時々、「猫機長はどういう基準で損切りをしているの?」と聞かれます。
ぼくの答えは「損切りはしてません」です。質問した人は目が点になります。ははは
たとえばリートについて。
1999年から2019年まで20年間1度も売ったことはなく。(2019年になって 2度売りましたが、損切りではありません。こちらの記事をご参照→イワシの群れを追い散らす)
えええリートって、そんなに順調にふえていくの?損切りしなきゃなんて場面はないの?
いやいやいっぱいありますよー例えば不正増資の密告があり、取引停止を食らったあげく、3か月後の取引再開時にはほとんど株価半額に激減なんて銘柄(MFII)もあれば、違法建築の密告で営業自体が危殆に瀕した銘柄(SHPH)など。コロナ禍で営業中止を余儀なくされ、配当0が何か月も続くことになったショッピングセンター関連銘柄など、この20年間でいくらでもありました。
でも損切りなんてやってないもーん。
その結果、不労所得だけで生活・再投資できるようになりました。
なぜ損切りしないのに資産崩壊が防げたのか?
それは簡単です。損切りしなくてもよいような投資をすればよい、ただそれだけのことです。
というわけでやっと本題です。
損切りしないで済む投資、には3つのアプローチがあります。順次説明します。
第1のアプローチ:個別銘柄からの視点
「ここまでさがったら、売るぞ」ということが損切りの基本です。
でも「ここまで」というのは人それぞれで、ある人にとってはまだ大丈夫でも、別の人にとっては「わああたたき売りだー!」と、要するに市場の現実というより、投資する人の都合で決められてしまっています。
ここがポイント。「ここまで」が0になってもよい銘柄(言い方を変えれば、0付近まで落ち込んでも倒産せず生き残って行ける企業)を買えばよいのです。
さっきのMFIIをグラフで見てみます。
7月17日の取引停止から、10月19日取引解除の時の推移。
わああ半減だー!損切りだー!とせずに我慢します。
すると、半年程度で回復しさらに上昇したのでした。
というわけで、損切りした人は、最安値で損害確定しただけで終わったことになります。
ところで、その後コロナ暴落があり。
もう一度がくんと下落した2020年3月19日ころからの推移は以下の通り。
この時に損切りしていたら?
さいわいぼくの場合3月19日にR$84,69でしこたま買い込んだら、後で暴落時の最安値だったことが判明しました。この記事を書いている9月2日時点ではR$125.00まで上昇しています。(そしてHP掲載日の11月20日時点で、R$137,85と、コロナ暴落前より高くなりまいた。へえー!)
上記全体の推移は以下のグラフに。
このグラフで、2回の落ち込みを見ることができます。1回目が取引停止騒ぎ。2回目がコロナ暴落。
史上最大のブラックスワン(恐慌)と言われるコロナ禍でも、取引停止騒ぎの半分くらいしか落ち込んでいません。取引停止措置が、いかに壊滅的な打撃だったかがわかります。
しかし、ここで「損切りだああー!」とやってしまった人は、「損切りしたために資産崩壊を招いてしまいました」。
ぼくの場合は「へへんなにが取引停止だ!0になるならなってみろー!」とBUY&HOLDを貫いたので、被害にあわずにすみました。
なぜHOLDできる自信があったのか?
ここが超重要ですね、つまり「MFIIは優良銘柄であるがゆえに競争相手にボコられ、今回の密告→措置がイジメの決定打だな」ということがわかっていたからなのです。つまり「アンチMFII」に告発されましたが、あんのじょう重大な法律違反はなく、多少の規則上の不備を修正したのみでめでたく取引再開となりました。
ぼくはチキンなので損切りしないだけにとどめていたのですが、取引再開のパニック下落の折、大喜びで買いあさっていた猛者も多数いたのです。
この教訓から、コロナ暴落の時はぼくも買いあさる方に回ったのでした。はははは
つまり、最初から「ボコられたくらいで倒産するような銘柄は買うな」ということです。
では、倒産しない、を通り越してMFIIのように「ボコり返す」恐るべき銘柄を見つけるにはどうしたらよいのでしょうか。
その方策をこちらに書きましたので、熟読ください→「ボコられている銘柄を探せ!」
もちろん、MFIIにしても、明日倒産しないという保証はありません。なので、優良な銘柄複数で分散投資は必須ですよね。当然すぎますが念のため明記しておきます。
第2のアプロ―チ:インカムゲインとキャピタルゲイン
以前の記事で書いたように、投資のリターンは元本そのものの上昇によるキャピタルゲインと、元本はそのままで利子、配当によるインカムゲインがあります。
これは投資好きの人ならだれでも知っている基本情報ですが、悲しいかな圧倒的大多数の人がリスクばかりで安定しないキャピタルゲインしか見えなくなっています。
リートの例(MFII)でいえば、上記のとおり2018年10月19日にR$71,58だったものが、2020年の1月24日にはR$136,66に上昇しています。この株価そのものの変動差益がキャピタルゲインです。
ところが、この同じ期間に、MFIIは毎月配当を配っていました。月により変動はあるにせよざっくり1株(口)あたりR$1.00。つまり、この15か月間では,R$15.00の収入があったことになります。この期間のキャピタルゲインは1株R$136,66-R$71,58でR$65.08ですが、この金額は元本を売っちゃわないと手にれることができません。配当の方は寝ていても毎月入ってきます。
これが、1株でなく5000株だったら?毎月R$5,000.00(10万円くらい)が何もしなくても入ってくるのです。
つまり、みんな保有している株数があまりに少ないので、安定したインカムゲインのありがたみがわからず、キャピタルの変動で儲けようとして、あわれ暴落、となってしまうのです。
保有している株数がある程度に達すれば、配当で毎月の支出が賄えるようになるので、元本の変動は気にならなくなり。元本価格が何らかの理由で破壊されようと、企業ファンタメンタルズがしっかりしていれば、配当は安泰。損切りだああ!などと絶望的な安売りなんかしないで済むようになります。
第3のアプロ―チ:投資銘柄ポートフォリオの組み方。
これも簡素化して説明しますが、①ホテル、観光、航空会社など、人の移動で儲ける企業の株、と②Eコマースつまりインターネットなどで買い物から何からすべて「巣ごもり状態で解決できます」をうたったIT関連企業の株、があったとします。
近年の「11年来の米国好況」で観光などが躍進しており。①群の株は高騰していたのですが、コロナ禍で一気に失速。逆に地味で目立たなかった②群が一気にスターダムにのし上がったのでした。
というわけで、①は損切りすればいいのでしょうか?いえいえ、単に購入ストップすればいいだけの話です。
問題は「今はトレンドがこうだから①だけにしよう」「でも今度はああ変わったから②だけにしよう」というゼロサム思考で、これにとらわれることが危険なのです。
①の株で、配当が50円もらえ、②も同様50円だったとします。
①②バランスよく持っていれば、普通の経済状況で50+50=100円もらえます。
ここで、コロナ禍だ!①は0円になってしまいました。
でも②が100円になりました。差し引きで配当100円継続。
もちろん、そんなにうまくゆかず。ぼくの場合だと、いろいろな銘柄の配当変動差し引きで、コロナ前が100だったら、現在は75くらいまで落ちちゃってますが、①②の両極端ではなく、③④⑤⑥。。。。みたいな複数そろえているので、例えばショッピングセンター株の配当が0になっても、ロジスティクス関連のが増えたりして、未曽有のブラックスワンでも25%減で済んでいるのです。
というわけで、まずは、「全体でコンスタントな利益を叩きだすポートフォリオをつくること」これができれば、あとは損切りなんて考えずに、注意深く「今後の業績向上が見込める銘柄」を買い足していけばよいのです。暴落した銘柄でナンピンという手もあるが、荒業であり、慎重にやりましょう。
ううむ、今回の内容は、「今日から市場投資を始めるぞー」という人たちにはちょっとリスキーすぎたかな?一方、「いい所まで行って墜落、なんでいつも損切りで大損に終わってしまうんだー!」という人にとっては、そもそもの銘柄選びの基準や、投資の基本スタンス(インカムだよ!キャピタルにだまされちゃだめだよ!)など再確認の一つのきっかけにかるかな?と期待しています。
ではでは。。。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。