不動産投資の成功を決める立地。「味割の奥義」とは
以前の記事で「失敗しない不動産投資」のためには「1に立地2に立地、3,4がなくて5が立地」と書きました。
一方、立地の良しあしを決めるのは「味割の術」だー!とかなり強引に終わってしまったので、今回で説明します。
「味割」は奥義なので、その前の「表の技」現代ふうに言えば表面に現れる一般的なポイントから入る必要があります。
これらのポイントを説明するテキストは、実は「不動産と立地」とぐぐればすぐに出てきます。こんな感じ
◎不動産投資は立地がすべてと言われる理由
◎不動産投資「失敗しない立地」を見極めるコツ
◎マンション経営は立地が9割
などなど。
そして、これらの見出しを持つ記事における「立地の構成要素」は
▽駅からの距離:徒歩X分以内。X+α分で家賃や元本価格はこう減少する、なんてグラフや数値を記載したサイトまであり。
▽商業等施設が近くにあること:これもスーパー、コンビニ、コインランドリー、薬局、学校、病院。。。。と果てしないリストが続き。また、刑務所などが近くにあると減点などこれも精密そのものの分析がなされているようです。
▽騒音がない。「閑静な住宅街が最高」ということでしょうか。いろいろなサイトで「治安の良さ」がここに含まれるようです。
あとひねったのには
▽女性受けのする地区は資産価値の高くなる物件がおおい。なぜなら、商業施設などおしゃれでサービスの良いのが集まり、地区そのものの価値が上がるからだ、
なんてのもあり。
これらはすべて事実です。
というわけで、「よーし上の条件すべてを満たしたタワーマンションを買って賃貸に回すぞー」とやってしまい、あわれ入居率が全然低い割にはメンテナンスコストばかりかかって、損害ばかりになりたたき売って損切り、なんてケースも少なからずあり。
あれれ、レファレンスとなるメディアがこぞって書いているポイントのとおりやったのに、なぜ失敗してしまうんだー!という人が後を絶たないと思います。
理由は実は簡単で「一般論をマニュアル通りになぞっているだけ」だからです。
一般論ですが重要・不可欠なポイントであり、これらが欠けては成功は遠のく、というのは紛れもない事実ではあるですが、単にこれらを表面的にクリアしているだけではだめですよ。その裏にさらに核心に触れる要素があり、これを満たさないとうまくいきませんよ、ということなのです。
核心に触れる要素、ということで、やっと奥義に入ることができました。
全てマニュアル通り、景観も治安も利便性も申し分ないタワマンに投資しても、入居者がすぐいなくなっちゃうだの、なぜ失敗するのか?「タワマンなんてこりごりだー」という元入居者に聞いてみましょう。
いわく:
景観:一日中眺めるものでもなし。すぐに慣れちゃった。景観なんてなくても生きていける。
利便性:駅前5分というのはよかった。でも、こないだの地震で停電してしまい。X階から階段で上り下り。地獄の体力訓練になっちゃった。パーテイールームとか、実は使いもしないのに共益費として莫大な出費がかかるものもあるんです。
スペックに出てこない欠点:それでも低い階に住んでいたから、階段はなんとかなった。でも、なぜか低い階の住人は高い階の人に差別されているんです。。。。。
などなど。特に「スペックに出てこない欠点」に注目してください。
一方、駅前、と言ってもひなびた路面電車の駅前にあるこれまたひなびた中華屋さんのお店の家主さん。20年来滞納知らずの大成功、といったケースを探ってみます。
いわく
うちの店子さんは、たいしてうまくもないぐったりしたラーメンしかない中華屋さんなんだけど、大将とおかみさんがなんかのほほーと気楽に適当に経営していて、そこに行く人は一見さんだろうが常連だろうがなんか居るだけで安心してしまい。なんか幸せだなーの雰囲気があるので思わず通っていたら20年の常連になっちゃた、と大家さん自ら店子さんのお客さんになっちゃったらしい。
これが奥義です。
つまり、失敗するのは、投資する側、賃貸をオファーする側の視点でしかアプローチができていないため、入居者同士で差別してギスギスするような物件を買ってしまうのです。
うまくいく物件の最大の要素は「住んだ人が幸せだなーとなるかどうか」です。ひなびた中華屋でも、そこにほわほわと人が集まり、家賃以上の利益が継続的に発生していれば20年でも30年でも継続して維持発展してゆくのです。
つまり、不動産投資の成否を決するのは、貸す側、オファーする側ではなく、借りる側、お客さんにあったのです。
お客さんのニーズを常時的確に満たす技術のことを「味割の術」と言います。料理人の世界の言葉で、お客さんの好みを一瞬で察知し、お客さんが幸せだなーとなる料理を出す技術のことです。
おいしいだけでは足りないのです。言い方を変えれば、たいしておいしくなくても(まずいのはだめ)、幸せだなーとお客さんが来てくれるようになればそれでよいのです。
ひなびた物件ですが、居住用に購入し、その後賃貸に回し、
最後は売却。資産1億の達成に貢献しました(分譲個室)
同じように賃貸マンション投資でも、表面だけ立地が良いように見えても、住む人が不幸を感じるような住居では借りる人がいなくなってしまいます。お化け屋敷じゃ住む人はいないけれど、多少ひなびていても、かえって安心だなー、と人が集まってくるような物件を見つける必要があるのです。
さて、「幸せ」という、つかみどころのない恐ろしい言葉が出てきてしまいました。幸せなんて人それぞれじゃないの?「住んだ人が幸せになる」なんてそんな物件はどうやって見つけたらいいんだー!
そうなのです。結局、幸福ってなんだ?という所に行き付いてしまうのです。
でも、ちゃんと「だれにでも通用する幸福の定義」を提示してくれている人たちがいます。姓名判断の学派の人たちです(浅野派、かと思ったら現在は樹門流という人たちが提唱しているようです)。
占い師なので、幸せになる、ならないを見極めるのが仕事。その基本の基本が「どんなお客さんにも通用する幸せの定義」で、
―健康
―お金
―愛情(友情や人間関係含む)
この3つということだそうです。
お客さんによっては「友達なんていらない、お金が欲しい」という人もいるらしく、そういう人生を歩む姓名を編み出して改名ないしは命名(赤ちゃん)を勧めるらしい。信じるかどうかはその人次第。
つまり、不動産投資で成功するためには、幸不幸とは何か、そしてそれを決する運命とは?という恐ろしく定性的なファクターについて考察する必要があるのですが、上記のとおりそういうことを専門にした学問がすでに存在しています。
すなわち西洋占星術であったり、紫微斗数であったり。
いかがわしい占い、ととらえるのではなく、幸不幸の解明・説明・定義、そして千差万別な人々の性格や資質を分析した恐るべきビッグデータとしてとらえるべきと理解(でもかえって占い師の人は嫌がるとらえ方かもしれません。ははは)。
そして、その解明・説明・分析手法は不動産の購入にも参考になると理解します。
でもこの話はまた別にします。とりあえずは料理人の「味割の術」についての記事を読んでいただき「お客さんのニーズを的確につかむ」不動産の投資のご参考にしていただければ、ということで今回終わりにします。
現物不動産やリートによるインカムゲインで飛行機用のハンガー(格納庫)
を購入。別荘としても使っています。
ではでは。。。
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