以前、ステアリングボックスの修理をした時の記事で、本当はフロントサス全体をリニューアルしなきゃ。。。と書いたのですが、それから1年3か月、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、リニューアルなんて忘れてそのまま乗っていたら、時速80キロを超えたくらいの時点で、ハンドルがぶるぶるぶる。。。とすごい振動をするようになっちゃいました。
ポルシェくん。356Aカブリオーレのレプリカです
やばいぜ、と、いろいろな修理工から意見を聴収。
まあ、フロントサスということは異論はないのですが
修理工A→「それは、サスペンションアームのパッキンだ」
修理工B→「Aはうそをついている。これはステアリングダンパーだ」
修理工C→「AとBはデマを飛ばすクズだ。車軸がずれが原因で、アライントメントでなおる」
などなど、百家争鳴でした。ははは
幸い、調達や調整が難しいステアリングボックスがヘタレた、ということではなさそうなので一安心。
ポルシェくんのフロントサスペンション機構。赤丸がステアリングボックスです。
で、そのへんのサスペンション専門修理工場に持っていったら、修理工の兄ちゃんがポルシェを目の当たりにして怖気づいてしまい。
「ううう、こんな怪車はいじれない」
メカはかぶと虫だよ?でも、今どきの若者には、異世界の昆虫のように見えるらしい。
その兄ちゃんに、かぶと虫のフロントサスをいじることのできる修理工場を紹介してもらいました。
その名も「R2モーターズ」
R2という修理工場でかぶと虫を修理しました。
なんてギャグは、きょうび、もう通じないんだろうなあ。。。
世界の名車かぶと虫
ギャグはともかく。
ここも修理工場長のRuiという爺さんが自ら修理を手掛けてくれました。
ポルシェくんをジャッキアップ。
なんか、口を開けて、ぐえええーとへばっているみたいなポルシェ
Ruiいわく、これは「電話の中にあるベアリングだ」
えっ?
電話
https://p.potaufeu.asahi.com/c3bd-p/picture/15861677/76d3b63ec8ca366a2c5f80c32fa51541.jpg
電話とポルシェに何の関係があるのか?
VW系のフロントサスは、トーションバー主体になっています。
トーションバー
そして、このトーションバーが、下の写真のフロントビームにおける、水平の黒い上下の管の中に入っており。
緑の矢印がトーションバー。赤丸の中に入っているのが、ベアリングとパッキン(ブッシュ)
https://planetabuggy.com.br/suspensao-de-buggy/
トーションバーとフロントビームはブッシュとベアリングで接続されており。グリスで充填され、サスペンションアームがぐりぐり動くぶん、トーションバーがねじれ。地面からのショックを吸収する仕組みになっています。
赤丸がサスペンションアーム。
今回は、サスペンションアームの付け根にあるベアリングがヘタレたということなのでした。
つまり、「電話」というのは「サスペンションアーム」のことでした。ははは
Ruiなど、ろくろく学校も出ることができず、現場のたたき上げで生活してきた古参のメカニックは、「サスペンションアーム」という名を知らないわけではないけれど「電話」とか、自らの勘と経験で覚えた名前をつかっています。
こんなかんじ(「一杯の魂―ラーメン人物伝―」ISBN4-08-859357)
いまどきかぶと虫系の車をいじれるというのは、苔の生えた「ラーメン職人のおっちゃん」みたいなのが多いけれど、とても気のいいおっちゃんが多く、助かっています。
電気系統と違って、原因特定も修理も具体的に進めることができる機械系の故障ですが、今回は、まずフロントビームを車体の骨格から外したうえで、「電話」を一つ一つ引っこ抜いてばらばらにするなどなかなか大掛かりになってしまいました。
フロントビームから引っこ抜いた「電話」はこんな感じ
https://produto.mercadolivre.com.br/MLB-699432685-braco-suspenso-pivo-fusca-_JM
3日ほど工場に留め置かれてしまい。その間はてくしー生活でした。
車のない生活というのはめんどうですねえ。
ステアリング系をいじってしまったので、ホイールアライントメントも必要になってしまい。
自動車の車輪には、まっすぐ走れるよう、
トーやキャンバーという角度がついています。
こうした角度をつけることで、直進性や安定性をが大きく向上。先人の知恵はすごいですねえ。
今回の修理代は、8万円くらいになりました。予定外の出費としてはちょっときついな。。。
幸い、ハンドルの震えは解消し、いい感じで乗ることができています。
おまけ
このブログは「軽飛行機で空を飛ぶ」なので、とある吉日、とある空港に飛んで行った時の写真を再掲・掲載します。
この空港は「レディオ空港」といって、空港に通信室があり、管制官がいますが、あくまで空港近辺の飛行機たちへの情報提供にとどまり、アプローチやトラフィック、離着陸は飛行機側の責任で行うというもの。
それほど交通量のない地方空港に多く、今回の記事にしたカルダス・ノーバス空港も、観光地(温泉)ゆえ、月曜から金曜日は閑散としており、管制官はおらず。土日にエアラインの旅客機が下りてくるときに、この交通整理のためレディオ空港として機能するという感じ。ちょうど管制官やエアライン旅客機との通信を練習したかったので、土曜日に行ってきました。
ちなみに、レディオというのは「ラジオ」のことです。ラジオ通信のできる空港だよ!という意味ですね。。。
以下、空港の風景です。
このフライトについてのもっと詳細な記事はこちら→レディオ空港で管制飛行の練習
おまけその2
吹き流し(風向指示器)
英語では、おしゃれに「ウインドソックス」と言います。
でも日本語にしたら、「風になびく靴下」。
うああああー
おっと、洗濯済みで、ちょうど乾かしている、というのならいいですね。
あれ?
ブラジルでは「ビルッタ」すなわち「狂人。低脳」
呼び方が低脳そのものでした。ははは
確かに狂ったうすら◎カみたいに、ぐるぐると竿の周りをまわる吹き流しですが、パイロットにとってはなかなか頼もしい設備だったりします。
滑走路の9メートル上空あたりで、どんな風が吹いているかを明示してくれるため、離陸や、特に着陸の時に重宝します。
吹き流しの折曲がり具合で、風の強さも見ることができ。
こんなかんじ
https://item.rakuten.co.jp/ohstore/2b6gjp4ujl/
ちなみに、ぼくのホームベースでは、早朝の7時半ではだいたい6ノット以下ですが、9時ごろから風が荒れ始め、10時から午後4時ごろまでは15ノット以上の烈風が吹き荒れています。
でも、一方向で一定の風なら、12ノットでもそれほど問題にはならず。怖いのは、それこそ吹き流しが狂ったようにぐるぐると方向を変え、急にびゅーんと水平に伸びたと思ったら、次の一秒ではぶらんと垂直に、となるような日です。
乾季では、風は強いがわりかし一定しており。雨季になると狂って揺さぶるような、怖い風の日が多くなっています。
ではでは
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。