ランディングギア修理(新型コロナから小休止②)
ねこもしゃくしも新型肺炎、このブログも毎週コロナ情報ですが、今回は今一度小休止してリフレッシュ。コロナ前の自家用機メンテのお話です。
―O―
久々の飛行機いじり。修理というほどでもないのですが、タイヤのローテーションをした際、車軸と主脚柱を接続しているねじの穴が摩耗して車軸がぐらぐらしていたので修正しました。
まず、タイヤのローテーションってなに?
下の図のとおり、主脚のタイヤA,Bは地面に直角ではなく微妙なキャンバー角で地面に接地しています。このキャンバー角の分だけタイヤのすり減りが偏るので、まだすりへっていない側が接地するよう取り換えます。その後摩耗が進み全体的にトレッドが見えなくなっちゃった!というところまで行ったらタイヤそのものを新品に交換します。
ちなみに、今回の点検では、機長側のタイヤがより多くすり減っていたので、単にタイヤを「ひっくりかえす」のではなく、文字通り左右ローテーションしました。
というわけでスパッツを外し、ホイールごとタイヤを外します。
軽飛行機のタイヤいじりはホイールを分解してタイヤチューブを引き出したうえで上記のとおりA,Bの位置がえを行います。自動車と違い、着陸のショックを吸収する飛行機のタイヤはチューブレスでは具合が悪いらしい。というわけで、タイヤチューブがタイヤとの摩擦で破けちゃわないように、ベビーパウダー(写真でタイヤのに横ある白、青、黄色の筒)をまんべんなくチューブとタイヤの双方に振りかけておきます。これで赤ちゃんのお尻みたいなすべすべチューブになりました。うふ
左から、ホイール、タイヤ、タイヤチューブ、組み上げ後の断面。
(Jorge M.Homa 著「Aeronaves e Motores」より
さて、タイヤのほうは予定どうり交換終了。でも、ジャッキアップしたら、車軸と主脚ビームを結合する部分がぐらぐらしていることを発見。
写真左の赤丸が結合部分。右のねじが通っている穴が削れてぐらぐらしていました。
このままほっておいたら、ねじに負荷がかかりすぎて、着陸時にばきん、なんて車輪が飛んじゃう可能性があるので、直すことに。
こうなったらたいへん
早速車軸をビームから抜き出します。
写真左、赤丸がねじの通っていた穴。この穴が削れて大きくなってしまい、ねじが中で泳いでいたので、写真右矢印のようにアルミ片で作成したキャップ?をねじ込みます。
一方、ひび割れが懸念されたねじは全然OKでした。あーよかった、航空機用のねじなんてブラジリアで売ってませんからね。。。。。
もちろん車軸交換なんてなったら大手術で、お金がいくらあっても足りないぞ!というわけでアルミキャップ挿入がうまくゆきほっとしています。
ちなみに、タイヤのお値段は1本でふつーの乗用車のタイヤ1本とおなじくらい。問題はタイヤチューブで、タイヤの倍かかる上に、なぜか不良品が散見されて、業者に「ふざけんなゴルあ!返品じゃー!」というケースがぼく自身でも発生してしまいました。でも業者のほうでおとなしく交換してくれました。
というわけで、今回修理で殊勲のアルミキャップはどこから入手したのか?実は航空アルミではなく、上の写真のペンキ缶のふたや、ビール缶などでいろいろ試して、これがいいね、とどちらかは忘れちゃいましたがぴったりフィットしました→なあんて!読者のみなさんここに書いてあることのすべてが本当とは思わないでくださいね?もちろんフェイクニュースはありませんが。
自家用機「こよーてくん」。こんな飛行機です。
そして、意外に人気の飛行中の写真。こんな感じで飛んでいます
ではでは。。。。
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