

 

 

収穫は1ヘクタール当たり1人分の食糧(たとえ話ですよ)。

つまり、同じ3000ヘクタールで、ブラジルは30人分の食糧しか生産できないのに、日本では3000人分の生産ができたのでした。

すごいぞ日本。

でも、ある年飢饉で100ヘクタール分がダメになった

この場合、人口は3000人なのに、100人分の食糧が入手できなくなっちゃった!

残る2900人分をやりくりすることになります。

このくらいなら余裕だぜ!ですが、ここで恐ろしいフィロソフィーが生まれることになります。

その名も「滅私奉公」

つまり、3000人の一人一人が自分に供給される権利のある食糧から少しづつ我慢して、100人分の不足を補うということですねー

一見美しい行為ですが、心無い為政者によって縦横無尽に悪用されることになっていきます。

100ヘクタールがダメになった、くらいならこのフィロソフィーは有用ですが、B29に爆弾を落とされた!原爆ではないただの爆弾なのに、2000ヘクタールがダメになっちゃった!というとき。

残る1000ヘクタールで3000人を養うのは無理です。

「欲しがりません勝つまでは」と、「はいきゅう」に「ぞうすい」でがんばったので、奇跡的に2900人までは養えるようになったとします。

https://museum.city.fukuoka.jp/exhibition/556/index02.html

 

 

https://www.town.yoichi.hokkaido.jp/machi/yoichistory/2018/sono161.html

 

 

 

ここで、村は合法的に100名を56さなければなりません。

あとはもうご存じと思います。

満蒙開拓、シベリア抑留、ペルー移民(ブラジルや他のもひどいけど)、最後は特攻と、いろいろな理由をつけて「犠牲となる100人」を選びました。

つまり、江戸時代から第二次大戦にかけて、日本は「だれかをダメにしないと生きていけない国」になってしまったのである。

ダメにする理由は

  • 「こいつはみんなと飲み会に行かないから」
  • 「身体強健、思想健全でこれ以上ない優秀な人材だから」

など、要すればなんでも理由になりましたが、基本は①の「はみだし者」か、➁の「英霊」となります。

  • は赤紙でひっとらえてインパールに送り込み。
  • は特攻隊に志願してもらって、自分から人身御供になってもらう。

生き残りたい人は、①と②のはざまで、いかに目立たず生きていくか、となり。

背が高く、見栄えもイケメンで、いかにも楽しく生活を満喫しているなんていうタイプは、たちまち「自分だけ得してみんなをないがしろにしているクズ①」あるいは「社会の模範だ!率先して一億総特攻の先駆けだ!➁」と、いずれにしろ消されてしまうので、残ったのは「社会のために自分を犠牲にしています、生活が苦しく、ロクな物も食っていないので、やせ細り、背中もまがった、ちびでがにまたのクズです」となってしまい。

要すれば「一発で日本人とわかる。日本人にしか見えない」というタイプしか生き残れなくなってしまったのでした。

令和になって、他人なんかどうでもいいや、行く手に立ちふさがるならピストルでハチの巣だぜー!というタイプも増えつつあり、ベーシックインカムで生産の主体が人間から機械に移れば、現在の人口減少がうまく作用して、将来日本は人権が保障された、引きこもり、いじめなどのない先進国に生まれ変われるかもしれませんね。

前谷惟光「ロボット三等兵」

 

 

ではでは。。。

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